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アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

翼果の観察 - カエデ篇

2020-12-16 17:52:22 | みんなの花図鑑
こんどはカエデ属の 切れ込みの浅い葉のほう(属名のままカエデと呼ばれています)の翼果を観察してみます。


トウカエデ

特長のある 3つ手 の付け根が丸くなっている葉です。



全体はこんな風。バックの土塀は 大乗寺(元安祥城の本丸跡地)。



ちなみに、
トウカエデの葉を大きくすると フウ(タイワンフウ)の葉になり、
モミジの葉を大きくすると モミジバフウ(アメリカフウ)の葉になります(^_-)-☆



で、その翼果は?
束になって ついています(^^)/



翼は 「ハの字」の典型で、左右が向き合ってます。今ではあまり見ない 握り鋏(にぎりばさみ、別名和ばさみ)のようです。



枝垂れカエデ

これは葉が細かく縮れているので、枝垂れカエデというより 枝垂れモミジと言ったほうが良く 前回の「モミジ篇」にいれるべきだったのですが、場所が 上の大乗寺なので モミジ篇に入れ忘れましたm(_ _)m



ほとんど葉は落ちていました。これは下の排水路に落ちた葉です。



その枝垂れモミジの翼果です。
トウカエデとはまたちがう「ハの字」をしています。



カラスウリと翼果のコラボ。



完璧な「ハの字」^j^




ハウチワカエデ?

個人宅の道沿いにあったカエデです。



特徴的な 葉をしています。
ただし、コハウチワカエデという似た種類もあり、以下のような区別点があるそうです。
「ハウチワカエデは葉身の直径が7~13cmと大きが、葉柄は葉身の1/2以下と短く、枝が無毛であるに対し、コハウチワカエデは葉身の直径は6~8cmと小さいく、葉柄は葉身の2/3以上と長く、枝に毛がある点で区別する。」(葉と枝による樹木検索図鑑「ハウチワカエデ - コハウチワカエデ - ヒナウチワカエデ - オオイタヤメイゲツ」)




その翼果ですが、かなり水平に近いのもあるのですが・・・



どちらかというと 「ハの字」に近い感じがします。



まだ熟していない翼果です。

ネットで画像検索してみても↓

「イの字」に近いものから「ハの字」のもの、さらにはトウカエデみたいな握りばさみ型のものまでさまざまなので、ハウチワカエデ系の翼果による区別はどうやら難しそうです。








翼果の観察 - モミジ篇

2020-12-16 11:06:09 | みんなの花図鑑
カエデ属の中で 葉の切れ込みの深いものを一般に モミジ と呼んでいます。きょうはそのモミジの翼果の観察をしてみます。

ヤマモミジ

撮影場所は安祥城址公園です。
イロハモミジとオオモミジは太平洋岸に多く、ヤマモミジは日本海側に多いとされていますが、公園の植栽なので、一本だけ ヤマモミジがあります。



これは 樹名板がついていて 「ヤマモミジ」と分かるのですが、分からないときは 翼果を調べると区別できることが多いです。
ちょっとピントが合ってませんが、翼果の形状は イロハの「ハの字」のように翼が垂れています。
翼果がブーメラン形かU字状となり、実は葉の下からぶら下がるように付くのは、ヤマモミジとオオモミジです。



翼果を見て ヤマモミジか オオモミジかのどちらかに絞ったところで、こんどは 葉の縁のギザギザを見ます。
ヤマモミジの葉は「重鋸歯」と言って大小不揃いです。オオモミジの鋸歯は「単鋸歯」といって単調です(オオモミジの葉のほうが切り絵にしやすい)。



「枝先にも特徴があります。葉が固まった6月から3月までの枝先を見ると、イロハモミジは赤みがあるのに対して、ヤマモミジとオオモミジは先端まで黄緑がかっています。」(仲田種苗園「モミジの見分け方」)





イロハモミジ

日本で一番多いイロハモミジです。
このイロハモミジは 安城デンパークにあり、木についていた樹名板によると 「鬱金(うこん)」という黄葉する園芸品種のようです。



一般的には、イロハモミジ(とヤマモミジ)の葉の鋸歯は不揃いな重鋸歯のはずなんですが、この「鬱金(うこん)」種の鋸歯は 限りなく単鋸歯に近いですね。う~ん・・・



でも、翼果をみれば、水平に翼が出てますので、これは イロハモミジだけの特徴ですね



翼果でイロハモミジと分かれば、葉の鋸歯が単鋸歯かも?とかで もう 悩みません (^^♪





オオモミジ

ふたたび安祥城址公園で。こんどは 樹名板がありません。



葉っぱの色が違いますが、同じ個体です。
翼果を調べてみます。すると イロハの「ハの字」をしています。




「ハの字」をしているのはヤマモミジとオオモミジでした。この木はどちらでしょうか?



葉の鋸歯の具合を観察してみます。 整然と単調な切れ込みです。ヤマモミジでなくオオモミジですね (^^)/




ノムラモミジ

ノムラモミジは悩ましいですねぇ。葉はできたときから赤く、それが紅葉すると一層赤く映えるのですが・・・



園芸品種なので、出所がよく分からないのです。
イロハモミジの園芸品種といわれたり、オオモミジの園芸品種と言われたりしているのです。
そこで翼果を調べてみるんですが、こんなふうに はっきり翼が水平だったり・・・



と思ったら、こんな「ハの字」形もついていたりするんですよ。



再度、葉の鋸歯を見ても 「大まかに不揃い」といった感じで、いかにも園芸品種といった感じですねぇ




イロハモミジ?

最後になりましたが、これはイロハモミジではないでしょうか。
葉のギザギザが不揃いだし、なによりも翼果の翼が水平なので (^_-)-☆