石森則和のSEA SIDE RADIO

ラジオマンの
石森則和がお届けするブログです!

スターダストレビュー、6時間ライブを終えて。

2007-05-20 | Weblog
それは宝石のような時間だった。

ボーカル&ギターの要さんが、
アンコール終わりには
いつもはずして、おどけてみせるサングラスを
きょうは最後までかけていた。
そのわけは・・・・。

「スターダスト・レビュー
25年に一度の大感謝祭 6時間ライブ おやつ付き」が
幕を開けたのは、午後1時。
しかし、11時半の会場前から、
さいたまスーパーアリーナには長蛇の列ができていた。

メンバーがみな、埼玉出身のスタレビは
25周年の記念イベントに故郷を選んだのだ。

デビュー曲ながら今も人気の「シュガーはお年頃」で始まったステージ。
6時間というとえらい長丁場のような感じがするが
お客さんにとってはあっという間だった。

途中歌詞を間違えるハプニングが3~4回あってやり直したけど
やり直した分だけ「増量」した感じ?
歌詞を間違えずに歌えたら100万円、というコーナー(?)で
間違えずに歌いきったとき
観客から大きな拍手が沸き起こったが、
・・・よく考えたら自分の歌じゃ。

その時、お客さんだけに見えるように歌詞のテロップが流れたのだが
改めて文字にして見ると、素敵な歌詞だなあと再確認した。
・・・そのあとまた間違えてたけど。

途中、著名人からのメッセージビデオが度々上映され
そのリクエストに答えながらの演奏も。

スタレビがいかに多くのジャンルの人々と交流があり
慕われているかを裏付けるものだった。
そうした人々の気持ちは、僕もよくわかる。
だってスタレビの皆さんは、若手で(?)無名な僕にでも
楽しく大切に接してくださるからね。


途中、ゲストが登場。
1人目のゲストは笑福亭 笑瓶さん。
以前のライブにもゲスト出演されたが
カラオケ仲間だそうだ。

で、2人目のゲストの時間。
・・・誰だろう。
みんなの予想は「お笑い系?」

「ゲストは、小田和正さん!」
まじで?という空気に変わり
小田さんがにこやかに現れると大歓声。

「木蘭の涙」を2人でしっとりと歌い上げたあとは
スタレビがバックをつとめ「オダレビ」として
「ラブストーリーは突然に」
「YES NO」を演奏。

小田さんはステージを走り回るほどノリノリだった。

何年か前に小田さんのステージも見たが、
いっちゃなんだけど、自分のステージ以上に楽しそう。
「YES NO」も自身のステージでは
アレンジをシャッフル風に変えて歌っていたりするから
オフコースに近いきょうのアレンジは
その世代のファンには胸が熱くなっただろう。

そのあとはスタレビの名曲「今夜だけきっと」も共演。
好きなアーティスト同士が
一緒に楽しそうに演奏していて、その場所に自分もいる。
皆、その幸せをかみ締めていたに違いない。


「オダレビ」は以前にも共演していたが
今夜は少し違った。

小田さんとのリハ予定日は
ちゃんと用意されていたのに
その数日前のリハに、小田さん
姿を見せたのだそうだ。

そしてせっかくだから新曲をやろう
・・・と歌詞を持参だったそうな。

それはとてもシンプルだけど
「音楽」や「ファン」への
「感謝の気持ち」がつづられた言葉だった。

この曲を一緒に歌い終えた直後、
要さんは後ろを向き、サングラスを持ち上げて目をぬぐった。

正面の大型モニターは
要さんを気遣うように、その背中をいったん隠した。

25年間の想いと自分たちを支えてくれた人々への想いが
小田さんと作り上げた歌を歌ったことで胸にせまったのだろう。

いつも僕らを笑わせ、元気づけてくれる要さんの涙に
会場の拍手は暖かかった。

僕も涙がこぼれたが、この時は暗闇なので、そっと隠せた。
しかし。

アンコールで盛り上がったとき。
ステージにキーボードが運び込まれた。

「小田さんまた出るのかな?」と皆が思ったところで
呼び込まれたのは

なんと初代キーボーディストの三谷泰弘さん!

続いて2代目キーボーディストで
僕の「友人」ってことでお世話になってる
光田健一さんも呼び込まれた。

現在のキーボーディストの添田啓二さんとあわせて
3人のキーボーディストが顔をそろえた。

これにホーンセクションと
アコギやコーラスの岡崎昌幸さんを合わせ
スターダストレビューにこれまでに在籍&サポートした
ほぼ全員のスーパースタレビが登場したことになる。

これには昔からのファンは驚いた!

ボーカルの要さんは
コンサートパンフやMCの中で
2人のキーボーディストが去った寂しさを語っていたが
一方で、前回の「25周年ツアーHOT MENU」の時には
2人が不在ながら
「2人も大切なスタレビのメンバーです拍手を」とMCで語っていた。

僕はその時、演奏終了後にバックステージに現れた光田さんと
現メンバーが、かたく握手を交わしている姿を見ている。

三谷さんの曲のあと
光田さんがリードボーカルをとり
スタレビの演奏で要さんと一緒に歌ったが、
これはスタレビ時代にはなかったことだ。

僕は光田さんがソロになってからのコンサートにも
何度もおじゃましているが
スタレビからの
一人のアーティストとしての光田さんへのリスペクトと
エールのようにも思えた。

光田さんのボーカルは要さんとは、また別の彩りで
今夜も、その超絶的なピアノは
心を直接、弾かれているようだった。

全員での演奏を終え
それまで踊りながら全力で歌っていた三谷さんの感情がくずれ
しきりに涙をぬぐい、みんなに肩をだかれた。
アマチュア時代から一緒だったメンバーにしかわからない
いろんな想いがあっただろう。

要さんもアンコールを終え、声を詰まらせた。
あの、話好きの要さんが
もう言うことはない、と感無量の様子だった。

昔から応援し、そうした経緯をしっていた僕も
涙がとまらなかった、
隠そうと思ったが、まわりも泣いてたから
いいやってことにした。


そして要さんは
サングラスをはずすことなく
ステージから手を振ったのである。

さて。
ライブが終わったあと、要さんに
「いろんなバンド見てきたけど
脱退したメンバーを温かく迎えて
ライブをするバンド見たことない」というと、

「そうか?そうかもなあ(笑)
うちはいつでも迎えるんだ、大事な仲間だから」とちょっと照れ笑い。
「バンドがこうして集まれるのは要さんだからかも」
・・・というとまた笑っていらしゃった。

要さんは
「ラジオもテレビもいいけれど
こうして皆が足を運んでくれるライブが一番伝わると思うんだ」という。

そして
「25年こうしてやってこれて
メンバーにも感謝し、スタッフにも感謝し、
ファンにもありがとうを言いたいけれど
それを結びつけてくれていたのはやっぱり音楽なんだ。

音楽に関わる仕事をしているみんなには
もっともっと音楽の素晴らしさ、楽しさを伝えてほしい」と言う。

前回のツアーの時にも
「若手がもっと音楽を続けられる環境を作ってほしい」と話されていたが
スターダストレビューは自らの25年にわたる経験を背景に
日本の音楽界全体のことまで強い想いを持っている。

要さんはステージ後も
「やあ、恥ずかしいとこ見せちゃって」とおっしゃってたが
ちっとも恥ずかしくない!

だって、

自分のやってきた仕事や
仕事で関わってきた人、
自分のためにアドバイスしてくれた先輩、
そして
お客さんがたに対して、

「感謝と幸せ」を感じて涙を流すことができる人が
どれくらいいると思う?

僕はちょっと
わかる気がするんだ。





※7月25日にはニューシングル「愛の歌」が発売になる。
これはシンプルだけれど力強いゴスペル調の歌だが
きょうの観客1万5000人がバックコーラスをつとめる。(僕も歌いました)
「公式HP」http://www.s-d-r.jp/

※ 光田健一さんのニューシングル「カゼカオル」も発売中。
今聴いているんだけど、すんばらすぃーです!
まだ光田作品を聴いたことないかたは一度聴いてみて。
6月2日には東京キネマ倶楽部でライブがあります。
こちらも詳しくはHPで。http://www.kenichi-m.com/

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29 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
読ませて頂きました。 (小田巻)
2007-05-20 13:19:30
初めまして、小田巻と申します。

『25th Anniversary Event』Guest小田さんが・・・に、検索でお邪魔させて頂きました。
プロの方が書かれた文章だけに、場の雰囲気が行間から見えてくるようです。
とても、素敵なreportを読ませていただき、ありがとうございました。

そして・・・記事へLinkを貼らせて頂きましたが、ご迷惑な事でしたら削除させて頂きます。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
Unknown (くろ)
2007-05-20 19:24:13
スタレビねたにしか食いつかない?くろです(^^;;
お腹いっぱい、もう本当に感動のライブでしたね。
あんなに、あからさまに要さんの涙を見たのは初めてでした。
まだまだやりたいことがいっぱいあると言っていた要さん。
次はどんなことで、私たちを楽しませてくれるのでしょう。
ますます、期待しちゃいますね(^-^)

かきこみありがとです。 (いしもり)
2007-05-20 20:21:15
小田巻さん、ありがとうございます。
(リンクもどうぞどうぞ)

「本物と本物が出会う」と
理屈抜きに心が動かされますね。
小田さんのファンでいらっしゃるとのことですが
ブログにも書いたとおり
小田さん自身もとても楽しそうでした。
これを機会にスタレビも是非聴いてくらはい・・・。
またセッションして欲しいですね。

くろさん、
僕はミュージシャンもDJも
「変わってはいけないもの」と
「変わり続けるべきもの」の両方を
持ち合わせるべきだと思っています。

・・・その点、
スタレビはそのバランスが最高だと思います。

メンバーのかたがたは
僕ら若手にも
きさくに接してくださいますが
やはり偉大な先輩です。(ジャンルは違うけど)

そんな先輩方が、
常に「新しいチャレンジ」を見せてくださると
自分もキャリアを重ねるのが楽しみになります。

またどうぞお読みくださいな。





ありがとうございます (ちえぞう)
2007-05-20 21:47:46
昨日の感動が夢のようで,
ネット上のいろんな記事を検索していて,こちらにたどりつきました。
読ませていただきながら,ライブの一つひとつのことが鮮明に蘇ってきて,
あぁ本当にあの場所にいたんだ・・・という実感が湧いてきています。
おだレビの歌の時,
ファンをとても大事に思ってくれるスタレビと,
スタレビを心より愛しているファンの気持ちを,
小田さんはよく分かってくださってるんだなあと感じました。
最高の曲と笑顔と涙と・・・本当に「宝石のような時間」だったと思います。
ここにたどりついて,よかったです。
ありがとうございました。
こちらこそ。 (いしもり)
2007-05-20 22:20:40
ちえぞうさん、
書き込みありがとうございます。

互いに認め合っているからこそ
あんなに素晴らしいセッションになるのでしょう。

小田さんも
自分の曲ではなくても
スタレビの歌を深く理解し、
100%の力で歌っていたように見えました。

ひとつひとつの歌を大切に思っている
小田さんの気持ちが
嬉しかったですね。

小田さん、ひょっとしたら
もっとあの場で歌っていたかったんじゃないかな。

自分が認めたバンドで歌う喜びを
かみしめていたようにも見えました。

僕が群馬のFM局の曲アナだったころ
よく要さんや柿沼さんを招いて
公開特番を企画し、一緒に喋りました。
(当時来てくれた人いるかな?)

結構、長丁場なのに
楽しみながら出演していただき
感激したものです。

そのあと、一緒に飲みながら
要さんに
「石森がいるから、毎回出演するんだぜ」と言われ
不覚にも涙したことがあります。
酒の席とは言え、DJ冥利につきる言葉でした。

小田さんが昨夜、
「スタレビだからふたつ返事で出演をOKした」
っておっしゃっていたのを聞いて

その小田さんの言葉が、
あの晩、
要さんが僕にくださった言葉と
重なりました。


そういえばあの晩、
要さんは涙した僕を

「ほうら、
石森はすぐ泣くから二流なんだ。けけけけ」
と、からかいましたが



要さん、
あの晩の僕の気持ち
わかったでしょ?
ありがとうございます (りーっっ)
2007-05-20 23:42:08
昨日のライブは静岡から参加しました。とてもいいライブでしたね。ライブで泣いた事は今までになかったのですが、昨日は後半泣きっぱなしでした。すごくあの場所に参加できてよかった~と思った1日でした。またこのブログを読んでて泣いちゃいました。新曲、どんな風になるのか楽しみですね。ジャケ写を撮るなんて思ってもいなかったのでうれしくなりました。ちなみにアリーナ7列目のほぼ真ん中で見ていたので写っているといいな(#^.^#)
おお!静岡ですか! (いしもり)
2007-05-21 00:09:28
静岡からは遠かったですね、
お疲れ様です!(僕は浜松出身です)
スタレビのおひざもと、
「さいたま」はいかがでしたか?

もっとも、要さんの故郷は行田。

静岡のかたには位置関係がわかりにくいでしょうが
さいたま新都心よりも、もっと北のほうになります。

僕がFM群馬にいたころ
東京まで国道17号を使い、
頻繁に車で通っていました。

この国道17号こそ歌にある
「ルート17は幾千マイルも続くよ・・」の
「ルート17」です。

僕にとっても17号は
東京進出への夢をつないでくれた道でしたが
その途中、車窓に広がっていたのは
緑が多くて、
空気のやわらかい美しい町「行田」でした。

あの大らかな雰囲気は、そのまま
スタレビの持つ
あの温かい雰囲気に通じる気がします。

新曲、楽しみですね。
ライブでも演奏されましたが
シンプルだけど
きちんと言葉が心に届く歌。

殺伐としたこの時代にこそ
この歌が響きわたるといいな。

激しい言葉を詰め込んだメッセージソングよりも
もしかしたら、ストレートに心に届くかもね。
とても素敵なレポートありがとうございます。 (おさき)
2007-05-21 12:57:02
九州に帰ってきて、週明け仕事がはじまり、現実が始まった今も、まだ、あの夢のようなLIVEの余韻から抜けられません。

石森さん。はじめまして。
とても素敵なレポートで、読みながらあの感動を思い出し、また涙がこぼれました。

本当に一生の『宝物』になったLIVEでした。

佐賀から行った甲斐がありましたよ。あの瞬間、あの場所に居られて本当によかったと思います。

LIVEは生モノ。やっぱDVDではなく、CDではなく、あの場所で、ファンやスタッフ、スタレビを大好きなみんなとスタレビの25周年を一緒にお祝いできて、本当によかった。

人の気持ちって温かいですね。
スタレビのメンバーの気持ち。
スタッフの気持ち。
そして小田さんの気持ち。
三谷さん、光田健ちゃんの気持ち。
そして、ファンのみんなの気持ち。

たくさんの『気持ち』が痛いほど伝わってきて、感動の涙がたくさん流れました。

少々、日々ののギスギスした人間関係の中で、人に対して疑心暗鬼気味な私。『信じる』ということがなかなか出来なくなっている私にとっては、とても温かい風が心に吹きました。

追伸
スタッフの方々が御苦労なさっていた『さいたま物産展』も楽しめました。
『ゼリーフライ』は大行列で買えなかったけど、いろんなお土産をLIVE会場で調達できて、羽田空港でお土産を買わずにすみました。






ありがとうございます。 (小田巻)
2007-05-21 14:40:07
石森さん、快いご承諾ありがとうございます。

そして、みなさんの素敵な素敵な思いでの余韻に浸られているご様子、想像でしか感じられない淋しさも味わっていますが・・・
石森さんのお陰で、嬉しさのお裾分けを頂いたような気持ちにさせて頂きました。

小田さんの交通事故後、スタレビと一緒にさせて頂いたライブが“オダレビ”の始まりだったと。。。
ステージの要さんと小田さんのツーショット、心に焼き付いています。
要さんの眼差しがとても優しく、小田さんを気遣う感じが素敵に見えました。
場に参加出来なかったですが、映像を見る限りそんなふうに感じました。

それ以来、スタレビが気になる存在に。。。笑
今度、ライブ会場に参加させて頂きたいなぁ~って・・・
そんなふうに感じさせて頂きました。

Unknown (らんまる)
2007-05-21 17:14:43
石森さん、はじめまして!
スタレビファンの方のブログからこちらの記事にたどりつきました。

とても素敵なレポ・・・
私もブログを自分で書いていますが、
石森さんのように素敵な文章は書けません(苦笑)

まるで私の気持ちを、いえあの日あのライブに
参加したファン全員の気持ちを
代弁してくださったかのような素敵な文章を
読ませていただいてとても感動しました。
ありがとうございました。

本当に要さんは、スタレビは素敵ですよね~。
これからもずっとスタレビファンでいられることの
幸せをかみしめていこうと思いました!