イカの個展を観に鎌倉に行った。
兄と待ち合わせしていたのだけれど、ちょっとした行き違いで、
30分待ってしまった。
鎌倉の商店街は活気があった。コロナ騒動などウソのようだった。
地図に従ってかんざし屋さんの角を曲がって路地裏に入り込んだは良いものの、
何処が画廊なのか分からなかった。
たまたま通りがかって、こちらから道を譲った自転車の男性が、
「ここだよ」と教えてくれた。
画廊は民家をそのまま使っているようで、もの珍しかった。
オーナーさんがイカから電話を受け、これからこちらに来るという。
イカが電話口に出ろというので、止む無く通話。元気そうだ。
到着までしばらくかかるというので、兄と二人で食事に行くことにした。
サラミやチーズなどを肴にクラフトビールを飲める店を発見。
迷わず入店した。一二時間ビールやホットワインを堪能した。
ピルスナーは少し甘味があって、三種類の中で一番気に入った。
まったりを切り上げて、画廊に戻ると、イカがいた。
今日は初日でも最終日でもないので人も少なく、イカと散々話せた。
わたしの事を買ってくれていた浅野先生が二三年前に亡くなったと聞かされた。
直接授業は受けたことは無いけれど、いい先生だった。
途中外に地酒を買い求めに行き、酒を持って帰って三人で飲んだ。
ここまでイカと話しこむなど珍しく、心置きなく、あれやこれを訪ねた。
モンドリアンとカンディンスキーのどちら側に傾いているか聞いてみると、
モンドリアンの方だといっていた。
話をしているといつの間にか女性が一人輪に加わっている。
イカの下で10年以上修行している人だった。
なんでもデザイナーの仕事をしているそうだ。
画廊も閉める時間になったので、適当に飲み食いできる店を探した。
近場で適当な店があったので、四人で突入した。
わたし達の他にお客さんは一組しか居らず、これもコロナの影響かと思った。
いい加減酔っ払ってきたので、今日はお開きにすることにした。
イカが興奮気味に、来年の10月に沼津の美術館で個展を開く予定なのだと教えてくれた。
必ず行きますと約束して、駅で別れた。
今日はいい日だった。