戦後プロパガンダ放送の史実に迫るシリーズ
特別番組
『民放ラジオの黎明
~Count Basie(カウント・ベイシー) が聞こえる』
日本各地への空襲が激化しているさなか、日本に向けてジャズや交響曲を紹介し、ダンスに誘うラジオ番組がアメリカより届いていました。
これは、戦意を喪失させるためというより、終戦後まで見越して、反米感情を抑えることが主な目的でした。
さらに戦後、そして民間放送が生まれた頃、多くの日本人が知らないうちに、アメリカ政府による「ラジオ番組等を通じた対日心理作戦」が展開されていきます。一種の反共政策でもありました。
番組ソフトが不足していた黎明期の民間放送には、大量の『番組』が、アメリカ側の制作であることを伏せたまま無償提供されていきます。
そもそも民間放送の誕生そのものに、アメリカ側の思惑が深く関係しているのですが。
しかしそれに関わった人々は重く口を閉ざし、実態はなかなか明らかになってきませんでした。
それでも取材に応じてくれた当時の日本人ディレクターは、意外な日本人女性でした。貴重な証言を得ることができました。
また、ジャズを純粋に愛していた人々も、こうした番組に携わっていきます。
そのなかで、謎を解くキーワードとなる番組が浮かびあがってきます。
長期間の取材で、多くのジャズ界の関係者(僕にとってはレジェンドのみなさん)音楽研究者、国際関係のジャーナリスト、アメリカ政府関係者、ほかの放送局のみなさんと出会い、お世話になりました。
取材者のひとりとして、心より感謝申し上げます。
8月3日木曜日夜8時文化放送です。
<出演>
堂本曉子氏(元千葉県知事/かつて米大使館でラジオ番組を制作)
磯野史雄氏(JAZZ CLUBパーソナリティであった、いソノてルヲさんのご長男)
北村英治氏(ジャズ・クラリネットプレイヤー)
井川充雄氏(立教大社会学教授/戦後メディア史を研究)
春名幹男氏(元共同通信社ワシントン支局長、国際ジャーナリスト) 他