~step by step~[ 側弯症ライブラリー]患者の皆さんへ

側弯症(側わん症/側湾症/そくわん)治療に関する資料と情報を発信するためのブログです

側弯症をめぐる混沌としたネット社会について 私的考察

2009-04-16 02:09:41 | 医療へのひとりごと
 今回も私august03の私的意見です。

 私がこのブログStep by stepを書き出したもともとのきっかけは VEPTERでした。
それが2年半年ほど前からの側弯症という病気との「かかわり」を持つきっかけでした。

わずか2年半ほどのことですが、この短い期間のなかでもこの側弯症患者さんの
ネット社会には様々なことがありました。さらに言えば、私が調べ始める前からの
患者さんのブログの過去ログや掲示板の過去ログを読みますと、それを
さらにさかのぼる形で、様々な出来事があったことを知ることができました。
私august03にとっては、その中でも最大の出来事は JUNAさんが側弯症患者さんとして
書き綴られてきたホームページを全面的にネットから消し去ってしまったことです
いまではそれを皆さんは読むことができません。
特発性側弯症を発症した少女期から....いまから見ればおそらく20年前後前のこと
になると思います.....つい2年ほど前までの長い長い患者さんとしての歴史がその
ホームページには書き綴られていました。
自分自身との闘い、社会の偏見との闘い、それは、いま以上の比ではない時代の
出来事でした。いま以上に「原因不明の病気」ということが、「病気」としてでは
なく、あたかもその個人があたかも忌み嫌われる存在であるかのように取り扱われ
た時代の歴史といっても過言ではないと思います。

同じ病気で苦しむ患者さん同士であるならば、支えあうのが自然な成り行き。と
考えるのが普通ですが、なぜか、側弯症患者さん
......というよりも、特発性側弯患者さんと特定したほうが正確なのですが、
患者さん同士がささいな言葉、表現を廻っていわばネット上でバトル状態になって
いることを知りました。私のようないわば「側弯症患者」ではない第三者から見れば、
なぜにそんなことで言い争わなければならないか?? 
と疑問に思うようなことで言い争っている。

いまここでそのことを取り上げても、多くの皆さんには何のことかもおわかりに
なれませんし、私が何を言いたいかの真意もおわかりにはなれないと思います。
ただひとつ言えることは、これからも発症してくる特発性側わん症のこども達...
...少女たちにとって、あのホームページが消えたことの損失がどれだけ大きいか
そのことを少しなりとも感じていただければと願うばかりです。

多感な少女時代を側わん症という病気と過ごし、さらには手術もへて、多くの苦難
を乗り越えて、JUNAさんは結婚し、お子さんに恵まれ、いまは幸せに暮らしておら
れます。
私には、そういう方の「記録」がネットから消えたことがとても大きな損失に
それはいま現在治療にはげんでおられる患者さんにとって、そしてこれからも毎年
発症してくるこども達にとってのとても大きな損失に思えるのです。

そして、そのような損失を生じさせた大きな原因、要因が「測わん整体」の存在に
あることを声を大きくして、なんどでも述べさせていただきます。

患者さんが立ち上げたブログがこれまでにもありました。過去形で表記したのは
いわれない攻撃にあって、閉じてしまったホームページやブログが少なくないから
です。それが整体からの攻撃なのか、それとも同じ患者からの攻撃なのか、あるいは
まったくの無関係なネットにはびこる変質者のしわざかはわかりません。しかし
現実として、患者さんが綴ったホームページやブログにありとあらゆる言葉をあびせて
閉鎖に追い込んだ輩が存在するのです。

だからこそ、そういう攻撃にもめげずに、がんばって書き続けられている「大人の
側弯」のくららさんを私は応援したいのです。ひとつの病気をめぐって、ある意味
では狭い、とても狭い世界のできごとですが、でもそこにはやはり過去からの流れ
、歴史というものがあります。ご自分自身の側弯症という病気との歴史ももとより
のこと、この側弯症をめぐるネット社会の歴史を観察し続けてきているがゆえに
そういう方の存在というものの意味が大きいと私は感じています。

話の筋をちょっと変えさせていただきますが、このような特発性側弯症患者さんの
ネット社会の出来事をみていて、このようにまとまりのない状態を生み出した原因
ということを私はどうしても追求せざるえません。
つまり、大塚整体をはじめとする側わん整体の存在であり、脊柱側わん症診察の
ような側弯掲示板の存在、ということについてです。

皆さんは、「先天性側弯症のこどもの広場 Patio 2」を覗いてみられたことは
おありでしょうか? まだ見たことがないかたはぜひとも一度覗いてみて欲しいと
思います。おそらくそこを読まれれば、そうなんだ患者(そのお母さん)同士の交流
というのはこういうことをいうのだ、ということがおわかりいただけると思います

そこには、お互いに支え合おうという気持ちであふれています。はげまし、勇気づけ
勇気をもらい、よし、明日もこの子のためにがんばろうという気持ちにさせてくれる
多くのお母さんがた、お父さんがたの言葉であふれています。

ではなぜ特発性側弯症の場合はそのような交流が生まれがたいのでしょう ?

様々な要因があると思いますが、私には、その要因のひとつが
先天性側弯症の場合は原因と治療方法が明確であること、そして医師を信頼している
信頼できる医師がいる。という側面を持つの対して、
特発性の場合は、原因が不明であるということによる「不安」......不安という意味
では先天性側弯症のお子さんをもたれるお母さんがたは明日の命と直結しています
からもっと不安だと思います。私がここでいう「不安」というのは得体の知れない
病気に侵されたという目に見えないものに対する「不安」という意味で使用させて
いただいています..... を感じていること。そして過去から現代にいたるまで、
いつのまにか、病気の治療方法を「論じ合う」ことが当たり前の世界になってしま
ったことから、患者さん同士が「精神的に支え合う」という思想ではなく、
「この原因不明の病気を治すためにどうすればいいかの意見を聞く場」という社会
を形成してしまったことに大きな原因があると感じています。


 原因不明の病気にどう対応するか ?

「今 正しい知識と知らされていることでも 
  数年後には間違った知識とされる場合もあります。」
  例えば手術の時期などは 将来的にかわることも、
  もしかするとあるかもしれません。
  ですから (正しい知識をお持ちの)医師側からだけでなく、
  同じ患者側からも(医師側から発信されていないような)
  意見や情報を知りたいです。」

治療体験記から全文引用させていただきました。こういう形でどうどう巡りを
続けてきているのが、この掲示板の特徴です
この方は、将来は誰にもわからないことと言われます。そのとうりです。
では、将来のことはわからないのだから、いま正しいとされていることは信じるに
値しないとしたら、では患者さんは何を信じればいいのでしょう。
そして、世界中の医師が日々研究してもいまだに解明できずにいることに対して
患者さんから発信される意見とか情報というものはいったい何なのでしょうか?


手術時期が将来はかわるかもしれない。そういうこともあるかもしれません。
でも、それは患者の意見で変わるものではありません。まして、さらにこのような
考え方が患者さんの不利益になるのは、この病気は個々人の進行のスピードが異なり
進行する人もいれば、進行しない人もいる、残念ながら、それを診断する技術はまだ
確立していない。という事実をまったく無視しています。絶対的基準が存在しない
なかで、患者さんが私はこうだった、私はこうだったと述べる事で何の解決になる
というのでしょうか。側弯の病態が異なる、年齢のリスク、レッサーの程度、男の
子と女の子では進行確率も違う、さらに進行のスピードは個々人でまったく異なる

そういう事実を踏まえた上で、それでもなおかつ、患者さんの個々の意見を知ること
が医師の意見を聞くよりもメリットがあると考えられる........

何度でも同じことを言いますが、精神的に支え合うということと、病気の治療法に
まで踏み込んで「患者の意見」を言うということとはまったく次元の異なることです

医者が信頼できない、医者は信用ならない、頼りにならない。と考えるのか
医者を信頼しよう、医者を信用しよう、頼りにしよう。と考えるのか
その根本的よりどころの差とも言えるでしょう。

私自身も掲示板を設置し管理者となっていますが、そこにはあくまでも病気という
ものを取り扱う掲示板である限り、医学的に正しいという必要最小限のルールが
必要です。もし間違いがあったら、すぐに訂正する/訂正できる/訂正してくれる
という「安心」が得られない掲示板を皆さんは、様々患者の意見なのだから、
それはそれでいいのだ、と考えられるのでしょうか。
医者は信用できないけど、患者の言うことはつねに正しい。
患者さんの理屈と感情としてはそれで良いのであれば、それは致し方ありませんが
ここには論理的破綻があることにできれば気付いていただきたいものです。

経過観察をへて側弯症と確定診断されたら、装具へと
装具が効果をもちえなければ、最終選択としての手術へと
それがいま現在の「医学の標準治療法」です
それ以上でも、それ以下でもありません

そしてさらに言えば、それを踏まえたうえで、格闘を続けてきたのが「特発性側
わん症娘の記録」を書き続けてこられている Rさんであり、あるいは我が子の為に
信頼して手術をお願いしたいと思える先生にであえるまで探し続けた mom's diary
のお母さんです。あるいは、中学生という立場で側弯症の自分の生活を書きつづけて
いる「ほのぼの日記」のtoraちゃんや、「★コモもな日々★」のコモモちゃんと
いう女の子たちもいます。
掲示板に何かを求めることもいいでしょう。でも、それ以上にこういう方々の
ブログを読まれることを私はおすすめしたいです。
Rさんが娘さんのカーブが進行しているかどうかをチェックする為にどういう手法
を用いているのか、先生や装具士さんとどういうつきあい方をしているのか、
そういうことを学ぶ材料が豊富にちりばめられています。
toraちゃんやこももちゃんの明るさに触れて欲しいです。同じ年頃の患者さんが
悩んでいたら、こういう子たちのブログに遊びにいくことを勧めて欲しいと願います

患者でもない私が大きな勘違いをしているのかもしれませんが、皆さんにはもっと
大きな視野と、もっと大切なことに気付いて欲しいと願います。
患者さん同士が支え合う、ということの意味と、そのあり方とはどういうもので
あるべきなのか、患者ではない私ゆえにあえて言わせていただきますが、
原因不明の病気の治療方法の情報交換をしましょう、などというのは「あるべき姿」
ではないと私は思います。


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2 コメント

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読んだら削除してください。 (さくら)
2009-04-16 09:39:08
こんにちは。
いつも有難うございます。
娘の病気が分かった当初から私もJUNAさんのブログには本当に勇気づけられお世話になった者の一人です。病気以外にも生活全般に前向きに素敵に生きているJUNAさんの姿をブログを通して接することができるのはとても楽しみでした。
おっしゃる通り、毎年新たな患者さんがでてくる現状を考えてもJUNAさんのブログが見られなくなってしまった事は大きな損失です。
閉鎖する際のいきさつはたぶん分かっているつもりです。先天性の患者さんの交流のように、何故突発性の患者さんは交流できないのか?とても難しいですね。
患者である子供達の年齢も大きいと思います。
発信者が親だけでなく患者本人もいるという事にも何か上手くいかない原因があるのかなと思います。
今も活発に挑発的に発言されている方も、思春期に相当つらい経験をされて屈折してしまったのでしょうか。悪気はないのが尚更困ったことです。

私の娘も高校生になり、今まで以上に親の言うとおりにならなくなり私自身もある程度のあきらめと開き直りで今はだいぶ落ち着いてきましたが、当初は相当気持ちが混乱していました。
原因不明の病気とどう向き合うのか、その中で誤った情報や勧誘に惑わされずに正しい選択をきちんとできるようにするのは難しいと思いますが、誤った方向に行かないように頑張ってほしいし、自分もしたいと思います。
お仕事も忙しい中で運営されるのは相当に大変だと思いますが、どうかこれからも続けていってください。

個人的なメールのようになってしまったので削除してください。
返信する
はじめまして ()
2009-04-17 22:53:49
私は大人になってから特発性側わん手術を受け、現在、術後4カ月になります。
小学時代からひたすら隠し続け、成長がとまってやっと解放されたと13年間思って生きてきたのに、再び手術という形で直面することになり、恐ろしくて、現実を直視できなかった私を支えてくれたのが、両親が打ち出しておいてくれていたJUNAさんのブログでした。
(手術の時点では既にブログは消去されていました。)
両親も私を支えるために術前に何度も読み返し、術前には直視できなかった私に、術後(入院中)に「この人は本当に偉い人だよ。」と手渡してくれました。
入院中ずっと心の支えとして何度も何度も読み返しました。

同世代ということもあり、JUNAさんの心の痛みは自分の心の痛みを再現しているようで、何度も何度も泣きました。が、それ以上に、一人じゃない、同じ病気で戦った人がいて、元気になっているということが精神的な大きな支えになりました。
ブログが消されていくことの背景に、色々な悲しいやり取りがあったことは初めて知りました。
自分の経過と比べ、慰め、励みにし・・・あんなすばらしいブログがもう見られないことは残念で仕方ありません。
4か月たった今も痛みは強く、ともすれば体と心の痛みで潰れそうな時に、august03さんのブログは、日々進みゆく医学の情報や、共に戦う人々のお言葉を拝見することができ、前向きに励まされています。
感想に過ぎませんでしたが、august03 さんのお言葉を見て、何か書かずにいられず、訪問させていただきました。患者同士が支えあう場を、患者でないかたが、理解を持って支えてくださるというのは、本当に素晴らしいことだと感謝をこめて思っています。どうぞこれからもこのブログを続けていただければと思います。
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