オータムリーフの部屋

残された人生で一番若い今日を生きる。

口先介入だけで2割近くの狂気の円安

2013-01-05 | 政治
 
75円まで進んでいた円高だったが、安倍首相の無制限金融緩和発言で、それまでの流れが一気に変わり、年明けてドル88円、ユーロが115円98銭となった。民主党政権が数兆円を使って為替介入しても瞬間的にしか効果がなかった円高だった。そして株価も大幅に上昇、10000円を軽く突破している。
少なくとも安倍氏の発言で世界が日本経済に対する見方を大きく変えた?専門家すら驚いているようだ。

これまで日銀は、バブル期の教訓もありインフレを恐れ、為替に介入することはもちろん、金融に対して保守的であった。それに比べてECBは各国の金融危機で金融緩和をせざるを得ず、FRBも3度にわたって大規模な量的緩和を実施している。世界各国は原理原則をねじ曲げ、自国有利な通貨安を誘導し国家再建をしようとしている。このままでは日本の一人負け、紳士的に保守的にまともな金融政策をやっても世界はむちゃくちゃだから日本は復活できないということらしい。
確かに日銀のバランスシートの対GDP比を米FRB、欧州中央銀行(ECB)と比較してみると、拡大の度合いはまだ限定的であり、日銀の緩和策が十分だったとは言えない。2007年1~3月期を基準とすると、FRBとECBがバランスシートの対GDP比を2.5~3倍程度まで拡大しているのに対し、日銀は1.5倍にも満たない。中央銀行のバランスシートの拡大は円安をもたらす。それがリーマンショック以降に不十分であったことは、FRBが金融緩和策を続ける中で円高基調となる一因だった。

日本はデフレが進んだ挙げ句に震災で大打撃をこうむり、さらに円高が進んだ。その時点でもっと大規模な金融緩和をしても良かったのかもしれない。日本も金融緩和を繰り返したが、せいぜい10兆円規模、焼け石に水で効果は極めて限定的だった。自民党は国土強靱化計画で200兆円の財政出動、無制限な紙幣増刷をすると宣言した。たったそれだけの乱暴発言で2割近く円安に振れると言うのは金融制度そのものがおかしい。

円相場は欧米の投機筋のやりたい放題が続いていた。韓国が欧米資本の遊び場になっているのと何も変わらない。恐らく、欧米資本は日本の震災を契機とし、日本に狙いを定めた。震災直後に急激な円高が起こった。その時間帯が早朝、午前5時前後ぐらいであったことから、欧米の仕掛けたものであると言われている。この急激すぎる円高によって日本人の投資が大量にロスカットに遭い、多大な損失を受けた。日本政府が無策なのを見抜いた彼らは、その後欧米主導によって円を弄ぶ体系を作り上げた。

 バブル崩壊後、1995年まで円高が進み、80円になった。その後、リフレ政策(不況時に生産活動が停滞しているとき、インフレの発生を避けながら金利の引き下げや財政支出の拡大などにより景気を刺激)が功を奏したのか、2007年まで日本は緩やかな円安を続けていた。この時期、為替の機関投資家の間でミセスワタナベの存在が面白おかしく語られた。
インターネットの発達で、情報操作がやりやすい。ミセス・ワタナベは、外国為替のなんたるかをこれっぽっちも知らず、ゼロ金利だと老後が心配ですよ、貯蓄から投資ですよという言葉に踊らされ、バクチではなく、投資だと思ってばんばん金をつぎ込んだ。たくさんの主婦が参入すれば、正規分布だとしても、何億円も稼ぐ主婦が出てくる。それをメディアが持ち上げる。私もやろうとまた参入する。一人一人の投資額は少なくても、大量に集まれば、為替を左右するような動きが出てきて、一体、どういうすごい機関投資家なんだと思ったら、なんと、日本の主婦たちだったというので、ミセス・ワタナベというあだ名が付いた。外国為替のことなんか知らなくても、円高のときに参入して、その後、日本が不況脱出のためのリフレ策で円安バブルを演出していた時期だから、儲かったわけだ。フィナンシャル・タイムズ・マガジンの記事は、そんな主婦たちも、サブプライムローン問題、2008年リーマン・ショックで為替の逆回転が始まって大損して、儲けた分をはき出したどころか、老後資金も失った人たちも多いが、怖くて夫には言えないと。ちなみに、FXはバクチとしてなら、公営ギャンブルなんかより圧倒的に手数料も安いし、楽しめる。財産なくすリスクも大きいけど。

そんな中、大博打政治家安倍氏の発言である。慌てた欧米筋が進む円安を恐れ、慌てて売りに出した。欧米の決算が12月のようだから、手持ちの円を売り払って収益を確保する動きもある。日本政府が紙幣増刷を行うと言うことは、それほどインパクトがあったのだ。

 しかも、円高がさらに進行するリスクは2011年に比べて格段に小さくなっている。たとえば日米の2年物国債の流通利回り(2年金利)の差が縮小している。ドルを売って円を購入する要因になっているとされるが、米国の2年金利は既に底打ちして今後あがると見込まれている。米国経済が2013年に、実質GDP(国内総生産)の成長率が2%を上回る健全な成長過程に入ることで、2年金利は再び上昇し始め、日米の2年金利の差は再び拡大し、円を売ってドルを買う動きが出てくると見られる。そして、米国企業の活動の活性化に伴う米景気の回復に日銀の豹変シナリオを併せると、2013年は円安トレンドの始まりの年となるかもしれない。株式市場が置かれている環境も2013年にかけて大きな変化を迎えている。2012年には日本株のPER(株価収益率)はついに世界の主要市場の平均並みにまで低下した。これは外国人投資家にとって日本株が魅力的な存在に復帰したことを意味する。
 
しかし、口先介入だけで、このど派手な動き・・・・・実際円増刷が始まったら、為替はさらなる円安へ急落。何も行われず、口先介入で終われば、円高に急激なゆり戻し・・・・・日本の為替と名目経済はアベノミクスの壮大な実験場になりそうだ・・・・・・

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