広東でも民が襲撃されました

ニュースを追っている時間が取れません…前回のエントリーから3日、コメント欄でも書きましたが、週2日制になってますね。そんな制度にした覚えはないのに。

休んでいる間にも、中国国内では騒乱が続いています。ここ1ヶ月に発生した暴動をまとめました。

6月11日:河北定州 農地収用に絡み、農民が6人虐殺される
6月20日:甘粛張掖 水源に絡んで農民数十人がが襲撃される
6月25日:江西九江 大学側の「乱収」で学生4000人が暴徒化
6月26日:安徽池州 交通事故の処理を巡り、1万人が暴徒化
6月27日:山東?博 大学でウイグル族と漢族総勢500名が衝突
6月30日:浙江長興 地元工場の環境汚染で農民600人が工員を人質に

太字は当ブログで未紹介です。江西と山東の大学で起こった暴動ですが、香港太陽報経由で、産経が報じています。

江西の件は、大学が学生に何かと名目を付けては小銭をたかり続けた結果、学生がキレたため、慌てた大学側が一部を返還し、生活環境も改善されるとか。現在8人で住んでいる部屋が、6人部屋になったりするんでしょうか。

8人部屋といっても2段ベッド4台に部屋の半分を占領され、何とも住みにくい環境でした。私が見たのは新築間もない寮でしたから清潔感のカケラくらいはありましたけど。

山東の件はウイグル族と漢族がバスケットの試合中に起きたいざこざが原因で、ウイグル族が漢族を襲い、漢族が報復に出て総勢500名での大乱闘に発展し、ついには武装警察が出動して何とか収めたようです。

「中華民族」の幻想を打ち破るにふさわしい事件ですね。種族に分かれて試合をしていますが、仲がいいんですねえ。反撃に出た漢族が「新疆のブタは出て行け!」(新疆豚,滾回去!)と叫んでます。これって「日本人は釣魚島から出て行け!」スローガンと同じですが、つまり漢族はウイグル族をよそ者と見ている証拠でしょう。ウイグル族は漢族と別の宿舎に住んでいるようですし、お世辞にもいい仲とは言えませんです。

ところで、街中ではなく大学内の出来事ですから留学生が見ていたはずですが、留学生の方の目撃談お待ちしてます。

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もう暴動や官による襲撃はお腹いっぱいという方、たぶん半永久的に続きます。今度は広東省佛山市南海区三山港鎮で、農地収用に絡んで3日間にわたって流血事件があったようです。ていうか、現在進行形です。

http://the-sun.com.hk/channels/news/20050704/20050704014659_0001_1.html
http://the-sun.com.hk/channels/news/20050704/20050704014659_0001.html

ここは13年前から土地収用で揉めているようです。南海区村委9人の名が空欄になったままの土地徴収予定協議書にサインし、三山港鎮の12平方キロの土地権利書を南海区の国土管理部門所有に移していました。今年初めに当選した村の委員会が契約の違法性を指摘し、3月ごろから村民が土地の守備につきました。

同時に省政府や市政府などへ訴えましたが、回答は全く無し。6月中旬には、今回の徴用には必要な所有者である村民の同意が無いこと、などが書かれた嘆願書を中央にも送ったようです。

そんな村民の抵抗に対し、地元・南海市政府は5月31日、4000人の警官と工作機械をだして農作物と魚の養殖場を破壊、800万元の被害が出ています。ちなみに、夜討ち朝駆けです。村民によれば、あちらさんはクレーン車、消防車、救急車、ブルドーザーなど200台を出動させていたとか。農地は更地にされちゃいました。

当局は村民が事実を外に漏らせないよう通信手段を遮断、妨害電波を出す機材を積んだ車両まで投入。さらに外部に通じる橋などに人員を送り、反抗した村民に対しては「野蛮な方法」を使い外に出さないようにしています。また「工作隊」の一員と名乗る人間が、トラックなど農業用車両や農業施設40万元相当を持ち去り、売りさばいていると証言しています。

6月30日から当局と村民の衝突が始まり、4名が拘束。7月2日、数千の村民がスローガンを掲げ、抗議に向かっていた様子を撮影したエール大学の研究員(アメリカ人。記者という説もあり)が拘束されています。

当日の夜、数千の農民が派出所を包囲し村民と研究員の開放を要求。当局は600名の警官を出動させ、村民を強行的に排除させました。ある女性は警官に胸部を棍棒で殴られ、倒された後に蹴られ、激しく痛めつけられた後に、当局が連れ去ったとか。

ちなみに、アメリカ人研究員は米国領事館が本気を出して釈放させたようです。なんで現地にいたんでしょうか。

当局はすでに村民に強制退去を通知しており、また村民に武器を捨てるよう警告。「政府の土地法は、三山鎮にまでは及ばない」とうそぶいているとか。広東省の規定では土地を収用された者に対して、収入、住居、再就職に不備がないよう求めていますが、そんなものはお構いなし。さすがに見出しが「悪徳官吏」なだけはあります。

現在も数千の警官が当地を包囲しており、一触即発だそうです。未解決の現状に、ある村民は「定州縄油村のように何人か死なないと解決してくれないのか」と言ったとか。ああ、この事件はちゃんと伝わってるんですね。


追記(07/05/14:38):続報です。当地の南海区政府は最後通牒を出しました。今月20日から「正式」に収用を始めるそうです。すでに数十名の私服警官が村の入り口を固め、怪しい人物の出入りをチェックしています。

当地では衝突が発生した2日から少なくとも4度の衝突が起こり、数百人が組織して派出所や区政府に抗議へ向かい、2日に逮捕された村民の釈放を求めていますが、当局からの回答は無いまま抗議活動は継続中です。また、村の指導者には何度も脅迫電話がかかってきているとか。何度も使いましたが、「今、何時代ですか?」
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