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アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

テンニンギク - キク科の花2

2020-12-22 17:47:43 | みんなの花図鑑

すごく派手な花が(まだ)咲いていました。ルドベキアの「カプチーノ」みたいに 舌状花(花弁に見える部分)が 縁の黄色から中心に向かって途中で赤色に変わっています。


スマホの Google Lensアプリに 名前を尋ねると、「テンニンギク」を第一候補に挙げてきます。




 ただGoogle Lensのいう2番目の候補 「 Gaillardia x grandiflora グランディフローラ」というのも気になります。
グランディフローラ(オオテンニンギク)というのは代表的な園芸品種で「短命の多年草、高さ90㎝の多年草のGaillardia aristataと高さ60㎝のGaillardia pulchellaとの間の四倍体のハイブリッド。おそらく前者のその多年草の性質を受け継いでおり、後者から長い開花期間と成長の速さを引き継いでいる。」(三河の植物観察「テンニンギク 」より)




花弁のように見える周囲の舌状花も派手ですが、中心の筒状花(とうじょうか)もマクロレンズで覗いてみてびっくりな格好をしていたので、以下、その画像だけお見せします(^_-)-☆



筒状花の集団は 群れの周辺部から咲いていきますので、中心に近い部分の 黄色のぷつぷつはつぼみでしょうか?
周囲のほうには 花粉らしきものをまとった褐色のトゲのようなものが立っています。




トゲのように見えたものは Y字型をしているので、めしべでしょうか。それにしても つぼみも開花した花もいずれも毛深いです。




さらに寄ってみたもの。
Y字型の花柱らしき器官の途中には 花粉らしきものがいっぱい付いています。
キク科の筒状花は 雄しべが合着して筒になっていて、めしべは この雄しべ筒の中を花粉を押し上げながら伸びだしてくるのですが、その時押し上げた自家花粉なのか、虫が他家から運んできた花粉なのか、どうもはっきりしません。



前者なら、めしべはまだ受粉可能な状態になっていないことになるし、後者なら、どの雌しべにも 等しく花粉がもれなくついているのが不思議です。



花柱に上向きの毛が生えているところにだけ花粉が着いているような気がします。とすると、これはめしべが雄しべ筒の中を上がってくるときにつけた自家花粉ということになります。




もし雌しべは花粉を押し上げたばかりだとすると、成熟したら、先ほどのコスモスみたいに カールするのでしょうか?



拡大しても、どういう状態かは分かりません。



いずれにしても、花粉を運んでくれそうな虫はやってきているようです。







コスモス - キク科の花

2020-12-22 10:04:34 | みんなの花図鑑

畑にまだ咲いていたコスモスです。
中心の黄色いシベのように見える部分は 筒状花(とうじょうか)という独立した花の集合です。
この周囲のピンクの花弁のような部分は 舌状花という、これまたひらひら一枚一枚が一個の花の集合です。コスモスは舌状花を8個もっているようです。
こうして 筒状花の集合と舌状花の集合が集まって大きく花序を構成している(頭状花序といいます)のがキク亜科の花序の特徴です。



中央の筒状花の集団、それぞれこげ茶色の筒のような器官の中から黄色いめしべが伸びて 羊の角のようにカールしています。(後述)
周囲の舌状花(8枚)のほうですが、コスモスの舌状花は 雄しべや雌しべをもっていません。舌状花部分の役目は 通常の花でいう花弁のように花粉媒介昆虫を呼び寄せるるための広告塔の役割をしています。雄しべや雌しべをもっていないなら もう花ではなく花弁といったほうがよいのではないか?!なんて思えてきますが・・・



中心の筒状花をアップしてみます。
筒状花の黒っぽいエントツのような部分は、雄しべが合体し筒状になったもの(集約雄しべ、以下雄しべ筒と呼びます)で、上に伸びてカールしているのが その雄しべ筒の中を貫通して出てきた雌しべです。
筒状花といって 雄しべ筒と雌しべしか話題になってませんが、ちゃんと花弁もあるんです。(花弁は雄しべ筒の下に星形をして控えめに存在してます)




キク科植物の花はこのように複雑な構造をしていますが、ハハコグサのように筒状花のみの花やタンポポのように舌状花のみ(この場合、基部に雄しべ、雌しべがあります)の花もあります。
コスモスの頭状花序は筒状花と舌状花から構成されているキク亜科の代表ですが、コスモスの舌状花には雄しべ・雌しべがなく花弁の役割だけを担当していることが特徴ということでした。



筒状花の雄しべ筒のアップです。
雄しべの先の葯(花粉を入れる袋)に花粉が入っていますが雄しべは合着して筒になっているので花粉は雄しべ筒の内側に出されます。雌しべはこの筒の内側を出された花粉を押し上げながら上へと伸びていきます。自家受粉してしまいそうですが、筒の中で花粉を押し上げているときは雌しべはまだ未成熟で めしべというより単なる「押し上げ棒」の役割しか持っていません。



雄しべ筒の中に出た花粉を押し上げた雌しべ棒はさらに長く伸び、先端の柱頭が開きカールして受粉可能な状態になります。




稔(みの)った果実です。
なお、周囲の緑の萼のような部分は 総苞といいます。役目は 萼と同じですが、たくさんの花をまとめて包んでいるので総苞と言います。
総苞片の数は 外総苞片8、内膜質8片で、舌状花(花弁の役割)の8花と対応しています (^^)/