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安倍首相、外遊先に三つ星シェフ8人の大名行列

2014-01-26 | 政治
「アフリカは日本外交にとってフロンティア」――。
 年初、こう意気込んでアフリカに向かった安倍首相。外遊目標は“官民挙げての経済進出拡大”で、コートジボワール、モザンビーク、エチオピアの3カ国を歴訪した。
 外交官時代に中東アフリカ局アフリカ第2課長を務めた元レバノン大使の天木直人氏が言う。
 「エチオピアにはアフリカ連合の本部があるため、アフリカ外交にとって大切ですが、今回の外遊のテーマが“経済進出拡大”だとすると、南アフリカ、ナイジェリア、ケニアの3カ国が入っていないのはおかしい。他のアフリカ諸国に比べて経済規模が圧倒的に大きく、日本企業もたくさん進出しています。特にマンデラ元大統領が亡くなった南アは行かなくてはならない国でした。」
 「実は、日本側は南ア政府に訪問を打診したものの、“この日程ではお迎えするのは難しい”と断られたと聞きました。理由は今月11日に行われた与党アフリカ民族会議(ANC)の決起大会だったそうです。南アは今年4月に大統領選が予定されており、確かに政治スケジュールが過密です。しかし、外交上、本当に大切な相手なら、いくら忙しくてもズマ大統領は安倍首相と会談したはず。そうならなかったのは、日本がその程度の相手とみられているからです。南アでは中国が重要なパートナーとして圧倒的な存在感を示していますからね」(現地関係者) 
 
 就任以来、これで外遊は延べ33カ国。.海外での宿泊費は内閣官房の「総理大臣外国訪問等経費」から支出されるが、今年度予算の3450万円を昨年すでに使い果たした。年明けからも外遊ラッシュ。1月9日から約1週間の日程で中東とアフリカを歴訪、ダボス会議でまたぞろ馬鹿な発言をして、25日からはインドを訪れて憲法公布の記念式典に出席する。そのため、政府は他の予算を切り崩して外遊費用に充てる方針だという。東京新聞によると、外務省は13年度、首相分の外遊予算として約4億円を盛り込んだが、すでに予算をオーバー。同省の他の予算から1億5千万円をかき集めて対応することになったと言う。
 .通常国会は1月24日に召集予定。安倍はスイスから戻って施政方針演説だけ終え、すぐまたインドだ。国会軽視も甚だしい。それなのに、本人は「地球儀外交」などと悦に入り、外遊回数を自慢している。来年度はさらに外遊の宿泊予算を積み増すというからフザケた話だ。
 しかも、外遊にかかるカネは宿泊費だけではない。今年度の政府専用機の燃料費が約16億円。原発トップセールスや日本食の売り込みで、財界人や料理人までゾロゾロ引き連れていった。 
 英国・北アイルランドで開催されている主要8カ国(G8)首脳会議の前、ポーランドを訪れていた安倍首相。原発売り込みと同時にやっていたのが、日本の食文化の紹介だ。 地元の財界人ら要人200人を集めて、レセプションを開催。昭恵夫人らと一緒に、寿司や天ぷらを振る舞っていた。もちろん、日本食や農産物の“うまさ”をアピールするのは大いに結構。しかし、そのために日本から一流の料理人を同行し、大量の高級食材を政府専用機で運んだとなると、話は別だ。しかも、料理人同行の“大名行列”は4月の訪ロに続いて2度目なのだ。当然、巨額の税金を使っているわけで、だったら、もっとPR効果が見込める方法があるだろう。企画のコンペでもすれば、代理店がワンサカだろうし、そもそも、これが総理大臣の仕事なのか。これが疑問だ。安倍はレセプションの様子をさっそく、フェイスブックにアップしていた。夫人も晩餐会などの写真をしょっちゅうアップしていて、「セレブ気取りか」とささやかれている。今度も一緒で、自分たちはさぞや、気持ちよかっただろう。なにしろ、安倍に同行したのはミシュランで三つ星を獲得した「銀座久兵衛」や料亭「菊乃井」(京都)の料理人ら8人で、素材だけでなく、料理人が普段使っている鍋釜の類いまで、日本から空輸したのである。 銀座久兵衛によると「ポーランドへは、旦那(今田洋輔氏)と助手役の若い衆が2人で行っています。もちろん、大間のマグロなどもすべて日本から空輸しました」。 
 へぇー、ここまでやりますかね……。大メディアは「首相のトップセールス」を礼賛していたが、一般の国民感情は違う。
 作家の増田晶文氏はこう言った。「私は恥ずかしながら久兵衛には一度も足を運んだことはございませんし、多くの庶民も同じでしょう。その高級店の味を外国の方々が理解できたかはさておき、首相がここまでして日本食をPRする必要があるのか。広告代理店に任せればいいのです。周りのブレーンも悪いのか、最近の安倍首相はやることの度が過ぎています。」
 はしゃぎすぎ、浮かれすぎ。中世の王様よろしく、「お抱え料理人」に食事を作らせ、外国の要人に「どう? うまいでしょ」と自慢しているようなものだ。
 権力というものをはき違えているのではないか。そんな勘違い男のために、血税が使われるなんて、冗談じゃない。(日刊ゲンダイ) 
 
 頻繁な外遊に見合った成果があったのか。靖国参拝やダボスの失言で中韓や米国との関係はギクシャクする一方だ。
 行く先々の新興国でODAの大盤振る舞いをするのだから、海外に行くとチヤホヤされる。贅沢な和食と耳触りのよい追従で外遊はストレス解消にはもってこいかもしれない。
 国民には増税を押し付けて、福祉もカット。戦争のできる国にして若者の命をアメリカの国益のために差し出そうとしている。
 庶民感覚からずれた金持ちのお坊ちゃまのトップセ―ルスの成果は今のところ、道義的に問題のあるトルコへの原発輸出だけだ。 トルコの計画は黒海沿岸のシノップに原発4基を建設するもので、建設費だけで250億ドル(約2兆5000億円)規模とされる。10月の安倍首相とトルコのエルドアン首相の会談では、原発を受注する見返りに、防衛分野でトルコに協力すると言う。三菱重工とトルコ企業が合弁会社をトルコ国内に設立し、戦車や艦船のエンジン、無人航空機など防衛装備品の共同開発・生産を行う。 トルコは外貨を稼ぐために武器輸出に力を入れており、日本と共同開発・生産した装備品を中国など第三国に輸出することになる。そうなると日本の安全保障が脅かされる恐れもある。
 さらにマグニチュード7級の大地震にたびたび襲われてきたトルコでの原発建設には懸念がある。事故が起きたときの責任を負わされるのははっきりしている。 蒸気発生器の配管が破損して止まっていた米カリフォルニア州の原発を廃炉にする件では、製造した三菱重工が損害賠償を請求されている前例がある。
 将来、最終処分場のないトルコの核のごみを引き受ける可能性も高そうだ。 
 こんな「危険」なセールスを進める安倍政権には、成長戦略の実績づくりとは別の狙いがありそうだ。トルコへの原発輸出を突破口に、国内での原発再稼働を推進し、軍備拡張によるアジアの不安定化、中韓への敵視政策を軸とする国粋思想の高揚である。
 周辺外交、日米同盟、内政・経済のいずれの面から見ても、安倍首相は自分の信条のために、日本を「戦争のできる国」にして、日本の国益を損ねていくとしか思えない。

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