本屋さんの店頭にたいそう売れているという触れ込みで置いてありましたので、のせられてみました。
会計天国
著者:青木寿幸 竹内謙礼
発行:PHP研究所
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突然の交通事故で瀕死の状態になってしまった経営コンサルタント・北条の元にやってきたのはスーツ姿の天使。
事後に遭ったことも、天使が現れたことも受け容れがたいのに、あげく一週間後に死ぬという宣告を受けます。
けれど、天使の申し出を受ければ、死ぬ運命から一転、現世に戻って、目前に迫った一人娘の結婚式に出られるのだとか。
すでに母と死に別れている(北条にとっては妻)娘をひとりぼっちにするのは忍びないし、地獄に行くのはご免こうむりたいと、北条はその提案を受け入れます。
それは、彼のもつ会計の知識をもって、5人の人間を幸せにすること。
5人の人間はそれぞれの理由で仕事に行き詰まり、彼らの属する会社は風前の灯。北条は彼らの会社を、ひいては彼らを人生の危機から救うことができるのか。
というわけで、財務諸表をどのように活かすかというケーススタディです。
『初心者でも「財務3表」が読めて使えるようになる。仕事で役立つ決算書&会計知識が満載。8万部のヒット作となった笑いと涙の実用会計ノベル、待望の文庫化! 』
貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書。
それがどういうものかは知っていても、どう活かすがいまひとつピンとこないというときに読むとぴったりの本。
第1章 なぜ「儲かっている」と言われている会社が、倒産するのか?
第2章 価格競争に陥ったら、会社がやるべきことがひとつある
第3章 粉飾決算という泥沼から抜け出して、再生する
第4章 部長課長が動機との競争に勝って出世する方法
第5章 会社の戦略が変われば、組織も当然変わる
5人の身近な人に乗り移って語りかけ、財務3表を利用しながら難局を乗り切るためのヒントを授け、起死回生のチャンスを与えていく北条。
例えば、第2章はフィギュアを作って売っている会社のオタク社長には、彼お気に入りの美少女フィギュアに乗り移って説教をするとか、最後の一人は娘の結婚相手の男であるとか、知識もさることながらベタな設定も満載です。
堅苦しくないということが最大の特徴でしょうか。
本の中に登場する5人のように、この本にやる気をもらえるということもあるのかもしれません。
あるいは、財務3表が身近になるとか?
「経営」とは無縁の立場にいると、決算書なんてみませんものねぇ。少なくとも、そんなことではいかんのだな、きっと、という気分にさせてくれます。
余談ながら、なんとなく、北条には役所広司を想像しながら読んでしまいました。
CMでみる彼の暑っ苦しさが、本の印象にダブるような気がして。
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