四回、中谷のスクイズで大柄な体格のセギノールが、“俊敏”にホームに滑り込んだ。捕手は銀仁朗
(パ・リーグ、西武0-6楽天、15回戦、西武8勝7敗、26日、西武ドーム)スクイズでの負けは、スクイズで取り返す。楽天は、26日の西武15回戦(西武ドーム)で、四回の中谷仁捕手(30)のスクイズなどで6点を挙げ、守っては永井怜(さとし)投手(24)が2安打完封。西武に完勝して一夜で3位を奪回した。前夜(25日)の悔しいサヨナラ負けショックを吹き飛ばし、27日はマー君の先発で一気にレオを突き放しにかかる。
これがノムラ野球だ。四回一死一、三塁。三走は、チームで最も足が遅いセギノール。中谷が、カウント1-1からスクイズ。あっけにとられる石井一と西武ベンチを横目に、野村監督がニヤリ。2点目を奪い、完全に流れを引き寄せた。
「奇策だよ。イチかバチか。中谷さん、バットに当たる気しねえもん。どうせ点とれないなら、やっちゃえ、バントまで空振りするなよって」
前日25日の西武戦。四回一死二、三塁で、中村真がセーフティースクイズも三走・山崎武が本塁憤死。試合後には「(三走が)足が遅い山崎武なのに、勝手にやった」と激怒した。ポカも伏線に利用してしまうのが、百戦錬磨の知将。「きのうので、やってこないというのもあったかな」とまたニヤリ。山崎武より、もっともっと鈍足のセギノールを突っ込ませた。
3球目での決行も「こないだ(21日のオリックス戦で内村が)初球にやったから。西武のスコアラーの報告もあるだろうし」と周到に練られていた。「バレないで行けるかビクビクした。セギノールがうまく走ってくれた。プレッシャーがなくはなかったし」と転がした中谷は汗をぬぐった。
「きのう岩隈で落としたからな。3連敗も覚悟したけど、野球は計算通りいかん。マー君もあした投げてくれるし」と手応え十分。頭脳フル回転の老将は、イッキにレオを突き放すつもりだ。(サンスポ)