ファンタジックなSFの短編集です。
…いや、マッドサイエンティストものでもあるかも。

虫と歌
著者:市川 春子
発行:講談社
Amazonで書評を読む
るいちゃんオススメの1冊。
いや、なんだか切ない話でしてねー。
泣くかと思いましたよ、ワタクシ。
物語の雰囲気にうすぼんやりとした絵柄がぴったり。
植物から人型生物をつくったり、虫の改造をしていたりする科学者が登場する物語なのですが、たとえば、これを萩尾望都が描いていたらもっと怖くて深刻な感じになりそうですし、今どきの少女マンガの絵柄や、いかにもSFの画風だったりするだけでも簡単に別物になってしまうだろうなと想像できます。
吉野朔実あたりだと、「植物性人間」じゃなくて「植物性人間を装った人間」になってしまいそう。
…あえていえば、坂田靖子さん路線。
いえ、こうやって考えること自体、あまり意味のあることではありませんね。
こういうものをつくる人がいるんだなぁと思えばいいだけで。
名作でも大作でもないのですが、こういう雰囲気のものを読んだとき、小説にも映画にも置き換えのきかない味があるんだよなー、マンガって、と思います。
たまに、コボちゃんを見たときとか。
そういえば、妹が生まれたんですよね、コボちゃんに。
「日下兄妹」の野球部の皆のやりとりが好き。ヒナの「ユキテルの中にとけて言葉をなくしてしまう。私のこと忘れても永遠にお兄ちゃんのこと好きよ」で号泣!
「虫と歌」も文句なし。泣ける!
そうか、そっちなのか。坂田靖子じゃなくて。
ヒナはかわいくて、せつなかったね。
ぽきぽきしてるところがかわいくなくて、かわいかったわー。