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言葉を大事にしない国は亡びる

2024-06-11 19:54:07 | 戦争
言葉を大事にしない国は亡びる
“シーチン”修一
【雀庵の「大戦序章」299/通算730 2024(令和6)年6/11/火】8日から、激しい風雨でかなり傷んだガレージの修理を始めているが、こんな経緯がある。
先月に再開発が急ピッチで進んでいるJR南武線と小田急線が交差する登戸駅&向ケ丘遊園駅界隈をチャリ散歩していたら、急に凄まじい突風で自転車も体も浮き上がり吹き飛ばされそうになったのだ。これほどの突風はずいぶん昔に品川駅や新橋駅界隈で体験して以来だが、高層ビルが林立すると湿気を含んだ強風が横や上に逃げるのではなく地面に激突し、その勢いで一気に上に向かう「ダウンバースト」になることを思い出した。
気象庁によると「ダウンバーストは積乱雲から発生する、冷えて重くなった強い下降流のことで、地面に到達後、激しく発散する。吹き出しの強さに対応して倒壊物の方向も一方向や扇状になることがある」。

転んでもただでは起きない小生は「2Fの階段踊り場が時々濡れているのは、もしかしたら4Fの屋上展望台の笠木(雨除けの鉄製保護材)の下部からダウンバーストで雨水が侵入しているのではないかとチェックしてみたら、まったくその通りだった。建物が1階建て、2階建てが普通だった40年前には、3階建て、4階建て、更には10階建て、20階建てのビルが林立する街になるとは誰も想像できなかったし、ましてや「激しいダウンバーストで下から雨水が侵入する」なんて想定外だった。
雨漏りの原因が分かったので笠木の下の隙間をシーリング材で塞いだ。お気に入りの「コニシ シリコンシーラント」は「耐熱・耐寒性に優れ、-40℃~+150℃の温度範囲での使用に耐える」という優れもの。効果絶大、今のところは雨漏りはない。

素人ながら5年ほどビルの営繕をしているうちに、少しずつ職人っぽくなり、業者に頼まなくてもおおよその修理はできるようになった。今は加齢で体力が落ち、腰と膝が弱ってきているので2日は間を置かないと作業ができなくなったが、無理せずに、安全優先でシコシコ続けていきたいものだ。「やるべき仕事がある、体もまだそこそこ動く」というのは良いことである。

産経2024/6/9の「日曜コラム」、シンガー・ソングライター・さだまさし氏の「『無礼』の時代」は良かった。以下転載する。
<「高齢者は老害になる前に集団自決、集団切腹でもしたらどうか」と言い放った若い先生がある。
若者にとっては老害が一番迷惑だという主張は一理あるようでもこれは言い過ぎ。口が滑ったのだと信じたいが、老人にとって若い無知の『若害』は大層迷惑なもの。どうぞあなたが教えているらしいアメリカの大学でも同じ発言をしてご覧なさい。それから、あなたが高齢者になったら率先して是非そうなさい、と申し上げておく。

無礼な言葉だが、この手の人の無礼は治るまい。頭の良い人が陥る「自分は正しい」という幼い罠に嵌まったようだ。自信満々の時は自分の言葉が誰かを傷つけているかもしれないという慮(おもんぱか)りを失う。正しい意見に傷つく方が悪いということか。だが老人から見たらこの種の発言は教養のない莫迦(ばか)に見える。ここで言う教養とは知識を上手に応用する心の力量のことだ。当然乍(なが)ら学歴や知識量でその人の心の高さを測ることなど決して出来ない。その地位でもだ。

「礼」の意味は「うやまうこと」だそうだ。しかし礼儀や言葉遣いは規則でもないから伝えるのがとても難しい。歳を取ればその経験から、ある程度の分別がつきそうなものだが、それをちゃんと伝えないで無駄に歳を取らせた先達が悪いと言われるのならば確かに老人が悪い。だが人を敬うとはどういうことか伝えようにも相手が耳を貸してくれない時代だから埒(らち)が明かない。

それにしても「無礼な時代」になった。他人に対する言葉遣いが悲惨だ。テレビのバラエティーは勿論のこと国会でさえその言葉遣いにがっかりする。言葉遣いは心遣いなのだがなぁ。昔は丁寧語、尊敬語、謙譲語など年長者や目上の人や他人への言葉遣いには厳しかったものだが、今は「年長者」「目上」というだけでハラスメントとされる心の狭い時代。「礼」を知らないからそれが無礼であることに気づかないのだ。
この春「さだまさしの詞集」のようなものを無断で出した出版社がある。詞の原作者本人に一言の相談も通告もなく、許諾も得ない本が商売になるとは驚いた。出版した人はこれを無礼だとは感じなかったのだろう。しかも歌の題名にも歌詞にも誤字がある。余りのことに驚き、売るのをやめてくれと頼んでいる所。「言ったもん勝ち」や「やったもん勝ち」は承服できない。これにどう対応するか考えている所なので、決着したらお伝えする。

次第に日本人の心の質が変わってゆく。いつかやがて「無礼」という言葉の意味さえ分からなくなる日が来るのだろうと思う。だがその日まで生きないで済む老人で良かったよ。あ、済まないが自決する気は無い。
◇さだまさし 昭和27年生まれ。音楽、小説など幅広いジャンルで活躍>(以上)

さだまさし・・・ピンとこなかったが、「関白宣言」の人! 実に感動的な歌だったなあ。WIKIで調べたら・・・
<さだ まさし(本名:佐田雅志/読み同じ)、1952年4月10日生まれ~は、日本のシンガーソングライター、俳優、タレント、小説家。國學院大學、東京藝術大学客員教授。ファンとスタッフの間では「まっさん」の愛称で親しまれている。
フォークデュオのグレープでメジャーデビュー。「精霊流し」のヒットにより全国にその名を知られるようになった。ソロシンガーになってからも「雨やどり」「案山子」「関白宣言」「道化師のソネット」「親父の一番長い日」「北の国から〜遥かなる大地より〜」など、数々のヒット曲を生み出す。2019年10月6日時点で、日本で最も多くのソロ・コンサートを行った歌手でもあり、その回数は4,400回を越えている。
トークの軽妙さは大きな魅力とされており、それで自身のコンサートのお客を楽しませ、またテレビ・ラジオ番組のパーソナリティーやMCなどとしても活躍。小説家としても活動し、『解夏』『眉山』などの作品を発表している>(以上)

「関白宣言」は1979年7月10日に発表。♪お前を嫁にもらう前に 言っておきたい事がある かなりきびしい話もするが 俺の本音を聴いておけ 俺より先に寝てはいけない 俺より後に起きてもいけない めしは上手く作れ いつもきれいでいろ 忘れてくれるな 仕事も出来ない男に家庭を守れるはずなどないってこと お前にはお前にしかできないこともあるから それ以外は口出しせず黙った俺についてこい・・・・

さだまさし氏は小生と同世代だ。祖父や父親は明治、大正、昭和の「お国のため命おしまず大和魂」の塊(かたまり)である。この歌が話題になった1979年、小生は担当していた月刊誌「Big Holiday」が廃刊になり所謂「失意のどん底」、同じように「どん底」だったらしいカミサン(看護婦)と心機一転を期して所帯を持った。そんな時に出会ったのが「関白宣言」だったので記憶に残っているのだろう。夫唱婦随、元気になって週刊の「Wing Travel」編集長に抜擢されたから、カミサンは「あげまん」だったのだ。今は婦唱夫随で小生はすっかりケアされており、何となくペットとか患者になった気分である。

ところで6/11の産経「欧州議会選 極右が伸長 EU政策に修正圧力」はややこしくてちっとも分からなかった。そもそも「極右」というのが曖昧だ。夕べ3000円を寄付したWIKIによると――
<「極右」は、一般的には思想の性向が極端に右翼的であったり、民族主義的である個人や集団を指す場合が多い。通常、自己の帰属する国家・民族が他に対して絶対的に優越するという信条のもとに、他民族の排除、ならびに従属化を肯定する自民族至上主義をその本質とする。
その思想・行動における傾向として、自国・自民族の結束の基礎となる権威の崇拝(権威主義・国粋主義)、自国・自民族が他者に絶対的に優越するという信条(自民族至上主義・民族差別・選民思想・排外主義・外国人嫌悪・極端な愛国心)、社会改革を目的とする暴力的手段の肯定(テロリズム・過激主義・急進主義)、自国・自民族を主体とする武力行使の積極的肯定(軍国主義)、男権主義(男尊女卑・ミソジニー)、その他の社会的少数者の排除(優生思想・反同性愛主義)などが含まれる。

その典型として、ごく一般的には超国家主義(ファシズム・ナチズム・ネオファシズム・ネオナチなど)の思想・運動・体制が含まれるとされる。また、宗教的原理主義(キリスト教原理主義・イスラム原理主義・ヒンドゥー原理主義)は、しばしば共産主義を含む進歩主義勢力と対決姿勢をとることから、政治的には極右に分類される場合が多い。

ただし、極右・右派・中道・左派・極左などの分類はあくまで発語者の主観に基づく相対的なものであり、強い民族主義的傾向をもつ個人・集団を批判するレッテルとして用いられる側面がある。しばしば思想内容よりも行動上の過激主義や、共産主義を掲げた全体主義(スターリニズム・マオイズム・主体思想)を指す場合もあるように、極右(極左)の語は、状況によって様々な意味で使用され、相互に矛盾する場合も少なくない>(以上)

ゴロツキ3派の中露朝を小生は「独裁国家」と書くが、産経は「権威主義国家」と書く。流行語を使いたい気持ちは分かるが、「独裁国家」で十分用が足りる。5/4の広報誌「議会かながわ」を読んでいたら知らない、意味不明、怪しい言葉がいっぱい出てきてビックリ、「用語解説」もあったから多くの人は「何なんだ、さっぱり分からん」と困惑していたに違いない。こんな言葉。
◎スポーツツーリズム ◎プレコンセプションケア ◎メガソーラー ◎ペロブスカイト太陽電池 ◎海業 ◎ウェルビーイング ◎KPI:Key Performance Indicator ◎トライアルステイ ◎PFOS ◎ケアリーバー ◎アルベルゴ・ディフーゾ・・・まさに愚の骨頂。言葉=祖国を大事にしない国は亡びるか、再生に苦労する、と歴史は伝えている。
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*読者諸兄の皆さま、御意見を! ishiifam@minos.ocn.ne.jp
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渡部亮次郎 「頂門の一針」<ryochan@polka.plala.or.jp>
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「習近平の夢」は夢のまま

2024-06-09 07:37:08 | 戦争
「習近平の夢」は夢のまま
“シーチン”修一
【雀庵の「大戦序章」298/通算729 2024(令和6)年6/9/日】このところ室温28℃前後、まるで真夏だ。涼しい早朝7時から営繕に精を出しているものの、3~4時間で終わりにしないと足腰が痛くなる。経年劣化というやつ・・・老後は「努力はするが無理はしない」のがヨサゲのようだ。昼食後は昼寝をして気力、体力を充電し、夕方から報道や論稿をチェックしたりブログを書いたりする。

産経2024/6/4「正論大賞の江崎道朗氏『安保戦略に理解を』」東京で受賞記念講演」は良い記事だった。小生は体力がないし耳が遠いから講演拝聴は無理だが「ナマ」だと「ここだけの話ですが・・・」などというオフレコ話があってとても面白いのだろう。以下、産経から引用する。
<第39回正論大賞を受賞した麗澤大学客員教授で情報史学研究家の江崎道朗氏が4日に東京都内で行った記念講演の主な内容は次の通り。

◎日本にとって中国の台頭は一番の問題だ。習近平国家主席の下で、インド太平洋、アジアを自国の影響下に置く「一帯一路」構想が打ち出された。戦略を持たない日本が経済力も失っていった30年間、中国は経済成長を軍事、外交と連動させてきた。
中国だけではない。日本はロシアや北朝鮮にも直面している。国内の破壊工作や天災といった脅威もある。これらの問題にどう立ち向かうかが、わが国の最大の課題だ。
こうした問題意識の下、第2次安倍(晋三)政権は、課題に対処する国家戦略を策定する前提としてまずは経済立て直しを図った。若い人が就職もできない中、自衛隊だけ強くしても国は守れないとの発想だった。
安倍政権下で決定されたわが国初の基本方針「国家安全保障戦略」は、官邸主導で、軍事・外交・インテリジェンス・経済を統括する仕組み作りを狙ったものだ。その後、特定秘密保護法や安保法制や各国軍との物品役務相互提供協定(ACSA)など詰め将棋のように対応策を一つ一つ形にしてきた。

◎岸田文雄政権では安保戦略をバージョンアップさせた「安保3文書」を新たに策定した。ただ、岸田氏が閣議決定後の記者会見で「率直に申し上げて、現状では十分ではない」と述べているように現状は極めて厳しい。
また、政府だけが動いても国民は守れない。自国の安保戦略を知らないことは国民にとって大きなリスクだ。有事に際し、自助、公助、共助をどうするかの議論をしていかなければならない。政府は万能ではない。自分の身は自分で守る考えを持つべきだ。(以上)
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戦争に備えよ、ということだが、一般に庶民というのは「白河の清きに魚も棲みかねて もとの濁りの田沼恋しき」で、面白おかしく暮らせている間は危機感を持たないどころか、危機を叫ぶ人を「オオカミ少年だ、どうかしてるぜ、メシの種にしているのじゃないか」などと揶揄するのだろう。
1941/昭和16年12月8日の真珠湾攻撃で大東亜戦争が始まったが、我が父のように「大変なことになった」と危機感を持った人は多かったろうが、それを表沙汰にはできないから黙るしかなかったろう。で、多くの日本国民は「イケイケドンドン」派、「暫く娯楽は控えよう」派、「戦争特需期待」派、永井荷風のような「キリスト教国も軍国主義、儒教・仏教の日本も軍国主義、バカにつける薬なし」派のようではなかったか。
井の中の蛙大海を知らず、と言うが、当時の戦争は1、2年で休戦、3年目で講和条約というパターンが普通だったから、まさか4年も戦争が続き、さらに1945年に敗戦国になって、以来、2024年の今なお80年間も米国の属国というか51番目の州になっている・・・こんなことを予想した人は誰もいなかっただろう。第2次世界大戦は想定外の戦争だった。
「歴史は勝者が創る」と言うが、勝者=米国にとって「日本を挑発した真珠湾の罠」「フランス人住民を殺しまくったノルマンディー上陸作戦」など「不都合な真実」を暴いていく時期ではないか、と思う。「誰も書かなかった日米史 過去、現在、そして未来」なんて結構売れそうだが、高山正之氏とか細谷雄一氏、古森義久氏、江崎道朗氏など一流の識者の出番で、腰痛老人の小生には無理筋だ。

「不都合な真実」と言えば、産経2024/5/22「反スパイ・反分離主義 中国『五反闘争』宣言 内憂外患 毛時代に回帰」は習近平の狂気をしっかり報じて多いに勉強になった。以下、転載する。
<中国の国家安全省が「反スパイ闘争」や「反分離主義闘争」など5つの闘争を宣言した。「五反闘争」は習近平」は建国直後の1950年代初頭、社会主義建設の障害となる思想を一掃するために展開された社会改造運動「三反五反運動」になぞらえたものだ。国内での経済低迷、米欧との対立長期化という内憂外患を抱える習近平政権は、権力維持のために、毛沢東時代のような強固な独裁に回帰しようとしているようだ。(桑村朋)

「五反闘争」が打ち出されたのは4月29日、共産党幹部の養成機関、中央党校の機関紙「学習時報」1面。「国家安全保障の揺るぎない保護」と題する陳一新・国家安全相の論文が掲載された。
◎強力な壁と鉄壁の長城: 陳氏はこの中で、習近平総書記(国家主席)が提唱する「新時代の中国の特色ある社会主義思想」を称賛した上で、「五反闘争」を徹底的に行っていくと宣言した。「強力な国家安全保障の壁を構築する」という。
「五反」は具体的に、「反国家転覆、反覇権主義、反分離主義、反テロ、反スパイ」を指す。
「反国家転覆」の説明では、対外的に「鉄壁の長城」を築いて反中勢力などを取り締まり、対内的にも政治的安全に影響を及ぼす土壌を根絶するとした。誤った思想潮流からインターネットや学校を守ると強い表現で記されている。
◎反革命勢力取り締まり: 「反スパイ」についての段落は、昨年7月に施行された「改正反スパイ法」の実施を徹底すると説明。「毅然とした態度で(国家の障害となる)『くぎ』を掘り出し、裏切り者を排除しなければならない」とある。
「五反」は毛時代の「三反五反運動」を意識したものだ。建国後の中国には国民党の残党や共産党への各種の抵抗勢力があり、官僚の不正や資本家の汚職もはびこっていた。このため共産党は、「公務員三害」(汚職、浪費、官僚主義)と「資本家五毒」(贈収賄、脱税、原料のごまかし、国家財産詐取、国家情報漏洩)を取り締まる運動を打ち出した。旧社会の思想を一掃し国内の統制を強めた結果、資本家らが党と国家に従属し、社会主義の土台が固まったとされる。
◎強固な独裁権力維持へ: ただ、この過程では、党に不満を持つ「反革命勢力」を含め、多くの人が逮捕され、拷問されたり死刑にされたりした。過剰な運動によって社会の混乱と経済活動の停滞を招いた面は否めず、社会に緊張を生んだ運動だとの見方も根強い。
習氏が党総書記3期目に入った2022年以降、政権は規律検査を強化して国内の反発を封じ、反スパイ法などで外国人・企業の摘発を強めてきた。体制に脅威を与えるとみなす者を「国家安全」の名の下に監視し、取り締まってきた。陳氏の論文は、この路線をいっそう推し進める決意の表れだといえる。
カナダ・クイーンズ大学の頼小剛・非常勤助教授は米政府系メディア「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA、中国語版)に対し、「新五反」宣言は、習氏の中国が「毛沢東時代に戻る」ことを予見させると指摘した。
中国では習政権の発足以降、経済低迷や、西側諸国による中国経済の「デカップリング(切り離し)」などの困難が続いている。
頼氏は、党が権力を維持するには、毛時代のような強固な独裁体制に戻るしかないのではないかとみている>(以上)

毛沢東の真似っ乞食、習近平。その習近平にべったり寄り添い出世して美味しい思い、つまり金儲けをしようとする銭ゲバたち・・・漢族4000年の歴史は「私利私欲」の歴史と小生は軽蔑しているが、1911年の辛亥革命でも臨時大総統の孫文は安全地帯でカネも集まる“母国”の米国にさっさと逃げてしまった。漢族は「良い鉄は釘にはならない」と兵士をゴロツキ、ろくでなしとトコトン侮辱してきたから、現在でも国家、国民のために命懸けで戦うなんていう勇武の精神があるわけがない。中共軍も私利私欲にいそしんでいる。

習近平は箔をつけるために台湾軍事侵略を叫んでいるが、まるでオオカミ少年、口先だけで、実際に開戦すれば中共軍もかなりの死傷者が出る。「金儲け命」の私利私欲の国民、子供はほとんど一人っ子、その大事な子供が徴兵されて台湾で戦死・・・民は習近平と中共を激しく憎悪し、習近平一派は排除され、中華人民共和国は再びトウ小平式「改革開放」に戻るのではないか。
習近平はそういうリスクを知っているだろうが、台湾奪還は「建国の父」毛沢東と並ぶ「発展の父」を目指すためにどうしても必要なのだ。「何が何でも戦争したい、勝利したい」と病膏肓、結局、圧政で国民を押さえ込むしかないが、21世紀版の辛亥革命や軍閥の台頭という、想定外の事態を招くことになるかもしれない。小生はそう思っており、できればいくつかの国に分断すべきだと期待している。

産経2024/5/21、村井友秀・東京国際大学特命教授の「正論 共産党の私兵組織 中国軍の弱み」は刺激的だった。以下、一部を転載する。
<各国政府は二本の柱、すなわち国民の同意と国民を強制する力によって支えられている。民主主義政権は国民の同意により、独裁政権は強制力により支えられている。中国共産党の権力を支える柱は国民の同意ではなく、軍や警察といった強制力である。
共産党を支える軍の第一の任務は反革命勢力の打倒であった。外国の正規軍ではない国内の反革命勢力を打倒するのに高レベルの軍事能力は不必要である。したがって、中国軍幹部に要求される資質として、共産党への忠誠心が戦闘能力よりも優先された。
中国軍では、戦闘指揮官としての能力は高いが共産党への忠誠に疑いがある軍人(専)よりも、戦闘指揮官としての能力は低いが共産党への忠誠には疑問がない軍人(紅)が高いポストについてきた。

しかし、今、中国軍には米軍との戦争という大きな課題が突き付けられている。現在、中国では国内治安維持の要であった陸軍が削減され、外国との戦争で重要な役割を果たす海軍やロケット軍が増強されている。共産党が人気取り政策として「中華民族の偉大な復興」を掲げ対外進出を図る限り外国との衝突は避けられず、「専」の軍人を重視せざるを得ない。
「専」の軍人を重視すれば、中国軍は「共産党の私兵」から「国軍」へと変質せざるを得ず、共産党は軍を信頼できなくなる。世界初の空挺部隊や機械化部隊を発案し、強力なナチス・ドイツ軍に勝利したソ連赤軍は、ソ連崩壊に際して共産党を支持しなかった。人民解放軍の近代化は共産党支配に深刻な矛盾をもたらすだろう>(以上)

中共軍は「私利私欲の利権軍人」対「私利私欲の利権党人」の縄張り争い=利権争奪戦が一層激しくなるかもしれない。習近平は軍人を手なずけるために軍事費を拡大してきたが、ちっともなびかないので無為徒食の「利権軍人」の整理を始めたということだろう。代わりに元気になるのは無為徒食の「利権党人」で、彼らはクソの役にも立たない寄生虫で質が悪いから、軍の近代化なんぞそっちのけで財布を膨らますだけである。

かくして「習近平の夢」は夢のままで終わりそうだが、強権独裁、経済低迷、台湾侵略失敗となれば「利権軍人」のクーデターで処刑されるのではないか。それを裏で支援する欧米日加豪は狂喜乱舞し中国を分割統治し、「二度と戦争できない国」にするはずだ。これに成功すればロシアも北朝鮮も弱体化、やがて赤色独裁国家は地球から消えるだろう。ま、自由陣営の為政者次第だが・・・
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渡部亮次郎 「頂門の一針」<ryochan@polka.plala.or.jp>
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プーチンはロシア帝国最後の皇帝?

2024-06-04 07:51:44 | 戦争
プーチンはロシア帝国最後の皇帝?
“シーチン”修一
【雀庵の「大戦序章」297/通算728 2024(令和6)年6/4/火】夕べは凄まじい暴風雨だったが、今朝は何やら梅雨が終わって初夏のよう。暑くなると人間は野性を取り戻して興奮したり攻撃的になるのか? 「我にも正義、彼にも正義、この世は正義と正義のぶつかり合い」と小生は思っているが・・・
このところ「言論の自由とは何か?」を考えているが、WIKIには「言論の自由、英: Freedom of speech)は、検閲を受けることなく自身の思想・良心を表明する自由を指す。自由権の一種」とある。しかし「言論の自由」の中身は実に千差万別で、強権独裁国家の習近平・中共までが「言論の自由」を表向きは保障しているから、優良下どころか甲乙丙丁戊己庚辛壬癸、もうメチャクチャだ。

WIKIによると、日本における言論の自由は《1889年の大日本帝国憲法において初めて保障された(29条)。この憲法は(現ドイツの)ビスマルク憲法を下敷きにしたとされているが、フランス、オランダ、ベルギー、イタリアの憲法も研究されていた。他方、現実には全ての出版物は出版条例により検閲され、また労働農民党など裁判所から解散命令を受けた党も数多かった。「29条 日本臣民は法律の範囲内に於て言論、著作、印行、集會及結社の自由を有す」
1947年の日本国憲法は人権を「侵すことのできない永久の権利」(第11条・97条)として規定したうえ、出版その他一切の表現の自由を人権として保障している(21条1~2)》

「1947年の日本国憲法」・・・敗戦国の日本は国家主権がなく、勝戦国の米国により押し付けられたのが、この日本国憲法である。米国の狙いは「日本を二度と戦争できない国」にすることで、小生は明治生まれの祖父母、大正生まれの両親に育ててもらったので、戦後生まれながら心は「大日本帝国」臣民である。しかし、加齢とともに臣民はあと20年もすれば消滅する。米国の狙い通り、米国製日本国憲法押し付けから100年目の2047年、日本は完全に「ヘタレ」のお花畑国家になるかもしれない。1980年以降に生まれた人々、小生の息子もそうだが、彼らは日米が戦争したことさえ知らない人が多いよう。米国に洗脳された無知蒙昧の彼らは戦争を「悪」として無条件に忌避する。祖国のために勇武の精神を発揮して戦うというような気概はない。結果的に日本は消滅する・・・

皮肉なことに日本の消滅を期待していた米国は、今や共産主義国の中露北による勢力拡大を恐れ、「勇武の日本」再生を期待するようになった。「バカみたいな日本国憲法を押し付けてごめんなさい」くらい言えばいいものを、と小生は思うが、余程圧力をかけないと反省しないだろう。米国が謝罪するまではのたりのたりで焦らしていた方が良いのではないか。

それはさて置き、自由民主圏にとって最大の敵は「共産主義独裁軍事国家」である。軍事力で日本を抑圧し、無理難題を強要する最大の敵はロシアが元祖で、早くも1804年には日本侵略を開始している。「学研キッズネット」によると――
<ニコライ・レザノフ(1764〜1807):江戸時代後期に来日したロシア使節。北太平洋で商業活動を行っていたロシア=アメリカ会社の総支配人。1804年、皇帝の遣日使節として日本人漂流民をともなって長崎に来航し、国交・通商を求めた。しかし、幕府が鎖国を理由に通商要求を拒んだため、帰途、その報復して樺太(サハリン)・千島の番所や漁船などを攻撃させた>(以上)
これだけでは「フーン」で終わってしまうが、徹底した史実調査で知られる吉村昭の「海の祭礼」(文藝春秋1986年10月、のち文春文庫)によると現実は以下のように凄まじい侵略だった。(カッコ内は修一の補足)

<文化4/1807年5月(利尻)島にとって戦慄すべき出来事が起こった。その事件は文化元年/1804年9月、(日本との国交を求める)ロシア遣日特派大使ニコライ・レザノフを乗せたナデシュダ号が長崎へ入港したことに端を発していた。
レザノフの(前任者は北海道周辺での漁業・通商許可の可能性は高いと報告していたので、その)要求は直ちに江戸に伝えられた。(しかし北海道は冬場の業務停止で連絡が取れないため)幕府からの回答はなく、翌年春になって「通商不許可、直ちに退去せよ」という通告を受けた。半年間も半ば拘禁状態に置かれ、さらに約束の実行を拒んだ幕府にレザノフは激怒し、強い報復の念を抱いた。
カムチャッカに戻ったレザノフは、日本を威嚇することによって通商の道を強引に開くべきだと考え、海軍大尉フォストフ指揮のユノナ号を樺太に派遣した。同艦は樺太南部の大泊を襲い、翌日、久春古丹に赴き、倉庫に貯蔵されていた多量の物品を奪い、運上屋、倉庫、弁天社に火を放った。さらに越冬するためにとどまっていた番人の富五郎、源七、福松、酉蔵の四人を捕え連れ去った。文化三年(1806)九月のことであった・・・>

ロシア人は有史以来、今日に至るまで強権独裁、侵略戦争志向のままで、自由民主人権法治の時代がほぼ「ゼロ」という凄まじい国である。ツァーリ皇帝時代もレーニン&スターリンの共産主義時代、さらにプーチン統治の今も、強面(こわもて)どころかまるで弱肉強食の蛮族のままのような国である。
2024年5月30日の「ロシア・ビヨンド」によると「連邦国家統計局の公式データによると、2024年1月1日現在、ロシアには1億4615万780人が住んでいる。ほぼ70%は「ヨーロッパ・ロシア」(地理的に欧州圏のロシア)の地域に住む。
ロシアには200以上の民族が住んでおり、ロシア人は1億550万人、次いでタタール人(470万人)、チェチェン人(167万人)、バシキール人(157万人)、チュヴァシ人(106万人、アヴァール人(101万人)、アルメニア人(94万6千人)、ウクライナ人(88万4千人)、ダルギン人(62万6千人)、カザフ人(59万1900人)」とある。

21世紀になってもロシアは1億550万人の「ロシア人による、ロシア人のための強烈な独裁国家」であり、自由民主人権法治を主張しようものなら速攻で殺されるからロシア人はひたすら独裁者ににらまれないように大人しく家畜のごとく暮らすばかりである。選挙でも投票用紙を見られているから野党への投票はできるわけがない。運良く外国へ逃げ出したロシア人でも、ロシアを批判しようものなら速攻で諜報員に殺されかねないから皆、口をつぐんでいる。もっとも、権力に寄り添う事大主義者やコラボレーショニスト、井の中の蛙など「ロシア万歳! プーチン頑張れ!」の愛国者も非常に多い、と国際政治学者のグレンコ・アンドリー氏は指摘している。

「強くて野蛮で狡猾なロシア」は20世紀に共産主義国家のソ連を創り、さらには勢力拡大のために中共を創り、北朝鮮などを創った。今は経済力・軍事力で「中露北」の序列だが、中国はまともな戦争で勝ったことがない、というか、近現代史においては英国など列強諸国に蚕食されっぱなしだったから、ロシアがやはり今なお「盟主」であり、習近平・中共は軍事力、経済力はあっても格下のナンバー2だろう。

そもそも中共はガップリ四つの実戦経験がほとんどないようだ。中国人が4000年の歴史で得た教訓は「上に政策あれば下に対策あり」、戦争になって徴兵されれば「逃げるが勝ち」が身についている。戦場からの兵士の逃亡が常態化しているために、逃亡兵を射殺する「督戦隊」まである。日清戦争で運良く前線から逃亡した中国兵士は数日後には「日本軍の陣営で炊事洗濯のアルバイトしていた」と従軍記者の岡本綺堂が書いている。中共軍は今でも私利私欲優先で、命懸けで戦う意思なんぞあるかどうか、すこぶる怪しいものである。

その一方でロシア軍は伝統的に「強くて野蛮で狡猾なロシア」の血筋を継承しており、ウクライナ侵略でのロシア兵は民間人を容赦なく殺しまくり奪いまくっていた。英国メディアのBBCはプーチンが刑務所の囚人を恩赦して前線へ送り込んだと報道していたが、その乱暴狼藉振りは蛮族そのもの。ロシア以外の国では考えられない“技”で、それがロシアの強さになっている。

軍事大国かつ資源大国のプーチン・ロシアだが、ウクライナ侵略にてこずっていた2023/8/15ロイターの報道「初のロシア国定歴史教科書、プーチン史観の裏に若者への懸念も」によるとちょっとガタが出始め弱気になっていたようである。要旨はこうだ。
<モスクワ 8月10日ロイター:  ウクライナ侵攻後にロシア国内の引き締め強化を進めるプーチン大統領の下で、ついに初めての全国統一歴史教科書が導入された。9月の新学期から16~18歳の学生向けに使用される国定教科書で、そこにはソ連崩壊からプーチン氏統治時代、ウクライナ侵攻の原因に至るまで、完璧なまでにプーチン氏の歴史観と政権が用いている解釈が記載されている。
つまり超大国になったソ連に対する誇りや、その崩壊を巡る憤りと屈辱、1999年末から始まったプーチン氏治下でのロシアの「再生」といった考え方だ。
ロシア側が「特別軍事作戦」と呼ぶウクライナ侵攻について、国定教科書ではプーチン氏が掲げる開戦の大義に重点が置かれた。また、冷戦終結後にせっかく差し伸べた友好の手を振り払った西側に対するプーチン氏の幻滅もにじみ出ており「西側諸国はロシア国内を不安定化させようと手を組んだ。その目的がロシアを分割し、天然資源を支配しようとしているのは明らかだ」と記されている。
プーチン政権がこの教科書を通じて学生に理解させようとしているのは、ソ連崩壊の悲劇性と西側の背信行為、そして偉大な母国ロシアに捧げる自己犠牲の大切さだ。国定教科書は西側の「仕打ち」を列挙。北大西洋条約機構(NATO)がそうしないとの約束を破って東方拡大を続けていることや、ロシア人が迫害される事態を無視していること、ロシア恐怖症を拡散させていること、ジョージアとウクライナに「カラー革命」を起こして旧エリート層を一掃したことなどを指摘した。

西側の指導者やロシアの反体制派はもちろん、ロシアの一部歴史家さえ、このような見方を否定し、ウクライナ戦争はロシアの弱点を露呈し、国家としてのウクライナのナショナリズムを確立した戦略的な大失敗であると批判している。ウクライナ侵攻後にロシアを去ったロシア人の歴史教師ミハイル・コピツァ氏は、教科書について「これは教科書ではなくプロパガンダだ」とロイターに語った>(以上)

プーチンは「ウクライナ侵略はチョロイ、短期で決着がつく」と思っていたようだが、ウクライナの必死の反撃はまさかの想定外だったろう。戦争が長期になると国際社会からロシアは疎外されていくばかりだが、このままではプーチンは「強権独裁ロシア帝国最後の皇帝」になるのではないか。レーニンが創り、スターリンが発展させ、三代目のプーチンが潰す・・・世界中の善男善女の期待にプーチンはしっかり答えて欲しいものである。
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渡部亮次郎 「頂門の一針」<ryochan@polka.plala.or.jp>
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