「デュー・デート~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断~」(2010年 米)
監督 トッド・フィリップス
トラブルを招くロードムービーだが期待はずれ
「ハング・オーバー」の監督トッド・フィリップスが同じくザック・ガリフィアナキスを起用して制作した同様の喜劇ということで、大いに期待したが、残念ながら大したこと無い、そこそこの出来映えである。
アトランタで仕事を終えた建築家のピーター(ロバート・ダウニーJr)は、妻の出産に間に合うようロサンゼルスへ帰ろうとしているが、俳優志望のイーサン(ザック・ガリフィアナキス)と出会ったために、飛行機に搭乗拒否される羽目になり、財布も手元に無くなり、やむなくイーサンの車に同乗してロスへ向かうこととなる。常識人だがキレやすいピーターは、「旅は道連れ」と親しくなろうと話しかけるピーターの無神経で傍若無人な振舞いが、いちいち気に障り全くそりが合わない。そして、ピーターのせいで様々なトラブルに見舞われることとなり、被害はどんどん拡大して、その災難振りは観客にも伝わってくる。
しかし、2人の掛け合いにあまり面白みは無く、トラブルにもひねりは無い。だから、アメリカ映画お定まりのようなカー・チェイスまで持ち出してくる。実際、自分も含めて観客が大きく笑ったのは、2人がピーターの友人宅に立ち寄った時、コーヒーと間違えてイーサンが持っていた彼の父親の遺灰を3人で飲んでしまうシーンくらいだろう。確かにザック・ガリフィアナキスはユニークな喜劇的個性を見せており、ロバート・ダウニーJrもうまく共演しているが、「ハング・オーバー」とは話のレベルが違いすぎる。期待はずれといわざるを得ない。また、前作よりさらに長い安手のテレビドラマのようなタイトルもあまりいただけない。
総合評価 ③ [ 評価基準:(⑥まれにみる大傑作)⑤傑作 ④かなり面白い ③十分観られる ②観ても良いがあまり面白くはない ①金返せ (0 論外。物投げろ)]