女湯の脱衣所から下着を盗んだらしい、田中宏さんの初公判が今日、仙台地裁で在った。
彼は「その通りでございます」と率直に罪を認め、「美しい女性の下着を身に着ければ、美しい女性になれると思った」と云う様な事まで、赤裸に語ったという事である。
無論建造物侵入も窃盗も、官僚という身の上に照らせば、大罪である。
併し法廷での対応は、LGBTQに寛容な昨今の風潮に照らせば、潔くも、健気でさえある。
河井夫妻もこれに倣って、素直に「どうしても国会議員に為りたかったので、つい買収迄してしまいました。申し訳無う存じます」とでも言えば良いものを、地元の政治家を何人も辞職させるという大騒動を引き起こし乍ら、自分達丈は金輪際、辞めまいという構えである。
大罪を犯しながら最後まで不知を切り通す鉄面皮は、確かに稀に居るものではある。彼等にも出来るかも知れない。
併し利口ぶるなら、敢えて居坐る針の赤絨毯と、罪を償って再起して歩く赤絨毯の、どちらの赤が鮮烈で美しいか、天秤に掛けて良く見比べるが好かろう。
前者では厚かましさが、後者では潔さが、評価されよう。而して潔さは私の田中さんに対するものの様な、同情を惹起し易い。
又魑魅魍魎の跋扈する政界の事とて、再起した政治家は数多居る事でもあろう。