~step by step~[ 側弯症ライブラリー]患者の皆さんへ

側弯症(側わん症/側湾症/そくわん)治療に関する資料と情報を発信するためのブログです

弱みに付け込む悪い人たちがいなくなる事を願って…。(患者さんのコメントより)

2009-10-06 00:29:07 | 側弯症患者さんの経験
今回は手術をされた患者さんからのコメントをご紹介します。


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はじめまして。 (逢谷内)
2009-10-02 21:12:17
はじめまして。私は2ケ月前に手術をした19歳です。
中学の体育の授業で『M子の背中はデコボコしていて、うま跳びしにくい』と同級生
に気ずかれる程のでっぱりなのに、集団検診では異常なし。

整体では病院の悪口、それに『嫁入り前の体に傷跡残るの、お母さんはいいの?』 と母に言い…
気付けばコブ角が35度くらいだったのが68度になってました。地元
は田舎だしその頃パソコンないし…。でも今は手術の情報がたくさんありますね。
中学時代にこのブログのような素敵なものに出会ってたかったです。
今は姪っ子を抱っこするのを目標に日々生活しています。

68度とわかった日の帰り道、真っ昼間なのに泣いて歩いてました。今、側わんで
悩んでる方、家族の方にはこんな悲しい思いはしてほしくないです。色々調べたり
話を聞いたりして後悔しない選択をしてほしいです。

すみません、自分の事をダラダラと書いてしまいました。
弱みに付け込む悪い人たちがいなくなる事を願って…。
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(august03より)

以下は以前Step by stepに掲載したものですが、ここにあらためて引用してみます

  別冊ジュリスト No.183 2006/9 「医事法判例百選」のなかの
  「医業類似行為の規制」より引用。

 *治療を受ける機会を奪うことを無視することは許されない
 *この弊害は、その後の最高裁判決において次第に認められるようになった。
 最高裁が初めて消極的弊害(治療機会の喪失)を認めたのが、最大判昭和36年
 2.15であった。

  「無制限に許容するときは、....虚偽誇大に流れ、一般大衆を惑わすところ
   があり、その結果適時適切な医療を受ける機会を失わせるような結果を
   招来する」

日本の側弯症患者さんにとって悲劇であるのは、側湾整体が規制/排除されないこと
です。彼ら自身に自制する良心もなければ、行政も手が回らず、いまだに野放し状態です。

患者さんは「正しい治療」を受ける権利があるのです。正しい治療とは、手術も
含めた治療体系のことを言います。

日本におけるこのような悲劇がいったいいつまで続くのでしょうか ?

患者さんは正しい治療を受ける権利があるということの意味も、そして何よりも
道義的倫理的に許される発言ではありません。
「嫁入り前の身体に傷が残る」などと側湾整体にいわれる筋合いはありません !!

この発言の前提条件は、(嫁入り前の身体に)「手術などしなくても、整体で側わん
は治せる」「だから手術などしなくても良い」という理屈を展開しているわけです

側湾整体で、側弯症が治ったでしょうか ? 答えはノーです。

     答えは ノー、整体では「治らない」のです

同じような悲劇が全国で何度もくり返されてきました。皆さん、このような状態が
いつまでも続くことを許すのですか ??
いったい、何度繰り返されたら、この悲劇はやむのでしょうか ??

この側弯症患者さんを取り巻く治療環境は正されなければなりません。側湾整体に
よって破壊された環境を正しい形に修正し、患者さんが騙されることのない治療
環境を取り戻さなければなりません。
悲劇をくり返さない、それがいま私たち大人に求められている課題です。

手術痕は“身体の傷”ではありません。病気と闘った「証(あかし)」です。
それは恥ずべきものではなく、正々堂々と胸をはって語ることのできるご自分の
歩んできた証(あかし)です。

手術をされた別の患者さんからのコメントもご紹介させていただきます
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2009-09-28 20:58:24 (もも)

  側弯症を「病気」として人生をあきらめる理由は
  どこにもありません・・・この言葉はとても響きました。

私は30歳台の昨年の秋、大人になってから手術をうけました。
手術を受けた身体の傷とともに心の痛みも大きく、「手術しなければ、これから
もっとひどくなるかもしれない」という心配をかかえて生きなければいけないから
良かったのだ!と頭では分かりつつも、まだ、手術して本当に良かったとプラスに
は考えられず、手術をして失ったものに目が行き、気持ちがツライことがありま
す。(よくないですね、マイナス思考は!)

が、術後10カ月たった今、そくわんの手術をした身体ですが結婚もしようと前向き
に活動?も始めました。

勿論結婚を本当にすることになったら、手術のことも、相手の人に病気の事も話さ
なければならないと思うのです。それは、私にとって今までもこれからも大変なツ
ライことです。そくわんが子供に遺伝する可能性があると考えることも、私にとっ
ては怖いことでした。

が、ツライ!大変!怖い!と思わずに普通の事のように話ができるようになればと
思っています。
今までそくわんだからって、人生つらいことだらけだったわけではないし、好きな
人も好きになってくれる人も沢山いて、そくわんであることで、確かに結婚や人と
の付き合いに躊躇があったことは否めないけれど、もっと自分の病気にだけ集中せ
ずに、病気を恥じずに、大きな視野で見られるようになりたいと思っています。

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 (augsut03より患者の皆さんへ)

 側弯症であることを恥じてはいけません。
 病気は恥じなければならないものではありません。
 恥じる気持ちがあるところに、側湾整体のような世の中の悪い奴らに
 つけ込まれる隙が生まれます。

 皆さんは、正しく生きている。つらい病気に対して、長期間にわたる装具療法
 に耐え、あるいは何時間にもわたる手術を超えて、立派に歩んでいます。
 人としてあるべき道を正しく歩んでいるのです。

 側湾整体のように、弱い立場の人を騙すようなこともなく、人の弱みにつけこんで
 金儲けをして生きているわけでもありません。
 
 人間として正しく生きている皆さんが、自分を恥じる必要はありません。
 病気の恐怖と闘い、人生を、将来をまじめに考えている皆さんは 
 自分に誇りをもってください。
 皆さんはきっと人に対して、弱い立場の人たちに優しい気持ちで接する事の
 できる、“強い心を持った人”です。
 あの身体的苦しさと精神的苦しみを乗り越えてきた皆さんは、これからの人生で
 どんな苦難が待ち受けようと、必ず乗り越えることができます。
 そして、その第一歩は、自分に誇りを持つこと。
 自分に誇りを持ち、そして、自分を愛してください。病気のことを隠すのではなく
 病気も含めたご自分というものを愛して下さい。

 将来結婚し、こどもを持つことに躊躇する必要はありません。この病気は死病では
 ありません。万が一にも、......その確率も非常に限られたものですが、
 お子さんに特発性側弯症が現れたとしても、治療すればいいこと。
 皆さんができたことを、皆さんのこどもができないはずがありません。
 何よりも、この病気を経験した皆さんであれば、万一お子さんの背中に異常が
 現れたとしても、早期に発見することでしょう。
 しかも医学は進歩を続けていくものです。昨日の医学よりも今日のほうが、
 今日の医学よりも、明日の医学のほうが優れています。
 
 結婚することも、こどもを持たれることも、何も恐れることはありません。 
 
 人を愛する心に素直であればいいのです
 人から愛されることに素直であればいいのです

 この病気は決して恥ずべきものではありません

 自分に誇りをもって人生を歩まれることを願っています


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3 コメント

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ありがとうございました (もも)
2009-10-27 22:57:53
august03さん、ありがとうございました。
私へのお返事というわけではなく、皆さんへのメッセージだと分かっていながら、何度も何度も読んで涙が出てきました。

そうはいってもやっぱり不安なんです。
でも、何も悪いことをしていない、人より頑張った自分を恥じないで、幸せになりたいと思います。
返信する
august03さん (もも)
2010-05-04 21:57:52
以前にコメントさせていただきました、ももと申します。このたび、入籍することになりました。
august03さんにはお伝えしたくてメールさしあげました。

夫になる人には、詳細まで全部を伝えきったわけではないのですが、手術の事、傷跡のこと、今も痛い腰痛のこと(術後も私はずっと腰痛に結構悩まされています)、インプラントのこと、抜釘で再入院する可能性があること(私の先生は抜釘の方針なのです)など説明をしました。

話すまでは本当にいつ話すか、どういう反応があるのか、本当に悩みましたが、「命に別状が無いんだよね?だったら一緒に頑張ろう」と言ってくれた事で、前向きに次の人生を歩んでいく決心がつきました。

手術をする前後、本当は自分の中でいろんなことをあきらめました。それを思うと、今も涙が出ます。
今まさに手術をしようかどうか迷っている方の心境も痛いほど分かります。

まだ、大きなことは言えませんが、傷や身体の痛みをかかえた自分を、きちんと自己肯定して、これからもずっと前向きに進んでいこうと思っています。
返信する
Unknown (とろりん)
2015-04-15 09:50:06
はじめまして。

名誉のために書かせて戴きます。

整体やカイロプラクティックは、指圧を構成する一部の手技とされており、あん摩マッサージ指圧師という国家資格を所持しない者が行うのは違法になります。しかし、厚労省が最高裁判例を誤用したために行政が取締れなくなり、巷間、自称治療家で溢れかえっております。

おかげで、何の医学教育を受けていない者でも、たった今から整体士を名乗れます。なので、厚労省既定の医学教育を受けた者としては、側湾症が整体の適応だとは考えられません。

それと、私の知人は側湾症です。
彼は、業界では「神の手」と言われる理学療法士です。
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