ゆっくりと世界が沈む水辺で

きしの字間漫遊記。読んでも読んでも、まだ読みたい。

劇団★新感線『GoemonRock OverDrive 薔薇とサムライ』を観てきました。

2010-03-31 | 観るものにまつわる日々のあれこれ
 
キャラメルボックスの翌日に劇団★新感線。
極端といえば極端な選択かも。

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 GoemonRock OverDrive
 薔薇とサムライ


更新が遅くなったので新鮮さがなくなった気はしますが、観た日は開幕直後でした。
それになんといっても、初めての生の新感線の舞台。
実は今まで観たことがなかったのです。
もう、わくわくしながら、赤坂へ。
古田新太と天海祐希、私にとってはかなり大スターの共演、ポスターからしてハデハデで、単純に楽しませてくれそう!
・・・という期待を裏切ることのない派手さと展開でした。

舞台は17世紀のイベリア半島。
古田さんは天下の大泥棒・石川五右衛門。
天海祐希は海賊船狙いの女海賊・アンヌ・ザ・トルネード。
ヨーロッパの海に五右衛門…。
いいんです、新感線だから。(ああ、新感線じゃなくても気にしないな、私は、たぶん。)
あのでっかい頭で、派手な着物に赤い下帯。
もし、これがもっとシリーズ化されるなら、ルパンみたいになるのかも。
いろいろな国、いろいろな事件、いろいろな美女とのからみ。
女好きでちゃらんぽらんにみえるけれども、実は頼りになる男、何でもありのヒーロー。
それを演じているのが古田さん。
…みるからにぷよぷよそうなのになんでかっこよく感じるのかしらといつも不思議に思います。

日本人で和装(一応)の五右衛門以外の皆さんは、宝塚ばりのコスチューム・プレイです。
ドレスとか、貴族のチュニックとタイツとか。
天海にいたっては、ジャック・スパロウの格好で登場して、次はドレスのときはクイーン・エリザベスで、次はオスカルで、次はジャンヌ・ダルク。
脚本家が「観たいもの全部いれた」というだけあります。
オスカルのときに、ブーツを履いていなかったのは、宝塚への配慮?
でもブーツであろうがなかろうが、あれを観たら日本人の半分はオスカルだと認識すると思うけど…。
オスカルの記号って、金髪と赤い軍服なのかも。
宝塚を連想させるミュージカル風の作品は出演していなかった天海祐希ですが、もう、そういうこだわりもいいかな、という気分になったのでしょうか。
新感線だと、別物感がある?
観ている私のほうにも、イロモノを観ている感覚はあります。確かに。
今回は特に。
音楽はヘヴィメタで生演奏。かっこいいです。
ミュージカルではないのですが、ミュージカルのパロディのような雰囲気。
酒場で盛り上がるというようなありがちなダンスシーンとか(またここが長くてだるい…)。
なんとなく、いろいろなミュージカルを連想させるようなところがあります。特に『エリザベート』。
王子役の浦井健治さんがだぶっているからなのかもしれませんけど、このキャスティングもわざとなのかしら。
そういえば、背景にLEDが使われています。
遠景でお城が映っていたところから、ぐぐーっとズームして、お城の窓、そしてその中へ入って、その部屋の背景になって、そこでそのシーンが始まる、というような感じ。
それこそ『エリザベート』で最初に使われたときの脱力感とは雲泥の差で、時の流れと技術の進歩を見せつけられる思いです。
すごいなぁ。
LEDを使っている場面ではマンガの登場人物だけが飛び出てきて動いている感じ。
観ていると、おもしろいです。
面白いんだけれど、いまひとつ釈然としない。
舞台なのに、セットや照明の効果ではなく、映像で表現するということに若干のひっかかりを感じます。
ただ、この演目に関しては、クソマジメにやるものでもみるものでもなくて、とにかく楽しむことが第一義。
娯楽以外のなにものでもないので、LEDでこんなことができちゃう、できちゃうなら使っちゃおうというノリなのかしらとも思います。
でも、もし「阿修羅城」をLEDで舞台上にだされたら、私は怒るな、きっと。
この作品がDVDになったらどんなふうか、ちょっと気になります。
舞台の大きさもLEDを背景として使うのに程よい大きさだったかもしれません。
舞台に対して小さく感じてしまうと、きっとしょぼい。
2階席の端のほうですこし上が見切れてしまうくらいですが、ほかは全く問題なし。
ただ、演出で舞台上で壁が開閉することでの場面転換があったので、1階席で観たら、あの壁はどれくらいの高さで、どんな印象だったろうとは思います。
2階席でも壁の裏が丸見えになるわけではありませんし、きっちり照明が落ちるのでわさわさ動く感じもわかりませんから、効果不足などというつもりはさらさらなく、単純な興味として。

観終わってみると、つくづく両極端といっていいくらい、毛色の違うものを観たなぁという気分になります。
劇団員のまとまったカラーでみせるキャラメルボックス。
どーんと客演を主役に据える新感線。
今回の客演には神田沙也加がいました。
意外だとおもったのは、顔に特徴がないこと。
私は裸眼・乱視で、0.7か8くらいの視力ですが、意外と役者さんの顔は見えるものです。
遠くから見ても、古田さんの顔、天海の顔とわかるくらいそれぞれ特徴があるものですが、それがない感じ。
テレビで見て顔は知っているのに、その顔がみえないのはちょっと不思議な感じでしたが、かわいかったですよ。
ドレスがわっさわっさして大変そうでしたけど。
ドレスの扱いが上手でいったら、元宝塚娘役トップのみはるはやはりさすが。
さすがといえば高田聖子さん。綺麗なのに、あんなことや、こんなことまで…。
こんなことまで、でいうなら、橋本じゅんさんは今回チュチュ姿で登場。
ああ、なんてすごい。登場しただけで拍手してしまいました。

楽しむにはもってこいの作品。
宝塚時代からの天海ファンは必見!という舞台になっていました。
劇団★新感線ってほんとに盛り上げ上手です。
 
 


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2 コメント

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うらやましすぎ! (るい)
2010-04-01 23:40:02
2日連続で観劇とは…いいないいなぁ~!
古田さんと天海さんなんて、超贅沢ぅ!うらやましいっ!!

遅くなりましたが、お誕生日おめでとうございます。元気になったら、また映画行こうね。
返信する
いいでしょー! (きし)
2010-04-02 21:49:14
羨ましがってもらえるとなんだかうれしーわー。
古田さん、かっこよかったよ。
元気になりました!映画、行こうね、るいちゃん。
返信する

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