あろてあろあ日記

単なる日記です。特にテーマもありません。
目的地を定めない旅行もいいものです。

時間内に処理する能力

2007-04-05 | Weblog
身柄事件の決済が通りました。




決済とは,検事が,事件を起訴(裁判にかける)するかどうか決めた後,所属している部の部長に,起訴が適法かどうか,裁判で証明するための証拠がそろっているかどうかなどをチェックする制度です。


部長は,様々な観点からいろいろな質問をしてくるので,相当の準備をせねばならず,何度もやり直しをさせられることもあるそうです。


修習生は,事件を振り分けられたあと,記録を読み,捜査の計画を立て,警察に補充捜査を指示したり,外部の人に話を聞いたり,容疑者を取り調べたりします。


そして,起訴するかどうかを判断し,起訴するなら,起訴状を作成し,裁判担当の検事に事件を引き継ぐための資料を作成します。


その上で,指導担当検事に見て直してもらった上で,部長の決裁を受けるというわけです。






これだけやるのも結構大変ですが,これが身柄事件(容疑者が警察に逮捕されている事件)では,さらに大変です。



警察から事件が検察庁に送られてから,原則として10日以内に起訴しない限り,容疑者を釈放しなければならず,その間に上記の作業をしなければなりません。


今回僕が担当した事件は,先週の金曜日に事件が送られてきたので,土日は捜査・起訴できないから,明日までに起訴しなければなりません。


現行犯逮捕なので,警察の捜査もあまり進んでおらず,いろいろお願いしながら,すすめてきました。






初めてのことだったので,なかなか要領がつかめず,不十分な点もあったのですが,指導担当の検事の助力もあって,何とか部長の決裁を通ることが出来,明日起訴することになりました。


でも,その結果,容疑者は,検察庁では,10日拘束するだけで済んだことになります。


時間内に処理する能力の重要性を学んだ1週間でした