アトリエ 籠れ美

絵画制作、展覧会、美術書、趣味、その他日常の出来事について
平成27(2015)年5月4日より

2016年公募美術団体展その12

2016-10-10 06:04:42 | 展覧会、美術館、公募展、貸画廊、貸ギャラリー
 先週の金曜の夕方、中央美術協会事務局より封書が届き、今月末までに入会金3万円を収めるよう、郵便振替用紙が入っていた。どうやら私の会友推挙は手違いではなかったらしい。

 実は入選・選外の通知書に会友推挙の知らせが同封されなかったのがまだ頭の中に引っかかっていて、ひょっとしたら間違いかもと思ったりしていた。それともうひとつ。やはり今回の私の入選作はだいぶ風変わりなので、入選しただけで十分だと思っていたので、会友推挙は虫がいいのではという気もしていた。

 一般的に公募美術団体では入選3回で入会資格が発生する。私はたまたま3回連続だが、連続である必要はない。3回目の入選で推挙会議が開かれそこで判断される。中央美術協会の場合は、委員、正会員、準会員、会友の4階級があり、誰もが最初は会友として入会する。

 中央美術協会の変わっているところは、委員を階級にしてしまったことだ。普通、委員は役職で正会員の中から選ばれるのだが、一度委員になるとそのまま終身になってしまうことが多い。だったら階級化した方がいいということだと思う。筋は通っている。相撲で言えば横綱といったところか。

 さて今回の私の入選作は、去年の春に他会へ一般公募で出して選外になったF30号を、F50号へ引き上げて描き直した作品である。若干画面の事物の向きは違うものの、基本的な構図は全く同じで、画面が大きい分、背景の描き込み具合が大きく違うだけである。

 他会で選外になった作品は未発表扱いなので、このF30号を今年の中美展へ出すこともできたのだが、そうした横流しみたいなやり方は好きではないし、かといって気に入っている作品なので、大きさをF50号に変えて描き直した次第。

 もちろんどちらが出来がいいかと言えばそれはF50号である。同一画題、同一構図なので、2枚目の方が描き慣れているし、大きい分描き込みもしやすい。

 今回の入選作は風変わりだと書いたが、西洋絵画の古典的なテーマに挑んだ作品なので、実は風変わりでも何でもない。ルネサンス絵画に精通していれば、驚きもしなれば、拒否反応も出ない。ところが現実にはなかなかそうは行かない。長年油絵を描いていながら、西洋美術を勉強せず、なんとまあ見た目で判断する人の多いことよ。ただただ呆れるばかりである。

 そういうわけで、よく入選したなあ、というのが正直なところであり、中央美術協会がちゃんと技術で判断してくれたことの証左である。技術的には結構大変な油絵である。印象派以降の、厚塗りの不透明層ではないので意外と手間がかかっている。

 今週の木曜から上野は東京都美術館で、いよいよ今年の第68回中美展が開催されます。会期中上野にお越しの方で、ルネサンスの古典的テーマの現代版がご覧になりたい方は、是非見に来て下さい。題名ですぐにわかります。F50号の縦構図の作品です。

 付)もし絵を見るのではなく読むことが好きな方はなおのこと、ご来場下さい。寓意画でもありますので、読み解いてもらえれば幸いです。

 注)今日は「絵画制作記」の予定でしたが、変更になりました。


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