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オータムリーフの部屋

残された人生で一番若い今日を生きる。

安倍首相国連会見

2015-10-12 | 国際
安保法案の成立後、ニューヨークで国連総会に出席した安倍首相。帰国前に現地で記者会見を開き、国連の安保理常任理事国入りに言及したことなどが日本でも華々しく伝えられた。しかし、その会見をめぐって外国の記者から強い批判が浴びせられたことは、日本では伝えられていない。そこで外国人記者が感じたのは、日本のメディアと政権との癒着だった。(アイ・アジア編集部)
 
「もう1つ、質問が有る。あなたはシリアの難民問題で支援を表明したが、なぜ難民を受け入れないのか?」
ロイター通信の記者がこう質問すると、通訳を通して質問を理解した安倍首相の表情が強張った。実は、その質問に慌てたのは安倍首相だけではなかった。会見場にいた日本人記者全員が「予定外」の質問にざわめきたったのだ。アイ・アジアが入手した首相官邸の資料や取材に応じたアメリカ人記者の話によると、この会見では、質問者も質問内容も予め決められていた。つまり、出来レース会見だったのである。
 
アイ・アジアが今回入手した資料は会見前に準備されていたもので、それによると、日本のメディアの記者と外国メディアの記者が交互に、5人まで質問することが決まっていた。極めて興味深いのは、その資料には、質問者の名前とともに、質問内容まで書かれていたことだ。
まずNHKの記者が、日ロ関係について質問、続いてロイター通信の記者がアベノミクスについて質問、続いて共同通信の記者が内閣改造について質問、そして4番目に米公共放送NPRの記者が、普天間基地の移設問題について質問し、最後が、テレビ朝日の記者で、国連改革について質問、となっている。
これについて、初めて日本の総理の会見に出たというアメリカの雑誌記者は驚きを隠さない。
「質問事項をあらかじめ提出しろということですから驚きました。そんなことは、アメリカでは記者倫理に違反する行為です。ところが、それは日本の政府と記者との間では常に行われていることだというではありませんか。本気かよ?と思ったのは私だけじゃありませんよ」
 
そして、前述のロイター通信の記者の「予想外」の質問となったわけだ。
予め決められていた質問は、「アベノミクス2.0の新しい3本の矢は、なぜこれを選んだのか。また、具体的に何をしようと考えているのか」で、安倍首相が準備されていた内容を答えている。
その記者が続けてシリア難民の質問を始めた際に、慌てたのが安倍首相だけでなかったことは前述の通りだ。結果的に、安倍首相は難民問題全体に対する取り組みの必要性を強調し、広報官が次に控えている共同通信の記者に振ったので、会見は荒れることもなく進んだ。しかし、それで終わらなかった。
共同通信の記者が想定通りの質問をし、安倍首相が想定通りの答えを行った後、今度は米公共放送NPRの記者が質問に立った。記者は最初、「普天間飛行場移設問題について、現状では日本政府と沖縄県との対立があるが、日本政府と沖縄県のどちらが責任をもって対処する問題なのか。妥協策を含む、政府の今後の対応は?」と質問。
これは予め、予定されていた質問だ。それに対して安倍首相が準備された答弁をし、広報官が予定されていたテレビ朝日の記者に振ろうとした時、NPRの記者が続けざまに、(辺野古)移転後に環境汚染が起こらないと保証できるのかと畳みかけた。
想定外の質問に、安倍総理は明確な返答が出来ず、その後、テレビ朝日の記者の質問は行われずに会見は中止となった。納得がいかない外国メディアの記者たちと対照的に、日本人記者たちは、広報官に挨拶をするなどして足早に会見場を立ち去ったという。
 
 
前述のアメリカの雑誌記者が表情を曇らせながら語った。
「アメリカで今、日本のメディアは安倍政権に牛耳られていると報じられているのを、日本の記者たちは知らないのでしょうか?記者会見というのは市民を代表してジャーナリストが権力者に挑む場だというのは、アメリカにおいては一般の人も知っている常識です。しかし、残念ながら、日本の権力者の会見はそうではなかった。質問内容は権力側が予め検閲し、その答弁は予め準備されており、会見はその通りに行われる...ちょっと信じられません」
 
 
質問項目にあらかじめ入ってない質問だったら、首相の答弁はハチャメチャになる。首相も日本の御用記者も情けない。このくらいの質問にアドリブで返答することもできないということは、普段から何も考えてはいないということだ。もっとも、いつもの壊れたテ-プレコ-ダみたいに論点をはぐらかして、お答えになったようではある。
 
「そして今回の難民に対する対応の問題であります。これはまさに国際社会で連携して取り組まなければならない課題であろうと思います。人口問題として申し上げれば、我々は移民を受け入れる前に、女性の活躍であり、高齢者の活躍であり、出生率を上げていくにはまだまだ打つべき手がある ということでもあります。同時に、この難民の問題においては、日本は日本としての責任を果たしていきたいと考えております。それはまさに難民を生み出す土壌そのものを変えていくために、日本としては貢献をしていきたいと考えております。」 
ロイター通信は会見の内容を「安倍首相、シリア難民受け入れより国内問題解決が先」とのタイトルで報じた。
イギリスのガーディアンは「人権団体は、ロシアやシンガポール、韓国と並び、日本は高所得の国なのに、第2次世界大戦以降で最悪の難民問題に手をさしのべることに失敗していると強調している」として「日本は昨年、1億8160万ドルを国連の難民対策部門に支出し、アメリカに次いで2番目に多いが、シリアや他の難民受け入れは、その経済規模に見合っていない。日本で難民資格を申請している60人のシリア人のうち、認められたのは3人であり、約30人は人道上の理由で長期滞在が認められているだけだ」と指摘した。
一方で、ガーディアンは、「日本の人口は今後、劇的に減少し、専門家は経済の衰退を予測しているが、移民受け入れを現実的な解決策として主張する政治家は少ない」とも伝えている。
 
つまり、NHKをはじめとする御用マスコミの記事は政府の広報誌と同じだから、無批判で購読すると、政府と同じ思考回路にはまってしまう。NHKなど全て潰して、ロイターやガ-ディアンに任せてしまう方が日本のためになりそうだ。

シリア内戦

2015-10-11 | 国際
ロシアのプーチン大統領は9月28日、10年ぶりに国連総会の演説に立った。そこで過激派組織IS(イスラム国)を倒すために、国際社会はシリアのアサド政権を支援する必要があると主張した。
プーチン大統領は、ISは西側諸国によって“作られ”、勢力を持つようになったとした。アメリカはシリアで反アサド勢力を支援してきたが、それが実質的にISの兵士を訓練したことになった、というのが理由だ。そして、現在の荒廃したシリアの姿こそ、アメリカによる「民主主義の輸出」を止めなければいけない証拠だと主張した。
 
ここ数週間、表向きにはISを弱体化させるという理由で、プーチン大統領はシリアのアサド政権を支持し戦車や戦闘機を送り込んできた。確かにISはシリア内戦の主要なプレーヤーである。しかし、プーチン大統領の最近の動きは、イスラム過激派を倒すというより自国の利益のためのようだ。ロシアの国益はアサド政権と密接に絡み合っている。
 
9月27日にはロシア、アサド政権、イラン、イラクで反IS協定を作る計画を発表。同日に放映されたアメリカのインタビュー番組「60ミニッツ」で、ISのシリア支配を終わらせるためには、シリア政府を後押しする必要があると語っている。そして国連総会で「シリアでISやテロ組織と本当に戦っているのは、アサド大統領のシリア政府軍とクルド人部隊だけだ」と発言した。
 
現在ヨーロッパはシリアからの難民問題を抱え、アメリカはシリアでの反IS勢力訓練に失敗している。その間にプーチン大統領は、シリア問題を解決するリーダーとして、アサド政権を支持すべきだと主張している。
西側の外交官やシリア情勢に詳しい専門家は、プーチン大統領のやり方では、シリアはますます苦しい状況へと追いこまれ混乱を来たすだろうと警告している。ヨーロッパのリーダーたちはアサド政権を支持すれば、ヨーロッパにさらに多くの難民が流入し、人道問題が長期化するだろうと考えている。その理由は、シリア難民の大多数がアサド政権から逃れるためにシリアを脱出しているからだ。現在ヨーロッパに押し寄せているシリア難民の多くは、イスラム国が設立された2014年以前にアサド政権が原因でシリアを離れた人々だ、とオランド大統領は言う。彼らはトルコ、ヨルダン、レバノン、その他各地の難民キャンプを経由してようやくヨーロッパにたどり着いたのだ。
 
また、仮にアサド政権を支持しても、ISやアルカイダのような過激派を確実に倒せる保証はないという意見もある。アサド大統領は過激派を倒そうしているのではなく、彼らを利用して「シリアで信頼できるのは自分だけだ」と思わせようとしている、そして西側や湾岸諸国と親密な関係を持つ反アサド勢力を潰そうとしている、という見方だ。国連によれば、2011年3月にアサド政権が平和的な抗議行動を鎮圧して以来、25万人以上のシリア人が死んでいる。アサド政権に対抗する勢力は、穏健主義や民族主義派も含め、全てが過激派だとロシア政府とシリア政府は主張している。
 
こうしたプーチン大統領の考えに賛同する人は増えている。アメリカがシリアで失敗を重ねているのが背景だ。アメリカが支援したシリアの戦闘員が、シリア入国のために装備品をアルカイダに渡したことが暴露された。オバマ政権の中にさえ、シリア兵を訓練してISと戦わせる計画を考え直す必要があると言う閣僚もいる。28日には国務省高官のリック・ステンゲル氏がテレビ番組で計画の練り直しが必要だと発言し、オバマ大統領を支持するクリストファー・マーフィー民主党議員も計画の中止を訴えた。
 
 
アサド政権打倒のための反政府組織をアメリカが支援し、アサド政権をロシアが支援する代理戦争的な様相だ。アメリカ・ロシア冷戦連合に立ち向かうISがあって、シリア内戦は難民製造戦争となっている。
膨れ上がる難民の殆どの行先はドイツでも、すべての難民をドイツ一国で受け入れるのは不可能だ。難民受け入れに理解のある国、経済的な体力のある豊かな国も少なく、ヨーロッパの国々は、難民問題で苦慮している。シリア内線は、平和的解決からは程遠い。
ロシアは空爆を開始し、地上軍も準備している。国土の殆どが戦場で、多くの国民は難民となる。しかし、反政府軍とISの区別もつかないような地域へのロシアの空爆をアメリカと英国は非難し、ロシアは空爆の成果を強調する。シリア国民にとっては欧米も、ロシアもISも、外部勢力であり、アサド政権同様の悪だ。アサド大統領の圧政に苦しむシリア国民の味方であるはずの反政府勢力も、背後にアメリカがついて国民にとっては政府軍と同じようなものだ。
 
 
ロシアがシリア内戦への介入を強める中、オバマ米大統領は2日、ホワイトハウスで記者会見を行い、シリアのアサド大統領を退陣させる条件の計画でのみ、プーチン大統領とシリア内戦解決に向けて協力する意向を示した。オバマ大統領はまた、反体制派を訓練し装備を供与する計画について「想定通りに進んでいない」とし、自身の戦略の一部が失敗していることを認めた。オバマ大統領は、外交が唯一の解決策であることを強調し、アサド大統領を権力の座から追放する仲介案策定を示唆した。
 
ロシアとシリアはソ連時代から密接な関係を維持し、現在もシリアはロシアにとって重要な中東の友好国であり、その戦略的意義は極めて高い。ロシアは自国の軍事基地をシリアのタルトス港に維持している。また、戦車、航空機、対空防衛システム、そして最新鋭の弾道ミサイル等の兵器・武器をシリアに供与してきた。しかし、ロシアにとって、シリアとの関係は決して理想的なものではないという説もある。何故なら、ロシアはシリアに武器を売却する際に、武器購入資金としてクレジットを提供しなければならなかったし、ソビエト期の約134億米ドルにおよぶシリアの債務のうち73%に相当する98億米ドルを帳消しにすることも合意しなければならなかったからだ。また、ロシアのメドヴェージェフ大統領(当時)が2010年にシリアに訪問した際には、シリアに原子力発電所を建設することを提案しているが、結局、何も進展は見られていない。そのため、両国の関係の基盤となっているのは、軍関係者、政治高官、武器・兵器の取引業者などのもっとミクロなレベルの関係だという論者もいる。
 
ロシアにとって中東への足掛かりとなるシリアの存在は重要だ。親ロ的なアサドをつぶすわけにはいかないだろう。2011年のリビアでの失策も背景にある。もともとリビアに対する介入には及び腰だった中ロだったが、国連決議は、リビアの民間人の保護を求め、そのための必要な行動を国連加盟国に認めるものだとされていたため、中ロも拒否権を行使しなかったという経緯がある。だが、介入は大規模に行われ、民間人保護という目的を超え、結局、カダフィ政権が転覆するまで攻撃が続けられた。それは、中ロにとってみれば、国連決議の前提を大幅に超えた介入であり、ロシアは友好的関係にあったカダフィ政権を喪失した。また、ロシアは反体制派とは関係を構築していなかったため、リビアに影響を行使できなくなってしまったのである。同じ轍を踏まないために、強いロシアを内外にアピールするために、シリアでは妥協することなく、拠点を確保したいと考えている。ロシアとしては国際的な軍事介入を阻止し、「ロシアに近いシリアの政権」が継続ないし誕生することを目指している。
 
戦争を起こすのは国民を守るためではなく、国益を守るためだ。冷戦時代のベトナムでは共産圏拡大を阻止するために人の国に上がり込んで、住民を虐殺した。9.11テロへの報復のつもりか、アメリカはイラク戦争を仕掛け、イラクを無法状態にし、IS勃興の遠因を作った。よしんば、自国国民を守るためだとしても、他国の住民を殺戮してよいわけがない。
極度の迫害を受け、生命が危険にさらされている人々に対して、国際社会は何ができるか。
残虐行為が知られ始めてから、犠牲者たちを救うべきだとする国際世論が高まることもある。しかし、地上軍を派遣して犠牲者を救おうという国が現れることは滅多にない。使われる手段は空爆である。コソヴォでは、空爆開始後しばらくの間、アルバニア系住民に対する迫害は逆に増え、難民の数が一気に増えた。介入によって救援されるべき人間たちが、むしろ苦難をしいられたことになる。空爆開始直前、一九九九年三月一七日報告書でも、アルバニア人に対する殺害の事例と、セルビア人に対する殺害の事例とが、交互に登場する。「人道的介入」は、セルビア人・アルバニア人両方に対する攻撃でなければならないが、実際には、そうした精密な仕分けなど不可能だろう。ユーゴ空爆を批判する意見の中には、コソヴォのアルバニア人を守るのが目的だというならば、なぜ地上軍を投入しなかったのかという批判論もあった。確かに危険を避けて遠距離あるいは高空から爆撃するやり方が、人道的介入の名に値するわけがない。加害者をたたくのではなく犠牲者を救うものであるべきだ。国家による軍事介入ではなく、市民による非暴力的な介入というかたちをとることしかできないように思う。しかし、武器がばらまかれている状態で、丸腰で人道的介入もできない。アメリカで銃規制が不可能で、これからも銃乱射事件の犠牲者は無くならないのと同じで、武器が世界に拡散していく現状では、テロ国家あるいはテロ集団は増加の一途だろう。残念なことだが、防御は自国にテロリストを入国させないこと、国民を守るためと称してアメリカの軍事介入に協力しないこと、そして本当に国民を守りたいなら、日本の子供たちを貧困から救うのが一番だろう。

抗日戦勝記念日?

2015-08-29 | 国際
中国政府は、去年から毎年9月3日を「抗日戦争勝利記念日」と定め、去年は北京郊外にある「抗日戦争記念館」で記念式典を開催した。
習近平国家主席を筆頭に共産党の最高指導部7人が出席し、国営テレビやラジオを通して中国全土に中継された。
 
毛沢東は、抗日戦争勝利記念行事を一度も行ったことがない。中国(中華人民共和国)が1949年10月1日に誕生すると、その年の12月23日に抗日戦争勝利記念日を8月15日にしようと決定した。しかし実際には実行されておらず、1951年8月13日に、記念日を「9月3日」にすると、文書上で決めた。
しかし、その後、記念日に、いかなる行事も行っておらず、ソ連のスターリンに向けて祝電を送ったぐらいが目立った行動だった。内容は「抗日戦争勝利6周年に際し、中国人民解放軍と中国人民を代表して、スターリンとソ連武装部隊およびソ連人民に熱烈な祝賀と感謝を表する」。
スターリンが亡くなった後、毛沢東に代わって周恩来がソ連のマレンコフ、モロトフ宛てに祝電を送り続け、1954年にはアメリカ帝国侵略集団が日本に軍国主義を復活させようとしていることを痛烈に非難し、日米安保条約に関して抗議、ソ連に協力団結を呼び掛けている。
 
1950年代、中ソ対立が生まれる1955年までは、ただ単にソ連に祝電(謝意)を送っているだけである。つまり、「抗日戦争はソ連のお蔭で勝利した」という位置づけをしていた。
1960年9月1日にメキシコ代表と対談し「日本人民は素晴らしい人民だ。第二次世界大戦では一部の軍国主義者に騙されて侵略戦争をしただけだ。戦後はアメリカ帝国主義に侵略され、日本にアメリカ軍の基地を作っている。アメリカ侵略国家は台湾にも軍事基地を置き、我が国を侵略しているのは許せないことだ」という趣旨のことを語っている。1972年9月には、日本の田中角栄元首相の訪中と日中国交正常化に関する記述に多くのページが割かれ、日本を讃えている。
 
毛沢東は、主に日本軍と戦ったのは国民党軍であり、中共軍はゲリラ戦で協力したに過ぎないことを知っていた。抗日戦勝日を祝えば、国民党を讃えるということになる。中国は、国民党軍を倒して誕生した国であり、建国記念日である国慶節(10月1日)は、毎年盛大に祝っている。
 
新中国成立以降の14回の軍事パレードは、いずれも建国記念日に行われた。だが9月3日に行われる軍事パレードでは、初めて抗日戦争勝利がテーマとなる。国防大学の喬良(チャオ・リアン)教授によると、抗日戦争勝利日の軍事パレードと建国記念日の軍事パレードには多少異なる点がある。建国記念日の軍事パレードは国家の盛大な式典だ。抗日戦争勝利記念日の軍事パレードは一方向的な記念日の軍事パレードであり、常態化する可能性はあるが、毎年行われることはない。 建国記念日の軍事パレードと異なり、抗日戦争勝利記念日の軍事パレードでは抗日戦争に参加し、今も健在な元兵士、前線支援模範と烈士子女の代表も閲兵を行い、抗日戦争元兵士と前線支援模範への敬意、抗日烈士をあがめる気持ちを存分に示す。 
 
新京報の調べでは、前回の大規模な軍事パレードは2009年の建国記念日のもので、準備作業は2008年末から1年近くかけて行われた。同様に、1999年の建国記念日の軍事パレードの準備作業も1998年末から1年近くかけて行われた。
建国記念日以外で大規模な軍事パレードが行われるのは今年が初めてで、反ファシズム戦争における中国の貢献を振り返り、世界平和に対する責任を中国が担っていることを示すことだという。
 
中国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。
「日本はなぜ70周年で憲法を改正し文官統制を変えるのか」
「日本に見せつけるためだよ。気分が悪いか?気分が悪くても見なきゃなんだよ」
「反ファシスト戦争から70年たって、一部の国は忘れてきているからな。常任理事国の一つとして思い出させる義務があるのだよ!」
「軍国主義を復活させようとしている国があるから、ビビらせるために軍事パレードをするのは必須のこと」
 
2015年5月12日、BBC中国語サイトによると、ロシアの首都モスクワの「赤の広場」で行われた戦勝70周年軍事パレードに中国の習近平国家主席が出席し、中国軍もパレードの隊列に加わったことに、中国のネットユーザーから「強盗と一緒に祝うようなものだ」「中国人は過去を忘れやすい」など批判コメントが相次いだ。
 
ネット上での批判の声に対し、中国人民解放軍機関紙・解放軍報は反論記事を掲載した。記事は「西側の主要メディアは良好な中露関係を壊そうしている」とした上で、ネット上での批判の声はそうした動きに同調するものだと指摘。「歴史を忘れることは国に背くことだ」とし、抗日戦争の際に旧ソ連が中国をサポートしてくれたことを忘れてはならないと強調した。 また、欧米流の民主主義や共産主義を覆す「色の革命」を誘っているのも、中国に対してハイテク技術を封鎖しているのもロシアではなく米国であり、チベットやウイグル、台湾、香港などの分離独立や扇動を画策しているのも米国だと記事は指摘し、「誰が中国の心の友人か明白だ」と伝えた。 この記事が掲載されたことで、「第2次世界大戦で中国を助けたのは米国だったのか、それともロシアだったのか」「ロシアがいつ中国の古くからの友人になった?天津条約に北京議定書、モンゴル独立、満州国承認、珍宝島事件などの中ソ国境紛争…そんな友人があるか」「スターリンはヒトラーと手を結んでいたではないか」「申し訳ないが、党はもう国を代表できていない」などの声が上がり、ネット上の議論はさらに過熱している。
 
たった一人の政治家の発言や歴史認識で、国同士の関係は簡単に変わってしまう。中国は常に大国から侵略を受け、欧米諸国やロシアからひどい目にあわされてきた。アジアの同朋である日本からもひどい侵略を受け、その裏切りはひときわ許せないのかもしれないが、中国と良い関係を保ってきた期間もある。日本に敵対する中国がアヘン戦争を画策して中国を長期間苦しめたイギリスをはじめとする欧米諸国を非難することもなく、良好な関係を保っているのだから、中国が執念深い国だとも思えない。
 相手は自分を映す鏡である。安倍首相の歴史認識の偏りや欧米重視の価値観が必要以上に相手の態度を硬化させているように思う。
 
今日まで緊張が続く日中関係について、北京語言大学の王健蕾さんは違いを受け入れつつ、近いことの「縁」をより大事にすべきだと訴えている。 もし、誰かに「中国と係わりのある国を一つ挙げなさい」と言ったら、恐らく多くの人が日本だと答える。個人的な付き合いはスムーズで、人間味にあふれているのに、国や民族間となると、敵対しがちだ。柔軟な考え方、相手の立場で考える方法で両国間の壁を突き破ることはできないものか。日中両国、歴史の縦軸に沿って振り返ってみれば、2000年余りの交流史があり、先を眺めてみれば未来は果てしなく広がっている。アメリカに比べて、中国が悪辣で信用できないとは決して思えない。まず、こちらの偏見から正していくべきだろう。今の政権にそれを求めても無理な話だが・・・・・
 
今までの歴史教科書と育鵬社・自由社の教科書の違いは歴然だ。
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東京書籍
日中戦争の勃発
満州を支配下に置いた日本は、さらに華北に侵入し、1937(昭和12)年7月7日、北京郊外の盧溝橋でおこった日中両軍の武力衝突(盧溝橋事件)により、日中戦争が始まりました。戦火は華北から華中に拡大し、日本軍は、同年末に首都南京を占領しました。その過程で、女性や子どもをふくむ中国人を大量に殺害しました(南京事件)。このような状況下で、蒋介石は、政府を漢口、ついで重慶に移して、日本軍に対抗し続けました。
抗日民族統一戦線
 中国では、国民党と共産党の内戦が続いていましたが、協力して日本に対抗しようとする共産党のよびかけにより、1937年9月に提携が実現し、抗日民族統一戦線が結成されました。日本は、国民政府にかわる親日政権の出現を期待し、これと和平を結ぼうとする声明を発表しましたが、中国民衆の抗日意識はいっそう高まり、日本の短期決戦の見こみに反して、両国が総力をあげて戦う全面戦争に発展していきました。
 
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大阪書籍
日中戦争の拡大と国民生活
長期化する中国との全面戦争
 
 中国では、国民政府の蒋介石が共産党をおさえて統一を進めようとしました。そのため、共産党は、長征を行って華北の延安に根拠地を移し、毛沢東が指導者となって、日本の侵略と戦うことを中国国民に呼びかけました。このころ日本は、華北を中国から分離させようとはかり、北京郊外の日本軍を増強するなど、中国軍との対立を強めていました。
 1937(昭和12)年7月、北京郊外の盧溝橋で日本軍と中国軍が衝突する事件が起こりました。現地では停戦協定が結ばれたにもかかわらず、日本政府の方針がまとまらないこともあって戦火は上海にも広がり、宣戦布告のないままに全面的な日中戦争が始まりました。国民政府も、共産党との争いをやめて抗日民族統一戦線を組織し、ともに日本と戦うことを決めました。
 日本軍は、各地ではげしい抵抗にあいながらも戦線を広げ、首都の南京占領にあたっては、婦女子をふくむ多数の中国人を殺害し、諸外国に報じられて非難されました(南京事件)。
 国民政府は首都を重慶に移して抗戦を続け、イギリス・フランス・アメリカ・ソ連などの中国援助も活発になりました。共産党も華北の農村地域に勢力を拡大して日本軍に抵抗したので、日中戦争は長期化していきました。
 
◇盧溝橋の事件について、日本と中国の考えのちがいは?
〈中国の考え〉
「このたびの事件の経過から見ても、日本が長いあいだよく考えた上での謀略の結果であって、平和はもはや容易には得られなくなった。」(1937年7月17日 蒋介石の談話)
〈日本の考え〉
「わが軍は、交通線の確保およびわが居留民の保護のため、真にやむを得ざる自衛行動に出たるにすぎず、もとより、少しも領土的意図を有するにあらず。」(1937年7月27日 内閣書記官長の談話)
 
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日本書籍
 
日中全面戦争へ
宣戦布告なき戦争
 中国では、国民政府と、毛沢東がひきいる共産党との間で内戦が戦われていた。根拠地を延安に移した共産党は、一致して日本の侵略と戦うことを国民政府によびかけた。日本は、新たな資源と市場を求めて、満州から華北に手をのばそうとしたため、中国では抗日運動が急速に高まった。
 1937(昭和12)年7月7日、北京郊外の盧溝橋で日本軍と中国軍との衝突がおこり、宣戦布告もないまま、日本軍は中国との全面戦争をはじめた(日中戦争)。年末には日本軍は首都南京を占領したが、そのさい、20万人ともいわれる捕虜や民間人を殺害し、暴行や略奪もあとをたたなかったため、きびしい国際非難をあびた(南京事件)。中国の側では、国民政府と共産党との協力が実現し、両党は抗日民族統一戦線を結成して日本の侵略に強く抵抗した。日本軍は各地の重要都市を占領したが、国民政府は首都を奥地の重慶に移して抗戦をつづけ、占領地域でも共産党が農民の支持をえながら、はげしいゲリラ戦を展開した。
 
日本軍は、1940年ころから華北の抗日根拠地をつぶすための軍事行動をおこなった。中国側はこれを、「焼きつくし、殺しつくし、奪いつくす」三光作戦として非難した。
こうして、すぐに戦争に勝てるという日本側の見とおしははずれ、戦争は長期化していった。
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清水書院
 
日中戦争と戦時体制
日中戦争
 満州国の実権をにぎった日本の軍部は、さらに華北を侵略した。1937(昭和12)年、北京郊外で日本と中国の軍隊が衝突した。事件後、現地軍や陸軍内部で拡大派と不拡大派が対立していたが、政府の和平交渉も失敗し、全面戦争へと戦火はひろがっていった(日中戦争)。
 当時内戦をつづけていた国民政府と毛沢東の指導する中国共産党は、日中戦争がおこると、抗日統一戦線を結成した。日本軍が華北の要地や南京・広州などを占領すると、国民政府は首都を奥地の重慶に移し、アメリカ・イギリスなどの援助をうけて抗戦した。その後日本軍は、戦線を拡大し、やがていつ果てるともしれない長期戦となった。
 
日本軍と中国民衆
日本軍の物資の補給体制はきわめて不十分だった。日本軍は、占領した地域で物資や労働力を徴発し、食糧などもその地で確保した。このため物資の略奪・放火・虐殺などの行為もしばしば発生した。とくに南京占領にさいしては、捕虜・武器を捨てた兵士、老人・女性・子どもまでふくめた民衆を無差別に殺害した。戦死した兵士もあわせたこのときの死者の数は、多数にのぼると推定されている*注。諸外国は、この南京大虐殺事件を強く非難したが、当時の日本人のほとんどはこの事実さえ知らなかった。こうした日本軍の行為は、中国民衆の日本への抵抗や憎悪をいっそう強めることとなった。
*注:このときの死者の数については、数万人、十数万人、30万人以上などと推定されている。
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育鵬社・自由社の教科書-歴史歪曲記述多数
 
「わが国が朝鮮の独立と近代化にこだわった背景には、太平洋岸 に勢力をのばす 大国ロシアの南下政策 がありました。わが国のすぐ近くにある朝鮮が清の影響のもとで混乱を続け、ロシアの植民地になれば、日本の安全が脅かされることになる」(育鵬社)
 
「ロシアの極東での軍備強化をこのまま黙認すれば、わが国の存立の危機」(育鵬社)
 
併合後の朝鮮について「学校も開設し、日本語教育とともにハングル文字を導入した教育を行った」という記述を加え、現行本にあった「これらの 近代化事業によって、それまでの耕作地から追われた農民も少なくなく、また、その他にも朝鮮の伝統を無視したさまざまな同化政策を進めたので、朝鮮の人々は日本への反感をさらに強めた」という記述を削除した。検定でほぼ同文が復活したとはいえ、本文での復活ではなく、(注)に落としての復活にすぎない。(自由社)
 
「中国各地 で日本人が殺害されたり、居留地が襲われる事件もおこり、関東軍による治安回復への期待が高まっていました 。」(育鵬社)
 
「日本は 3 万人の居留日本人保護のため、陸軍を逐次派遣」(自由社)
 
「わが国の勝利はアジアの人々に独立の希望」(育鵬社)
 
「アジアの人々をふるい 立たせた日本の行動」「日本を解放軍として迎えたインドネシアの人々」(自由社)
 
「国民の多くはひたすら日本の勝利を願い、励まし合って苦しい生活を耐え続けました。」(育鵬社)
 
自由社では、現行本のコラム「20 世紀の戦争と全体主義の犠牲者」を「戦時国際法 と戦争犯罪」というタイトルに変え、「沖縄戦の悲劇」を加えた。そのなかで集団自決にもふれたが、その原因や責任にはまったくふれていない 。
 
「米軍の猛攻で逃げ場を失い、集団自決する人もいました 。」(育鵬社)「米軍が上陸する中で、追いつめられた住民が、家族ぐるみで集団自決」(自由社) 
 

好戦的な安倍自民党に 塩を送るアキノ大統領

2015-08-26 | 国際
フィリピン ・インサイド・ニュース
 
 日本ではあまり報道されていないが、フィリピンと日本の間で軍事同盟締結の動きが顕著になっている。 フィリピンの基地はヴェトナム戦争当時に沖縄と共に最前線基地だった歴史がある。その後コラソン・アキノ大統領(現アキノ大統領の実母)が誕生してから、これら基地は次々と返還され現在は経済特区として海外からの企業を呼び込んで自立の道を歩んでいる。しかし、中国の軍事的膨張を見込んで、撤退した米軍の常駐軍に代わる『訪問軍地位協定=VFA』がフィリピンとアメリカの間でラモス大統領によって1998年締結された。
 
VFAは演習などのために訪比する米軍兵士や物資の取り扱いに関する協定で、①出入国時のパスポート、ヴィザ既定の除外。②軍事物資の持ち込み、持ち出しに伴う関税の免除。③米兵が比国内で犯罪を起こした場合、比側の司法手続きが完了するまで米側が身柄を確保できるなど、平等性を欠くと批判が強い。
 
近年の南シナ海海域の中国による軍事的圧力を受けて日本は安倍政権になってから巡視艇の供与や日本人専門家を派遣し、フィリピン沿岸警備隊の監視、警戒活動能力を強化している。日本国憲法では明らかに自衛隊の海外派兵、派遣は禁止されているのにも関わらず、日本の自衛隊もフィリピン軍に協力し部隊を派遣していて、6月23日から2日間に渡ってパラワン島の西方海域で海上自衛隊とフィリピン海軍の合同訓練が行われた。漁船の捜索訓練とはいいながらその実態はれっきとした『派兵』であり、海上自衛隊の哨戒機P3Cと海上自衛隊の約20人が参加した。
この海域は中国とフィリピンがその帰属を巡って争っている場所であり、フィリピン、アメリカ、日本の3国が軍事演習を繰り広げることによって中国に対して示威行動を行うが、これに対して中国は自分の行動を顧みない破廉恥な非難を表明している。
アキノ政権は日本との本格的な演習を可能とする『比日VFA』の可能性に言及し、フィリピン外務と国防両省が日本側と折衝中と表明。折からの安保法制審議で日本の自衛隊を米軍の下請けとして、海外派兵で攻撃ができるようにする法案が取り組まれているが、アキノ政権の考え方は好戦的な安倍政権に塩を送る考えである。
 フィリピン国内でも問題が多いとされるVFA批准には上院議員の定数24人中の3分の2以上の賛成が必要とされ、現在のアキノ政権を支える与党ならば批准は確実と見られているが、来年に実施される正副大統領選および上下院選挙では議会地図が変わる可能性もある。
こういった情勢をにらんで安倍政権はODA以下硬軟のフィリピン援助を与えて、フィリピンを懐柔すると見られているが、そこまで甘くないのが日本に侵略されたフィリピンとの見方も強い。
 
好戦的な安倍首相が米軍の下請けとして海外派兵で攻撃できるようにする法案と・・・真実の報道をしている。安倍政権のメディア検閲も海外メディアまでは及ばないらしい。安倍首相の歴史認識はフィリピンの独立を支援したと言うことだろうが、はっきり侵略だったと明言している。

エボラワクチン開発の裏にうごめく・・・・・

2015-08-02 | 国際
米製薬大手メルクは31日、アフリカのギニアで世界保健機関(WHO)などが進める臨床試験(治験)の中間結果で、同社のエボラ出血熱ワクチン 「rVSV―ZEBOV(EBOV)」が予防に100%の有効性を持つことが確認されたと発表した。エボラ熱は直近の西アフリカでの大規模流行で1万人以 上の死者を出した。待望の予防ワクチンの承認に向けた大きな一歩となる可能性がある。(日本経済新聞)
 
エボラ感染の米医師ら回復 未承認薬投与「奇跡のよう」
世界保健機関(WHO)は西アフリカのリベリアでエボラ出血熱に感染した医療従事者3人に米国の未承認治療薬「ZMapp」を投与したところ、医師1人と看護師1人の計2人の病状が大幅に改善した、と発表した。別の医師1人も重篤な状態ながら、改善の兆しがあるという。 エボラ出血熱に対しては有効な治療薬がないため、WHOは緊急対応として、未承認薬の投与を条件付きで認める方針を打ち出していた。ただ、未承認薬は在庫が少ないうえ、安全性の確認も終わっていない。一方、この3人とは別に、リベリアでエボラ出血熱に 感染し、米国に帰国して治療を受けていた米国人医師ケント・ブラントリー氏が21日、入院先のジョージア州アトランタの大学病院を退院した。ブラントリー氏は、キリスト教慈善団体のメンバーとして、昨秋からリベリアに滞在。今年7月下旬、現地で活動中に体調を崩し、感染が確認された。。
 
 
ロシアWebサイト[ロシアの声]は、2012年に米国がエボラウイルス関連の特許を所得、国防総省がワクチン開発に多額の資金を投入していること、米国人感染者がアメリカ本国に移送されて未承認のワクチン[ZMapp(ジーマップ)]の投与を受けたことから、今回の流行の裏には米国政府がいることが明白になったと報道していた。ワクチン開発には1000億円単位が必要になるが、アフリカの一部でしか流行しないエボラ出血熱は、感染者数が数百人から数千人程度。これではコストが見合わない。にもかかわらず、今回、狙いすましたかのようにアメリカから未承認ワクチンが登場した。[ZMapp]は米国製薬会社マップ・バイオファーマシューティカルが開発した製品で、マップ・バイオファーマシューティカルには米・国防総省が資金を提供している。
 
カナダのテクミラ・ファーマシューティカルズが開発中の遺伝子工学に基づいた新薬[TKMエボラ]は、ウォールストリートジャーナルによると[米国防総省の医療対策システム・生物テロ防御薬(MCS-BDTX)との1億4000万㌦の契約に基づいて開発](日本経済新聞2014年3月6日付)されたという…。遺伝子組み換え食品で物議を醸しているモンサント社はテクミラ社の親会社であり、[TKMエボラ]が製品化された場合の収益は、モンサント社へと還流することになる。製薬企業のTEKMIRA社はモンサント社から150万ドル(約1.5億円)を受け取っている。モンサント社がTekmira社に提供した資金は、農業に使用されるRNA干渉テクノロジーの開発に関連したものである、という。
 
米国防総省は、複数の製薬会社に依頼して多角的に対エボラウイルス薬の開発をスタートさせていたことになる。採算が合わない抗エボラウイルス薬に、何故、何百億円も投資していたのか?
 
元Forbes太平洋支局長であるジャーナリストのベンジャミン・フルフォード氏は、「これは生物兵器による攻撃だ」と断言する。「感染したアメリカ人医師は、移送されてすぐZMAPPという薬を投与され、奇跡的に症状が改善したと報じられました。アフリカでこれだけの人たちが苦しんでいるのに、明らかにおかしい。最初から、エボラ出血熱のパンデミックのために用意していたと見るべきです」
「新型インフルエンザ・SARS(重症急性呼吸器症候群)が日本や中国といった東アジア地域で脅威となったのはいまから12年ほど前です。それから10年経過した2012年に、今度は中東でSARSと同様の新型コロナウイルスによるMERS(中東呼吸器症候群)が登場し、依然として猛威を振るっている状況です」 MERSは死亡率が40~50%前後と非常に高く、さらに厄介なのは、初期症状がほとんど何もないまま、いきなり肺炎を発症するという。
「実はこのMERSですが、最初に発見したエジプト人医師アリ・ムハンマド・ザキはなんとウイルス発見の功績者にもかかわらず、サウジ保健省が病院に圧力をかけ、解雇してしまったのです。サウジといえばイスラム教徒が集う聖地があります。この地を標的にして新種のウイルスをばらまいて流行らせることで、原油利権を握るロックフェラーなど欧米の闇の支配者たちが乗っ取ろうとしていた。しかし、その計画がザキ医師によって頓挫させられたために、サウジ保健省の内通者を使って圧力をかけ、解雇させたと私は考えています」
SARSやMERSのコロナウイルスなど、ウイルスによる病気は、闇の支配者直系の研究施設で作られ、意図的に流出させられたものであるとはすでにさまざまな証拠で明らかになっているという。それは例えばアメリカのフォート・デトリックこと米陸軍観戦医学研究所(USAMRIID)である。
「メガ・ファーマと総称される巨大製薬業界の一角を占めるメルク社がこの研究所設立に関与しており、第二次大戦後は旧日本軍の化学兵器研究で知られた731部隊の資料を奪取し、生物兵器や化学兵器の開発を極秘裏に進めていた研究所です。メルクの創業者、ジョージ・メルクがこの研究所設立に携わった背景には、彼がロックフェラー財団やGMのスローン一族とともに癌の研究を行っていたという事実がある。つまり、闇の支配者直系の生物兵器研究機関なのです。911以降、アメリカが侵攻したアフガニスタンなど中央アジア地域に、彼らは極秘で生物兵器や化学兵器を研究・開発する研究所を建設していたと言われている。中東で流行しているMERS、そしてここ最近アフリカで増加しているエボラ出血熱などがここで培養された生物兵器である可能性は高い」
「彼らにとって中東や東アジアの有色人種は“人間”ではなく“ゴイム(奴隷)”に過ぎず、実験用のモルモット程度にしか考えていない節がある。その証拠に、2009年にアメリカの共和党シンクタンク『アメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)』がまとめた論文で、『特定の遺伝子をターゲット出来る生物兵器戦争の進化した形態は、生物兵器戦争をテロの領域から便利な政治的なツールに転用できる』という主張がなされているのです。これは、選ばれた一族以外の“劣った人種”を間引く、闇の支配者の人口削減計画です」
フルフォード氏が上梓した「ファイナルウォー」では、インフルエンザやウイルスを使用した闇の支配者たちの「錬金術」について詳しく解説。また凋落著しいアメリカが日本に仕掛ける「最後の収奪計画」について警鐘を鳴らしている。不安定化する現代史の“裏面”を読み解くには絶好の書だ。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
 
何とも耳を疑う話ではあるが、モンサントやアメリカの製薬会社がきな臭い陰謀に絡んでいるというのは、説得力がある。
 

米モンサント33%増益 3~5月期

2015-08-01 | 国際
遺伝子組み換え種子大手の米モンサントが発表した3~5月期の決算は、純利益が前年同期比33%増の11億4100万ドル(約1415億円)だった。トウモロコシ種子の販売増に加え、研究開発費を12%削減しコストを抑えたことが利益拡大に貢献した。売上高は同8%増の45億7900万ドルだった。主力の遺伝子組み換え種子部門は5%の増収。トウモロコシ種子は米国向けの新商品が好調だった。大豆は伸び悩んだ。
遺伝子組み換え(GM)作物の耕作面積が各国で急拡大している。2014年の合計面積は1億8150万ヘクタールで、世界の耕作面積の約13%を占めるまでになった。けん引するのは新興国で、農業分野で自国経済を伸ばそうと認可を進めているのが背景だ。
 米国で本格的な商業栽培が始まった1996年の世界の耕作面積は170万ヘクタールだったが、14年には日本の国土面積の5倍の大きさに迫った。大豆、トウモロコシ、綿、ナタネが主に栽培される。耕作面積トップは、他国に先駆けて認可を進めた米国で7310万ヘクタール。米農務省によると今や栽培される大豆の94%、トウモロコシの93%、綿の96%はGM作物だ。まさに“GM作物大国”で、米国農業はこの技術なしには成り立たない。ただ、バーモント州は消費者の声を受け14年、GM作物を使った食品の表示を義務付ける法律を成立させた。現在、このような法律は全米でも同州だけだが、米国の消費者の一部も不安視しているわけだ。耕作が広がっているのは新興国だ。2~4位にブラジル、アルゼンチン、インド。アフリカも南アフリカ、スーダンなどで伸びている。新興国の栽培面積合計は12年に先進国を抜いた。
 
 面積当たりの収量がまだ低い新興国はGM作物を導入し、農業を発展させようとしている。GM大豆は条件によって収量が約2倍増えるとのデータもあり、関心は高い。栽培を始める9割は小規模で所得水準の低い農家で、所得を伸ばしたいという考えも強い。中国は大豆、トウモロコシなどの栽培に慎重だったが、習近平国家主席は14年、「最終的には認められるものだ」と表明。今後栽培が増える可能性がある。
 
 対する慎重派は、欧州の多くの国だ。ドイツ、フランスなどは消費者の警戒心が強く、一部栽培禁止などの措置を取っている。過激な反対派もおり、あるGM作物種子会社の幹部は「欧州に試験栽培所をつくったところ、侵入され壊されてしまった」と話す。
 
 
 日本は奇妙な状態が続いている。政府は栽培を認めているが、「人気が出ないのでは」などという懸念から一部の花を除き商業栽培は始められていない。
 日本で食品を手に取ると、GM作物を「使っていない」と書いた表示が目につく。GM作物はあまり流通していないように感じる。しかし、バイテク情報普及会の計算では、日本は年間約1700万トンのGM作物を輸入している。輸入大豆の91%、トウモロコシの83%などはGM作物だ。それでも、店頭で「GM使用」表示を見ないのは、輸入したトウモロコシの大半は家畜の飼料に使われ消費者の目に届かないためだ。また、大豆、ナタネといった作物は油類向けに多くが使われている。組み換えによって生まれたたんぱく質を含まないという理由で食用を含む油類の表示義務はない。これらが日本ではGM使用を実感することが少ない理由だという。
 
世界の食糧事情を考えると、GM食品の普及は避けられないと思うが、モンサントの企業姿勢は看過できるものではない。
「モンサントの種子と除草剤・殺虫剤をセットで使えば、農作業が楽になるばかりでなく、収量が増える」と説明されて、栽培を始めた農家は、最初の何年かは除草の手間も少なくなり、害虫がわかないので、収入が増える。しかし、モンサントから購入していた遺伝子組み換え種子は、一代限りの自殺種子であるから、毎年、モンサントから購入しなければならない。その上、ラウンドアップ耐性を持つスーパー雑草や、殺虫剤を生成する遺伝子が組み込まれているBtに抵抗力を持つ害虫が現われてきて、農家はさらに多くのラウンドアップを使わなければならなくなる。モンサントは、さらに「強い」ラウンドアップやBtを開発して、農家に売りつける。
 
 
モンサントの悪魔的な手法はこれだけではない。
他の農地で自家製の種子を使って有機栽培を始めると・・・・
 
ある日、突然、モンサントから「要求書」が届く。
「お宅の農地のうちで、我がモンサントの製品を使用せずに農作物を栽培している畑から、我が社の遺伝子組み換え種子が見つかりました。特許はわが社が保有しています。従いまして特許の無断使用ということで、損害賠償金をお支払いいただくか、残りの畑すべてにモンサント商品をお使いになるか、ご決断ください。従わない場合は、法的措置を講じることになりますので、ご承知おきください。」
 
モンサントの種子が風に乗って、隣の畑に飛んでいってしまっただけなのだが。
 
世界の発展途上国(インドやブラジルなど)でモンサントによって農家の自殺者が増えている、という。
 
モンサントの描く未来
「農作物への需要は劇的に増加しているが、人口1人当たりの農耕地面積は減少している。そこに気候変動で栽培適地が移動している。私はここに2つの機会があると考える。まず、よりよい技術を開発し農家に提供すること。さらにその技術を収量増加につなげるために、うまく使いこなす手法を提供することだ。農業の生産性はこれからも向上し、収量がピークを迎えるのはまだ先だ。モンサントは2000年から30年の間にトウモロコシ、大豆、綿花、ナタネの4種の農作物について収量を2倍にすることを約束している」
 「世界経済フォーラムが10年に途上国の農業に関し産学官パートナーシップによる新しいビジョンを打ち出した。これを受けてインドネシアでは、ピサグロ(PISAgro、インドネシア持続可能な農業のためのパートナーシップ)プロジェクトが発足、モンサントはカーギルと地元のラクヤット銀行と組んで協力している。銀行に農家向けの小口融資(マイクロファイナンス)をしてもらいモンサントの技術を使ってトウモロコシを生産してもらう。生産物はカーギルが買い農家に現金収入がもたらされる。1年前から始めて、まだ150戸ほどしか参加していないが、今年は1000戸以上に広げたい。生産性と収入を2倍にし農家を豊かにする。子どもを満足に学校に行かせられない貧しい農家をなくしたい」
 「ベトナムで昨年、害虫抵抗性と除草剤耐性のある組み換えトウモロコシの栽培が認可された。ベトナムの農家にとってもモンサントにとっても大事な出来事だ。ベトナムはトウモロコシの輸入国だが、自給を目指していく。フィリピンは一足早く、トウモロコシの自給を達成している」
 
モンサントはベトナムで使われた枯れ葉剤を生産した企業である。農業分野における米国の世界支配を支える企業である。戦争で儲からなくなった軍産複合体が食料や医療を支配して、人類の生命そのものを収益源にしていく意図を感じる。TPPはその大きな最初のステップかもしれない。 遺伝子組換え食品で人間の免疫力を低下させ、病気にかかりやすくするのも朝飯前だろう。医療機関と保険屋が儲かり、関与する国際金融資本と多国籍企業が儲かる。 人々が健康ではもうからないから、新種のウイルスをまき散らし、不安を煽る。生かさず殺さず、多量の薬品を消費させる。これが彼らの新たな世界戦略かもしれない。

TPPは食の安全を破壊し、医療制度を荒廃させる

2015-08-01 | 国際
TPPは米国に必ずしも有利ではない。農業産品はオーストラリア、工業製品はアジア諸国から安い輸入品が流れこむ。日本の農業は米国と競争すればかなわないが、アメリカだってオーストラリアに太刀打ちできない。アメリカ国内の関連業界からの参加反対論も強い。アメリカが世界的に優位を保ち、今後もそれを維持できる産業の筆頭として医薬品産業が挙げられる。TPPに参加した場合、アメリカはこの分野で圧倒的に有利であり、将来の利益を考えれば、他の産業を犠牲にしても、やむを得ないと思っている。アメリカは次世代の中心産業をバイオに見ているのであり、そこで主導権を確保することが将来的な国益につながるという戦略に立っている。近視眼的な見方しかできない日本政府が太刀打ちできる相手ではない。
現段階で、医薬品の許可は国内管轄事項である。米国で認可されても、日本で即承認とはならない。大手の製薬メーカーにすれば、現在の国別の許認可制は障壁である。他国の規制を緩和させ、特許権を強化するだけで米国の製薬会社の利益は格段に上がる。
カナダ政府は米国製薬会社にたいして臨床実験数が不十分であるとして特許を与えなかった。米国製薬会社はこれをカナダの裁判所に持ち込んだが、カナダの最高裁判所はこれを却下した。この製薬会社は米加自由貿易協定に含まれるISD条項でカナダ政府を訴えた。その額なんと一億ドルである。
 
 
医療業界は反対している。
日本医師会「日本の公的医療保険の給付範囲が縮小する懸念はなおも消えない」「日本の国益に反すると判断された場合は、TPP交渉から速やかに撤退するという選択肢も持つべき」。
全国保険医団体連合会「国民皆保険の形骸化と主権の放棄をまねくTPP交渉参加表明に抗議する」。
医療団体連絡会議「いのちの営利市場化をゆるすな!」
国境なき医師団「TPP協定がアジア太平洋地域の公衆衛生の脅威となる」。
 
途上国も対象となる貿易協定として、攻撃的な知的財産関連条項を米国が提案している。製薬企業は薬剤の独占的な保護期間を延長し、薬価を高止まりさせ、それにより安価なジェネリック医薬品の普及を遅らせる。アメリカの国益が最大限守られ、弱者があおりを受ける協定である。利害関係者として会場に集まった約70団体のうち、7~8割を米国研究製薬工業協会など米国の大企業関連団体が占めるのを見ても、米国製薬会社の膨大な利権が関わっているのは容易に想像できる。
 
武器商人が「死の商人」と呼ばれて久しいが、製薬企業が価格を吊り上げて文字通り、生殺与奪の権利を欲しい儘にする。 世界最大製薬メーカーは米国のファイザー製薬の連結売上高は約675億ドル。日本の製薬企業は規模が小さく、武田でさえ世界ランキングのトップ10に入っていない。一方で、数は多く、2000社を超えている。大半の企業に将来はないが、今までは国民皆保険制度と薬価制度と高齢化で順調に売り上げをのばしてきた。平成25年度で、国内のジェネリックのシェアは数量ベースで28%、金額で11.4%に達した。ジェネリックの普及がこの数年で飛躍的にあがっているが、数量ベースで上がっていても金額はまだ総薬剤費の一割程度。多くのジェネリックメーカーは~200億円レベルの小規模企業が地方を中心に乱立している。医薬品原料のほとんどは発展途上国(インド、中国など)からの買い入れ品で、最近は製剤まで外国ですませている。 包装の外見は大事なので、箱詰めは日本で行う。定期的な監査を乗り切れば、国家公認の医薬品になる。ジェネリックメーカーは製造コストを徹底して切り詰め、リーズナブルプライスで提供している。12カ国が交渉中のTPPで、アメリカの担当者による「不都合な真実」が発覚した。製薬業界の利益を守るためTPP参加国内での安価なジェネリック医薬品の承認阻止に奔走していたのだ。
きっかけとなったのは、アメリカが後押しするTPPの知的所有権条項の草案のリークだ。草案では、国境を越えた特許権保護を強化し、「特許リンケージ」なるルールを加盟国に強制。これが認められると、既存薬の特許権所有者が法的異議申し立てをすれば安価なジェネリック医薬品が承認されなくなる。ジェネリック医薬品協会の推定では、ジェネリック医薬品の使用でアメリカでは10年間で1兆5000億ドルが節約された。特許リンケージ推進派の言い分「製薬業界は、特許を保護するなら、数十億ドルにも及ぶ新薬への投資を続けられる。」に対して、患者側の権利擁護団体は、「アメリカが製薬会社の利益確保をTPP交渉の主な目的にしている。製薬業界の優先事項をあまりにも重視しており、処方薬の適切な価格や安全、有効性、費用対効果といった消費者にとっての優先事項に重きを置いていない」。
 
日本では、TPPを通じて日本市場拡大を狙う米国の保険会社に注目が集まるが、製薬企業の関与と弊害、農薬や遺伝子組み換え作物についてはあまり報じられていない。モンサントも陰で動いていることは間違いなく、農薬や遺伝子組み換え作物が上陸し、食の安全性も脅かされる。世界の種子市場は、すでにほぼ独占され世界中の農地で、在来種を駆逐している。
 
ターミネーター種子は別名で「自殺する種子」と言われ、その作物の二代目の種は発芽しない。農作物を毎年作るためには、毎年、種子を買わなければならない。TPPが締結されると、遺伝子組み換え種子が一気に日本に入り込み、在来種が絶滅する。日本人は作物の品種改良の歴史が長いが、それも終わる。遺伝子が組換えされた種子はモンサント等の多国籍企業が「特許」を持っており、品種改良は「法律違反」で訴えられる。モンサントはすでに日本の住友化学と手を組んで合弁企業も作っている。住友化学は米倉弘昌氏が会長だった。経団連の米倉弘昌会長はTPP交渉に参加した後でも途中で離脱できるとの見方を藤村修官房長官が示したとき、「離脱という表現は不穏当。交渉途中の離脱はあり得ない。日本として国益にかなうかどうかは(協定を批准する段階の)国会の議論で決めればよい。」と批判した。まさに、モンサントに牛耳られている悪魔の発言である。
 
2014年における日本の平均寿命は、男性が80.50歳、女性が86.83歳となり、男性では世界で第三位、女性は世界第一位の長寿命を誇る結果となる。世界に誇る国民皆保険制度の賜だ。これがTPPによって崩壊する可能性がある。ちなみにアメリカの平均寿命は2013年のデータで79.84歳、世界ランク36位である。
 
TPP参加によって営利目的を優先する病院が参入し、健康保険外の自由診療をする病院が増える。その結果、公的保険の適用範囲が狭まり、医療の米国化が危惧される。国は、医療費高騰による財政赤字を改善したいから、自由診療の適用範囲を拡大し、保険診療を縮小する方向に動くだろう。富裕層だけが質の高い医療を受け、寿命を延ばすが、中間層・貧困層の寿命は縮まる。
 
 
ISD条項
海外での起業を保護するために内国民待遇が適用される。これにより当該企業・投資家が損失・不利益を被った場合、国内法を無視して世界銀行傘下の国際投資紛争解決センターに提訴することが可能になる。
 
ラチェット規定
一度自由化・規制緩和された条件は当該国の不都合・不利益に関わらず取り消すことができない。
 
TPP離脱に対する訴訟リスク
TPPのルール上、離脱はいつでも可能とされるが、実際は海外企業から莫大な損害賠償請求が予想され、TPP離脱は極めて困難。
 

中国危機の見方

2015-07-09 | 国際
日本のバブル崩壊を予測したゴールドマン・サックスの元共同経営者、ロイ・スミス氏は中国経済の現状は1980年代の日本と似ている点が多いとして、日本と同様にバブル崩壊に見舞われるだろうと予測した。 スミス氏は、1980年代の日本では不良債権の多さ、資本コストの過剰な上昇、不動産市場のバブル化などが発生したと指摘。各方面の問題が金融分野に波及して、爆発した。このため、好調で“とどまるところがない”ように見えた日本経済が一気に崩壊。日本はさらに、長期にわたる不景気と高齢化で、医療費負担にも苦しむことになったと説明した。 中国政府が日本の経験を教訓として適切な対応をすれば、日本ほど長期間にわたり経済が落ち込むことはないが、「短期的な痛みを回避するのは難しい」という。 さらに問題は、インフラ建設を過度に推進したために地方政府の負債や返済の滞納が激増したことで、中国における世帯、金融機関、各級政府、企業の負債総額は2000年にはGDP比121%だったが、2014年には282%に達したという。
 
中国のポータルサイト「古漢台」
「むしろ韓国と比較すべき」と主張。 韓国経済が崩壊した原因は、一族経営を行う大企業が、深刻な債務超過に陥ったからとした。韓国政府は税制などを通じて、企業の債務を消費者に転嫁する方法を採用。愛国心に訴える巧みな宣伝で、負担を国民に押し付けた。 韓国の家庭の債務が累計で国内総生産(GDP)の81%と米国やドイツ、中国と比べても極めて高い水準になったことが、世界経済の低迷の影響を極めて受けやすいことにつながったと主張した。 中国で株価が高騰したことに着目し、最大の受益者は金融機関を含めた企業で、株式発行など手段も含めて、バランスシートを改善させた。 中国政府は「株価が下落しても(個人)投資家は株価下落の負担に耐えられるだろう」という“賭け”に出ているとの見方を示した。 中国当局が国民に負担を過度に押し付けた場合、政権を揺るがす事態にもなりかねないと危惧している。記事は、企業を救済するために負担を家計に押し付けることは、中国政府にとって極めて楽な方法と指摘し、韓国の1997年の経済危機に際して、対応を見習うべきと結論付けた。 韓国は財務状況の改善が見込めない企業を倒産させ、同時に企業の透明度を向上させ、経済の自由化も進めた。
 
中国国営通信社・新華社は7日に発表した論説「隠された日本の実力」で、戦後の日本が「確固たる国力」を得るに至った原動力のひとつとして、「民を富ませる政策」を重視した。 記事は、戦後日本の発展の原動力として、平和主義や法治主義の定着などを挙げ、その上で、戦前の「富国強兵」とは逆に、戦後は「最初に民を富ませた。『富民』を土台として『富国』を実現した」ことが最も重要と主張した。 代表的な例としては、1960年代からの「国民所得倍増計画」を挙げた。日本では1980年代には国民1人当たりの年収が1万ドルを超え、耐久消費財も基本的に普及。さらに、他の西側諸国と比べ、社会の格差は小さくなったことにも注目した。 記事はさらに、物質的に豊かになった人々は「精神的な豊かさ」を求めるようになったと指摘。中国では日本人の「民度の高さ」が注目を集めることが多いが、「民を富ませる政策」の成功が背景にあるとの見方を示した。 さらに、日本に特異な現象として、国民の間に「中流意識」が定着したと指摘。その結果、「富だけを命がけで追い求める」こととは距離を置くのが普通であり、「一か八かの投機」ではなく「実直な投資」を重視するようになったと論じた。 記事は、日本における中流意識の定着が「物欲の無限な拡大」の歯止めになり、社会資源の節約にも結び付いたと指摘。結果として日本における内需拡大政策の効果は「限定的」なものになったが、「停滞」ではなく「量から質への転換」であり、人類社会に普遍的にみられる現象と指摘した。
 
中国が日本に対してこんな見方をしているのに、少々驚くと同時に、確かに今の日本に比べれば、当時の日本人の民度は高かったし、日本の企業文化も注目に値したと思う。
また中国が経済破たんのツケを意識的に個人に押し付けているという指摘にも合点がいった。中国で株式投資のための融資が解禁されたのは4年前のことだが、借入残高は100年以上の融資の歴史を持つ米国をすでに上回っている。クレディ・スイス・グループで中国調査部門を率いるビンセント・チャン氏によると、中国の投資家は株式を購入するために5兆元以上を借り入れており、これは中国株式市場の時価総額の6〜9%に相当する。借金のうちの約3割は証券会社、残りは信託会社や銀行からのものだ。昨年は証券会社からの借入額が1兆元に迫り、信用取引の爆発的増加がニュースとなった。証券会社からの借入残高は現在1兆9000億元と、1年前の5倍に膨らんでいる。オーストラリアの投資銀行、マッコーリー・グループによると、中国の信用取引の買い残高はすでにバブル期の日本を上回り、1990年代の韓国でのピーク水準と同じ程度になっている。
 
中国では政府や企業が負債を削減する一方で、成長を後押しするために個人に借入を黙認しているという認識は先進国の金融機関で共通だ。
 
希望的観測として、バブル期の日本との違いを指摘する声もある。
日本では、銀行の住専などへの融資が焦げ付いた場合、銀行自らの不良債権となったのに対して、現在の中国では、シャドーバンキング商品の大半は、銀行から分離されており、仮に債務不履行が起こっても、銀行は顧客に対して損失を補填する義務を負っていない。さらに日本では大半の銀行が民営であるのに対して、中国ではほとんどが国有である。政府はなりふり構わない支援をするだろう。人民元は固定相場だから当局によって管理され、資本移動も制限されている。その結果、人民元は投機の対象になりにくい上、資本の激しい移動による金融市場の不安定化が避けられる。現在の中国は、まだ新興工業国の段階にあるので、6~7%という程度の成長が当面維持される。世界への波及効果は限定的ということだ。
教訓としては日本でこれから再度起こるかもしれないバブルに巻き込まれないことだ。ギリシャ危機でも明らかなように今現在ギリシャの国債を所有しているのはトロイカと呼ばれる公的機関である。金利の高い国債を購入した民間の投資会社は売り抜けて利益を手にし、紙くず同然の国債を引き受けたのはEU、欧州中央銀行、IMFである。巨額の利益を手にしてとんずらする投資会社が肥え太る舞台を提供するのはバブルとバブル崩壊である。少なくても個人の浄財を守るなどという文言で金融機関を助けることはやめるべきだ。投資に回す金のない国民はバブルが破裂してもちっとも困らない。困窮者に自己責任、自助努力を要求するなら、逃げ遅れた金融機関こそ野放図な投資の責任を取って、破たんするべきだろう。中国の個人投資家に同情する向きはいない。懲りない面々であろうが、何か学ぶこともあるかもしれない。

ギリシャの脅し戦略は功を奏するか?

2015-07-07 | 国際
オーストリア市民26万1159人がEUからの脱退の是非を問う国民投票の実施を政府に求める請願に署名した。10万人を超えるとオーストリア議会はその問題を討議しなければならないが、その二倍半が集まった。 仕掛け人は政治団体「祖国と周辺環境」のリーダー、インゲ・ラウシェル氏(66歳)。同氏は「今回の署名はオーストリアの市民運動の大いなる成果だ」と語っている。
 
「EUは民主主義でも何でもない。むしろ、民主主義の発展にとっては、暴力的な後退だ。そのことは多くの人が感じている。我が国では失業者も増え、国の債務も膨らんでいる。あらゆる方面で状況が悪化している。ブリュッセルからは、お金のかかる、しかし意味のない注文が押し寄せ、官僚主義的雑事が山のように要求される。EUに入っても、いいことは何もなかったのだ。大手多国籍企業の支配がとことんまで進んだ。EUはあの手この手でそれを進めた。中小企業にとっては、そうした路線は壊滅的に作用した。私が思うには、また多くの人の考えでは、EUという実験の根幹をなすユーロという通貨は、長くはもたないだろう。それを見越して動き、EUから脱退するのが早ければ早いだけ、経済状態は良くなるだろう。私はオーストリアを何も特別なケースだとは考えていない。EUの全加盟国が同じ運命にあるのだ」とラウシェル氏は言う。
 
ギリシャ国民投票で緊縮反対が確実になると、欧州各国の反緊縮・反欧州連合(EU)政党からは「チプラス政権の勝利」への称賛が相次いだ。スペインで「反緊縮」を掲げて5月の統一地方選で躍進した急進左派政党「ポデモス」のイグレシアス党首はツイッターで「きょう、ギリシャで民主主義が勝利した」と祝意を表明した。ポデモスはギリシャの与党・急進左派連合(SYRIZA)の友党で、イグレシアス党首はチプラス首相の盟友。フランスで勢力を伸ばす極右政党「国民戦線(FN)」のルペン党首も声明を出し「ギリシャ国民からの『ノー』は、健全で新しい道を開くものとならねばならない」と主張した。英国のEU離脱を目指す「英独立党(UKIP)」のファラージュ党首もツイッターで「ブリュッセルによる政治的・経済的脅しと対決したギリシャ人の勇気は素晴らしい」とたたえた。
 
ギリシャ紙の風刺画が笑える。バカと呆れられながら、反対方向に走るギリシャ。賢い群れは崖っぷちからまっさかさまだ。
 
ギリシャがユ-ロから離脱して立ち直ったら、それは素晴らしいけれど、チプラス政権は借金を踏み倒して、さらに金をよこせと言っているだけだ。低金利で調達した金を放漫財政でばらまき、消費しただけのギリシャが自立するのは、まず無理だろう。あとはドイツがどこまでギリシャを支援するか、その意思が問われる。
 
 しかし、債権団が妥協すれば今度はスペインやポルトガルなどの反財政緊縮派が勢いを増し、ギリシャだけの問題ではなくなる懸念がある。ドイツ議会ではギリシャへの支援条件緩和を認めることに断固反対している。早晩、ギリシャ政府や銀行の資金が底を突き、年金などの支払いができなくなる。新ドラクマの発行には時間がかかり、発行されたとしても、その通貨価値は急落する。ギリシャ国民にそこまでの覚悟があるとは思えない。
 ユーロを離脱することは債権団が求めている緊縮財政以上に国民の生活を圧迫する。お金を借りて現状が何とか維持されていることに感謝するどころか、お金を永遠に借り続けられるのが当然であり、正義であると国民は考えているようなのだ。被雇用者に占める公務員比率は30~40%、人口1100万人の10%が公務員であり、公務員給与は民間雇用者の3倍、公務員雇用における縁故主義、年金支給開始年齢の低さなど、モラルハザードが国民に蔓延している。

中国の巨大バブル崩壊はいつ?

2015-07-03 | 国際
6月第3週を過ぎた当たりから、中国の株式市場が不安定さが増している。19日の取引で上海総合指数は、約13%と7年ぶりの大幅下落を見せた。
2007年10月の6124ポイントをピークに株価は下落し、2008年10年28月には過去最低の1664ポイントにまで落ち込んだ。個人投資家は資産の多くを失い、7年以上が過ぎた。中国全土は今、株ブームの熱い空気に再び包まれている。上海総合指数は過去3ヵ月で54%上昇、6月第1週には5000ポイントを越えた。中国経済が低迷しながら株式市場が好調という奇妙な状況が続いている。地元大手企業をはじめとした倒産や生産停止が相次ぎ、製造業も不動産業も低迷、何も好転していないのに、株価だけが上がる。
 今回の値上がりについては「典型的な投機筋による値上がりで、近いうちに暴落する」と懸念する声もある一方、依然「6000ポイントの大台突破もあるのでは」という強気な見方がある。株価上昇を政府主導の刺激政策と受け止め、この官製バブルは今後も継続すると解釈されているからだ。7月1日には主要株価指数が5%急落したが、政府は来月から証券取引手数料を3割引き下げると発表し、再び市場を盛り上げようとしている。中国株式投資は8900万人が口座を持つといわれ、うち8割近くを一般市民を中心とした個人投資家が占める。親戚や友人、銀行やシャドーバンクといわれる「陰の銀行」から資金調達をしている。「シャドウバンキング」とは「銀行を通さない金融取引」を指す言葉で、その実体は、高金利商品を販売して集めた資金を、銀行とは異なる投資会社を通して不動産投資する資金運用である。リーマンショックを引き起こした「サブプライムローン」の中国版である。
 
2008年のリーマンショックで崩壊した経済を再建しようと、各国政府が財政投資に巨費を投じたことは記憶に新しい。その中で中国政府は4兆元(64兆円)の景気浮揚策を行うこととなった。しかし、中央政府が投じた資金はわずか2000億元(3兆2000億円)、後の3.8兆元(64兆8000億円)は国有企業や地方政府が自分たちで資金調達を図って景気浮揚策を実効せよと言うことになった。そのため、国有企業や地方政府は大銀行から融資を受けることになったが、地方政府は直接銀行からお金を借り受けることが出来ないため、シャドーバンクを経由して調達することになった。その結果、2010年末にはその資金は政府が計画した景気浮揚資金4兆元を遙かに超え、10.7兆元(170兆円)までにふくれあがった。その巨額な資金が不動産開発や公共事業資金として 市場に投入され、各国がリーマンショックから立ち上がるのに四苦八苦しているのを尻目に、中国経済はV字型に回復しGDPの伸び率が12%となって世界経済の牽引国となったのである。それは 一方で中国の不動産バブルを巨大化させ、北京や香港の都市部のマンション価格を急上昇させ、地方都市では、人の住まない巨大な幽霊公団住宅が あちこちに出現するところとなった。ところが、最近になって国有企業や地方政府が集めて投資した資金の総額は10.5兆元どころか、なんと30兆元(480兆円)を超えていること が明らかとなったのである。この金額は中国GDPの55%に当たり、日本の国家収入の10年分という、とてつもない金額である。これだけの資金が不動産関連に投資されたら、巨大バブルが発生して当然である。中国のバブルは、ある意味では米国のバブルの継続だ。米国でのバブル崩壊に対応して中国が景気刺激策を取り、その結果が今の状態だからだ。つまり米国住宅価格バブルに端を発した21世紀の世界的経済変動は、いまだ収束していないと言える。
 
バブルは永久に続くことはありえない。熱狂していた投資家は、逃げ遅れまいと一斉に保有している株式を売り始めると株価は上昇の過程と逆に急落し、バブルは終焉を迎える。その光景は、過去の歴史の中で幾度となく繰り返されてきた。人間の心の中に、一獲千金という欲望がある間、バブルができ、破裂するストーリーはなくならない。しかし、13億の人口の大半が巨額な資産を失ったら、国民の不満は高まり、打倒共産党に向かいやすい。
 
 
なんとかソフトランディングをしようと、政府は必必死だが、バブル崩壊を回避する手立ては見つからない。輸出を拡大するため、AIIB(アジア・インフラ投資銀行)設立等によって新興国向けのインフラ輸出を目指さざるを得ない状況に追い込まれている。中国のAIIBには政治的な思惑だけでなく、経済的な思惑もある。中国は、人民元高を押さえるためのドル買い・人民元売りの為替介入によって得たドル建て外貨準備が今や4兆ドルに及び、そのドル建て資産の運用先として、このAIIBが登場したことは明白だ。発展途上国側にすれば世界銀行、ADB、あるいはAIIBのインフラ資金はノドから手が出るほどほしい。中国は国内の経済は振るわない中、有り余った外貨準備を新興国のインフラ資金に当て、国内の企業に受注させ、景気浮揚を図るという戦略だ。ドルに代わる国際通貨として元の信頼性を高め、新興国を政治的にも支配したいという野望もあるだろう。
 
バブル発生の裏で役人の汚職が横行した。習近平政権は、党大物幹部が標的の「トラ狩り」、末端役人に対する「ハエ叩き」、資産を海外に移して逃げ出した腐敗官僚を摘発する「キツネ狩り」など反腐敗キャンペーンを大々的に展開してきた。共産中国では土地の私有は認められていない。すべて共産党のものであり、多くは農地として農民に貸与してきた。それを政府が二束三文で取り上げて商業地に転用し、50倍、100倍の値段で民間デベロッパーにリースする土地転がしで潤沢な開発資金を生み出した。中国の各都市が税金にほとんど頼らず、成長と発展を競ってこられたのはこの仕組みがあったからだ。一方、転用した土地を50倍、100倍の値段でも借りる業者はその土地が100倍、200倍の価値を生み出すことを当然わかっている。そのマージンから許認可権や指名権のある役所の担当部長、課長から末端の事務員、工事業者に至るまで、便宜を図ってくれる関係者すべてにキックバックする仕掛けになっているのだ。この仕掛けで動く裏金はGDPとほぼ同額といわれていて、裏金を海外に不正蓄財している下っ端官僚だけで125万人いるという。中国の公務員の給料は安く抑えられているが、許認可権限は無限にある。腐敗と無縁の、清廉潔白な役人を探すほうが難しい。トラやハエやキツネを退治したら、誰もいなくなったという状況になりかねない。土地転がしとキックバックの仕組みがなくなれば、中国経済のダイナミズムは失われ、共産党の汚職まみれの盤石な地盤も揺らぐかもしれない。そういう危機を感じてか、今年に入って汚職摘発キャンペーンは勢いを失っている。
 
人民日報が1月13日に掲載した1本のコラムにその辺の事情が読める。「反腐敗運動推進のために打ち破るべき三つの“誤った議論”」
 
運動推進のためにそれらの「誤った議論」を打ち破るべきだと論じたものであるが、逆に、今の中国国内で習近平指導部の腐敗撲滅運に対する批判の声がかなり広がっている現状が窺える。
「三つの誤った議論」をそれぞれ、「腐敗摘発やり過ぎ論」、「腐敗摘発泥塗り論」、「腐敗摘発無意味論」と名付けている。「腐敗摘発やり過ぎ論」とはその名称通り、「今の腐敗摘発は厳しすぎる。摘発された幹部が多すぎる。いい加減手を緩めるべきだ」との意見。「腐敗摘発泥塗り論」とは、共産党の大幹部たちの驚くべき腐敗の実態を暴露することは、逆に共産党の顔に泥を塗ることとなると心配する論。「腐敗摘発無意味論」は、「政権内で腐敗は既に徹底的に浸透しているから、いくら摘発してもただの氷山の一角にすぎないので腐敗を根絶することは到底出来ない、だからやっても無意味だ」という論である。「腐敗摘発やり過ぎ論」と「腐敗摘発泥塗り論」の二つは、共産党政権内からの批判、最後の「腐敗摘発無意味論」は、「共産党幹部は皆腐敗しているから、共産党がいなくなって安定している社会が崩壊してしまう」と心配する民間の皮肉な見方である。習近平氏の進めてきた「トラもハエも叩く腐敗摘発運動」が既に行き詰まっていることを意味している。自らの政権を守るために、習氏はやむを得ず、共産党政権内の「老同志」たちと妥協したのである。今後、国民に対して自らの「反腐敗」の決意を示し続けていくためには、習近平指導部は当然、下っ端や中間の共産党幹部たちを断続的に摘発していくこととなろうが、「大物トラ」をやっつけるような腐敗摘発はこれ上やらないであろう。バブル崩壊を目前に控えて、権力闘争の一環として身内の摘発などやっている余裕はない。
 
中国のバブルは巨大すぎて、世界経済崩壊の引き金になりそうである。ユーロ圏諸国のデフォルト、3000兆円を上回るとも言われている巨額負債を抱えた米国の財政危機、日本の国債の暴落、ごまかしの延命策によって引き延ばしされているだけに、連鎖が起こりそうである。世界の経済は秋口から年末に向かって、大恐慌を迎えそうだ。