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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

キキョウソウ三姉妹 - 帰化植物 8

2020-05-27 11:00:44 | みんなの花図鑑
キキョウソウ三姉妹というのは、
   キキョウソウ
 ヒナギキョウソウ
 ヒナギキョウ

のことです。このうち 前の2つが 帰化植物です。3番目の ヒナギキョウは在来種ですが、比較のために 取り上げます。


キキョウソウ

キキョウソウは 別名「ダンダンキキョウ」のように、1本の茎に幾つもの花が段々になって咲きます。 これが 2番目の ヒナギキョウソウとの大きな違いです。



1940年代に東京で最初に確認され、現在では東北以南に広く帰化し、道端でよく見かけられる。(三河植物観察「キキョウソウ」)
確かに、当地でも 三姉妹のうちで もっともよく出会うのは このヒナギキョウです。
花は、とくにシベが キキョウの花にそっくりです。キキョウと同じように 「雄性期」と 「雌性期」があり 順に咲きます。




雄性期(おしべ期)には めしべの花柱は「棍棒のかたち」をしていて未発達です。棍棒の表面に おしべの花粉がついています。




雌性期(めしべ期)には 花柱がすっくと立ち、柱頭が3つに分かれて 授粉態勢に入ります。
このような経過は キキョウと全く同じです。




子房下位(花弁より下に子房があります)。 蒴果は円筒形、最初は葉や茎と同じ緑色をしています。




すこし成長した下のほうにある果実。
「長さ4~6㎜、熟すと中央部に孔が開き、種子が落ちる。花時に子房の側面に孔となる部分の薄い壁が見える。」(三河植物観察「キキョウソウ」)





ヒナギキョウソウ

ヒナギキョウソウは ヒナギキョウに比べると 立ち上がり方が弱弱しいです。(もっとも一番弱弱しいのは 後に出てくる ヒナギキョウ(在来種)のほうですが)
ヒナギキョウソウの特徴は 茎の先端に一輪だけ花を付けるという点です(一茎一花)。
花の咲き方は 先のキキョウソウと同じようで、 まず雄しべが熟し花粉を出すと 雌しべが成長する順のようです(上の画像は 雌性期)。



花は頂上に一つだけ、といいましたが... でも、茎の途中にも 最初に出てきたヒナギキョウによく似た蒴果があります。
じつはこれらは閉鎖花で 花は開かずに果実を作るのです。




花は小さいです。 ニワゼキショウより わずかに大きいくらい。
左は ニワゼキショウです。
キキョウソウの果実は蒴果で、成熟すると 鞘の胴体の部分に穴が開いてそこから 種子を放出するといいました。 ヒナギキョウソウもよく似た果実を作りますが、 種子は上部に穴が開いてそこから放り出されるのだそうです (^_-)-☆




ヒナギキョウソウは ヒナギキョウに比べて 花の紫色が若干淡い気がしたのですが、このように 花だけ取り出すと ヒナギキョウとどこが違うの? というくらいよく似た風貌をしています。
こちらが 雄性期(おしべ期)で...



こちらが 雌性期(めしべ期) です。
花だけ見ると ヒナギキョウと区別できないくらいよく似ています。 区別するには やはり全体像を見なさい、ということになりそうです (^_-)-☆





ヒナギキョウ

在来種の ヒナギキョウ です。 花は キキョウソウやヒナギキョウソウと比べると、とくに蕊のかたちが全然違います。




当地では、 三姉妹の中で出会う頻度は 一番少ないです。
「日本では、本州関東地方以南から沖縄にかけて分布する在来種です。」




生え方は 弱々しい茎が30cmくらい立ち上がり 先端に花を一輪付けます(一茎一花)。 花径は 1cmくらいです。 とても小さいです。
(撮影 2017-06-05)




花後はこんな果実を作ります。 ナガミヒナゲシの果実をちっちゃくしたような... (´∀`)
(撮影 2017-06-05)


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