ゆっくりと世界が沈む水辺で

きしの字間漫遊記。読んでも読んでも、まだ読みたい。

米山文明【声の呼吸法】

2014-10-22 | and others

よく行く本屋さんでは時折…というよりも少し頻繁に、平凡社ライブラリーを集めて島をつくっています。
例えば、夏休みには読書感想文向けの本がずらり並ぶとか、あんな感じに。
手軽なサイズで、幅も広くて、書名を眺めているだけでも楽しいのですが、物珍しさでついつい手を出してしまいます。
そんなふうにして手にした1冊。
物珍しさで…とはいえ、実際に読むに至ったのはやはり興味があったからなのだと思います。

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 声の呼吸法

 著者:米山文明
 発行:平凡社
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著者は耳鼻咽喉科のお医者さん。
途中、声楽家たちについてのエピソードなどがさしはさまれるところもおもしろかったのですが、本は、まず、生物の呼吸と、それに伴う器官がどのように変化をしてきたかから始まります。
呼吸の仕方が変わるというのはとても劇的な変化であったのだと改めて思ったりして。

後半は実際のエクササイズについて。
声は呼気にのせるものですが、そのためには吸気が必要で、よく響く声は、自然で自在な呼吸から。そして呼吸はまず姿勢からというわけで、基本の立ち方、座り方が説明されていきます。
次には、体を動かすことで、自然と空気が入ってくる感覚を感じること。
例えば、大きく伸びをするとわかるあの感覚ですが、実際に書いてあることをやってみようと思うと、案外難しそうな感じです。
著者が言っていることと同じことを感じとれているかがよくわからない。
もし、エクササイズをちゃんとするつもりならば、同じ著者のものでも、別の本を選んだほうが良さそうですし、ちゃんと指導を仰ぐべきだろうと思います。
私自身はその気がないので、この本で、呼吸と声についてのざっくりしたところを読めれば十分でしたけれど。
ましてや、仕事を変えた今となっては、響く声、通る声で話すことにさほどの意味は私にはないですし。
それよりもおっとりとした話し方というものに憧れます。
まずは、早口をあらためるべき?
ゆっくりとした呼吸と穏やかな口調。それを心がけるだけでも、日々をイライラせずに過ごせるような気がします。
普段、やや早口の私などは具合悪いのかと訊かれたりしそうですけれども。


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