独白

全くの独白

それぞれの世界(関係と選択の⑥)

2017-01-16 14:54:59 | 日記
然様に不完全なものでしか無いにも拘らず、まるで人間が地球の主ででも在るかのように思い違いをしている者も多い。
併しそれも無理からぬ事で、世界の本当の姿は誰にも解らない。何かこうで在ると断ずるものが在ったとしても確かめる事ができない以上解らないと断ずるの他は無い。
人の目に移る世界と例えばトンボの目に映る世界とはかなり違うらしい。もしトンボに内面というものが在ればトンボは自身の見ているものこそ世界の姿であり、そこの主人は自身であると信じて疑うまい。如何に不完全な人間の不完全な目に映るものであろうと、人間にとっての世界は人間の目に映る世界でしか在り得ない。
それは黒い瞳を持った日本人が日本という国を治めているのにちょっと似ている。勿論瞳が青ければ世界が青っぽく見えるという事は多分有るまい。けれども内面の瞳でも在る考え方やその底の概念や論理といったものは使う言葉に伴って異なっていると考えて良かろう。
詰まりほぼ単一の民族から成る日本では、そういう民族とそういう民族に治められる国の姿とが相乗的に相俟って、今の両者を作り上げてきたように、例えば多民族から成る合衆国では、多種多様の内面の瞳を持つ事に依って今見られる独特の米国人と米国の姿とが創り上げられて来たといって良かろう。(続く)