なら日和

奈良で学ぶ楽しみを見つけた風香のスタディ奮闘日記です。

平安文学論レポート返却

2010-08-27 15:38:53 | テキスト科目レポート
今日ようやく上記レポートが戻ってきました。

結果は合格。これで言語伝承論に続いて今期2つめのレポート合格となります。
受験資格を得られたのは、美術史概論、民俗学、言語伝承論、平安文学論の4つ。
11月名古屋会場で集中的に受験予定。

今回、合格してもぎりぎりだと思ってた私にとっては思いがけず高評価でした。


〈評価〉
設題意図の把握度    A
テキストの内容理解度  A
論点の明確さ      A
倫理の一貫性      A
着眼点         B
独創性         B
文章構成力       B
文字や表現の正確さ   B

〈講評〉
Iさんのレポートは、設題意図に即して、妻、妾、召人、行きずりについて、的確に整理、検討されています。
十分に及第点です。
今後とも頑張って下さい。

当面は卒論作成に集中せねば。
はあ~ため息。

8月20日~22日 日本史特殊講義終了

2010-08-24 16:03:33 | スクーリング
3日間のスクーリングが無事終了しました。

前回はほぼ3日間学外演習とは裏腹に、3日とも学内講義。
腰痛持ち(狭窄症とヘルニア持ってます)の私には身体的には辛い授業となってしまったんです。
教室の椅子は、今の私には耐えられないので、はるばる低反発の腰枕を3日とも運び対策した次第です。
休憩の合間はストレッチが欠かせず。
それでも足先までくるしびれに耐えきれず途中、狭い椅子に正座したりと四苦八苦。
次回以降も学内スクーリングの最大の課題です。

さて、内容については仏教史を中心に牧先生の歯切れよいリズムある講義内容に大満足した3日間でした。
内容については、今日は触れないことにして。
ご学友との再会について。

まずは、ハニーさんとの再会がまっていました。
兵庫からの参戦の方で、2年前の講義以来でした。
3日目テスト後たまたま同じタイミングで退席したので、駅までご一緒させて頂き、思いがけず久しぶりに会話が弾み嬉しかったです。ハニーちゃん、ありがとう!

さらに3日目、22日の昼食後のことです。
昼食後に万葉ユニットの件で打ち合わせの電話をしていた折のことです。
ブロ友の明日香さんがみえていることを前日夜知った私は、ずっと彼女を探していました。
ご学友にも訪ねてみたりして。
でもお顔がわからないのでネームプレートだけが頼り。
学内は広し。朝はお出会いかなわずで、再度昼食を急いですませ、また明日香さんを探しに通信の棟へでかけました。
ご学友の方も一緒に探してくれたんですが、やはりお出会い叶わず。
やはり今回もお会いするのは無理かなとあきらめかけていたんです。
すると電話が終わるや否や私の前に素敵な女性がお一人。
すぐに、ピン!ときました!
「明日香さん!」(声にならない声だったと思います)
するとその女性も「風香さん!」
ふたりで偶然とも必然ともとれる再会に感極まり、思わず握手です。
そして会話を続けて最後にはふたりでハグハグしてお別れしました。
嬉しかったです。
その後は、心の感動覚めやらず。
心地良い感じを連れて、講義再開と相成ったわけです。

明日香さん、よく気がついて下さいました!
ほんとにありがとう!
お互い励まし合いながら、そして明日香さんのがんばりに更なる刺激を頂きながら頑張ります。

すべてにことに感謝!

考古特殊講義スクーリング終了

2010-08-08 21:08:04 | スクーリング
1日目の午前中の講義以外、全て学外演習のこの講義。
この暑さの中、どうなることやらと思いながら参加したが、無事終了。
一番きつかったのは以外にも今日の蒸し暑さだった。

1日目の午後は、唐招提寺、西大寺の現地踏査。
どちらも初訪問。
2日目は奈良公園界隈。東大寺は何度か訪れたことがあったが、二月堂、法華寺は初。
噂では聴いていたものの、歴史的背景も去ることながら、二月堂から東大寺へと下る町並みの素晴らしさをしばし堪能。
もう一度じっくり一人で訪れてみたい場所であった。
それにしても往時の東大寺の壮大な伽藍配置を確認して、更なる東大寺を知った私であった。
特に東塔、西塔、(どららも現存していません)金堂の距離感!
そして回廊を想像すれば、遥か1300年前にあっという間に誘われた。

そして3日目の今日。橿考研と明日香。
駆け足の訪問ではあったが、約30年ぶりに飛鳥大仏と再会。
30年前はほこりまみれの飛鳥大仏だった記憶があるが、今では飛鳥寺も整備され、きれいに御身ぬぐいされて1400年前と変わらぬ場所に鎮座していた。
飛鳥大仏の光と影をもみたようであった。

今回もご学友のみなさんからたくさんのことを教えていただき、新たな出会いもいただいたスクーリングだったことに感謝します。

ありがとう。

明日からまた頑張ろう!



次回は日本史特殊講義を受講予定。

麻糸の再現

2010-08-02 14:53:46 | 万葉集と考古学
春すぎて 夏来るらし 白栲(しろたえ)の 衣干したり 天の香具山(万葉集巻1-28 持統天皇)

あまりにも有名なこの句を、私は長年知っているつもりでいた。
読んでいたつもりだった。

意訳:
春が過ぎて新都、藤原宮から天の香具山を遠望してみると、干してある白い衣が風に靡いている。ああ、夏がやってきたらしい。

歌を詠んだだけでその情景が思い浮かぶこの句。この中の「白栲(しろたえ)」の表現を深く考えたことがなく、ずっとその言葉の持つ音の美しさから柔らかな素材の布を思い浮かべて詠んでいた。
ところが、数ヶ月前に詠んだ文献によれば、この「白栲(しろたえ)」は麻布であったという。
まさに目から鱗だ。
麻といえば、柔らかに翻るというより、しっかりした素材で表面も粗い。
今まで持っていたイメージとはかけ離れている気さえした。
しかしながら、この知識を得た私は逆にこの句にというより「白栲(しろたえ)」なる表現に、今まで以上の興味を持ってしまった。
そんなタイミングで見てしまったのは、先日訪れた鍵・唐古ミュージアム(奈良県)の麻紐の遺物。
そこで異常に興味を示す私に、ボランティアガイドの方が、ご自身が再現された麻糸を幸運にも見せてもらえる機会を得た私は、再現の手順を丁寧に教えて頂くことができた。

そしてついに麻糸の再現に自身で挑戦することになったわけです。

まずは植物採集から。
今回、和苧(からむし)を使うことにした。
からむしは、イラクサ目イラクサ科の多年生植物で南アジアから日本を含む東アジア地域まで広く分布し、古来から植物繊維をとるために栽培されていた植物である。
茎はまっすぐに立つか、やや斜めに伸びて高さ1-1.5mに達する。葉の大きさは最大15cmほどで、縁に細かい鋸歯(ギザギザ)があり、つやがない。若葉は細かいしわがあり縮んだ状態である。葉の裏側は細かい綿毛が密生していて白く、ふとしたことで葉が裏返ると白く目立つ。林の周辺や道端、石垣などのやや湿った地面を好む。地下茎を伸ばしながら繁茂するので群落を作ることが多い。(ウィキペディアより)

事前に集めた情報をもとにまずはからむし探しから始まった。朝6時に家を出発。徒歩にて近くの河川敷を歩いてみるもののからむしらしきは1本たりとも生えていない。かなり距離を歩いてみたが河川敷にはゼロだった。ならばと、今度は山沿いの下道を歩いて探すがここもゼロ。やはり一日では無理なのかと多少遠回りして神社下の小川が流れる道沿いを歩いて帰ることにした。すると、ちょうど自宅から100Mも離れていない道路脇に裏側が白い葉の群生を発見。何種類か持って歩いた写真と照らし合わせ確認すると間違いなく「からむし」の群生であったのだ。
早速採取開始。
片手で何とか抱えることができる程を採取し、帰宅。
早速枝打ち。
茎のみの状態にして、バケツに水を張り水に浸す。
幸いにも我が家には飲料不可能だが井戸水があるため、雰囲気重視で井戸水を使用した。
そして5日間、水替えをしながら浸す。
5日後に表皮をむき、繊維のみ取り出す。
繊維を手で扱き、乾燥させる。
これで完成。

手探りながらも初めてにしては何とか形となったのである。
干しあがった麻を触ってた感触は、感慨深いものがあった。
からむしによる麻糸は、自分が想像していた麻よりも多少柔らかさが出ていた。

麻にするまでは以外にも単純な工程であったが、この出来上がったものを糸にする作業には果たしてどれほどの時間を費やしていたのだろうと思う。
少しだけ撚りをかけてみて糸にしてみたが、思ったほど簡単ではない。撚りが浅いとすぐにほどけてしまう。撚りを強くすれば、その部分だけ気合の入った太さになったしまう。
古代人の時間の使い方は、こうしたことに労力と時間をかけていたのかと思うと、気が遠くなりそうでもあるが、少し羨ましくもあった。

                           (写真は完成した麻)