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春日井市の絵画教室、あとりえPOPアートスクールの教室風景や内容を中心に、アートについて広く記事にします。

あとりえPOPが目指すところ《受験コース:美高》

2014-04-01 20:49:48 | あとりえPOPについて
美大受験コースの記事が、長くなることが予想されましたので、美術科高校受験コースと二回に分けて記事にしました。
その分、受験コースについては、細かく丁寧に書いてみようと思います。

美大受験と違い、高校受験ですから、愛知県内に限ります。
(文化センターの土地柄、各務原市の生徒も受け持ちますので、岐阜県立加納高校美術科も受け持ちます)

愛知県内で美術科を設けているのは、県立旭丘高校と、私立東邦高校です。
その他、デザイン科として名古屋市立工芸高校、起工業高校、瀬戸窯業高校、岩倉総合高校…などがあげられます。
他にもありますが、土地柄私が受け持つことができる美術、及びデザイン科高校は以上になります。

美術科とデザイン科の違いは、そのまま美術を学ぶかデザインを学ぶかの違いです。
旭丘高校ではデザインをほとんど学べませんし、デザイン科高校で、油絵や日本画、彫刻などの美術を学ぶことは、まずありません。
授業として、どちらも学べるのは、東邦高校くらいです。

美術科生徒の大半が、美大に進学するのに対し、デザイン科の生徒は、学校では本来就職のための養成が行われます。
しかし、今の時代は、デザイン科からも美大進学を目指す生徒が増えてきましたから、近い将来の進学目的で、比較的入りやすい+好きなデザインが学べる高校デザイン科を受ける中学生が急増してきました。
「デザイン科経由美大行き」です。
これは良いことですし、良い方法です。

それは…
◆少子化が進む今、やりたいことがはっきりしているならば、早めにそのためのスタートを切り、専門の勉強を積めば、将来の夢を叶える力になります。
◆ある程度適性を自分で確認してから、美大を受けることができます。
◆昨今の推薦入試は、内申書の点数にボーダーがありますので、比較的楽に成績を残せる学校を選んでおけば、学科免除で大学を受けることができます。

などです。

しかし、良い方法などと言いながら、指導する私自身、美術科やデザイン科への進学を勧める段階では、かなり慎重になります。
まだあらゆる可能性を秘めた中学生に、「絵が好き」という理由だけで、他教科を減らして美術を学ぶ高校に進学することを勧めるのは難しいのです。
ましてや、入学してから普通科に戻ることはまず無理。
ですから、それ相応の熱意と適性を見極めた上で、美術科進学の指導を始めます。

さて。
試験内容ですが、旭丘高校は「青年マルス、ヴィーナス、アクリッパ、メジチ、青年ブルータス」の五体の石膏像の中から出題されます。
試験時間は、推薦3時間、一般2時間です。
過去入試を遡れば、ほぼ何が出るのかはわかりますが、何が出題されてもいいように、いや、入った後に対等に学んでいけるように、全て描けるようにしておくことが大切です。
石膏像を練習することで、空間や物を捉える力を養い、色幅を広く掴む力をつけておく必要があります。
内申点のボーダーは少子化と共に低くなってきましたが、内申点が低い場合、相当なデッサン力がないと受かりません。
毎年あとりえPOPからは数人旭丘に合格していますが、参考までに記せば、みんな中学3年の夏以降で50枚は描いていますし、その前から基礎力をつけていますから、かなりの訓練を積んで挑んでいます。そして、かなりの力をつけて入学していきます。
旭丘高校の一番の特長は、自主性に任せた校風とそれに沿う指導でしょう。
指導者は、芸術の本質に導きながら、大切なことは、生徒自らに発見させることが、徹底されています。

東邦高校美術科は「手にモチーフを持つ」デッサンです。
推薦、一般とも2時間半。
この問題の意図は、手の動きやモチーフの形を正確に捉えると同時に、質感の描き分けができるかを見ることです。
何が出てくるのかわからない以上、やはりたくさん訓練を積むことが必要になります。
東邦高校は、全科(美術系&デザイン)を満遍なく学び、自分の適性を見極めてから受験するコースを選ぶことができます。
これは、非常に今時の美大受験に向いた指導方法と言えるでしょう。

その他高校デザイン科の入試は、主に工業企画製品の静物卓上デッサンと、簡単な立体構成になります。
こちらは、形に重点を置きます。
ですから、基本的なデッサンを学びながら、正確に形を捉える力をつけておくことが必要です。
入学してからは、美術科高校と違い、美大受験のためのカリキュラムが設定されていませんから、自分で入試のために学ぶ方法を考えねばなりません。

ここまで、ざっくりですが、愛知県の美術デザイン系高校入試と、入学後について浚ってみました。

高校入試は、特に学力との照らし合わせが必要ですから、絵が描ければ、希望の学校に受かるという訳ではありません。
ですが、就職を考えて美術デザイン系高校に進学する以外は、美大進学が大きな目標になるわけです。
例え決まった高校が希望した所ではなくても、入学してからの頑張りで、いくらでも挽回できるのです。

美術の道を目指すならば、先を見据えて、与えられた場所で頑張ることが大切ですね。

あとりえPOPには、毎年美術デザイン系高校入試を希望する中学生がたくさん訪れます。
そして、美大受験生と一緒に、頑張ってデッサン力を磨いています。
先輩たちを見ながら、色んな将来を想像し、模索しています。

自分が、迷いなく美術デザイン系に進む覚悟ができたら、1日でも早く始めることが肝心です。

迷っている中学生。
いつでもご家族と遊びに来てください。
ここで書けなかったたくさんのことを、全部丁寧に説明しましょう。

新しい年度を迎えました。
あとりえPOPは、いつでも、いつからでも皆さんに合った指導をしていきます。
よろしくお願いします。
m(_ _)m


次回は「あとりえPOPが目指すところ」について記事にしたいと思います。
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