POP LIFEwww.wb.commufa.jp/atl-pop

春日井市の絵画教室、あとりえPOPアートスクールの教室風景や内容を中心に、アートについて広く記事にします。

for beautiful human life

2012-10-31 15:43:01 | 作家活動の記録
『for beautiful human life』

ニュアンスとしては『日常生活における美意識を問う』という感じでしょうか。

『美しき日常を装うにはアートを。あなたにこれが飾れますか?』が正解ですが。


一般家庭にあり、アートは身近な存在ではありません。

しかし、これからアートは茶の間やリビングに近づかねばなるまい。
ただしそれは間違っても迎合することではなく。
所望する方の美意識を育てずして敷居は外せない。
傲慢ですが、そのプライドは捨てるべきではないのです。
そこから始まるこの企画。

そしてこれは電波の中や、雲の上のアートの話しではなく、その世界の根元にはびこるものたちの話。
作り続ける者たちの話です。


本来彼らは力があるのです。
純粋であり、どこまでも悩み、深く潜り込んでその在処を探し、みつけたものを持っている。

しかしそれは、己の心の奥底の、無限という名の闇に似た箱の中に、諸々の現実や葛藤、妥協とともに綯い交ぜにされて、しまわれているのかもしれません。

それを小出しにしている者がいて、それを封印するものがいて、それを無かったことにする者が、消化し納得しようとするものが、彼らの中には埋もれるほどいるのです。
それぞれが言い訳を携えて。

そんな美しき輩たち。
ひとくせとプライドを隠し持った、臆病な皮肉屋たちが、私は大好きです。

彼らは若かりしころの勇気やわがまま、無謀を知っています。
紆余曲折した経験と、それによる知恵を持っています。
技と誇りを持っています。

生きる意味も知っていて、アートを誰より達観する目を持っている。


そんな技と知恵と経験がある臆病な強者が、ちょっと集まったらどうなるでしょう?

アートと日常の距離を縮めながら、きちんと敷居を作ってくれるはず。

リビングに近づきながら『飾れるものなら飾ってみたらいい』とニヤリとしながら作品で問うでしょう。

意識しすぎたわがままな空間を、軽く排除してくれるでしょう。

「つまらない」と「面白い」のぎりぎりの境目にモノを置けるのは、彼らしかいない。

「おうちに帰って考えて」と作品で語れるのは彼らしかいないのです。

私は彼らが今、一番面白いと思う。

彼らは真ん中にいます。
中心ではなく真ん中に。
年齢も存在も。


私は彼らの面白味に気づいたと同時に、自分も彼らの仲間であることに気がつきました。

やってみるしかないでしょう。


「ミオさんが思うならきっと面白いでしょ。好きにやっちゃってください」

こんな私のわがままを聞く度量があるギャラリーは、一つしかありません。

ハートフィールドギャラリーです。
上述の言葉はオーナー園部さんによるもの。

はっきり言って、現代アートを中心に展示が行われるギャラリーには、タブーでしかないものが活路であり看板となる展覧会です。
観に来て下さる方に、最も説明できない展覧会になるに違いない。

でも、これをわかって下さるのは園部さんだけ。

その園部さんのゴーが出た時に…

「for beautiful human life」は動きはじめました。

時期は来年11月。

見てろよ若僧。
本物の間抜けを見せてやる。
間が抜けた場所にこそ美があることを教えてあげよう。


ここでメンバーの簡単な条件を。

◆ナカムラミオが認める
◆35才以上
◆ハートフィールド作家ではない
◆頑固
◆技
◆経験
◆知性


本日は東濃へ行ってきました。
この企画が降って湧いた時、一番始めに思い浮かんだ男に会いに。

彼はこの話をした途端…
「埋もれ人ですね」と笑いました。
言い難いですが、その側面は大いにある。

今考えているメンバーの中で、勘と頭の良さ、口の巧さはTadasceneと双璧であろう彼の名は小平健一。41才。まであと4日。

某有名六大学分の1を卒業後、陶器商社に勤務するも作り手を目指し退社。
その後、今をときめく陶芸家を多数排出する「多治見市陶磁器意匠研究所」を優秀な成績で卒業するが、己の生き方を模索しながら「そちら」ではない方に生き甲斐をみつけ「人を前に土で作るものは同じだ」と言ってのける男。

でも私は彼の「キセル」を知っています。
陶芸の世界ではわかりませんが、アートの世界では間違いなく評価される作品を知っているのです。

まさにこの企画にうってつけの彼が「面白いね」と続けた言葉が返事でした。

また一つパズルのピースが埋まったことに感動したのではなく、量が多すぎて、生まれて初めてパックに詰めて、唐揚げを持ち帰る泣きながらの車中、膨満感とは少し違う満足がこみ上げてきました。


こうやって「実はすごくおもしろい!」やつらを今、一人ずつ口説いています。

心辺りがある方。
次はあなたにメールが届くかもしれません。

「久しぶり。僕と一緒に銀行襲ってみませんか?」
なんて前振りで。



※写真は小平健一君。一見坂口憲二並みのナイスなガイですが、ただのイケメンはこんな車には乗りません。
私は彼も車も大好きです。

また本日の記事も偉そうな記述満載ですが、毎度お馴染み~と冠せずをお許しください。
コメント (13)
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三井園子展

2012-10-30 10:18:24 | アート紹介



私は写真が下手です。
というより、この古い携帯、普段写真を撮らずとも、レンズの辺りにちょうど人差し指がくるため、指紋だらけになった汚い携帯のカメラで撮るのがいけない。と言い訳するためにこの携帯を使っている。というくらい写真が下手です。

しかし、それが奏功することもある。


本日紹介する記事がまさにそれ。
彼女の良さ、作品、展示の迫力も雰囲気もまったく現れていない写真の羅列。

これは実際ギャラリーで観て頂かないとわかりません。
(いざなう価値もない写真と言われたら身も蓋もないですが)


彼女。
とは三井園子さん。
美人です。

美人と良い作品は関係あるのか?

当然あります。
美人とは顔の造作だけではなく、内面や魅力が美しさに拍車をかけた人をいうのですから。

ただ綺麗なだけの人を美人とは言わない。少なくとも私は。

良い作品を作るから美人に見えるはあるとしても、美人だから良い作品に見えるはない。

その辺りを穿ってみる方は、園子さんがいない時に作品を観てください。


さて。
三井さん。

私とは古い友人で、現在は同業者であり、ワールドワイドで活躍する作家です。
何度もいいますが、美人です(もうよい)

もう何度彼女の展示を観たでしょうか。 銀座で。名古屋で。

一貫して変わらない演出の意識の高さと、華奢な体全体を駆使した大作と空間のバランス感覚の良さ。

クォリティーも高く、作品によって支配された間は圧倒的です。

時に曖昧な形は、私には何か生き物を、緩やかなタッチの描写は、胎児を思わせるのですが、それを「生命力」と括るとすれば、やや稚拙に過ぎる気がして、私の語彙の足りなさは、下手な写真と同じく伝える力を持ち合わせないと痛感します。

具体的に近作は、布を何枚も厚に幅に縫い合わせ染める。
そして描くという行程を踏んでいるようです。

所々施されたプリーツやギャザーは丹念に手で縫われ、制作の労が伺い知れます。
大きなものを男性以上の力で染める。描く。小さな部分を女性らしく縫う。描く。魅せる。
彼女の制作は両性の技。

このスキルは長年の経験から得られたものでしょうが、アートに性別は関係ないとしても、その粗密の相互扶助は、数多の現代アート作品の中で、彼女の個性として際立ちます。


何しろ昔から、空間を縦横無尽に使う作家でしたが、ただのそれではなく、室内は十分な空気がありました。

間の中で目線が動く。
動く度に物語がうまれる。
床を、天井を使おうが決して圧迫はなく、深呼吸を促す。

こう書けば、彼女の作り出す空間は「森」に似ているような気がする。
あくまでこれは私の意見ですが。

今回は主に壁を使っていましたが、それは壁だけで、床も天井も魅せているからに他なりません。

回を重ねる毎に洗練されますが、損なわれているものは何もない。


素晴らしい展覧会。

彼女は布を縫い、私は少ない時間を縫って観にいきましたが、反比例する良いものをたくさんもらって、ギャラリーを後にしました。

その良いものの半分は、間違いなく「悔しさ」です。

良いものをもらった後は、決まって制作意欲が湧く。

三井園子展は、まさにそんな展覧会でした。

会期は今週末まで。 ガレリア・フィナルテにて開催中。

数少ない観るべき展覧会です。



※写真は展覧会風景。
私的には彼女のベストアクト。
常に成長する彼女ですが、今回をただの一点として観ても、十分魅力的です。

結論)美人がいたらもうけもの。
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インタビュー

2012-10-29 14:43:23 | 作家活動の記録




本日は、現在忙しいにも関わらず、絵本制作に励んでおられるナカムラミオさんに、突撃インタビューをします。

題して「頑張ってまスカ?」



Q:何で絵本作ってるの?

A:それはまだ話せません。

Q:誰に頼まれたの?

A:それも言えません。

Q:どんな絵本?

A:入学前の子どものための絵本です。

Q:内容は?

A:…

Q:内容は誰が考えたの?

A:わたしです。

Q:どれくらいの長さ?

A:表紙背表紙合わせて12頁です。

Q:画材は何で描いてるの?

A:アクリル絵の具や色鉛筆、柄物のマスキングテープなんかを使っています。

Q:全部手描き?

A:パソコン使えませんからね。

Q:難しい?

A:今回は、制限や制約が多いので、なかなか難しいです。

Q:一番悩んだことは?

A:目的に合わせた最大公約数です。それから、手描きとしてどのレベルで描いてよいのか?ですね。

A:どれくらい進んでるの?

Q:半分弱…でしょうか。

Q:好きな女優さんとか、いる?

A:永作博美さんが好きです。最近は真木ようこさんもいいなと。

Q:素かよ。

A:ダメ?

A:続けます。いつまでに作るの?

Q:今週いっぱいとお願いしてあります。

A:いつか書店に並ぶの?

Q:いや、並びません。

A:仕事?

Q:…一応

A:楽しい?

Q:うーん…それなりに楽しまねばと思っています。

A:何かひとこと

Q:自由に描いて、好きに表現して、メッセージを込めるならいざ知らず、このような仕事は絶対私より適任がいます。

A:そんな心持ちでは良いものが作れないのでは?

Q:はい。確かに。
でも、そんな中で自分ができるだけの事をやってみようという意欲はあります。

Q:絵本は私たちも見れる?

A:これがうまくいき、気に入って頂けたとして、然るべき時がくればご紹介できますが、手に入れるのは難しいかもしれません。

Q:最後に。自分を動物に例えると?

A:…マレーバクとかブルテリア…って言えばおいしいんですよね?

Q:いいえ。そろそろそれは飽きました。

A:ひねりがないと?

Q:自分で考えなさい。

A:…コアラ…ですかね。

Q:限界ですね。



以上インタビューを終わります。
とても内容の濃いものでしたね。

え?スカスカ?

そうでスカ。


本日はこの辺で。
m(_ _)m



※写真は制作途中。 どうなることやら…
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残念な日

2012-10-28 14:42:35 | 日記
本日はとても残念な日になりました。

ブログでも話題にあげましたが、本日は「東山動植物園秋の親子写生遠足」が予定されていましたが、生憎の雨により中止を決定しました。

1年に1度のイベントですから、子供たちはきっと楽しみにしていてくれたことでしょう。

それにしても昨日までの秋晴れ。明日からもまた良い天気になるようです。

本当に何とツいてないことか!と気分が下がります。

雨男を公言してはばからない私ですが、そのせいに違いないと確信するほどのピンポイントぶりには、怒りの鉾先を我が胸に向けたくなります。

朝から一軒一軒電話をかけ、中止の旨を伝えていきましたが、てるてる坊主を作っていてくれた子、中止の知らせの電話にでるなと泣く子、従兄弟を呼んでいた子、久々の再会を楽しみにしていた子などの、無念な顔が見えるようでした。

こうなったらもっと降れ。
じゃんじゃん降ってくれ。
みんなが中止を納得するくらい降ってくれ、と思います。


毎年写生遠足は「春日井祭り」の翌週に決めています。
私の教室の半数は春日井の生徒で、皆某かで祭りに関わっているのです。
パレード然り。作品展然り。

そのように直接ではないにせよ、イベントや出店は楽しみでしょうから、やはりみんな関わっていると言えます。

春日井祭りの前は運動会の予備日という学校も多く、さらに前となれば運動会そのものの日。
11月は急激に寒くなる例年を思えば、この日しかないのです。

今年がツいていないのは、雨のそれだけではなく、毎年用意する予備日、翌週日曜日が、受験と重なってしまったこと。

私は毎年、この時期の受験の日は、皆と待ち合わせて大学に行き、朝一番エールとともに、受験へ送り出すことに決めているのです。
それゆえかはわかりませんが、過去不合格者はいません。
となれば、どうしてもこの慣わしは外せない…

そんな理由で予備日の都合がつかず、一発勝負の写生遠足でしたから、例年より晴れを望みました。


そして個人的には。 本日は武田邦彦先生の講演会の日だったのです。

武田邦彦先生をご存知の方は多いかと思います。
賛否両論、専ら最近は非難を浴びることが多い武田先生ですが、私は好きなんです。

真っ向から科学や情報、既成理論への反対を唱え、持論を暴走気味に展開する武田先生が。

リサイクルはするな。温暖化の利点。原発の真実。

少々無茶はありますが、すべて子供目線の武田先生の論理は、一孝の価値は十分あると思うのです。
講演会を聞いた上で、様々考えてみたい、質問してみたい!と、ずいぶん前に予約をし、席を抑えていたのでした。

これには同じく武田先生を好きという東エツ君(えいごのせんせご主人)を誘い、互いに楽しみにしていたのですが、やはり東山写生遠足がこの日しかないという理由で、私は早々キャンセルを。

もちろんキャンセルは当然なのですが、雨天中止なら行きたい!
しまった!
例え返金がなくても当日キャンセルをすべきだった!
と後悔先にたたず…
それくらい雨を考えていなかった私。

本日晴れたら、東エツ君の引き換え券を持っている私は、東山動物園前に住む彼の自宅ポストに、それを入れるつもりでした。
当然写生遠足の待ち合わせ前に…


結局私は、遠足が中止の上、自分が行かない講演会の引き換え券を持ち、生徒がいない東山へ行ってきました。

「なんか悪いねぇ」
いや、全く悪く悪くない。
全く…

でも多分私の顔は引きつり、苦虫を噛み潰したような笑顔だったに違いありません(T_T)

残念な日。
子供たちが一番残念だと思います。
でも先生もかなり…
みんなは何をしているでしょう。
私は今から…来年のてるてる坊主でも作るかな。
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POPLIFE

2012-10-27 18:09:18 | 日記
ブログを人の手によって立ち上げるも、まったく放り投げたまま300日以上。
そのきっかけは忘れましたが、一念発起して、毎日書こうと誓っての再出発が、1年前の今日でした。

1年は早いですね。
本当に早い…

「毎日書くぞ!」
などと息巻きながら、穴をあけた2回が、それぞれ酒絡みと言うのが、私らしいと言えば私らしいのですが、ほぼ毎日真面目に取り組んできた自分を、自分で誉めてあげたい気分に「2回くらいならなんとかできなかったのか?」という悔しさが追いかけてきます。


本日が396回目の記事です。

何ともキレもキリも中途半端な感じですが、きっと編めば上下巻の長編小説を越える長さになるでしょう。

内容の濃い薄いはさておくとし「力なり」も結局はわかりませんが…

結論)継続はかさばる。

それは間違いない(笑)


未就園から子供、一般、受験、デイサービスの教室風景や生徒作品を始め、個人的な作家活動と作品、アートについて、イデオロギーについてなど、趣味趣向から主義主張までを、私的には揺るぎなく、時に淡々と、時に赤裸々に書いてこられたと思います。。


あとりえPOPアートスクールを知って頂くために始めたブログが、それを主宰する中村未生を、ナカムラミオである部分を通して見つめて発信する側面を持ちはじめ「あとりえPOPへようこそ」から「POPLIFE」にその名を変えました。(これについては金魚主さんに心から感謝)

その成長に合わせて文字制限をやめ、わかりにくい部分や偏ったメッセージも、多分にあったと思いますが、内容自体は自由という翼を持ちました。

だからこそ私なりに存分に、自由に書いてきた実感がある(私なりに、ですから偉そうな言葉には目を瞑ってください…^_^;)


そのためなのか。
大勢の方にコメントを寄せて頂くようになり、文字として見える方、またその向こうの見えない方と、日々会話をしてきた気がするのです。

これは本当に学びが多い出来事で、日常の楽しみになりました。

きっと私はたくさん話したかったのです。
本音に近い部分で、様々な方と交わりたかったのでしょう。

こんな欲が眠っていたとは、正直思わなかった。

振り返ってそれに気づいた今は、ご覧くださっている方への感謝の思いで溺死しそうです。

皆様が飽きようがソッポを向こうが、まだまだ一方的に発信を続けるつもりのPOPLIFE。

たくさんの方々と日々アートで交わりを持つ私は、これからも、こじつけだろうが何だろうが、アートに結びつけながら、日々ブログを書いていくのが楽しみです。


皆様。
ここまで一年、本当に有難うございました。

目新しい決意はありませんが、より充実した内容を目指して、無理せずやっていきたいと思います。
これからもお付き合いくだされば幸いです。

たかが1年。
されど1年。

でしょうか。



※明日は東山動物園親子写生遠足の予定ですが、100%雨の予報。
残念です。明日だけ雨らしい…。

思えば昨年の今日、東山の記事を書いたのが始まりでした。 早い早いとぼやきながらも、なんだか遠い昔な気もします。
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