ロシア留学中・脱力進行中

モスクワ留学滞在記、スポーツ(特にテニス)のこと。他に趣味(漫画や音楽)等いろいろ・・・

ファイナルの死闘(中編)

2006-12-02 23:50:53 | テニス
デビス・カップ決勝、ロシアvsアルゼンチン、2日目
(モスクワ、オリンピックスタジアム、カーペット)
12月2日午後2時開始。

今日の観戦は同室のヒラシェンコ、中国人のテニス好きSウさんと一緒に。
3日間を共にするSゲルは夜更かしのため寝坊して、
1stセットに15分、3ゲーム分ほど遅刻してきた。
ということで4人で窮地に追い込まれたロシアを応援。


Rubber 3
SAFIN & TURSUNOV  (RUS) 6 6 6
CALLERI & NALBANDIAN (ARG) 2 3 4

1-1、星の上ではタイながらエース・サフィンが負けたことで、
精神的に追い込まれたといっていいロシア側だが、今日の選手発表を見て驚いた。
なんとダブルスに出場はユーズニーではなくサフィン&トゥルスノフ。
デ杯公式HPの記事を読むと、サフィンには金曜の時点で知らされていたらしい。
ただ、サフィンが前日の会見で3日間すべてに出場する用意をしている、と言ったり、
変更は前々から分かっているはずのユーズニーの足の怪我によるものという事もあり、
“ずる賢いロシアチームのキャプテン・タルピシェフ”が、
実は最初からこのオーダーを組んでいたことも考えられる。
とにもかくにも、今年前半(5月のエストリルだったかな?)でダブルスを組んで、
「マラトはダブルスのサイドの概念を分かってない」とトゥルスノフに言われたものの、
結果としてはタルピシェフ監督の作戦が、SFに続きまたもやずばりと的中したと言える。

昨日はアルゼンチンのホームかと見紛う程の大応援団に、
ロシア側応援団は押されっぱなしで、選手にも応援の熱意が伝わらなかった。
今日は試合前の練習中からユーズニーが国旗を振って観客の応援を催促し、
チェンジコートの際にはアンドレーエフが観客と一体となって、
“ロシア”コールの音頭をとっていた。

試合は、1stセットの第1ゲームでトゥルスノフが1stサービスを全て入れて、
相手に思うようなリターンをさせずにラブゲームキープのスタート。
ロシア側のサービス好調の傾向は試合を通じて続き、スタッツを見れば
1stサービス確率=70%、1stサービスポイント率=83%、
2ndサービスポイント率に至っては脅威の85%と、
アルゼンチン側に全くリターンをさせなかったと言って良い。
実際にロシアがアルゼンチンに与えたブレイクポイントは0、
サービスゲームでは最高で2ポイントまでしか与えず、デュースは無し。
トゥルスノフは通産8度のサービス機会の中で、失ったポイントは計4つ。
5度のラブゲームキープ、エース8個と完璧な内容だった。
対照的にアルゼンチン、特に昨日は会場を支配したナルバンディアンがピリッとせず、
最初のサービス機会からセットをまたいで3度続けてキープが出来ず。
ラリーでもベースラインから簡単なボールを返してボレーを決められたり、
ネットについては簡単なボールをミスしたりと、およそ彼らしからぬプレーぶり。
アルゼンチン側は状況打開のためか、2ndセットに入って
オーストラリアンフォーメーションも見せはじめるが、
ネットのミスが多ければ、それも自分達の首を絞めるだけでしかなかった。

結局1時間38分、まさかの速さでサフィン&トゥルスノフのストレート勝ち。
非常に大きな、デ杯に近づく2勝目を挙げた。


当初、ユーズニーが出るにしろサフィンが出るにしろ、
俺の予想はダブルスはアルゼンチン有利、デ杯公式HPのアンケートでも、
80%以上がダブルスのアルゼンチン勝利に投票をしていたが、
こんな結果が待っているとは思わなかった。
ダブルスの負けを覚悟して、初日の2戦必勝をロシア勝利の命題に掲げたわけだが、
まさかこんなスコアで勝ってしまうとは・・・
サフィンも偉いが特に土壇場のトゥルスノフの強さは、
QFvsフランス戦でガスケに勝利したこともあり、ツアーとは違う凄まじさを感じる。
今年の好調がすべていい形でデビス・カップの大一番に出ているのだろうか。

明日は初戦がダビデンコvsナルバンディアン。
初日のナルバンディアンが戻ってこれば、如何にダビデンコといえども難しいだろう。
今日のナルバンディアンだったら、ロシアが3-1で賜杯を手にする。
勿論2勝2敗のタイに戻ったところで、最後に控えるのはサフィン。
今日の復活を見れば、チェラが来ようとアカスーソが来ようと問題ないと思われる。
(そこをたま~に問題にしてしまうのがサフィンなんだけど・・・)
今日の勝利でロシアのデ杯制覇がググッと現実味を帯びてきた。
明日の会場は今日以上の応援になるだろう。気合を入れてロシアを応援してこよう。