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あをぢる。

青い汁

犯人に告ぐ

2007年11月21日 21時21分21秒 | BOOK
この小説は文句無く面白いです!

2004年度 「週刊文春」1位 「週刊現代」1位
「このミステリーがすごい!」8位
第7回大藪春彦賞受賞の

「犯人に告ぐ」上・下巻 雫井脩介著


最近沢尻エリカさんによって話題になった
「クローズド・ノート」の著者でもあります。

トヨエツ主演で映画化もされたこの作品、
私が今年読んだ本の中ではダントツでNo.1です。
(でもそんなには読んでないんですが…)

マスコミを利用した「劇場型犯罪」に対して
捜査に行き詰まった警察が「劇場型捜査」を行うという
この設定、とてもいいと思いますし
テレビ局の報道のあり方なんかも
あらためて考えさせられて興味深いです。

文庫本の帯などに書いてあった
「犯人よ、今夜は震えて眠れ」の決め台詞、
その部分を読んだ時はシビレましたね。

ただ唯一惜しいのが
クライマックスが
少々あっさりしているんですよね。
犯人の動機や過去などを掘り下げたりもせず
大掛かりな捕り物劇などもないので
最後は少し物足りなかったですね。
でもその部分を差し引いても
十分面白かったのですが。


最初に起こる誘拐事件は序章にすぎず
メインはそれから数年後の話なのですが
この誘拐事件の部分だけでも
上巻の3分の1くらいは使っているので
映画になったらきっと はしょりすぎて
スカスカなんだろうなぁ~という気がします。

ただ原作を読まずに映画を見れば
内容がいいだけに面白いかもしれません。

とりあえずこの小説はオススメですよ!

アヒルと鴨のコインロッカー

2007年11月12日 12時12分12秒 | BOOK
映画も原作も両方面白いと聞いたので
まずは原作の方、
第25回吉川英治文学新人賞受賞作
「このミステリーがすごい!」2位
「週刊文春 ミステリーベスト10」4位の

「アヒルと鴨のコインロッカー」
伊坂幸太郎著

を読んでみました。

物語は現在と二年前の2つのパートが
交互に進んでいくのが特徴的です。
その2つのパートが最終的につながっていくのですが
その2つがつながった瞬間は驚きました。

この小説、
例えて言えば殊能将之著「ハサミ男」のような、
もしくはタイプは違いますが
「シックス・センス」のような
とても重要な騙し的要素が隠されているのですが

どういった感じで映像化したのだろうか…
映画の方も見てみたくなりました。


各登場人物はとても魅力的ですし
読んだ後せつなくなる良作品とは思うのですが
ただミステリーとして見るならば
ほぼその「騙し的要素」だけの作品とも言えます。


映画(瑛太主演)の方は
ネット上でほとんどの人が好評価をつけています。


もう上映は終わっているので
DVD化されたら見てみようと思っているのですが


まずいことに
前評判がけっこういいので
すでにかなり期待してしまっています。
どういう風に映像化したのかも気になりますし。

映画は期待してから見ると
100%面白くないので
どうしたもんですかねぇ。。。

かもせー!

2007年11月09日 09時09分09秒 | BOOK
石川雅之著「もやしもん」を読む。
単行本は5巻まで刊行、現在も「イブニング」にて連載中。



読む前は、てっきり「もやし」的なキャラクターが
子供漫画的な活躍をする物語だろうと思っていて
つまらなそうだなと気にもしてなかったのですが
読んでみたら全然違っていて
内容の濃い、面白い漫画でした。

これ、違うタイトルや表紙だったら
もっと本を手に取る人が増えたのでは?と思います。
初っ端で損をしていますね。
内容が世間に認知されてしまえば
覚えやすく言いやすいこのタイトルや
菌のキャラクターなどは非常に有効になりますが。

ストーリーは
菌が見えるという特殊な能力をもった主人公が
農業大学に入学し、そこでの生活を綴った物語なのですが
簡単に言えば
農学、主に菌に関してのウンチク漫画ですね。

酒の作り方や様々な発酵食品の作り方などがたくさん出てきて
非常に参考になりますし

菌が見えるという特異体質による様々な出来事に加え
出てくる教授や先輩などのキャラクターも個性的で
かつ普通の大学と比べると特殊な
農業大学特有の生活なども大変興味深く
全然飽きずに読めました。
内容的に「動物のお医者さん」とよく比較されています。

ただ、説明的なセリフも多く、
バイオテクノロジーや発酵や醸造など、
この分野に興味のない人にはあまり面白くないのかもしれませんが

もし私が中高生くらいのときにこの漫画があって読んでいたら
農業大学を目指したかもしれません。
それくらい興味のある人にとっては
面白く読める漫画だと思います。

21世紀少年

2007年11月06日 06時06分06秒 | BOOK
発売されてからちょっと経ちますが


21世紀少年 上下巻 浦沢直樹著
を読む。

ビックコミックスピリッツ誌上で
何度か休載を繰り返しながらも2007年7月に完結した
「20世紀少年」の最終章である。

この最終話に関してはネット上で賛否両論なのですが
(というかほとんどが酷評なのですが)

いくつもの伏線を未回収のまま終わり、
何故ケンジがともだちの正体が○○君だと
分かったかの説明もなし。
まぁ酷評されるのも分からなくないです。
特に何も考えてなかったんじゃないかと
思われても仕方ないでしょう。

ただネット上では好意的に解釈している人もけっこういて
「伏線や謎は必ず回収しなきゃいけないものなのか?」
と問う人もいて

確かにそう好意的に解釈するなら
謎は謎のまま残して読者に考えさせるというのも
手法の一つとするのであれば
ありなのかもしれないのですが

とはいえやはり読者側からすれば
広げた風呂敷は少しはたたんでくれよ!
思っちゃいますねぇ…
エヴァンゲリオンですか?


私は浦沢直樹氏の絵、
すごく上手いとは思うのですが
昔からあの絵に
まったく魅力を感じられないので
というかすごく嫌いな絵なので
実は読むのがけっこうしんどかったです。

「PLUTO」もしんどいのでもう読むのをやめたので
今後は浦沢作品を読むことは
しばらく無いかもしれないですね…

しかしこれだけ多くの人から
ボロクソにけなされているのに
本当に映画化するんだろうか?

ってまぁやるだろうけど…
全三部作…大丈夫か!?