雀庵の「中共崩壊へのシナリオ(150」
“シーチン”修一 2.0
【Anne G. of Red Gables/249(2021/2/9/火】「時代に警鐘を鳴らすカナリアたれ」というのはいいなあ。「列強の政治家は、冷静に、冷徹に、悪魔のように細心に、天使のように大胆に、謀略に満ちた国際政治の怪しい海を上手に渡るか、溺れるか」というのもなかなか正鵠を穿っている。
これは小生が書いたものだが、オリジナルは先人の言葉、代々引き継がれてきた箴言に違いない。「学びて時にこれを習う、また楽しからずや」、学んでこれを今に生かす、この智慧があるから人間は他の生物にはない「文明」を創ってきたわけだ。それが良かったのかどうか、幸せになったのかどうかは分からないが・・・
「文明・文化」は何となくヨサゲな感じがするが、定義が固まってはいないようだ。
<文明、文化という言葉の使い方には二つの流れがある。第一は、文明と文化は連続したものであり、都市化、高度の技術、社会の分化、階層の分化を伴う文化を文明とする。
各文明、各文化はそれぞれ個別性と独自性をもちつつ多元的に存在し、部族文化は大勢として前近代的都市文明へ、さらに近代的都市文明へ移行したとされる。この考え方は、第二次世界大戦後に文化人類学が普及するにつれて日本でも一般化した。
第二は、戦前から日本に普及している考え方である。これは、文明と文化を連続したものではなく、かえって対立したものとしてとらえ、物質的所産を文明/物質文明、精神的所産を文化/精神文化とする>(WIKI)
難しいなあ。インテリ用語≒岩波語は正確を期して遂に言語から意思疎通機能を疎外したか。まるで暗号、禅問答。これって文明文化か? 戦前リベラルの岩波文化人は絶滅、今は日共御用学者、学術会議、絶滅危惧種として残っているだけのようだ。
文明は核兵器=最終兵器をもたらし、文化は秩序/モラルを破壊した、とも言える。キリスト教とイスラム教は対立し、核兵器は他国を威す道具になり、軍拡競争は続き、中共は世界制覇を狙い、米国は左右対立で分裂の危機にある。これが進化か?
文明・文化の進展が人間にとって利便性をもたらした面はあるが、多くの破壊、被害、不幸、危機をもたらしたことも真実である。これも進化か? 善は積まれず悪ははびこり、天の怒りに触れて自滅、絶滅に向かっている人類・・・コロナは驕れる人間への警鐘・・・一緒に祈りましょう・・・too late か。
最新の現代文明・現代文化から大きく遅れている人々を「野蛮人」「未開人」と言うが、戦国時代、江戸時代のキリスト教宣教師は日本人を「動物」と見ていたし、米国人の多くは第2次大戦中、日本人を「ドイツに操られている未開のサル」だと「本気で」信じていた。多分今でもサルから多少進化したチンパンジーと思っているだろう。オバマ民主党やキッシンジャーの日本人を見る目は「異形の動物、怪しい未開人」に向ける目だった。
文明・文化=戦力の進んだ国は遅れた弱小国、国民を軽侮、侵す、脅迫する。大東亜戦争で植民地の多くが独立したが、日本と戦わなかった中共は“遅れて来た帝国主義”で、時代錯誤の膨張主義、世界制覇を妄想して大人しい仏教国のブータンにまで牙を剥き襲いかかっている。
<ブータンが中国に国境問題を提起「領内に道路・集落建設」 インドは状況注視(産経2020.12.7)
ヒマラヤ山脈の小国ブータンが、領内に中国が道路や集落を建設したとして、中国側に懸念を伝達していたことがこのほど分かった。ブータンと緊密な関係を持つインドの軍幹部が明らかにした。現場は3カ国の国境地帯で、インド軍幹部は取材に対し「われわれの軍事的利益に関わる場所であり、状況を注視している」と語っている。
同幹部によると、問題提起は11月、インドの首都ニューデリーで外交当局者間の接触があった際になされた。中国とブータンには国交がない。中国外務省は自国領内での建設とし「情報は事実ではない。非難の余地はない」と主張している。
現場は、中国による道路建設に対するブータンの非難を発端に2017年、中国軍とインド軍がにらみ合った場所に近い。ブータンと中国の対立が深まれば、北部の係争地域で軍事的緊張が続くインドと中国の一層の関係冷却化につながりかねない。
衛星写真によると国境地帯を流れる川に沿って道路が建設され、重機やトラックが写っている。集落とされる場所では、昨年12月8日には基礎とみられる区画が並び、明らかに建設中だったが、今年10月28日には建物が立ち並んでいた。
インド軍幹部は中国が建設したと断言。「インドとブータンの軍、政治における最高レベルが懸念を示し、内部で議論されている」と明らかにした。インドは軍事顧問団がブータンに駐留し、高地戦やヘリコプター操縦などの訓練を行っている。
インドは今年5月以降、北西に1000キロ以上離れた北部ラダック地方にある中国との係争地で軍が対峙。6月の衝突ではインド兵20人が死亡、約45年ぶりに死者を出した。
ブータンはヒマラヤ山脈の東端にあり、インドと中国に囲まれた王国。九州とほぼ同じ面積の国土に約76万3000人(2019年推定)が住む。仏教が国教。元首は5代目のワンチュク国王。日本の皇室と交流があり、昨年には秋篠宮ご夫妻と長男の悠仁さまが訪問された。(ニューデリー共同)>
習近平・中共は毛沢東の遺志を継いで世界制覇を狙い、まずはアジア全体を赤化、属国化すべく「我、アジアの火薬庫たらん」とアジアの国境秩序を破壊しつつある。根拠なんぞどうでもいいのである、「昔から中国の領土、領海だった」と言うだけだ。中共によるアジアの国境紛争はブータンの他に以下に及んでいる。
台湾、尖閣諸島、白頭山、間島、鹿屯島、南シナ海の南沙諸島、西沙諸島、中沙諸島、東沙諸島、インドのアルナーチャルプラデーシュ州。とりわけ台湾、尖閣、南シナ海、インドは明日にでも熱戦になりかねないほどだ。中共包囲は喫緊の課題である。伊藤貫著「歴史に残る外交三賢人」から学ぼう。
<ドゴールの「国際政治の多極化戦略」の続き。E)ドゴールにとっては「多極化した国際構造だけが、世界各国の独自の文化と価値観を維持できる国際システム」であった。一極構造や二極構造は「超大国以外の国を精神的に抑圧し、麻痺させる。諸国民の自律的な意思決定能力を枯渇させる体制だ」と言明していた。
ドゴール政府は、米ソ両国の他国に対する内政干渉と軍事介入を厳しく批判し、「二極構造は諸国の自由、平等、友誼を阻害する。二極構造とは違った秩序、違った勢力均衡のシステムを必要である」と明言していた。
彼は、米ソ両帝国の覇権主義から解放された多極構造における「勢力均衡=バランスオブパワー」外交の復活を望んだ。それは単に軍事的・外交的な視点から必要なだけではなかった。
古典主義的な教養人であるドゴールは、低俗なハリウッド映画やニューヨークの金融業者の拝金主義から解放された「ヨーロッパ文明の防衛」を望んでいたのである。彼は「過去2000年間のフランス文明、ヨーロッパ文化を、アメリカの拝金主義から護る」というためにも、多極化した国際社会を必要としていたのだ。
ドゴールの外交思想をまとめると、1)多極構造における勢力均衡=バランスオブパワーの必要、2)各国の国内体制、イデオロギーへの不干渉、3)国民国家の役割の重視と国際組織への不信、4)アメリカの覇権戦略への不信、5)自国の独立を守ることの精神的・道徳的な重要性、6)国際政治の多極化の必要性、が基本である。
これらの6項目は現在の日本の外交・国防にとっても死活的に重要である。残念ながら敗戦後の日本には、国際政治の本質についてドゴールのように深く考え抜いた政治家や思想家はいなかった。我々日本人が哲人政治家ドゴールから学べることは多い(続く)>
目安箱:ishiifam@minos.ocn.ne.jp
“シーチン”修一 2.0
【Anne G. of Red Gables/249(2021/2/9/火】「時代に警鐘を鳴らすカナリアたれ」というのはいいなあ。「列強の政治家は、冷静に、冷徹に、悪魔のように細心に、天使のように大胆に、謀略に満ちた国際政治の怪しい海を上手に渡るか、溺れるか」というのもなかなか正鵠を穿っている。
これは小生が書いたものだが、オリジナルは先人の言葉、代々引き継がれてきた箴言に違いない。「学びて時にこれを習う、また楽しからずや」、学んでこれを今に生かす、この智慧があるから人間は他の生物にはない「文明」を創ってきたわけだ。それが良かったのかどうか、幸せになったのかどうかは分からないが・・・
「文明・文化」は何となくヨサゲな感じがするが、定義が固まってはいないようだ。
<文明、文化という言葉の使い方には二つの流れがある。第一は、文明と文化は連続したものであり、都市化、高度の技術、社会の分化、階層の分化を伴う文化を文明とする。
各文明、各文化はそれぞれ個別性と独自性をもちつつ多元的に存在し、部族文化は大勢として前近代的都市文明へ、さらに近代的都市文明へ移行したとされる。この考え方は、第二次世界大戦後に文化人類学が普及するにつれて日本でも一般化した。
第二は、戦前から日本に普及している考え方である。これは、文明と文化を連続したものではなく、かえって対立したものとしてとらえ、物質的所産を文明/物質文明、精神的所産を文化/精神文化とする>(WIKI)
難しいなあ。インテリ用語≒岩波語は正確を期して遂に言語から意思疎通機能を疎外したか。まるで暗号、禅問答。これって文明文化か? 戦前リベラルの岩波文化人は絶滅、今は日共御用学者、学術会議、絶滅危惧種として残っているだけのようだ。
文明は核兵器=最終兵器をもたらし、文化は秩序/モラルを破壊した、とも言える。キリスト教とイスラム教は対立し、核兵器は他国を威す道具になり、軍拡競争は続き、中共は世界制覇を狙い、米国は左右対立で分裂の危機にある。これが進化か?
文明・文化の進展が人間にとって利便性をもたらした面はあるが、多くの破壊、被害、不幸、危機をもたらしたことも真実である。これも進化か? 善は積まれず悪ははびこり、天の怒りに触れて自滅、絶滅に向かっている人類・・・コロナは驕れる人間への警鐘・・・一緒に祈りましょう・・・too late か。
最新の現代文明・現代文化から大きく遅れている人々を「野蛮人」「未開人」と言うが、戦国時代、江戸時代のキリスト教宣教師は日本人を「動物」と見ていたし、米国人の多くは第2次大戦中、日本人を「ドイツに操られている未開のサル」だと「本気で」信じていた。多分今でもサルから多少進化したチンパンジーと思っているだろう。オバマ民主党やキッシンジャーの日本人を見る目は「異形の動物、怪しい未開人」に向ける目だった。
文明・文化=戦力の進んだ国は遅れた弱小国、国民を軽侮、侵す、脅迫する。大東亜戦争で植民地の多くが独立したが、日本と戦わなかった中共は“遅れて来た帝国主義”で、時代錯誤の膨張主義、世界制覇を妄想して大人しい仏教国のブータンにまで牙を剥き襲いかかっている。
<ブータンが中国に国境問題を提起「領内に道路・集落建設」 インドは状況注視(産経2020.12.7)
ヒマラヤ山脈の小国ブータンが、領内に中国が道路や集落を建設したとして、中国側に懸念を伝達していたことがこのほど分かった。ブータンと緊密な関係を持つインドの軍幹部が明らかにした。現場は3カ国の国境地帯で、インド軍幹部は取材に対し「われわれの軍事的利益に関わる場所であり、状況を注視している」と語っている。
同幹部によると、問題提起は11月、インドの首都ニューデリーで外交当局者間の接触があった際になされた。中国とブータンには国交がない。中国外務省は自国領内での建設とし「情報は事実ではない。非難の余地はない」と主張している。
現場は、中国による道路建設に対するブータンの非難を発端に2017年、中国軍とインド軍がにらみ合った場所に近い。ブータンと中国の対立が深まれば、北部の係争地域で軍事的緊張が続くインドと中国の一層の関係冷却化につながりかねない。
衛星写真によると国境地帯を流れる川に沿って道路が建設され、重機やトラックが写っている。集落とされる場所では、昨年12月8日には基礎とみられる区画が並び、明らかに建設中だったが、今年10月28日には建物が立ち並んでいた。
インド軍幹部は中国が建設したと断言。「インドとブータンの軍、政治における最高レベルが懸念を示し、内部で議論されている」と明らかにした。インドは軍事顧問団がブータンに駐留し、高地戦やヘリコプター操縦などの訓練を行っている。
インドは今年5月以降、北西に1000キロ以上離れた北部ラダック地方にある中国との係争地で軍が対峙。6月の衝突ではインド兵20人が死亡、約45年ぶりに死者を出した。
ブータンはヒマラヤ山脈の東端にあり、インドと中国に囲まれた王国。九州とほぼ同じ面積の国土に約76万3000人(2019年推定)が住む。仏教が国教。元首は5代目のワンチュク国王。日本の皇室と交流があり、昨年には秋篠宮ご夫妻と長男の悠仁さまが訪問された。(ニューデリー共同)>
習近平・中共は毛沢東の遺志を継いで世界制覇を狙い、まずはアジア全体を赤化、属国化すべく「我、アジアの火薬庫たらん」とアジアの国境秩序を破壊しつつある。根拠なんぞどうでもいいのである、「昔から中国の領土、領海だった」と言うだけだ。中共によるアジアの国境紛争はブータンの他に以下に及んでいる。
台湾、尖閣諸島、白頭山、間島、鹿屯島、南シナ海の南沙諸島、西沙諸島、中沙諸島、東沙諸島、インドのアルナーチャルプラデーシュ州。とりわけ台湾、尖閣、南シナ海、インドは明日にでも熱戦になりかねないほどだ。中共包囲は喫緊の課題である。伊藤貫著「歴史に残る外交三賢人」から学ぼう。
<ドゴールの「国際政治の多極化戦略」の続き。E)ドゴールにとっては「多極化した国際構造だけが、世界各国の独自の文化と価値観を維持できる国際システム」であった。一極構造や二極構造は「超大国以外の国を精神的に抑圧し、麻痺させる。諸国民の自律的な意思決定能力を枯渇させる体制だ」と言明していた。
ドゴール政府は、米ソ両国の他国に対する内政干渉と軍事介入を厳しく批判し、「二極構造は諸国の自由、平等、友誼を阻害する。二極構造とは違った秩序、違った勢力均衡のシステムを必要である」と明言していた。
彼は、米ソ両帝国の覇権主義から解放された多極構造における「勢力均衡=バランスオブパワー」外交の復活を望んだ。それは単に軍事的・外交的な視点から必要なだけではなかった。
古典主義的な教養人であるドゴールは、低俗なハリウッド映画やニューヨークの金融業者の拝金主義から解放された「ヨーロッパ文明の防衛」を望んでいたのである。彼は「過去2000年間のフランス文明、ヨーロッパ文化を、アメリカの拝金主義から護る」というためにも、多極化した国際社会を必要としていたのだ。
ドゴールの外交思想をまとめると、1)多極構造における勢力均衡=バランスオブパワーの必要、2)各国の国内体制、イデオロギーへの不干渉、3)国民国家の役割の重視と国際組織への不信、4)アメリカの覇権戦略への不信、5)自国の独立を守ることの精神的・道徳的な重要性、6)国際政治の多極化の必要性、が基本である。
これらの6項目は現在の日本の外交・国防にとっても死活的に重要である。残念ながら敗戦後の日本には、国際政治の本質についてドゴールのように深く考え抜いた政治家や思想家はいなかった。我々日本人が哲人政治家ドゴールから学べることは多い(続く)>
目安箱:ishiifam@minos.ocn.ne.jp