オータムリーフの部屋

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夏の不調は入浴と熱燗で

2016-07-09 | 健康
夏は暑いがゆえに、人間の体には、基礎代謝を落として熱産出をなるべく少なくするようなメカニズムがある。それでも暑いので、冷や奴、ビール、冷や麦、冷やしソーメン、ところてん、カキ氷、アイスクリーム、スイカ、キュウリ、トマトなど、体を冷やす食物をたくさん摂って暑さをしのぐ、という生活の知恵を身につけてきた。
しかし、このくらいのことでは暑さをしのげないので、大量の発汗をし、その汗が蒸発するときに必要な「気化熱」を体から奪って、体を冷やしていた。
約40年前から日本に普及してきた冷房は、今や各家庭、オフィス、学校、バスや電車など至るところに設置され、真夏の我々の体を冷やしてくれるのはよいが、その結果、冷え(低体温)を招き、また発汗を妨げることで起こる体内の水分貯留(むくみ)という副作用をもたらす結果になった。
 
この代表的な症状や病気は、
(1)夏風邪を引く。しかも、長引く傾向にある。
(2)お腹(胃腸)を冷やすことにより、胃腸の働きが低下し、食欲不振、下痢、便秘が起こる。
(3)冷えて血管が収縮して血行が悪くなることによって、肩こり、頭痛、腰痛、腹痛、生理痛、血圧上昇が起こる。
(4)発汗が十分ではないため、体内に余分な水分がたまり、むくみや水太り(夏の体重増加)が起こる。
(5)体内に余分な水分がたまると、1日中雨の中にいるようなもので、「体がだるい、重い」「気分が冴えない」という症状も起こりやすい。
(6)夏(7~8月)に脳血栓が起こりやすい。原因は「冷房による体の冷やしすぎ」だと考えられる。
脳血栓(梗塞)は、12~2月の冬と7~8月に発症しやすい。「7~8月は暑いので、汗をかくので血液中の水分が不足して血液がドロドロになるから」というのが、現代医学の見解だ。
しかし、冷房がなかった40年前までの日本人は、夏になると、今の人たちの10~20倍もの量の汗をかいていたものだが、脳梗塞、心筋梗塞など「血栓症」にかかる人はほとんどいなかった。
「温かい血管内」で、血液が固まり、血栓ができるのは、冷房により冷やされるからと考えたほうが、納得がいく。
 
夏に起こる諸々の不調対策として、以下を励行されるとよい。
(1)シャワー浴はやめて、熱い湯に入る。サウナをたびたび利用するのもよい。
(2)テニスやジムなど、運動の習慣のある人は、いつものように実行して汗を十分にかく。習慣のない人は、かべ腕立て伏せ、かかとあげ、ももあげ運動、スクワット、などで行なってやや代謝を高めてから、湯船での入浴をする。
(3)「とりあえずビール」の後は、飲んでうまいと思うなら、日本酒の熱燗を飲む。
(4)熱々のうどん、鍋料理など、汗をかきながら食べられる「冬料理」を食べる。
(5)七味唐辛子、すりおろし生姜、タバスコ、ネギ、山椒など、体を温める薬味を、うどん、そば、ピザ、パスタ、うなぎなどに多めにふりかけて食べる。
ただし、「やる」「続ける」絶対条件として「それをやると気分がよい、調子がよい」というのが前提だ。(文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士)
 
ちょっと意外な夏の健康法だが、納得がいく。汗をかくと気持ちがいい。

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