予報では昨日から大雨になるはずだったが、
幸いこちらではまだそれほど降っていない。
朝方母の無事を確かめて、雨が降らないうちに一時帰宅した。
身支度を整えてこれから病室に戻る。
疲れが取れないが、母が頑張っている限り、わたしも頑張る。
今晩も消灯時間が近づいて来た。
隣室の患者が地獄の亡者の様な呻きをあげている。
わたしの母も呻くだろうな。
疲れた、と言って全て投げ出さないでいるのも、
一つの選択だ。
後に悔いが残らないようにしたい。
近頃深夜になると母が呻くようになった。
その度にわたしも起きて、大丈夫だと声をかけて宥めるのだけれど、
昨夜は何で昼間寝ていても呻かないのに、
夜中になると呻くんだと声を荒げてしまった。
最後を迎えようとしている人間に対する態度ではない。
今は反省している。
轟孝夫の本を読み終えた。
まだ理解し切れていない部分がある。要再読。
今日の母はよく喋る。
けれど言っている事のほとんどが分からない。
ただ、お祭りが終わる、というのは分かった。
最後が近いためか、口から異臭がする。
姉は屍臭と言っていた。
そのせいか一昨日から病室に空気清浄機が置かれた。
何もかもが非日常的だ。
物事の一回性を大事にしたい。
台風で明日帰宅できない場合に備え、
今日と明日の分の食糧を持って病室に戻った。
しかしウェブで天気予報を見ると、
明後日が荒天のようだ。
明後日も帰れない事になると厄介だな。
朝方自宅に戻り、シャワーを浴びて一息ついた。
病院に戻ろうと身仕度をしようとしたら、
昨日からの曇りのせいで洗濯物が半乾きだったので、
靴下は新しい物を下ろした。
予備も少なくなってしまったので買いに出た。
十足1000円の品を調達して、家においてから病室に戻った。
母の具合に変化も無いが、音楽をかけようか聞いて見ると、いらないと答えられた。
しばらくして姉が来て、２時間ほど滞在して帰って行った。
次に来るのは水曜になりそうだ。
存在と時間どころか、その解説書も読み終えていないのに、
ハイデガーのニーチェが安く出ていて、つい注文してしまった。
存在と時間は年内に読破したい。
明後日台風が関東を襲うようだ。
病院から出られない場合に備えないといけない。
明日は食糧を多めに持って戻ろう。
