愛国主義教育のためのマッチポンプ:コスプレ編

化学工場爆破はもうちょっと情報が集まってからの方がよさそうなので、いつものアレかと思っていたら、意外と引っ張られているこのニュース。

 幼稚園で武士と合成写真 「鬼子になるの?」
http://news.sohu.com/20051124/n227585801.shtml

22日、西安市にある天驕芸術幼稚園に王さんが子供を迎えに行った時、先生が突然カレンダーを詰め込んだ。これは園内で子供たちが作った"児童芸術カレンダー"だと言う。そして58元請求された。開いてみると王さんは驚きを禁じえなかった。カレンダーの子供は"和服"を身にまとい、手は"日本の軍刀"を抜いている写真が載っているのだ。「幼稚園はどうしてこんな事が出来るの?子供の教育と成長に影響するでしょ!」王さんは非常に憤慨している。(中略)

子供がドラマ『亮剣』を見ていたとき、突然「ママ、あの和服の写真、鬼子になっちゃうの?」と突然聞かれた。何と答えて良いかわからず、色々とごまかすしかなかった。しかし、子供はしつこく尋ねるばかりか自分を"嘘つき"、"バカ"と言う。

「子供に何と説明すればいいの?先生の話は違うと言えばこれから子供は先生の言う事を聞かなくなるかもしれない。歴史を良く知ってる人が見ればあの写真が何を意味するかは分かるわ!しかも背景の"太陽"は、日本の軍旗を簡単に想像できる。子供はまだ小さいから、こういった事をちゃんと見分けられないし。こんなに多くの芸術の形があるのに、何でこんなのを採用したの?これは子供に対する誘導だわ。こんなカレンダーを作るのなら、父兄の同意を得るべきよ」と王さんは言う。(以下略)

要するにお母さんはコスプレをした園児の写真に、"日章旗を連想させる太陽"が書かれたカレンダーにお怒りなのであります。

これだけなら森ビル(当ブログ10月20日)が栓抜きではなく軍刀に見える夢想家や、同じく幼稚園で軍艦マーチを鳴らして噛み付かれたあの手のニュースと同じ基地外とお思いでしょうが、続きがあります。

 西安幼稚園撮影の"和服と軍刀"写真に罰金
http://news.xinhuanet.com/edu/2005-11/26/content_3838973.htm

何と児童への健康と精神への影響と、58元という価格を理由に、カレンダーは園が回収及び再製作、園長が父兄に謝罪、さらに児童に愛国主義教育を保証するという結果になりました。行政処分として4000元の罰金と幼稚園への優秀評価が取り消されています。

恐らくこの幼稚園は存在しないでしょう。まあ存在しててもいいですけど、お母さんの思考が江青並みのこじ付けで怖いです。あの写真から日本国旗を連想できるなんて、中国には想像力がたくましい人だらけなのか、始終戦争の頃の事を考えている人だらけなのか。軍国主義復活を警戒している国の人は、さすがですな。

 武士の写真に父兄憂慮
http://news.xinhuanet.com/society/2005-11/26/content_3837477.htm

「子供はまだ3つか4つなのに、"軍刀"を撮影の小道具にするなんて日本の武士道精神や武力崇拝を宣伝するつもりなのか!」という父兄もいる。

この記事が何が言いたいかと言うと、「愛国主義教育を行う」、これじゃないかと。
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上山下郷を大いに行い、西部大開発を成功させよう

皆さんお待ちかね、外交部報道官定例記者会見が今日もやって参りました。今日はネタの宝庫です。

記者:ブッシュ訪中の前に、一部の"上訪者"(地方から北京に直訴にやってきた人)が捕まるか、軟禁されている件に、ライス国務長官が注目している。VIP訪中時になぜ毎回この様な措置を取るのか。

劉建超:私はそういった情報は聞いていない。(以下米中関係を誇る発言が続く)


記者:銅のトレーダー劉其兵が国際銅取引所から失踪したが、彼は誰のために働いているのか、何故逮捕されたのか知っているか。

劉建超:関連する情報は聞いていない。


記者:中国は鳥インフルエンザの感染者発覚時に周辺地域を閉鎖したと発表した。現在3人が感染しているが、国境を閉鎖したりしないのか。

劉建超:どこからその情報を得たか知らないが。そういった話は聞いていない。

記者:新華社の報道だ。

劉建超:私はそういったニュースは見ていない。(以下鳥インフルエンザに対する取り組みが続く)

おい。(上訪者 銅トレーダー ミラー:上訪者 トレーダー
記者:まもなく開かれるアジアサミットで、中日首脳会談を行う用意はあるのか。また、会議に前提条件は必要か。

劉建超:中国は現在中国指導者のアジアサミット出席に向けて準備をしているところだ。これに関する情報は、時期が来ればお伝えする。中日関係の具体的な問題についてだが、すでに中国の立場は紹介している。

まだ含みを持たせますか。APECでは雰囲気や条件は備わっていないが、来月なら可能性がゼロではなくなるというのは向こうの都合でしょう。あまり延ばすと李登輝がまた来て、時期を失いますよ。遊就館に食いついてる場合じゃありません。麻生にまんまと釣られてます。

「日本は靖国神社問題の重大性と敏感性を理解し、理性と責任ある態度で、必ず適切に処理しなければならない」ってのは、たのむから勘弁してくださいという意味でしょうか。

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さて本題。誰か「日中関係の悪化は、大使館襲撃や領海侵犯も無関係ではないはずだが、どの口が責任無しと言うのか」とケンカを売る猛者はおらんのか。

記者:先週、在日中国名古屋領事館が襲撃されたが、どのように評価するか。

劉建超:日本の右翼分子の破壊行為については、強烈に譴責する。中国は既に、日本に対して張本人の厳罰と、大使館などの公館施設と中国公民に対し、適切で有効な安全保護措置を取り、類似する事件が二度と起こらないよう求めていく。

ああ、消化剤を撒いたお兄ちゃんに厳罰ですか。ごく少数の右翼勢力と愛国者では危険度が違いますが。(ソース1:人民網2:産経 ミラー

では、4月暴動に参加した中国人は全員労改送りか下放ですね。前者なら愛党教育が出来るし、後者なら西部大開発も進み、愛国者無罪の彼らとしてはどちらにしても本望でしょう。

 北京の日本大使館などの原状回復始まる・日中政府合意で

 日中両国政府は、4月に中国で発生した反日デモで、投石により窓ガラスが割られるなどの被害を受けた北京の日本大使館と大使公邸の扱いについて最終合意した。中国側は「謝罪と補償」に公式には応じず、中国側による原状回復を「事実上の補償」とする。2つの公館については22日から作業が始まった。

 在中国日本大使館によると、実際の作業は大使館などを管理する中国外務省傘下の会社が手がける。作業期間は2―3週間。上海の総領事館についても交渉は最終段階に入っており、近く作業が始まる見込みという。日本側の見積もりでは3公館の被害総額合計は5000万―6000万円にのぼるという。(ソース

謝罪はさすがに引き出せなかったものの、補償はさせました。公使の車も補償させましたし、外務省も最低限の仕事はやっているんですね。上海の総領事館に対する補償は、上海市が出し渋っていると以前お伝えしたとおりです。

愛国者ども、金払えよ。それか農村行け。
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これからがシーズンです

新華社もレベルが落ちたのか、小泉が頭を下げた瞬間の写真を使うようになりました。情けない限りです。しかし相手はノムヒョン、会わないとこういう事も出来ません。ぜひ会って「我が国は日本の右翼政治家に誤りと歴史の事実を認めさせた」なんて刺激的な見出しを希望。(イメージ

小泉首相は会談したいと言ったことはなく、「したいのならいつでも受けます」と何度も伝えています。会いたくないならそれは向こうの都合です。「首脳会談が無い状態は異常」としたい向きは、日中首脳会談で首相に何をさせるつもりなんでしょうか。緊急に話し合う事案も無いのに、会っても時間の無駄でしょう。

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笑点のお題みたいになっていまいましたが、そろそろ鳥インフルエンザが爆発的に流行りそうな予感がします。予感というか、そういうシーズンに入ってきました。まずは20日、衛生部長高強の発言です。

 衛生部「鳥インフルエンザの感染拡大をコントロール」(人民日報)
http://politics.people.com.cn/GB/1027/3875809.html

「目下、我が国は鳥インフルエンザの発生情報を手中にしている。2003年のSARS発生以来、我が国各政府は伝染病の監視と制御能力を高めている」
「現在、最も状況が厳しい遼寧省黒山では、すでに10日間発生していない」
「北部は次第に収まってきているが、南部は防疫と伝染防止を強めなければならない」

情報統制は完璧ですか。っていうかどこで何が起こったかを把握するだけでは意味ないですけど。

一週間前には人への感染を否定しておきながら、一転して2人の感例を認め、しかし「状況は収まっている」(高強)、「隠す必要はない」(劉建超)ですから、全然信用できません。「SARSを経験し、民衆の伝染病予防に対する意識は高まった」なんて言っても、タミフルに殺到する様はSARS大流行の一昨年4月にお酢が爆発的に売れたのと同じ。どこが高まってるんだか。

 内蒙古、湖北で鳥インフルエンザ再発生(東方日報/新京報 11月21日)

http://orientaldaily.orisun.com/srch_result/519012_btm.html
http://www.thebeijingnews.com/news/2005/1121/09@014541.html

20日、農業部流感参考実験室は、内蒙古自治区モリダワダフール族自治旗、湖北省石首市で新型インフルエンザH5N1が発生し、それぞれ176羽と、3500羽の家畜用の鳥が死亡し、3202羽と3800羽を殺した、と発表した。

発言のその日ですよ。内蒙古は2例目、湖北ではは3例目です。これも渡り鳥のせいですかそうですか。放し飼いの飼育方法には問題なしですか。

1羽殺すごとに10元の補助金が出るそうですが、いくらなんでも足りませんよね。それなら食っちゃおう。死んだ鳥を食べるのは習慣でもありますし、豚のときで実証済みです。100億羽いるとされるニワトリを全て殺処分するか、ワクチンを打つか、どちらもあまり現実的じゃないですし。闇市場への流出に対してはどういった対策を取ってるんでしょうか。(7月26日

 国務院:4時間以内に状況報告を(香港文匯報 11月21日)

国務院が出した『重大動物感染症緊急対策条例』では「省、市および獣医部門は、発生の4時間以内に国務院へ報告し、物価を釣り上げたりデマを流したり、社会秩序を乱せば刑事責任を問う」となっています。情報隠蔽やデマにが既に起こっており、それを防止するための措置を取った、さらに言えば情報漏えいをも警戒しての発令でしょう。こちらは刑事罰ではなく政治的に引導を渡されそうです。

デマといえば、ネットの掲示板で感染し死亡した人のリストが出回り、それを反体制サイトの『博訊網』がネットで拾った死亡リストを掲載。出身地は河南、四川、安徽に限られるものの、どこで亡くなったかは不明。もちろん未確認情報なのですが、全員民工なのが怖いですね。

おそらく今日の外交部報道官記者会見で孔泉(希望)が、このリストを「全く事実無根である」と否定してくれるでしょう。

動物への感染例や死亡情報を隠蔽すれば2000元から5000元の罰金が科せられますが、「公務員は炭鉱の経営から手を引け」命令が、余裕で無視された前例を思えば、ちゃんと守られるかどうかは疑問です。

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最後に、あの人の週末を。

 SARSに勝ったのだから鳥インフルエンザにも勝てる(新京報 11月18日)
http://www.thebeijingnews.com/news/2005/1118/09@012523.html

さて、温家宝は胡耀邦生誕90周年の座談会に出席した前日の17日、人用鳥インフルエンザワクチンの開発現場を見学しました。温家宝の後ろに変なババアが見える人、眼科へ行かなくても大丈夫です。SARS大流行時に衛生相を兼任していた呉儀ちゃんですから。もう1枚、こなきジジイ並にまとわり付く気色悪い写真があったんですが、無くしましたすいません。

タイトルの通りです。嘘泣き総理の言葉は、いつ聞いても空々しい。
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wushilanさんへ

wushilanさんがなかなか来てくれないので、"wushilan"でググってみたらあっさりブログが見つかりました。googleって凄いですね。

20051103JBC1
10月17日のエントリー、題名は「神舟6号の帰還成功おめでとう。しかし小泉の靖国参拝は非常に遺憾だ」の内容を見るに、ほぼ同一人物と考えて間違えないでしょう。

私は違った考え方があっていいとおもいます。異論を認めないのなら中華人民共和国や両朝鮮国家と同レベルに落ちてしまいます。もちろん反対はします。

もしかしたら忙しくて、私のブログまで手が回らないのかもしれません。ですから、ここ数日お見えになっていないのでしょう。ただ、ある点については明らかにwushilanさんがおかしいと断言できます。

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wushilanさんのブログに入ると、ちえるん(周傑倫)の"七里香"が流れますが、もちろん彼はまだ生きていますし、彼がこの曲の権利を放棄したとは聞きません。

20051103JBC1

またwushilanさんは百度をリンクし「歌が無料でダウンロードできて便利」とコメントをつけています。最近ダウンロード方法が変わったようですが、それを知らないwushilanさんは「中国政府が知的財産権に厳しい態度である証左だ」と早合点をされています。実際はリンクデッドは存在するものの、音楽ファイルはまだダウンロード可能です。

20051103JBC1
また百度が使えなくなったと考えたwushilanさんは、「ダウンロード、無料」などのキーワードで検索するよう推奨されています。中国に溢れる海賊版について弁明を行うwushilanさん自身が、違法行為を何とも思っていないというオチです。"隗より始めよ"という言葉を送っておきます。でないと、説得力がぜんぜん出てきません。

私も聖人ではないし、ブログで記事を引用したり、ミラーを勝手に置いてますが、数日(場合によっては数時間)で記事を削除してしまうマスコミ対策のためでもあります。「正当化だ」という批判もあるでしょうが、それについては甘んじてお受けいたします。

wushilanさんは大学生で、北京に留学経験もおありだとか。しかし「神舟6号機関のおめでたい日に靖国参拝するとは何事か」という、孔泉の発言そのままの思考は心配です。どうも中国の悪いところばかり貰ってきたようです。

他所のブログでの発言を勝手に引っ張ってこられて、まさかこんなに食いつかれるとは思っていなかったかもしれませんが、ネットで晒す以上批判は受けなくてはなりません。嫌なら、自分のブログを会員専用にしてそこから出なければいい。ホームは楽です。

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私も大人気ないとは思いますが、自分と考えが違うからといって、人を犬呼ばわりするスタンスは看過できません。

彼から「靖国参拝の不当性」についてご意見をうかがってませんので、引き続き回答を求めたいと思います。くれぐれも「感情を傷つけるから」などと、孔泉のマネなどなさらないようにお願いします。


追記(11/29/08:12):wushilanさんからコメントを戴きました。『昭和零年』という本を推薦していただいたのですが、ご本人は未読だそうです。

20051103JBC1

あのさあ、人をなめてない?
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こんな記事ばかり読んでるとバカになります

ここ数日、また以前のようなテイストの記事が復活してきました。中でも秀逸なのを2つ。

1つ目は「日本人学生、教師が中国人留学生3人を袋叩きに 謝罪」という記事。【日々是チナヲチ】に投稿してしまった使い古しですが、最近見なかった"中国人が日本人に殴られるシリーズ"の記事です。

中国国内で起こった事件を扱った記事は、検証などが無く被害者である中国人の言い分をそのまま記事に起こすなど、限りなくガセに近い半面、日本で起きた事件の記事については、警官が中国人女性をぶん殴った事件は日本でも報道されたように、真贋入り乱れているように思います。(ソース ミラー

そんな大シリーズネタがまた飛び出しました。10月初めのお話。フフホトからきた留学生が、専門学校で休み時間に3人の学生と教員にボコボコにされたそうです。(ソース

元ネタとなった『関西華文時報』は、毎月1日と15日に発行されている関西に住む中国人向けの新聞だそうですが、発行日とこの記事を引っ張ってきた『法制晩報』の日付を見ると、あながちガセとも言い切れません。しかしですよ。

“お前ら、何を見ているの”
“何を見てるの、この野郎!”

この訳はいただけません。恐らく関西の話でしょうから関西弁でないとおかしいですし、そもそも日本語としても変です。オネエ言葉です。大使閣下の寄稿文といい、日本にいる中国人に日本語の高手は存在しないのでしょうか。ちなみに関西人が添削するとこうなります。

“お前ら何見とんねん”
“何見とんねんコラァ!”

そう、関西弁はこういう威勢の良さが無いといけません。"何を見ているの"ではケンカが始まりません。他の方言はご自分で翻訳をお願いします。もちろん記事の真贋なんて問わないでしょう。目的は読者を燃え上がらせる事にあります。そろそろ中国国内でも"起こる"かもしれません。

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2つ目はGDP。中国が日本を抜く時期が加速しています。

このブログを始めた頃は、「2010年に1900ドル(5年で倍)を目指す」という、それでも威勢のいい記事が出ていましたが、今度は15年で日本を超えるそうです。無理です。(ソース

今年のGDPは15兆元であり、もし今後15年間の成長が7,5%を維持すれば、2020年には45兆元に達する。人民元高を計算に入れなければ、5,5億ドルになり、日本に近付くかあるいは超え、世界第2位に躍り出るだろう。1人当たりGDPは33000元に達し、4000ドルとなる

以前にも増してザルな計算です。これまでは50年以内に追い越すとか、可愛げもあったんですが、毛沢東時代の悪癖は直らないんでしょうか。

こういう記事もあります。

 北京:2010年に1人当たりGDP6000ドル
http://finance.people.com.cn/GB/1037/3817261.html

北京は5年で6000ドル、全国平均は15年で4000ドルと、思い切り格差が出ています。格差を是正する気は全く無しですか。まあ、予定だから何とでも言えるでしょうけど。
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