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アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ソシンロウバイ(素心蝋梅)

2025-01-11 07:00:00 | みんなの花図鑑

ソシンロウバイ(素心蝋梅)の花が咲きだしました。
が、今年はちょっと変です!





こんな風に、まだ緑の葉がいっぱい枝に付いたままなのです!







こういう画像を見ると、蝋梅の名は、花びらが半透明でつやがあり、蜜蝋のような質感があることから、という説がいちばんしっくりきます。


以下、毎度おなじみの ロウバイの雄しべと雌しべの話です。
ロウバイの雄しべ、めしべは活動期がちがって、はじめは めしべが活動します。

上の画像で中心にある糸くずのような器官が雌しべです。
めしべ活動期には 雄しべは横たわっています。
この状態を「おしべが開いている」と勘違いされてる方がおられますが、開いているのではなく待機しているのです。それが証拠に、おしべの葯(花粉の入った器官)は花粉放出面(モアイ像に例えるとモアイの顔の面)は花弁のほうを向いて突っ伏しているのであります(´v_v`)

おしべの状態模式図1



めしべ活動期が終わるころ、雄しべが起き上がり、受粉の終わった雌しべをガードするように取り巻きます。その後、葯(モアイ像の顔に当たる部分)をから花粉を放出しはじめます。

おしべの状態模式図2




おしべも最後は雌しべを絞り込むようにして萎れていきます。




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オタフクナンテン - 斜陽を浴びて?

2025-01-10 07:00:00 | みんなの花図鑑
オタフクナンテン

「オタフクナンテンが斜陽を浴びて光っている」・・・
というような言い方をするとたいていの人は違和感を持たれると思います。



戦後、太宰治の小説により「斜陽」の意味は変形しました。
以来、斜陽は「衰退・没落」のニュアンスで用いられるようになりました。



でも元々「斜陽」とは 「西に傾いた太陽。夕日の斜めにさす光」(Oxford Languages)のことだったのです。



ところで、オタフクナンテンの葉に似た葉にドウダンツツジがあります。
葉だけ見ると時としてどちらか分からないことがあります。
上の画像をGoogle Lensで検索しても ドウダンツツジを候補に挙げてくる割合が多いくらいです。(2025年1月現在 "(-""-)")



でも、葉の形をよ~く見るとちがうのです。



オタフクナンテンのほうはナンテンの葉に比べて丸みを帯びています。だから「おたふく」(=頬が丸く張り出した女性)なのですが、ということは一番膨らんでいる部分はほっぺなので顔の下半分ということになります。
これが識別ポイントです。




ドウダンツツジ

一枚の葉の幅のいちばん広い部分はどこですか?



明らかに 葉の中央より葉先のほうが幅広ですよね?!



これならセンリョウとマンリョウのちがいと同じように、簡単に見分けられますよね !(^^)!




おまけで・・・
斜陽を浴びて光るイロハモミジ













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オステオメレスのローズヒップ?

2025-01-09 07:00:00 | みんなの花図鑑

名前をオステオメレス・シュウェリナエといい、バラ科の植物です。

和名は タチテンノウメ(立ち天の梅)/シラゲテンノウメ(白毛天の梅)



バラの果実を「ローズヒップ」と呼びますが、このオステオメレス・シュウェリナエの果実もローズヒップと呼んでいいのでしょうか?



このローズヒップはとっても小さいです。

〔参考〕
いわゆるローズヒップ





ところがローズヒップであるにもかかわらず、最終的な果実の色は以下のように 黒っぽいものとなります。



イヌツゲみたいな、クスノキみたいな実だったのです。

〔参 考〕
イヌツゲ


クスノキ






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セイヨウサンシュユ - コーネリアンチェリー

2025-01-08 07:52:00 | みんなの花図鑑

今年もサンシュユの赤い実が熟しています。



全体はこんな感じですけれど、樹名板があって「セイヨウサンシュユ ’オーレア’」とあります。

品種名 ’オーレア(Aurea)’ は「黄金の」という意味のようです。

2022年3月
日本に分布するサンシュユにも「春黄金花」という別名があります。
セイヨウサンシュユの別名は「コーネリアンチェリー」で、コーネリアンチェリーの語源は、ラテン語の「corne(角)」です。これは、コーネリアンチェリーの材質が硬いことに由来しています。(Google AIによる概要より)




日本に分布するサンシュユとこのセイヨウサンシュユとどこがどうちがうのでしょう?
果実を見る限り、よく似ていて、先日のガマズミとハクサンボクほどの違いはありません。




以前にも調べたことがありますが、大きな違いは 分布域のちがいのようです。
「セイヨウサンシュユはヨーロッパ中部から西アジア、サンシュユは朝鮮半島や中国」(Google AIによる概要)



その他、Google AIによる概要には「セイヨウサンシュユの葉は対生し」とありますが、サンシュユだって対生なので識別点になりません。



Google AIによる概要には「実:サンシュユの実が楕円形で、セイヨウサンシュユの実の形は洋梨形です。」とありますが、私にはセイヨウサンシュユの実もサンシュユと同じ楕円形にしか見えません (ToT)
(セイヨウサンシュユでも ’スロビアニン’ という品種が洋ナシ型の果実のようです)






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ガマズミの仲間 - 落葉樹と常緑樹

2025-01-07 07:00:00 | みんなの花図鑑
暮れから赤い実を特集しています。今年は1か月ほど遅れていますので例年なら年越しできない実がまだ残っています(安城デンパークにて)

ガマズミ

ガマズミ属の学名は Viburnum で、春に白い小さな花を多数つけます。
よく「ビバーナム何とか」とか「ビブルヌム何とか」と名札してある木がありますが、みな ガマズミの仲間です。
秋には それがそのまま赤い実になります。ガマズミ属でもガマズミは落葉樹なので果実が目立ちます。



「ガマズミの実は食べることができます。ガマズミの実には、ビタミンCやポリフェノール、クエン酸などの栄養素が含まれており、果実酒やジャム、漬物などに利用されています。」(Google AIによる概要)



「花序は散形花序状の集散花序」(三河の植物観察「ガマズミ」)









ハクサンボク

ガマズミ属の常緑小高木。



「ハクサンボクの実(果実)は食べることができますが、酸っぱいため好みが分かれるでしょう。リキュールなどに漬けて飲むと、苦みと酸味によって大人の味に仕上がります。」(Google AIによる概要)



葉は常緑ですが、冬には果実近くの葉がこんな色になります。





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コトネアスター - アフロ・ユーラシア大陸

2025-01-06 07:00:00 | みんなの花図鑑

場所を変えれば、またぞろ出てくる 赤い実の木たち。 今日は 愛知県緑化センターでよく見る コトネアスター。




本館2階のベランダにも 群れて植わってますが、これは 日本庭園 休憩所の コトネアスター。




コトネアスターは バラ科。 別名、ベニシタン。
コトネアスターの仲間は、旧世界(アフロ・ユーラシア大陸)の北半球に約400種が分布する、落葉、または常緑の木本植物です。中国原産のベニシタンは、赤色の果実と枝が横に広がる樹形で、最も広く栽培されています (みんなの趣味の園芸 > コトネアスター > 基本情報)

Keepscases - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, リンクによる

でも400種といってるのは ↑ だけで 通常は「50種近くの品種があるが、多くはインド北部、チベットを原産地とする」(Weblio国語辞典)との記載が多いようです。




枝が細く 横に伸びるので(ベニシタン種の 学名は Cotoneaster horizontalis です)、 ツル性植物のように見えることもあります。
果実は 同じバラ科の ピラカンサ とよく似ています。果実の先端に萼が残ります。





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アオキ - japonica

2025-01-05 07:00:00 | みんなの花図鑑

アオキ(青木)の名は 葉も幹も枝も、一年中緑色をしていることから。




学名が面白いです。
Aucuba japonica または Aucuba japonica var. japonica
といい、属名の アウクバ Aucuba は和名のアオキバ(青木葉)がそのまま使われています。
種小名の ヤポニカ(japonica)はもちろん「日本の…」という意味で、アオキが日本原産であることに因んでいます。(japonicaが付くといつも日本原産とは限りませんが)




赤い果皮の中には 大きな半透明の種子が一個、 果肉はほとんどないらしいです。




雌雄異株で花期は3~4月。


アオキ(雄花・雌花)‐ 於大公園(東浦町)






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クロガネモチ - 雌雄異株の不思議

2025-01-04 12:00:00 | みんなの花図鑑
岡崎市にて



安城市にて

道路の舗装工事をしていて いつもの散歩コースを迂回させられたら、思わぬめっけもの発見。
この赤い実をびっしり付けた木、なんの木だと思いますか?!
イイギリだと 下向きにぶら下がっているし・・・



ちょうどお屋敷の方が庭掃除してらしたので名前をお聞きしたところ、「さぁ~」というお返事。
「名前は知らないけれど、あちらにある木と同じです」と西の離れの方向を指さされるのです。




こちらは同じように高木ですが、葉が付いています。
コンデジのズームで覗いてみると、間違いありません、クロガネモチです。



クロガネモチの特徴のひとつは若枝や葉柄が鉄のような黒紫色のこと(これが名前のクロガネの由来)。
モチノキの実と比べると、クロガネモチのほうがやや小さきけど 房状にびっしりなります。果柄が長いのも特徴ですね。




刈谷市にて

正月は義父母のお墓参りに行きました。義父母のお墓は、知多半島の名鉄電車南加木屋駅の北に去年新設された「加木屋中ノ池駅」の横にあります(駅が後から出来たので、駅前墓園?になりました)。
岡崎から知多半島の義父母のお墓まで刈谷市を通っていきますが、この道はまた私が会社にマイカー通勤で使っていた道です。



でも、こんな真っ赤な実を鈴なりにつけた木があるのは知りませんでした。



余りにも真っ赤な実だけが鈴なりなので、ひょっとしたらクロガネモチではなく、以前このきなんのき掲示板で紹介されていたタマミズキ(モチノキ科モチノキ属)という木なのかも?と疑ったのですが・・・



標識があり「樹木名 クロガネモチ」とされていました。
刈谷市の指定樹木になったのが 「昭和58年」とあります。(1983年)




ところでいつも不思議に思っていることがあります。
クロガネモチは雌雄異株で、この木は真っ赤な実がなっているから雌株です。でも、果実ができるためには雄株の花粉がないと結実しないはずです。近くに雄株があるのだけど目立たないで見過ごしているのでしょうか?
それとも、受精しないで実を結んじゃったというのでしょうか??


以下に、2つの回答例を示します。どちらが正解なのか、私には分かりません。

回答(1)種子と母樹と周囲の同じ樹種の木のDNAを調べることによって、花粉親と母樹との距離、つまり花粉がどのくらい遠くの木から運ばれてきたかがわかる。モチノキ属ではこのような調査はまだされていないが、クロガネモチでも、随分離れている雄株から花粉が運ばれていると考えられる。
(「植物Q&A :タラヨウやクロガネモチは雄株がなくても、雌株は結実できますか?」)




回答(2)クロガネモチと同じ属の植物ヤバネヒイラギモチでは、受粉しなくても結実するという報告があり、やはり同属のアメリカヒイラギモチでは、人工授粉をしてもしなくても結実率に大きな変化が見られなかったという観察事実から、結実率を左右するのは花粉の量よりは、果実に回すことのできる資源量の方だと推測されている。ということで、クロガネモチを含むモチノキ属では、結実そのものに花粉が必ずしも必要ないことになりそうである。
(「植物Q&A :市街化地域において植栽されたクロガネモチの受粉について」)




 回答(1) (2) をまとめた記事もあります 「クロガネモチの雌の木の不思議」が、公園や庭木として植えられているクロガネモチのほとんどが雌株で、そのどれもが必ずしも近くに雄株があるとは思えないことを考慮すると、何だか自然の摂理に反するような 回答(2) も自然の一部なのかもしれないと思えてきます (´・ω・)







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マンリョウ - お正月の縁起物

2025-01-03 17:00:00 | みんなの花図鑑

赤い実シリーズ、きょうは お正月の縁起物、マンリョウ(万両)。




マンリョウとセンリョウはこの時期よく園芸センターに並びます。
どちらがマンリョウだったかな?
分からなくなったときは、
「千両と万両、どちらが重い?」
と自問します。そうすると千両のほうが軽いので 実が葉の上についていれば センリョウ、
写真のように 葉の下についていれば それは重いマンリョウ なんです!




マンリョウを ナンテンと混同される方がいますが、実をみても 葉を見ても 違いがあります。




そして、今回分かったこと。 マンリョウの実は 夕方 キラキラ輝きます (^_-)-☆




あと、ナンテンの実は硬くて 実の先の柱頭の名残りの突起が堅そうですが、 マンリョウの果実の先端の柱頭の名残りは ひも状なんですね。
大発見です \(^o^)/





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こいつぁ春から縁起がいいわぇ

2025-01-02 07:00:00 | みんなの花図鑑

メジロがツルウメモドキの実を食べに来ているところです。
その前に ツルウメモドキの実の方を・・・。




去年の大みそかに、いつも撮っているツルウメモドキの林へもうそろそろ実が弾けている頃だろうと行ってきました。



案の定、というか 例年と比べ1か月遅れですが、殻が弾けて真っ赤な実が顔を出していました。



ニシキギ科の果実は蒴果(さくか)で、秋に熟すと果皮が割れ中から赤い仮種皮に包まれた種子が顔を出します。
ニシキギ科の種類によって種子の割れ方が違います。
ニシキギとコマユミは 2裂、
このツルウメモドキは 3裂、
マユミとマサキ は 4裂、
ツリバナとアメリカマユミ は 5裂。



ツルウメモドキには「「開運」や「強運」といった縁起の良い花言葉があるため、受験を控えている方やお祝いの席への贈り物に最適です。」(ツルウメモドキの花言葉|名前の由来 - HanaPrime)



この実を鳥たちが好んで食べるのです。
ツルウメモドキの真っ赤な仮種皮の中はほとんど果肉でとてもジューシーなのです。



というわけで・・・
ここからはツルウメモドキの実を食べに来たメジロの画像です。

3~4羽で来て実を啄んでいるのですが、写真のメジロだけはツルウメモドキの実を食べようとしません。



この子は見張り役なのかもしれませんね (´∀`)



メジロは縁起の良い鳥とされており、その訳はメジロが巣をつくった土地は子育てに適した良い土地であることを意味するからなのだそうです。



一枚目の画像をそば同好会のグループトークにアップしたら、最長老の同志から
「私も子供の頃メジロ数ひき飼っていました 大好きな鳥です。」
とレスがありました(^^)/



ツルウメモドキの実は 私もちょっとだけ食べてみたことがあります。確かにジューシーではあるものの特に甘いとか酸っぱいという訳でもなくちょっと物足りない味でした。



キリが無いのでこの辺で (^^♪




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