孔泉たん、「台湾は国」にも憤慨するとか言ってみ

前回の続きです。

 麻生外相:「台湾を『国』と言ったら問題になる」(毎日新聞)
http://www.mainichi-msn.co.jp/photo/news/20060207k0000m010133000c.html

 麻生太郎外相は6日の記者会見で、4日の講演で台湾を何度も「国」と表現しながら、日本が植民地統治時代に台湾の義務教育向上に貢献したと述べたことについて、「(台湾を国と言ったことは)一回もない。台湾を『国』と言ったら問題になることぐらい(わかっている)。そんなにバカでもない。台湾という『地域』の話」と釈明した。(以下略)

「ああ、あれ。話の流れだからさ」てなところでしょうか。共同だか朝日だかが聞いたんでしょう。

台湾はどうかといえば。
http://the-sun.orisun.com/channels/news/20060206/20060206023632_0000.html(太陽報)
台湾外交部の呂慶龍報道官は本紙記者の取材に対し、「麻生太郎の発言は既に承知しているが、日本に統治された時期は台湾の歴史の一部であり、事実でもある。台湾政府は彼の発言は理解できるが、この件でこれ以上のコメントは控えたい」と答えた。

http://orientaldaily.orisun.com/srch_result/534508_btm.html(東方日報)
台湾外交部の呂慶龍報道官は5日、「日本は植民統治中に教育、農業、漁業、インフラなどである程度の措置を取ったのは事実。外相の発言は理解できる」と話した。

http://www.takungpao.com/news/06/02/07/TM-520847.htm(大公報)
台湾の黄志芳外交部長は6日、「日本は過去の歴史問題で、既に中国、韓国と争議を起こしているが、台湾とも争議を引き起こさないように望む」と答えた。

教育部は麻生氏の発言に対し、「台湾の教育水準が高いのと、日本の植民統治とは関係ない」と述べた。

 台湾:「麻生発言」は問題視せず(毎日新聞)
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/news/20060207k0000m030051000c.html

 (前略)また、麻生外相が発言で台湾を「国」としたことについて、台湾外交部の呂慶竜報道官は「台湾を指し示すために用いた言葉で、特に意識はしていない。台日関係は良好で、今後も継続させたい」と述べた。

冷静です。彼らにしてみれば、麻生発言がなかろうが台湾はどちらにしろ国ですし。

私の台湾の唯一の情報源であるyahooでこの件で検索をかけてみたのですが、どうもひっかかりません。毎日で指摘されているように、あんまり盛り上がってないんでしょうね。国民党あたりから声明が出てもよさそうですが、これはやぶ蛇になるから自重ですか。孔泉みたいに「過酷な植民統治」とか言ってしまうと、「それはお前らの方だ」となりますしね。

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麻生外相がこの発言した翌日に孔泉がわざわざ出できたのに、「台湾は国」の部分に言及しなかったのは、外交部はこれで争う気は無いということなのでしょうが、新華社をや香港メディアが過剰に反応してしまい、ハードルがかなり上がってしまっています。

※1明報が「日本が台湾を国家と表現 北京は驚嘆と憤慨を表明」で、※2太陽報が「日本外相が台湾を国家と表現 北京は驚嘆と憤慨」、※3新華社は発言中の国家という単語に""を付けるのはもちろん、日本の外相が公の場で台湾を国家と表現したことは、3つの政治的文書の精神に明らかに違反し、中国の主権に対する挑戦である」と指摘しています。新華社はエース緊急会見の後ですから、外交部がスルーしたのを「ヌルい」と感じた人がいて新華社に書かせたのでしょう。

麻生、台湾が冷静だったように、中国もこんな言葉のアヤにまでいちいち応対していられないというのが本音であろうことは分かります。しかし、さらなる発言が期待された※47日の記者会見ではあろうことかスルー。麻生外相自身「台湾を国と呼んだら問題になる」と言ってるのに、外交部はスルー(恐らく削除でしょう)ですから違和感が残ります。残るってことにしておいて下さい。


※1http://hk.news.yahoo.com/060205/12/1kyl5.html
※2http://the-sun.orisun.com/channels/news/20060206/20060206023632_0000.html
※3http://news.xinhuanet.com/comments/2006-02/06/content_4142625.htm
※4http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/t234126.htm
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台湾は(中略)国。ついに言ってしまいました

来ましたね。麻生大臣来ましたよ。あんたならやってくれると思ってたよ。

まず、先月30日に「天皇陛下の参拝が一番だ」と発言しています。格好のネタだったはずですが、安倍官房長官が※1「個人的発言」、麻生氏自身の「問題提起だった」とする発言が即日で出てきましたし、※2与野党の批判などもあわせて報道しまくって打ち消しに懸命でした。※3報ステ出演時の「総理になったら靖国参拝は適切に」も報じられています。春節だったとはいえ外交部も特に論評を出すことはなく、見事に釣られた韓国に比べるとなんとも大人しい対応でした。

それが4日のこの発言。春節の最後の日ですからいわゆるお年玉ですね。

 植民地時代に教育水準向上 麻生外相、台湾に触れ
http://www.kahoku.co.jp/news/2006/02/2006020401002807.htm

 麻生太郎外相は4日午後、福岡市で講演し、日本が植民地支配下の台湾の義務教育に力を入れたと指摘した上で「台湾はものすごく教育水準が上がって識字率などが向上したおかげで今極めて教育水準が高い国であるがゆえに、今の時代に追いつけている」と述べた。
 日本と関係の深い地域として台湾に言及する中での発言。
 麻生氏は「これは台湾の偉い方から教えてもらった話で、年配者は全員知っていた。われわれの先輩はやっぱりちゃんとしたことをやっとるなと正直その時思った」と述べた。
 また、当時の日本の政策について「最初にやったのは義務教育。(台湾の家族が)子どもを学校に出したら1日の日当を払う大英断を下した」と強調した。

台湾(と香港)は日本(とイギリス)という国家に統治されたというアドバンテージで、中国とは異なり民主的国家を形成してますよというメッセージだと思ったのですが、違うでしょうか。

ともかく、孔泉が翌5日に談話を発表しました。靖国はとりあえずスルーしたのに、この件で対応せざるを得なかったのは、靖国より台湾を上に見ているからなんでしょうが、とりあえず休日出勤乙。

http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/t233825.htm (外交部2月5日)

我々は日本の外務大臣の公然と侵略の歴史を美化する言動に、驚きと強烈な憤慨を表明する。1894年の日清戦争以後、日本は台湾占領を強行し、台湾島内の民衆を奴隷のような目に遭わせ、中華民族に深刻な災難をもたらした。これは世界の人間が皆知っている事実だ。

日本は台湾に対し半世紀の長きにわたり植民統治を行ったが、これは日本軍国主義の中国侵略史の黒い1ページだ。加害国の外交当局最高責任者として、この様な言論を発表するのは 歴史の歪曲であり、中国人民の感情を厳しく傷つけるものだ。こういった人類の正義と良知に挑戦するやり方は、最後には自業自得となるだけだ。

1日経って出した割には、「台湾は国」に食いついてくれていませんねえ。※4新華社が今日やっとそこに食いついています。例の3つの政治的文書に違反しているとかで。孔泉はこれを使いませんでした。

仮に中華人民共和国が唯一合法の中国だとしても、台湾が国家ではないというのは中共の独りよがりですから。台湾を国家として認め、同時に中華人民共和国を国と認めていない国なんて逆のケースに比べて少ないだけで、確実に存在しますし。

明日は孔泉にもう少し踏み込んだ発言を期待しましょう。忘れてたわけでも無いでしょうが、「台湾は(中略)国」の部分。そこはもっと盛り上げてもらわないと。ああ、台湾当局の発言も知りたいですね。

※1http://news.sohu.com/20060131/n241651487.shtml
http://news.sohu.com/20060201/n241653914.shtml
※2http://www.chinanews.com.cn/news/2006/2006-02-03/8/685509.shtml
http://gb.chinabroadcast.cn/8606/2006/01/30/1745@880449.htm
※3http://news.sina.com.cn/w/2006-02-01/11048112841s.shtml
※4http://news.xinhuanet.com/comments/2006-02/06/content_4142625.htm
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