勝手にお喋りーSanctuaryー

マニアックな趣味のお喋りを勝手につらつらと語っていますー聖域と言うより、隠れ家ー

人類はコンピュータのチップ

2006-09-22 | 映画のお喋り
『銀河ヒッチハイク・ガイド』 2005年 アメリカ
 監督:ガース・ジェニングス
 出演:アーサー・デント/マーティン・フリーマン
    トリリアン/ズーイー・デシャネル
    ゼイフォード/サム・ロックウェル、フォード/モス・デフ

私は小学生の頃からSF小説に親しんできた。
さらにイギリス風ブラックユーモア(原作者がイギリス人)も好きだ。
だがこの映画は、ちょっとそのあたりを越えていた。
ナンセンス、ストーリーのむちゃくちゃな展開を受け入れられないと、観ても面白くない。
(以後、ネタバレ満載!)

―地球はちょうど1千万年前に、宇宙No.2のスーパーコンピュータ(ディープ・ソート)が、宇宙の真理を解く計算の為に発注した有機コンピュータであり、地球上の生命体はすべてコンピュータ・チップに過ぎない―

この文章にアレルギーを起こした方には、まずお勧めできない。
ついでにディープ・ソートを開発したのはハツカネズミだから、実際の発注主はこのハツカネズミということになる。
つまり地球は研究室のビーカーで、人類はその中であれこれ観察される実験中のハツカネズミみたいな存在で、実際のハツカネズミはその人類を作った「神様」なのだ。

事の起こりは、ハツカネズミ(の姿をした異星人)が、宇宙の真理を知りたがったことにある。
その為に、英知の限りを尽くして、スーパーコンピュータを作り出した。
そして1千万年前、この答えの出る日がやってくる。

スーパーコンピュータがやっと導き出した答えが「42」
これが何を意味するかは、作者以外、いや作者だってわからない。
宇宙の真理に答えられる存在はいないし、所詮誰かが作ったに過ぎないスーパーコンピュータにだって解けるわけはない。
で、時間稼ぎなんだか、計算を完成させるために地球を発注させたのだ。
「1千万年後に答えが出る」ともったいぶって。

ところが手違いがあり、宇宙ハイウェイ工事の邪魔になる地球はあっさり破壊されてしまう。
ちょうど1千万年目の実験終了時目前に、研究対象を破壊されてしまったハツカネズミは大慌て。
ひとり生き残ったアーサー・デントの脳を取り出そうと付け狙う。

ただ地球は有機コンピュータだから、当然バックアップがある。
このバックアップの地球(と人類やすべての生物)を作っている工場長は、我々人類が想像している「神様」に姿かたちがピッタリ。
だけど工場長にすぎないんだよね、これが。
で、手違いだとわかったから、バックアップの地球が役に立つことになる。

最後はポケットから這い出してきたハツカネズミを・・・。
ああ、地球を、人類を発注した本物の「神様」が・・・。
キリスト教徒には目を覆う光景かも。
あ、キリスト教徒はハツカネズミを「神様」とは認めないから大丈夫か。

再度、真面目腐ったSFファンと、アメリカの笑えるコメディを期待する方は観ないことをお勧めする。
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