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静かな王者

2007-10-21 | Weblog
(※写真提供:宮田ボクシングジム)

WBC世界フライ級王者、内藤大助選手は
前王者のポンサクレック選手に
3度目のチャレンジで勝ち、チャンピオンになったのだが

その後の防衛戦については
前王者のポンサクレック側が2試合分の興行権を持っていた。

ところが、先日
亀田大毅選手と戦ったのは

亀田陣営の所属する協栄ジムが、
この1試合分の興行権を買い取ったからなのだ。

次回の防衛戦こそは
ポンサクレックと戦う見通しで
たぶん来年の1月か2月。
強敵相手に王座を守れるか注目される。

3度目の戦いで手に入れた王座だが、

不思議なもので
チャンピオンになったボクサーは、
挑戦者の時には無かった
チャンピオンたる力と精神を
手に入れているものなのだ。



・・・さて、
「いじめられっこ」だったというエピソードが
有名な内藤選手だが、

実はプロボクサーになってからも
かなりの「バッシング」を受けたことがある。

2002年4月に
最初にポンサクレック選手に挑戦したとき
「日本選手の世界戦史上最短」となる
「1回34秒KO負け」を喫したのだ。


この時、ネットの掲示板には「日本の恥」と書かれ、
多くの非難を浴びる。(ひどいなあ)

心優しいボクサーは精神的に追い詰められ
睡眠薬を手放せない夜を重ねたという。

しかし、彼は復帰戦をKOで飾るのだ。

わずか2年で日本チャンピオンになる。
さらに2年後には東洋太平洋王座の2冠を達成するのだ。
これは本人の努力はもちろん、
奥様や宮田会長をはじめとするジムの皆さんの応援も大きい。


本当に強い人は
失敗から再び立ち上がれる人だと思う。

スポーツ選手は
その大切さを僕らに教えてくれる。



チャンピオンになった現在、
あのときバッシングした人たちに対し
彼は何も語らない。

また、今回の一件で
賛美の声が急に高まったとしても
彼は「僕はそんな人間じゃない」と笑う。


故郷に凱旋したあと
再び練習に戻るというが

世間の気まぐれな声に惑わされず
きっとまた
いい試合を見せてくれると思う。


どんなに荒れた海でも

自分の風を見失わないことが
大切なんだな。

亀田問題に関するブログはこちら。