だいぶ前のことになりますが、S・M夫人とるいちゃんとで飲んだ時、古い漫画の話になりました。
これには漫画に限らず、映画編だの、ドラマ編だの、いろいろあるのですが、ほとんど記憶力テスト状態。
「キャンディ・キャンディ」のテリィのお母さんの名前は何?
「エイリアン通り」で、シャールくんと納豆と明太子のケンカをしたのは誰?
「動物のお医者さん」でハムテルくんの胸を突いた羊の名前は?
「イズァローン伝説」のフレイアは「何」の谷のフレイア?
ホントーにどうでもいいことですが、でも思い出せると非常にスッキリして、すばらしく精神衛生に良いのです。
その代わり、思い出せないとこの上もなくキモチワルイので、答えてくれそうな助っ人脳ミソが必要です。
私はあてにならない人間で、「『さよなら銀河鉄道999』に出てた顔の青い猫目の男の子の名前は何?」と聞かれて、「あ~。…クラムチャウダーみたいな名前…」としか答えられない役立たず…。(答えはミャウダー。)
ということで、その時、話に出た『イズァローン伝説』をるいちゃんからお借りしました。
現在買えるのは文庫だけで、るいちゃんの蔵書はすでに絶版。
全12巻で、最終巻の発行は昭和62年。絶版なのも道理です。なつかしーなー。
好きな漫画家をあげてみなさいといわれたら、その1人として竹宮惠子をあげてしまうと思います。
文庫 イズアローン伝説 全8巻セット
著者:竹宮 惠子
発行:中央公論新社
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過去とも未来ともわからない時代。
深い樹海の中には古代都市の遺跡が点在し、その森のほとりに、人は小さな国を作って暮らしています。
城があり、王がいて、騎士や姫がいて、人々の生活にはまだ小さな魔法が息づいている世界。
その中の1国、イズァローン。
勇猛果敢にして、沈着冷静な王には、子が1人。そして、もう1人、先に亡くなった兄王の王子が1人。
古代王国の血をひくといわれるイズァローンでは、人は両性体として生まれてきます。
通常は自然と男女に性別が分かれてきますが、まれに、両性体のまま成長し、自分の意志で性別を選ぶタイプの者が現れます。
両性体であるほど古代の血が濃い(魔力が強い種)となるわけですが、こともあろうに、イズァローンの現王の子・ティオキアがその両性体だったのです。
次の王になるのは王子。
国内は現王の子・ティオキアと兄王の息子・ルキシュのそれぞれを擁する派に分かれ、ことあるごとに対立。
王位継承者として指名されるのはいったいどちらなのか、現王の意志はどうあるのか、というところから話は始まります。
と、ここから話はがんがん大きく発展。
人質として他国へ出されたティオキアは、その国に隠された古代王国の遺跡で、長きに渡り封印されていた「魔」を開放してしまいます。
時を同じくして、イズァローンの現王が戦死。
ティオキアは行方知れずのまま。
イズァローンでは、王の死を隠し、戦を収束させたルキシュが否応無く王位につくことになります。
その頃、ティオキアは自らの運命によって解放した「魔」を身に巣くわせる「魔王」へと変化の途中にありました。
人をたぶらかす「魔」。
これこそが古代王国を滅亡させた原因。
開放された「魔」に世界は再び喰らい尽くされてしまうのか。
物語の軸になるのは、抗う術もなく「王」となったティオキアとルキシュ。
ティオキアは「魔王」としての自分と「人」としての自分にその存在を引き裂かれ、ルキシュは「王」であってよいのかという振り払うことの出来ない迷いと、「王」であることが出来ているかの不安に常に揺さぶられています。
強さと弱さ、その間に忍び込む「魔」。
物語は、2人の王が再び出会うその時に向けて進んでいきます。
2人の他の登場人物には、古代の血を引き強い魔力を持ち、ティオキアに魔術を教えた導師。
ティオキアの忠臣、カウス・レーゼン。
ルキシュの妃、フレイア。
ルキシュ直属の部下、アスナベル・レム。
「魔王」の側近、ゼーダとグラフィン。
ちなみにフレイアは「金の谷のフレイア」で、彼女はイズァローンを守護するために生み出された魔女。
イズァローン王の妃となることを運命づけられた少女です。
ルキシュの奥さんになりますが、その前に恋人がいて、その恋人がアスナベル。
その彼がルキシュの直属の騎士になったりして、まあ、大変。
恋する王妃とすら心を通い合わせることができないルキシュはけっこうかわいそうです。
ティオキアはティオキアで、自分が「魔」と対決するために生み出された存在であることを受け入れながらも、強大な「魔」の力の前にはあまりにもひ弱。
ともすれば、「魔」に取り込まれてしまいそうなティオキアを、あくまでも人として扱うのがカウスですが、文官のわりに手が早くて、ティオキアはひっぱたかれたり、きつい嫌味を言われたりしています。ティオキアはMですな、間違いなく。
で、最後はどうなるかといいますと。
「そしてあなたを口説けばいい
たとえあなたが鬼でも蛇でも あなたを愛している と
だからあなたをわたしにくれ と 」
となるわけです。
後半になると、かなりキリストの受難にかぶってきていた物語に、こういう結末。
すごいぞ、竹宮惠子。そうくるのか。
ティオキアやルキシュ、フレイアたち「人」はいかにして「魔」に立ち向かったのか、これはいったい誰のせりふかが気になる方は、最終巻を古本屋さんや、オークションを探して読んでいただくとして。(全部書くと、ここまででも十分長いのにもっと長くなって、さらに語ってしまいそうですから。)
いやぁ、予想だにせぬ、しゅるん、と、音がしたような気がする終わりでした。
私は好きですけど。
どこかでは少年漫画にカテゴライズされていましたが、Amazonでは「BL」に。
…そうなの…?
確かにティオキアは女じゃないけど、男でもないのに?
う~ん。
気持ち悪くなりました…どうしましょう?
「イズアローン」
大き目の愛蔵版が図書館にあるので、ちょくちょく手にします。
ルキシュが健気で…ルキシュがいるところばかり読んでしまいます。
>後半になると、かなりキリストの受難にかぶってきていた物語に、こういう結末。
そーか、やっぱりココに落ち着くのか……すごいんだかすごくないんだかわからないところがすごいぞ竹宮恵子…と思った終わりでした。
BLなんですかね?
そういえば、フレイアも途中まで中性だった?
せめて羊だけでも。「××のチョキが出たぞ!」の羊だよね。また忘れちゃった…。
答えの半分は、下で
>BLなんですかね?そういえば、フレイアも途中まで中性だった?
ああ、フレイアもそうですね、あれくらい女の子だと忘れてしまいますけど。
まあ「たとえあなたが何者でも愛している」という状況が、シェイクスピアの辺りではムーア人だったり、仇敵の娘だったりしたものが、今では障害にも何もならなくて、不倫を通り越して、異性ではない、に発展したのがBLと考えれば、そうなのでしょうねぇ。
ワタクシ、先日、「俺、男は絶対にイヤ。きしちゃんだって女はイヤでしょ?」と聞かれて、「う~ん、どうかなぁ」と一応考えてみたら、「どうかなぁ、じゃなくて、ソッコウでイヤって答えないとダメでしょ!」と怒られてしまいました。
もちろんムリで、こんな話の流れになるくらい、正直、この壁は高いと思うのですが、でも、ソッコウでイヤって答えてしまうのも、何だか悪いような気がするじゃありませんか。ねぇ?
…って、いったいどういう話をしているのでしょう、ワタクシ。アブナイ人のようですわね
羊は「プルプル」。「プルプルのチョキが出たぞ!」ですな。
お母さんの名前は「エレノア・ベイカー」。
納豆と明太子は…忘れた…というか、きっとそもそも覚えてない気がします。
あの時、全部答え合わせしたのにねぇ。役に立たない脳ミソだわ。るいちゃん、覚えてないかしら。
竹宮惠子は本当にいいですよね~。風と木の詩、私を月まで連れてって!、カノンシリーズ…大好きです。
はあ、すっきり
ルシフィンって、『みき&ユーティー』にも出てきた彼でしたよね?
>「どうかなぁ、じゃなくて、ソッコウでイヤって答えないとダメでしょ!」と怒られてしまいました。
私も、ソッコウで答える前に、「え~、実際に見せられるのはいやだけど、好きなら好きで……」とか、答える前に、あれこれ悩んでしまいそうです。
ソッコウで答えてしまう前に、そういうのが好きだった知り合いの顔が、走馬灯のように脳裏をよぎっていくから、言下に、そういう世界を否定するのは申し訳ないというか……あら?ワタクシもなにを書いているのやら??? アブナイ、アブナイ
なんか
妙に納得したような最後だったきが・・・。
ルキシュ♪
そうそうこの人の原型って「ファラオの墓」のスネフェルみたいなきがしたような。
>速攻で・・・
そう・・・速攻でというよりは
「女でもいいとかってないのか?」と聞かれたことあり
そういう趣味の男らしい女性に意見を聞かれたのですが・・・・(あ、くどかれたわけではありません。)
速攻で
「私はりっぱな男好きです」と答えて笑われました。
意味が違うって・・・
カノンシリーズって、音楽家の、かな。「変奏曲」とかの。
よく覚えてないけど、指揮者の男の子がいた?
そうなのですよ。それぞれですからねぇ。
自身はムリでも、他の方のことをとやかくは言えませぬ。
>『みき&ユーティー』
そうなのかな?それ、知らないのですよね。ワタシ。
「エイリアン通り」が最初で。
koharuさまも頼りになる脳ミソ…。
>スネフェル
「ファラオの墓」、読んだはずなのです…たぶん。
でも、全然記憶にないのですよ。何でかしら。
キャラクターはくっきりタイプがありますよね。系統図ができそうなくらい。
>「私はりっぱな男好きです」
ある意味、模範解答かも?
そういえば、内野さんは、同性受けはどうなのでしょうねぇ。