アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

アレチニシキソウとコニシキソウ - 安城市SD

2019-10-22 18:22:49 | みんなの花図鑑

<左>アレチニシキソウ <右>コニシキソウ

アレチニシキソウとコニシキソウが隣り合わせに生えているところで比較観察です。
撮影は 9月30日です。
左のアレチニシキソウは 以前ハイニシキソウと誤認していたものです。





<左>アレチニシキソウ <右>コニシキソウ

全体の色の感じは アレチのほうが緑色で、コニシキのほうが 赤紫っぽい感じです。
両者とも茎は地を這って広がっています。ただし、コニシキソウのほうは やや立ち上がる株のときもあるようです。





<左>アレチニシキソウ <右>コニシキソウ

アレチニシキソウの特徴は 葉が緑っぽいことと、4つの赤いテールランプのような腺体が杯(カップ)の上端にあることです。「4個の赤色の腺体の周りには狭い4個の淡紅色の小さな付属体がある」(三河植物観察「アレチニシキソウ」)






アレチニシキソウ コニシキソウ

アレチのほうは 手前にまだ緑の果実が写ってますが、アレチの果実は3稜形で、稜付近に曲がった毛が生え、果実の基部付近では側面にも毛があります(同上)





アレチニシキソウ コニシキソウ

アレチのほうは 4つのテールランプ(← 正しくは「腺体」です)が杯の上部にあるのが特徴でしたが、コノシキのばあいは杯の上部に「4個の黄褐色の腺体が付き」その周りを白いエプロン(←正しくは「付属体」)が飾っているのが特徴です。白いエプロンはかなりはっきりしています。





アレチニシキソウ コニシキソウ

葉の裏です。アレチの葉の裏には「曲がった白色の伏毛が密生」してます(同上)
コニシキソウの葉の裏も「白毛が密生」(三河植物観察「コニシキソウ」)していますので、これは 2つの区別点にはなりません。
茎に「やや縮れた白毛が生え」ているのがコノシキソウのほうです。

(改訂)アレチニシキソウとコニシキソウ - 安城市SD

2019-10-22 08:56:23 | みんなの花図鑑
この記事は 以前2019-08-22 ハイニシキソウとコニシキソウとタイトルして投稿していたものです。


偶然ですが、アレチニシキソウとコニシキソウが一緒に生えているところに出会いました。
これなら、地面を這っていても、2種類のニシキソウが生えていると分かります。
一方は 緑が勝っていて、他方は赤っぽいです。


まず、左手の 緑っぽいほうから、観察して見ましょう。【アレチニシキソウ編】


茎は地を這って広がり、葉は 丸くて緑っぽいです。たぶんニシキソウの仲間の中ではいちばん緑色です。





杯(カップ)を拡大して見ると、ありました!車のテールランプが4連になった器官が。しかも 先日は分からなかったのですが、その中央から、5裂しためしべの柱頭が顔を出しています。
直前の ハツユキソウとの類推で分かりますよね? 4連テールランプみたいなのは カップ(杯)の口についている 腺体だということが。テールランプ(腺体)の周囲を縁取りしているのは 付属体ですが、アレチニシキソウの付属体は 狭くて細いです。






アレチニシキソウの花序は非常に小さいので、よく分からないのですが、上のほうに 杯(カップ)から飛び出した果実が付いているような気がします?





この絵なら 明瞭ですよね?! 子房(果実)がポロンと杯(カップ)のよこに飛び出しています。
アレチニシキソウの果実は3稜形で、稜付近に曲がった毛が生え、基部付近にも毛があるのが特徴です。(三河植物観察)(コニシキソウの毛に比べると疎らな感じがします)





そして、去年からの宿題、この爪楊枝みたいなもの。
ハツユキソウのとき 考えたように、これは 「受粉できなかった雌しべの「なれの果て」だったんです。







つぎは、右手の赤っぽいほう【コニシキソウ編】です。


アレチニシキソウに比べると、全体が赤っぽいです。茎はそれほど赤くないのですが、葉が濃いのでそう見えるのでしょう。





ちょっとピントが甘いですが、中央の4つの花、子房(緑の毛の生えた球)が ピンクの柱頭をのっけて出てくるところです。柱頭は 大きく3裂し、さらにその先が小さく2裂しているようです。





そしてこれは その子房がかなり成長して、杯(カップ)の横に移動したところです。
子房(=果実)は今では 杯の直径の数倍あります。





2つの大きな果実は それぞれすぐ上(または左)の杯(カップ)から生まれたものです。杯(カップ)の口には 唇形の腺体とそれを取り囲む花びらのような付属体があります。オオニシキソウと違って 付属体は 丸っぽくなく 多角形に近いです。(ここを見るだけでも アレチニシキソウなどと違うので、コニシキソウと分かりますね)






コニシキソウは アレチニシキソウと比べて全体が赤っぽいのですが、腺体が赤く、葉の縁が赤く、軸が赤っぽいので、全体も赤く見えるのでしょう。


いずれにしても、やはり2種類を比較しながら観察すれば、特徴を見つけやすいことが分かりました \(^o^)/







(改訂)アレチニシキソウ - 安城市SD

2019-10-22 08:43:52 | みんなの花図鑑
(この記事は 以前(2019-08-19 ) ハイニシキソウとタイトルしていたものです)




杯状花序特集、第1回(ショウジョウソウ) や 第2回(オオニシキソウ)のときには 杯(カップ)に毛が生えてませんでした。
今度の アレチニシキソウは 毛深いのが特徴です。





ただ オオニシキソウよりさらに小さい花序なので、私の技術と手持ちのレンズでは、どうも細部が よく分からないです。(しかもこの日はかんかん照りのハイコントラストな日で、白っぽい部分は 画像がすっ飛んでしまいました (T△T))

それでも 倍率をあげて撮影したものを よく見て見ると、杯の先が 車の4連テールランプのように赤丸が付いています。これが アレチニシキソウの最大の特徴です。





この画像は 別の枝のものですが、4つのテールランプの中から、4裂した雌しべの柱頭が出ているものがあります。
それで ニシキソウの仲間から 「4つのテールランプ」をもつ花序を画像検索しますと、アレチニシキソウが候補に上せます。
たしかに「4つのテールランプ」は腺体のようです。腺体の周囲を黄色い付属体が縁取りしていますが、アレチニシキソウのばあい、付属体は狭くて細いです。





枝の付け根にも 杯がひとつついています(これは 一本だけ)。この杯の先は 爪楊枝のようになっていますが、おそらくこれは 雌花が受粉に失敗して 花柱を上方向に伸ばしただけで、その先にあった子房のかたまりが朽ちて落ちた後ではないかと思われます。

いずれにしても、まだ果実が生っていないようなので、しばらく観察していきたいと思います。