ロシア留学中・脱力進行中

モスクワ留学滞在記、スポーツ(特にテニス)のこと。他に趣味(漫画や音楽)等いろいろ・・・

ファイナルの死闘(前編)

2006-12-01 23:42:34 | テニス
デビス・カップ決勝、ロシアvsアルゼンチン、初日
(モスクワ、オリンピックスタジアム、カーペット)
12月1日午後1時開始。

午前の授業を30分ほど早く出させてもらい、地下鉄でSゲルと合流。
昼飯にシャウルマを買い、会場には30分前に余裕を持って到着。
1ヵ月半ぶりのオリンピックスタジアム。
思えばクレムリン・カップの時は1週間で6日もよく通ったなぁ。
開会式が始まると、来賓席にはエリツィン元大統領、
正面やや右側のVIP席にはマラドーナの姿が!
残念ながら現プーチン大統領は来ていなかったが、2人ともすごいVIPだ。
そして会場の一角をものすごい数のアルゼンチンサポーターが埋め尽くし、
マラドーナを中心にサッカーのような応援歌を歌っている。
どちらがホームでどちらがアウェイか、錯覚するほどの盛り上がりだった。


Rubber 1
DAVYDENKO (RUS) 6 6 5 6
 CHELA  (ARG)  1 2 7 4

盛り上がるアルゼンチンサポーターのグウの音も出なくさせる、
世界№3、ダビデンコの好スタート。
これまで5戦して勝ち星をあげたことの無いチェラ相手に、
過去の星勘定とは全く逆の展開で2セットUPに成功。
1stセットは第2、第6ゲームでの2つのブレイクでそのまま6-1、
2ndセットでは序盤チェラがポイントを長くして
上手くダビデンコを走らせる場面が見られたものの、
第5、第7ゲームをブレイクし5ゲーム連取したダビデンコが6-2。
アルゼンチンサポーターの意気消沈振りは見事だった。
3rdセット、ストロークで多少エラーの多くなり始めたダビデンコに対し、
チェラは相手の2ndサービスで58%のポイント奪取に成功。
この試合唯一のロングセットで一矢報いるも、残念ながらチェラの奮闘はここまで。
再び息を吹き返した世界№3は、沸き返るアルゼンチンサポーターを嘲笑うかの様に、
すっきりキッチリ勝利を決めた。
エリツィン元大統領もご満悦の様子で、花道を引き上げていった。


Rubber 2
 SAFIN   (RUS)  4 4 4
NALBANDIAN (ARG) 6 6 6

第1試合を勝ち、このままリードを広げたいロシア。
次はチームのエースにして精神的な大黒柱、マラト・サフィン。
相手はタルピシェフ監督が唯一最大の問題とマークするアルゼンチンのエース、
世界№8、ダビド・ナルバンディアン。
これまでの戦績はサフィンの6勝2敗、今年の全米OPでも2回戦で当たり、
Finalセットタイブレイクの末にサフィンがUPセットを演じている。
最後の対戦はマスターズシリーズ・マドリッドのQFでナルバンディアン勝利。
サーフェスはお互い得意とも苦手ともいえないカーペット。
他のアルゼンチン選手は明らかにクレーより見劣りをする中で、
このナルバンディアンだけは全くサーフェスを厭わないところが恐ろしい。
ウィンブルドン準優勝、ハードのマスターズカップ優勝の実績は脅威そのもの。

試合は、いきなりサフィンがブレイクされて始まった。
7回続いたデュース、このゲームだけで4本のエースを奪うも、
最後は痛恨のWフォルトで落としたサフィン。
今思えばこのゲームが、今日の試合の全てを暗示していたように思えてならない。
スロースターターとはいえこの大一番で不安な立ち上がりのサフィンは、
第2ゲームで即座にブレイクバックのチャンスを得るもコンバートできず、
その後はチャンスすら見出せずに1stセットを失った。
2ndセットもその傾向は続く。第3、第5ゲームをWフォルトが絡んで落とし、
ナルバンディアンが5ゲーム連取で5-1。
アルゼンチンサポーターが大きな絶叫を上げる中、第7ゲーム最初のポイントで、
サフィンが初めて長いラリーを勝ちきった。
少しプレーを変えたかな?
それまでラリーになればほとんどサフィンがロングにアウト。
エースでしかポイントが取れていないような状況で、ちょっとした変化が感じられた。
ここからようやく試合は内容的に見ごたえのあるものになり、
サフィンが1ブレイクバック。
4-5で迎えたナルバンディアンのサービングforセット、
0-15からナルバンディアンのフォアはネットイン!これは痛い。
0-30に出来るかというポイントを不運も重なり落とし、
サフィンはそのまま2ndセットもダウン。
最初の2ブレイクダウン、特に第5ゲームのダウンは痛かった。
そしてナルバンディアン相手の2セットダウンは辛すぎる。
多少の光明はストロークでようやくポイントが取れるようになってきたこと。
不安はサービスの調子がイマイチ安定しないこと。
最初の2セットでエース15本、Wフォルト4本は両方とも多すぎる。

第3セット、サフィンの調子が上がり始めたお陰で、序盤は一進一退の攻防。
まだ彼特有の?つまらないミスは相変わらず多いものの、
ラリーでも多少は主導権を握ることが増えてきた。
3-3で迎えた第7ゲーム、サフィンのサービス。
最初のポイントはフォルトと判定されたボールをチャレンジに成功させエース。
第2ポイント、痛恨のWフォルト。
2ポイント連続して失い15-40とされ、1ポイントを返すもののブレイクダウン。
3-4、まさに痛恨。
第8ゲーム、ナルバンディアンのサービスゲーム。
デュースから2度のブレイクチャンスを得たサフィンだが、コンバートできず。
最後はナルバンディアンが、2度ともフォルトの判定のセンターへのサービスを、
2度連続して同じラインでチャレンジを成功させ、結果は連続エース。
反撃の目を絶たれると、ラスト第10ゲームのサービングforマッチでは、
ラブゲームのキープで勝利を持っていかれ、サフィン完敗。
試合を通じてエース21本ながら、普段はWフォルトの少ない男が計7本。
2ndサービスで33%しかポイントが取れないようでは勝てないはずだ。
初日は1勝1敗、エース対決で痛い痛い星を落とした。

試合後、途中から応援に来ていたダビデンコを含め意気消沈して引き上げるロシアチーム。
勘定に入れていた星を落とし、意気消沈して帰るロシア人ファン。
と俺。
対照的にナルバンディアンはマラドーナにウェアを投げ渡し、
アルゼンチンサポーターは応援歌(サッカー?)の大合唱。
果ては「オーレーオレオレオレー、ディエゴーディエゴー」と、
観客を煽っているマラドーナ・コールまで飛び出す始末。
最後は警察に「早く帰れ」と急き立てられていた。


会場を出ると一角に20人ぐらいのアルゼンチンの輪が出来上がり応援歌を合唱中。
近寄ると輪の中にはなんとマラドーナが!
一緒に写真を撮ってとお願いするも、断られてツアー?のバスへと消えてしまった。
上の写真はその時にマラドーナ単独で撮ったもの。近い!
思ってたよりもっともっと小さかった。この身長で5人抜きしたのか・・・すごい。

※ところで、デビス・カップはチャレンジが1セットに何回でも有効なようなんですが、
どなたか詳細をご存知の方いらっしゃいますでしょうか?
準決勝のvsアメリカ戦は普通に2回だったような気がするんだが・・・