ロシア留学中・脱力進行中

モスクワ留学滞在記、スポーツ(特にテニス)のこと。他に趣味(漫画や音楽)等いろいろ・・・

音が深くなるのは・・・

2006-12-28 23:59:00 | 音楽・コンサート・バレエ・オペラ
前エントリー、Aサミの見送りでずいぶん遅れてしまったが、
今夜は今年最後のコンセルバトーリヤ。


第43回芸術祭「ロシアの冬」
ドボルザークのヴァイオリン協奏曲 ソリスト=イザベル・ファウスト
ショスタコーヴィチの交響曲第7番「レニングラード」
指揮はミハイル・プレトニョフ、ロシア・ナショナル交響楽団の演奏。

空港からマルシュルートカに乗って、メトロの駅に着いたのが6時40分。
そこからメトロで40分強、歩いて10分、入場5分。
チケットを持っていなかったため、再びダフ屋で買うことに。
運良く入り口前でおばさんが声を掛けてくれたため、
一番安い席を頂戴、と言うと300ルーブルだった。
席は3階席(2-йアンフィテアートル)の1番前。かなり気に入りの席。
定価で売ってくれたので、とてもお得に入ることが出来た。
上着を預け、結局ホールに入ったのは7時40分。
すでにヴァイオリン協奏曲の第2楽章が始まっていた。
この協奏曲は2楽章構成なので半分も聴いてないことになるが、
それほどたいした演奏ではなかった気がするのでまぁいいか。
どのみち今日の最大目標はショスタコーヴィチなのだから!!

人生初の生聴き「レニングラード」。
当初この第7番は俺の中で全ショスタコ15曲中5~6番目の位置づけだったが、
ここ2~3ヶ月で最も良く聴く最も大好きな曲となってしまっている。
第1楽章の軽い感じの出だしから、楽章が進むにつれて、
重く、深く、辛く、激しく、強くなっていくこの曲は、
ドイツ軍のレニングラード包囲下にあって書き上げられた曲。
だからこれほど戦争を連想させるようなすさまじい曲になっているのか・・・
実際、生は良かった。期待にたがわぬ素晴らしさ。
第1楽章中盤、小太鼓が静かに同じリズムを刻み始めるところでは、
CDでは聴き取れていなかった細かい表現までつぶさに伝わってきた。
そして最も好きな第4楽章冒頭2分~6分の、他の作曲家の作品では
聴いたこともない様な曲展開が繰り広げられるパートでは、
これがショスタコーヴィチなんだ!と1人で感動を噛み締めていたり。
そして最後のクライマックス部分、想像を超えるすごい速さで
弾き鳴らされるヴァイオリンやホルンは、こんな魅せ方もあるのかと感動した。
ヒロリンクルがいたら、また気に入らないと言われそうだが。。。
ただ金管が若干弱く、高音が体の芯まで響いてくる、まではいかなかったかな。
(普段CDで聴いてるのがロジェストヴェンスキーだからそう感じるだけかな?)
無茶苦茶良い、というわけではないがしっかり良い演奏で、
やっぱり初の「レニングラード」ということもあって素晴らしい1時間半だった。

これまでコンセルバトーリヤの写真は何枚も載せていたが、
観客席の写真はなかったので今回は客席の風景を。

今年のコンサート通いもこれで終了。第2期留学の9月からで数えてみると、
9月=1回、10月=1回、11月=3回、12月=3回。もう少し行けたかな?
来年も素晴らしい音楽が聴けますように。

女優退場

2006-12-28 23:53:58 | モスクワ留学記
28日(木)、今年3月からの留学生で、最初の1ヶ月と最後の4ヶ月を
一緒のグループで学んだAサミが帰国した。
彼女はなかなか今まで出会ったことのないタイプの女であった。
自分で耳にピアスの穴あけるわ舌にピアス入れるわ突然爆発系の髪型にしてくるわ、
Aサミは確かにビッチだ。だが身長はモスクワ最小の148㎝(公称)ながら、
言う事やる事その他のモノも全てがビッグだった。ビッチながらビッグだ。

飲み会では底辺の下ネタ話で盛り上がったり、
飲み会でカメラにビールをかけられ、その犯人を登校拒否に追い込んだり、
古今東西でエロい擬音語というお題で盛り上がったり、
同じく古今東西で好きな体位というお題で「騎乗位」って答えたり、
バーニャに行ってロシア人とやっちゃいました写真撮ったり、
そのロシア人と本当にやっちゃったり(←これは勝手な推測なので信じない様に)、
ものすごい努力でモスクワ大学の外国人用ロシア語検定第2レベルに合格したり・・・

はっきし言って最後の一つ以外かなり変態的な女のようだが、実際変態だ。
変態だが明るかった。性格が明るいので裏表が無かった。
明るかったので酒を飲んでても楽しかった。
楽しいからよく悪ふざけをした。
一緒に遊園地やボウリングに行った。カジノにも行った。
そして授業では常に先頭を切ってロシア語を話し、
数多くのロシア人との交流にも時間を惜しまず、
たゆまぬ努力でモスクワ大学の外国人用ロシア語検定第2レベルに、
かなりの高得点で合格した。そして詳細なアドバイスを俺にくれた。
小さいがビッグと言うのはそういう訳だ。尊敬できる女であった。
面白い女が居なくなるのは実際寂しい。
(ここまでRオとほぼ同じだな・・・参照→「彼が征くはシベリアのタイガ」

4月生で2人目の帰国者。残り1ヶ月も経つと、留学仲間は半分になる。
非常に寂しいこの時期。去年は同じ9月生で来た奴らがいたが(勿論今年もいるが)、
今回は留学当初から知っている仲間の帰国だから寂しさもとりわけだ。

3時半、Aサミ、ロシア人の友人リョーシャ、Aサミの留学同期Aチ君と
4人でタクシーに乗り、シェレメーチェボ2空港に向かう。
途中モスクワ大環状(МКАД)からレニングラード街道への合流地点で
すごい渋滞にあったが、(年末の渋滞は日本もロシアも一緒か・・・)
それ以外は順調で、5時前には空港へ到着。
ちょうど半年前、自分も一時帰国したときのことが、遠い昔の事に思われる。
留学仲間に伝わる儀式=「フライデー」でハンバーガーを食べ、(参照)
そこでAサミの分だけ注文が来ないというハプニングもありつつ、
皆で別れを済ませて彼女を税関まで見送った。
正確には俺とAチ君はコンサートと観劇というそれぞれの用事があったため、
税関に入る前に2人を残して帰ってしまったわけだが。

今頃Aサミは空の上だろうか?飛行機が墜ちてなければ良いが。
無事に日本に着けます様に。
留学仲間で最も“できる”奴が帰っていった。
残された俺たちは、少しでも彼女のレベルに追いつけるよう、
追い越せるよう頑張っていこうと心を新たにする。