浙江:工場汚染に外壁破壊

すっかり「今日の暴動ブログ」化してしまいましたが、まあいいか。

http://hk.news.yahoo.com/050719/12/1eof3.html
http://orientaldaily.com.hk/srch_result/490572_btm.html

明報はニューヨークタイムスとAP通信の報道としています。最近米国マスコミの影が農村で散見されますが、暗躍していますねえ。

浙江省新昌県のある村に存在する製薬工場が環境を汚染しているとして17日、15000人の村民が工場へ押し寄せました。

まずは4日、工場の操業停止と移転、そして医療費の負担を要求する村民に応えたのは、工場の保安。ぶん殴られました。さらに押し寄せた数百人の村民に、通報を受けて駆けつけた警察。もちろん衝突です。工場周囲の外壁を壊し、警備員の詰め所を破壊するなど被害が出ました。工場は事態の拡大を防ぐべく、当局の指導に従って操業停止。「農民は中の機械までは壊していかなかったから、被害は小さいよガッハッハ」と、工場側は笑ったとか笑わなかったとか。ともかくまだまだ余裕です。

14日、翌日から操業を再開する事を村民が知り抗議のデモ行進を開始。17日からは15000人がいたるところから工場へ向かい、待ち受けていた機動隊と衝突。一部が暴徒化して機動隊に投石、警察車両もいつものようにひっくり返されました。現在もにらみ合いが続いているようです。

匿名希望の当局者によれば、「そんな大勢でデモしてない。一部の暴徒だ。それも環境破壊に抗議したのではなく、社会の不公平に抗議したのだ」と。機動隊と衝突したのは一部ですが、デモ自体は15000人で間違いないようです。最後の意味がよく分かりませんが。

とは言いつつも2002年に完成する予定だった廃物処理場が3年経った今も未完成なのが、農民の不満を爆発させたのかも、とも話しております。垂れ流しですか。それが農地に…

農薬は洗えば大丈夫ですが、重金属は加熱しようが冷凍しようが残ったまま。製薬工場から流れ出た水で作った作物なんて、どうすれば食えるんでしょう。あ、食わなきゃ良いのか。

これも、雇用を生み出し金払いも良い工場に当局も強く出られず(出る気もなく)、やむなく地元民が実力行使に出たといういつものパターンなんでしょうか。



追記(07/21/08:01):騒動の元となった京新薬業ですが、上場企業のようです。襲撃で影響は無いと強調するため、中国証券サイトに事細かに説明されています。

汚水処理施設建設、節水や原料節約の徹底、二酸化炭素削減など、当社は環境にやさしく、地元還元に全力で取り組んでまーすという内容です。そっかー、新昌県の工場にはたまたま処理施設が無かっただけなのかー。たった3年遅れだもんねー。

まさか。この程度の企業意識だと、取得済みというISO9001もISO14001も金で買ったのでは。企業だけが悪いんじゃないとは思いますが。

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ところで、台風5号が福建省に上陸しましたね。このままだと内陸を突っ切るようですが、今年早くも各種災害で1億人弱が被災しているのに、犠牲者がなんと1000人にも達していないようです。本当なら見直しますが、あり得ますかね。黒龍江の洪水だけで200人強も亡くなっているのに。

不謹慎と言えば不謹慎ですが、台風の被害をどれほど抑えられるか。日本に起こる地震を天罰、沖縄は中国の領土とのたまうヤツらが、どういった反応を見せるか注目してみます。台風は昨年も直撃してますが、これは内陸にも向かいそう。温家宝がすでに指示を出していますがどうなりますか。

それにしても、援助の話が出てこないのは不思議。外交部はくれるなら貰う、と言ってたような。
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広東佛山:依然緊張の現場

前回のエントリーでレストランの行為が正反対になるような誤訳をしながら、某さんに指摘されるまで全く気付きませんでした。申し訳ありませんでした。前科者なので二度とやりません、と言っても説得力がありませんが、極力無くして行きますのでご勘弁を。

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広東省佛山南海区で続く村民と区政府との対峙ですが、動きがありました。

 佛山村民500名 土地強制収用に抗議継続
http://orientaldaily.com.hk/srch_result/488891_btm.html

11日午後、南海区政府が車両と人員40名を派遣し、工事のための地ならしを強硬に行ったため、それを知った村民500名が作業を阻止しようと現場に駆けつけました。

現場は非常に緊張していたとの事。それもそのはず、現場はヘリコプターが上空から監視を行い、地上は保安と機動隊が警戒するというなかの強制執行。午後10時まで睨み合いは続いたものの、大きな衝突は無かったようです。

もし地元政府が法律と中央の要求に従わずに強行するのなら、我々は徹底的に抵抗するとする村民。対話の場を持って話し合いたいとする当局ですが、今さら感あり。勝手に農地を更地にしておいて何を今さら。
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民族の誇り>儲け? ウソ

心底アホなので、自分がやっていることがどれだけ程度の低いことかわからないんですね。

 日本人の入店時に謝罪要求 中国吉林省の料理店
http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2005071101004322

 【北京11日共同】中国吉林省長春市の「城市晩報」は11日までに、同省吉林市の西洋料理店が「日本人は謝罪した後に入店すること」と記した札を掲げ、日本人客が歴史問題で謝罪しない場合は入店を拒否していると伝えた。
 札は3月からドアの横に掛けてあり、店主は「侵略戦争で中国人民に重大な災難をもたらした歴史を認め、頭を下げてわびた場合」に限り、日本人の入店を認めるとしている。札を掛けて以降、日本人客は1人も来ていないという。
 店主の行為について、中国各紙は「日本人に歴史を認識させることは中国人の責任だ」として肯定する声を載せる一方、「理性に欠ける」といさめる意見も紹介している。

「このニュースもう見たよ」「遅えよ」という声が聞こえてきそうですが、所詮記事を書いたのは共同です。大事なところを書かないのはサーチナ並です。同じ「城市晩報」を引用したのなら、勝手には端折らないで欲しいなあ。ちゃんとした思想的バックボーンがあってやってるのに。

 吉林のレストラン 日本人客はまず謝罪
http://hk.news.yahoo.com/050709/12/1ecq5.html

吉林『城市晩報』によると、吉林の西洋レストランの入り口に「日本人は謝罪して入れ」という札がかかっており、日本人が食事したい場合はまず頭を下げ、中国人民への謝罪を表してから入るよう求めているという。この札がかかってから、日本人は全く来店していないという。ある学者の説では、理性的な方法で中国人民の民族感情を表すべきだとしている。

このレストランは吉林市北京路北大街付近にあり、今年3月から「日本人は謝罪して入れ」という札がかかるようになった。レストランオーナー田氏は「店内に日本のお客も来ていたが、これは日本人を全く差別していない。我々は歴史を制止する日本のお客を歓迎するし、最高のサービスを提供する。しかし、歴史を認めないお客は歓迎しない」と語る。田氏はまた「日本人客はそれいら全く来店していないが、損害については全く気にしておらず、来店する若者が歴史を忘れてくれなければそれでいい」と話している。

吉林北華大が教育学院社会学専門家の瀋健教授は、「日本の友人たちに、あの侵略が中国に大きな傷をもたらしたという歴史と、中国人民の民族感情をわからせたいのなら、理性的な方法を用いて表現すべきだ」。(コメントで指摘していただいた誤訳を修正しました)

http://hk.news.yahoo.com/050712/3/1eftz.html

中国人の「歴史を正視」は、韓国人の「どこでも何にでも独島」に近くなってきました。時期は四川で暴動が起こる直前でしょうか。アサヒビールが店頭から撤去されたり、日本"入常"反対署名をネットで集めていた頃ですか。

しかし、好んでいく日本人はいないようで何より。まあ、頼まれたって行きませんけどね。理性的かあ。意味分かって使ってるのかしら。ていうか自信ありそうだったのに、札が小さい…注釈がないと読めません。「貧乏人は入るな」とか書いていた家具屋の方がデカかったです。札っていうか、これただの張り紙だし。

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ところで、このニュースを取り上げたのはこのオーナーのほかに民族の誇りを優先した、勇敢な男を紹介したかったからです。

毎年4月15日ごろと10月15日ごろから、広州貿易会が行われていることは皆さんご存知だと思います。毎年この時期はキップもホテルも取りにくいそうですね。企業の見本市ですが、日本企業の展示会になっています。

さて、北京、上海と日本の公館が相次いで襲撃される中、交易会の責任者は民族の感情を優先し日本企業の参加を認めませんでした。当然ブースはスカスカの歯抜け。責任者は当然、民族のなんたらを口にしていたと記憶していますが、後ろの光景が哀れでした。寂れきった商店街みたいな。いえ、パッと見はきれいなので余計に寒々しさを感じました。だれか写真撮ってませんかね。

この人だったとしたら、これまた哀れ。
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襲撃が流行りか

もう食傷気味とかいうレベルじゃないです。飽きた、もしくは慣れたと言うべきか。暴動も襲撃も、結局は「官」の横暴が原因で、違いはどっちが最初にキレたかだけなんですね。

定州の悪夢再びとばかりに、湖南省郴州でも武装集団に村民が襲われていました。事件発生は昨年の9月26日ですから、正確にはこっちの方が先なんですが。

http://orientaldaily.com.hk/srch_result/488152_btm.html
http://the-sun.com.hk/channels/news/20050710/20050710022820_0001.html

事件は、当地にあるオフィスビルを新しく建てようとした不動産業者が、一部が村の土地に引っ掛かることを知りながら勝手に売り出し、制止に出た廖炳山・石波潭村委主任をぶん殴ったことが発端でした。補償問題もなにもかもすっ飛ばしたこの対応を数百名の村民が知り、一気にエスカレート。何故か不動産屋が引き連れていた怖い人と衝突しました。

一旦は所持するビルの2階に逃げ込んだ怖い人たちですが、そこから村人に銃口を向け、掃射で約20名が負傷し、内1人が24発くらって重傷です。50セントか。狭い場所での銃撃で助かったのかもしれませんが、爆弾まで所持していたという用意の良さですから、計画的ですね。

さらに事件発生後、地元の宜章県公安は、一旦はその不動産屋を拘留しながらすぐに保釈され、実行犯である怖い人への追求もなしと事件は未解決のまま。「これは庇ってるな」と感づいた村人が何度か陳情に行っても公安の怒りを買うばかりか、陳情を行った廖・村委主任など3名が拘留されました。あ、この人も撃たれています。

有力者+地元公安VS村民

というお決まりの構図ですが、よく一人も死にませんでしたね。死んでようが死んでいまいが事件の本質は変わりませんが、毎度毎度でコメントするのも苦しみます。村民は選挙のボイコットで抵抗するのみ。

「中華民族の偉大な勝利」「東洋における反ファシズムの主戦場」と「世界への平和貢献」アピールに必死ですが、誰からもほめてもらえず、仕方なく過去の偉業を自賛する前に、自国の人民に貢献してみてはいかが。


追記(07/11/16:40):珍しく大陸でも後追いで報道されています。

湖南省郴州 不動産屋が村民に爆弾投げる
http://news.sohu.com/20050710/n226252774.shtml

不動産屋は「たった十数名の我々のところに、300人の村民が猟銃を持ってきた。自分たちで間違って撃ったんだ」など、一切を否定。だからカメラが必要なのです。
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所詮は60年前のことです

 中日50年戦争「中国人は何を覚えておくべきか」
http://news3.xinhuanet.com/comments/2005-07/06/content_3180909.htm

今年は抗日戦争勝利60周年である。日本は1894年の日清戦争から1945年8月15日に降伏するまで、中国に対し半世紀にわたって侵略をした。8年間の抗戦勝利は中華民族50年の日本侵略戦争に対する勝利である。

この歴史性の勝利を記念する時、我々中国人は国の恥を忘れないことと日本人に反省を促す以外に、過去のはっきりしない認識から気付き、永遠に歴史の教訓を忘れないようにしなければならない。

というような特大電波文章が新華社に載ってました。他には特筆すべきことは無く従来どおりの主張が並んでいます。共産党の輝かしい抗日の歴史ですね。

しかし、50年戦争とは大きく出ましたねえ。100年戦争は100年間ずっと戦争をしていた訳ではありません。そんなことをやれる国力があれば、今頃世界中が英仏の植民地です。1年戦争でも1年間ずっと戦争してなかったはずですけどねえ。

ともかくそんなことを50年もやっていれば、今頃日本も中国も存在しないでしょうね。そもそも抗戦って、日清戦争で一旦終わってますけど。塘沽協定も無視ですか。日中戦争勃発まで、中華民族は何と戦ってたんでしょうか。シャドウボクシング?

とコメントも適当になりそうですが、この特大電波を放っているのは徐学江、新華社アジア太平洋支局長です。他にも彼の書いた文章を読むことが出来ますが、読まない方がいいかも知れません。もちろん新華社の人間が書く文章ですから電波が強力で当たり前なんですが、これをいい大人が書いていると思うと。誰ですかねえ、50年戦争とか最初に考えたのは。

抗日戦争勝利60年の今年、「輝かしい歴史の強調をしていく」は先日発表されましたが、これはいかにも取ってつけたような印象しかありません。もうちょっと程度を上げてもらうと、外国人にも信じてもらえると思いますが、いかがでしょうか。

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(大幅加筆のため、タイトルを修正しました)

新華社も頑張って国の恥を忘れないようにしようキャンペーンに参加していますが、忘れちゃってる人もいるみたいですよ。

 北京市民の半数 「盧溝橋事件」はいつか不明
http://www.chinanews.com.cn/news/2005/2005-07-06/26/595718.shtml

北京晩報と北京市社情民意調査中心が中国人民抗日戦争勝利60周年の記念に、先日行った調査によると、半数近い市民が「盧溝橋事件」は何年に発生したか知らないという結果が出た。半数が知らないとは、どういうことだろうか。

どういうことでしょう。以下は調査の結果です。

 「盧溝橋事件」が何年に発生したか
(1937年7月7日だということを)知っている:56,5%
(日時がわからないなど)知らない:43%

 「盧溝橋事件」は
中国軍が盧溝橋で日本侵略者の侵攻を受けた事件:84,3%
日本軍が東北部を侵略した事件:4,6%
知らない:9,1%

素晴らしい歴史認識です。なんで満州に戻る必要があるのか、地図の読み方を知らない中国人は少なくありませんが、それも関係してるかもしれません。毎年こういった日を避けて新製品を出したりしている日本企業の徒労がうかがえる結果です。おととしでしたっけ、キャノンが噛み付かれたのは。

「何をされたか」分からないまま、盧溝橋に動員されている人間もいるんでしょうかねえ。年齢別など重要なデータがいつものように不足していますが、知らないと答えた層は若者なんでしょうか。でも、

抗日戦争の英雄を尊敬する:99,1%
教科書事件、靖国参拝は中国人の感情を傷つけた:94,5%

どこで戦ったか分からないがとりあえず尊敬し、神社には位牌があると信じ、教科書に何が書いてあるか知らないが、新聞に傷ついたと書いてあるので傷ついたナイーブな人が多いようです。抗日戦争の英雄は大多数が国民党ですが、そこは「中華民族」で乗り切ります。爆弾抱えて突っ込んだとか、おとぎ話レベルの英雄じゃないですよ。ちゃんと軍を指揮して戦死した人のことですよ。

記事の最初に「どういうことだ」とのみ、記者の本音(=中共)が出ていますが、単に教育が足りないんじゃないでしょうか。「反ファシズム勝利」を一人で祝うために、これから華やかな行事が目白押しなんですが、こんな調査結果で早くもつまづいた気がします。

数字などいくらでも操作できたのに、バカ正直に出したんでしょうか。先に挙げた新華社の記事が空しいですねえ。
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