Belle Epoque

美しい空間と、美しい時間

『鶴亀』

2019-12-22 | musique... ongaku
10月から実は謡を学び始めました。
カテゴリは何が適当なのか迷いましたが、「音楽」のひとつとします。
実際譜面に起こしたいくらい、複雑な音程です。でも譜面はない、身体で憶えなければ。
口伝ですから。と先生も微笑む。
それにしても複雑。あっ夫がそういえば譜起こしソフトを使って作曲メモをしてる…借りようかしら…

きっかけは何かというと、息子の仕舞。
もう2年近くお稽古しており、老松、玄象、猩々、岩船、と順調に進んでいき、先だっては観世会館能楽堂でも舞台を踏みまして母感無量でした。が、自宅で練習に付き合うとき、わたしが地謡のパートを求められるようになってきました。先生の声の録音を流すと、おかあさんやる気が足りないんじゃないかと指摘してくるようになった。
ええと、足りないのはやる気じゃなくて実力なの。

そんな折、読書会の仲間が、「実は、謡を習いたいと前から思っていて…」と意外な告白。
ならばと、息子のお師匠をご紹介しましたら、せっかくなので一緒にどうですかと最後のひと押しポンと、先生と友人に後押しされるように、わたしも入門が決定しました。
習いたいと思っていた訳じゃないのに、これが流れというものか。夢見心地のまま、『鶴亀』の謡本をまずはと渡され、アレヨアレヨという間にお稽古スタート。




そしたら、新境地が拓けて、、
脳が震えるくらいの面白さ。

横隔膜呼吸を、以前から行なっていますが、それでした。
吐く息で謡の詞章を発声する仕組みでした。
中高生時代、吹奏楽部でホルンを担当していたので、息で音程を上げ下げする感覚も懐かしくて解ります。
謡本は国文科卒業生として馴染みのある記号だらけ。
学生時代には同時に聖歌隊にも入っていたので、思いきった発声も懐かしい。
自分の過去がいっせいに繋がる驚きと、手ごたえも十分にあり、すごく嬉しくなりました。

…だからといって、スラスラ出来る訳ではないのですが、
「やれば出来そうな気がする」という感じは、有り難いです。
わたしが鶴亀を始めたので、子どものお仕舞も、経正から変更、鶴亀になりました。
武士の物語よりも、神や妖精の物語の方が、やはり彼には舞いやすそうに思います。

だけど先生のこの誘導にすなおに従っていくと、
次の発表会では、わたしの地謡で息子が舞うってこと❓うわお…

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