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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

翼果の観察 - モミジ篇

2020-12-16 11:06:09 | みんなの花図鑑
カエデ属の中で 葉の切れ込みの深いものを一般に モミジ と呼んでいます。きょうはそのモミジの翼果の観察をしてみます。

ヤマモミジ

撮影場所は安祥城址公園です。
イロハモミジとオオモミジは太平洋岸に多く、ヤマモミジは日本海側に多いとされていますが、公園の植栽なので、一本だけ ヤマモミジがあります。



これは 樹名板がついていて 「ヤマモミジ」と分かるのですが、分からないときは 翼果を調べると区別できることが多いです。
ちょっとピントが合ってませんが、翼果の形状は イロハの「ハの字」のように翼が垂れています。
翼果がブーメラン形かU字状となり、実は葉の下からぶら下がるように付くのは、ヤマモミジとオオモミジです。



翼果を見て ヤマモミジか オオモミジかのどちらかに絞ったところで、こんどは 葉の縁のギザギザを見ます。
ヤマモミジの葉は「重鋸歯」と言って大小不揃いです。オオモミジの鋸歯は「単鋸歯」といって単調です(オオモミジの葉のほうが切り絵にしやすい)。



「枝先にも特徴があります。葉が固まった6月から3月までの枝先を見ると、イロハモミジは赤みがあるのに対して、ヤマモミジとオオモミジは先端まで黄緑がかっています。」(仲田種苗園「モミジの見分け方」)





イロハモミジ

日本で一番多いイロハモミジです。
このイロハモミジは 安城デンパークにあり、木についていた樹名板によると 「鬱金(うこん)」という黄葉する園芸品種のようです。



一般的には、イロハモミジ(とヤマモミジ)の葉の鋸歯は不揃いな重鋸歯のはずなんですが、この「鬱金(うこん)」種の鋸歯は 限りなく単鋸歯に近いですね。う~ん・・・



でも、翼果をみれば、水平に翼が出てますので、これは イロハモミジだけの特徴ですね



翼果でイロハモミジと分かれば、葉の鋸歯が単鋸歯かも?とかで もう 悩みません (^^♪





オオモミジ

ふたたび安祥城址公園で。こんどは 樹名板がありません。



葉っぱの色が違いますが、同じ個体です。
翼果を調べてみます。すると イロハの「ハの字」をしています。




「ハの字」をしているのはヤマモミジとオオモミジでした。この木はどちらでしょうか?



葉の鋸歯の具合を観察してみます。 整然と単調な切れ込みです。ヤマモミジでなくオオモミジですね (^^)/




ノムラモミジ

ノムラモミジは悩ましいですねぇ。葉はできたときから赤く、それが紅葉すると一層赤く映えるのですが・・・



園芸品種なので、出所がよく分からないのです。
イロハモミジの園芸品種といわれたり、オオモミジの園芸品種と言われたりしているのです。
そこで翼果を調べてみるんですが、こんなふうに はっきり翼が水平だったり・・・



と思ったら、こんな「ハの字」形もついていたりするんですよ。



再度、葉の鋸歯を見ても 「大まかに不揃い」といった感じで、いかにも園芸品種といった感じですねぇ




イロハモミジ?

最後になりましたが、これはイロハモミジではないでしょうか。
葉のギザギザが不揃いだし、なによりも翼果の翼が水平なので (^_-)-☆


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