映画にもなった『天国の本屋』のシリーズの1冊。
天国の本屋―うつしいろのゆめ
著者:松久 淳+田中 渉
発行:新潮社
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人の寿命は100年決め打ち。
現世での死亡年齢が50歳なら、残り50年は生まれ変わるまでの待機時間で、その時間を過ごすところが、いわゆる天国、のようなところという設定の物語です。
その世界では現世での死亡時刻の年齢がキープされるので、老若男女さまざま。現世とさして変わらぬ社会が出来上がっているようなもの。
人が死期を迎えると、現世とそこをつなぐ天使のような係の人がいて、迎えにきてくれたり、説明をしてくれたりします。
なんともおだやかな死後、現世からの離脱。
ただ、生まれ変わりまでの時間を心穏やかに過ごせるかどうかは本人次第。
心残りがあるとそれを抱えたままに長い時間を過ごすことになってしまうわけです。
今回の主人公は29歳の結婚詐欺師。
彼女は、カモとの婚約旅行への出発直前に空港で事件に巻き込まれてしまいます。
そして気づけば、天国の係員と一緒。
いつのまにやら、彼女は、一向に立ち退きに応じない老人宅へのヘルパーとしていくことになります。
彼女の心残りとは?
老人の待ち続けている人とは?
彼女と老人との縁とは?
さらーっとした文体で、うっすらせつない、終わりの気持ち良い大人向けの童話。
文庫はべらぼうな薄さで、短時間でするすると読めてしまいます。
ああ、そうだなー、うっすらせつない、じゃなくて、時と場合によっては、とてもせつない、かもしれません。
救いのない話に疲れた時には、とても良いかもしれない1冊。
タイトルに「本屋」と入っているだけあって、本や本とのかかわり、本屋さん自体も愛情深く書かれています。
本を朗読することなど、本を読む方法の多様性とかね、そういうこともすこし考えてしまうかも。
いろいろネットで調べてたら、コンビ解消
みたいな話もあるみたいで・・・。
http://www.birthday-energy.co.jp
『天国の本屋』は、サラッと読めますが、なかなか
深いですし、いい話ですね。
本屋嫌いの本好きは居ないでしょうし、どこか
共感できる点もあるでしょうし。
映画の原作になりそうな作品ですね。
ほんとにこの作品も無理なく映画化できそうですよね。
サイト、拝見してまいりました。そういうこともあるのかと、わからないなりに面白く…。
このコンビでのシリーズ、読むほうとしては、細く長く続けてもらって、たまに読んで、いい気分にさせて欲しいところです。