古い友人である陶芸家、松尾摂子さんの個展を観に行ってきました。
本日が最終日。
突発的な出来事で、午前中が潰れてしまったために、予定が大幅に狂い、午後から慌ただしく出かけることになりましたが、器専門の落ち着いた画廊「栗本」は、栄と伏見の間という立地にも関わらず、その喧騒と、個人的焦燥感をゆっくり忘れさせてくれました。
私は彼女と、彼女の器が好きで、ずっと追いかけていたのですが、このところはどうもタイミングが合わず、久々の対面となりました。
作品は、以前から目にする、ずっと貫かれているシリーズと、ほんの少し変化したシリーズが混在しており、継続と挑戦が、同じテーブルにあったような気がします。
しかしその変化は、我々を取り巻く時代のそれに比べれば、止まっているに等しいくらい微々たるものですが、陶芸家という生き物の性を思えば、大胆且つ勇気ある変化に見えました。
自分と作品の時間で、進んでいるんですね。
ひとつ小さな湯のみを購入しました。
小さく大きな変化をしたように見えた器です。
彼女独特な、強く印象的な絵付けの器。
一見強さが目につきますが、描かれた花や鳥は、プリミティブで、どこか懐かしさを覚えます。
今回新しく思えたのは、全体にグレーが施されているからでした。
このグレーと、シアン、オレンジが非常に相性良く、絵描きの私の「いいところ」をくすぐります。
ビール以外のお酒をやめた私は、何を注いで飲もうか考えるのも楽しい時間です。
アートは、そのものと一緒に、考える至福の時を連れてきてくれます。
私もそんな絵を描きたいと、いつも思っています。
残念ながら、松尾摂子さんの展示は、本日で終了してしまいましたが、次回の展覧会は、必ず事前告知をいたします。
興味ある方は、是非ともお出かけください。
※写真は美容室アグリーにて。
さっぱりガッツリ刈り込む前に撮影です。