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Syl.Com.

名も無きねこに

at 2004 09/23 20:54

2006-07-02 13:07:44 | わたし
弱い人、備長炭をカチ割る

時刻は午前10:時、同じフロアの角部屋に住む人がなにやら作業をはじめたらしく、
手すりを通じてガンガン音が響いてくる。落ち着けない。
せっかくだからこの機会に、以前兄からもらった備長炭の固まりをカチ割ることにした。

見かけと違って備長炭はかなり重い。
しかも硬い。話によれば鋼鉄に近い強度を持つようだ。
玄関先に新聞紙を敷き、備長炭の固まり一本の上に他の固まりを乗せて金槌で軽く叩いた。
叩く力が不足していたので、少しカケラが飛んだだけだ。やはり硬い。
今度はもう少し力をこめてみる。一本の三分の一ほどが、上手く下に落ちた。
調子よく金槌を振るって、全て手のひらに載る大きさにした。
鍋に固まりを入れて湯沸し機のお湯を鍋にため、いったん流して汚れを落とす。
もう一度鍋にお湯を張って、火にかけて煮沸。さらにもう一度湯を入れ替えて煮沸する。
後は新聞紙に載せて、窓際において乾燥させることにした。

あまりお金を使いたくは無いが、仕事を始めるにあたり色々と買い込まなければならない。
出かけるついでと言うと失礼だけど、学校時代の友人Sを呼びだして、一緒に昼食を取ることにした。彼に会うのも久しぶりだ。

現地で合流して買い物を済ませた後、近所のファミリーレストランに入る。
積もる話のある場合、いつもココだ。
お互いの近況を話す。わたしは昨日職場でみてオカシイと思った英文の話をした。
やはり彼も同意見で、その翻訳物は文法的にマズイだろうということに話が落ち着く。
彼の仕事はあいかわらずのようだけれど、カワウソ君とは比較にならない木星帰りが配属されて弱っているようだ。TK大の心理学修士、37歳、男性。ロックオンした標的(女性)は逃がさず追尾して、昼食時には集まっているメンバー全員にプレッシャーをかけまくる。顧客だろうと執筆依頼だろうと、誰が相手でも電話口で文句を言う。あろうことか、原稿を無くしても誰にも謝らない。原稿が丸ごとなくなったなんて、わたしの友人はこれまで見たことがないのに、だ。
人のことをつかまえてあそこまで怒っている彼を見るのは初めてだ。
余程の人物と思われる。話を聞けば聞くほど、ノーベル賞氏を思い出してしまう。
双方に共通する要素は、多々あるようだ。幸いなことに、木星帰りには虚言癖は無いという。わたしとしては、いったいどんな心理学を学んだのかが興味のあるところだ。

ひとしきり仕事の話をしたところで、最近読んでいるものについて、意見を交換した。
アドラーを読んで思ったことや、ヒュームを読まなければいけないことを話すうち、
またもやヒントをたくさんもらった。

忘れないうちに思いつきを書き留める。

ロマン主義:失われた統一、全体性の回復、前近代と何も変わらなかったことへの失望
ヴェーバー:学問の細分化、説得力・動機づけの力の喪失
カント美学:快・不快の判定能力、快の動機付けの力、美の抽象化・理性化(?)
理性と動機付け:「正しさを分かること」と動機付け、欲求と理性の橋渡し
ショーペンハウアー:認識レベルでの理性の評価、行為レベルでの理性支配(カント)を叩く
「美」を通じて、理性は動機付けの力を持つのか?
プラトン:真理を映すための補助としての「美」、ドイツ語訳聖書登場までのイコンの役割
近代特有の「美」の問題:神の死亡、主体の死亡(?)、自発・自律的個人、欲求への還元、マザー・テレサと犯罪者を同一視するという批判、理性と欲求の分裂、道具的理性、広義の理性の復権(大文字の理性?)、他人の説得(=対話による動機付け) コミュニケーション的理性
『ホモ・エステティカ』
イーグルトン:『美的イデオロギー』第一章
ハーバマス:コミュニケーション的理性、説得、動機づけ
フロム:新フロイト派、フロイトの非社会性批判、文化相対的な家庭・社会、フロイト発達過程と対応した社会様式(財貯蓄と前近代的資本主義社会)、社会病理としての精神病、社会批判の成功と明確な理想の欠如

心の病は欲求にとらわれすぎることが原因なので、なんとか理性的対話で動機付けをすることが必要なんじゃないかというわたしの意見を彼に話したら、木星帰りへの対応の仕方の問題と取り違えたらしく、珍しく彼が不機嫌そうになった。
心に他人の意見を取り入れる余地がなく、自分の問題に気付くことの出来ない人間は、どうすることもできないというのが彼の意見だ。さらにニーチェあたりの言う強者を具体的に思い描いて、それへ向けて努力することが、彼らの治療には不可欠だろうと言う話だ。

そういう人をこそどうすることも出来なければ、「理性」とやらも底が知れる。弱い人の理解は、彼とわたしとでは違うようだ。彼は弱さに苦しんだことはあるのだろうか。
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at 2004 09/24 06:09

2006-07-02 13:07:08 | わたし
祭り再び

今朝は4時半ごろ目覚めてしまった。
床についたのが23時だから、あまり眠っていない。疲れと緊張のせいか。
起きてからも、ヘトヘトだ。

昨日は午後から仕事だった。一昨日面接を受けて、昨日からいきなり出勤だ。
展開が早すぎる。
それだけ向こうも仕事が詰まっているのだ。

システム開発関連で顧客に配布する設定資料、操作マニュアルなどを翻訳する。
端末からネットワーク経由で来る情報を集中管理するシステムで、
DBとの連携など技術的に分かるところもあれば、リソース管理とかよくわからない内容もある。
内容は調べればある程度なんとかなるだろう。
なんともならない問題があるとすれば、納期だ。
わたし自身の雇用契約は来月末までなのだけれど、設定された納期は来月14日。
それまでに約600ページの翻訳。普通にやっていたらまずムリだ。
肝心の日本語原稿すらまだ出来上がっていない。
こちらが翻訳を開始できるのもいつかわからない状況で、どうしろと?

プロジェクトのリーダーは無理さ加減を承知しているらしく、納期までにできる限り進めて、
ある程度納期に遅れる部分が出てしまうの仕方がないと思っているようだ。
けれども彼は客先に出向いて開発していることが多く、わたしが直接指示を仰ぐのは別の担当者だ。
普段は翻訳とは無縁の職場なので、作業の進め方はわたしに一任してくれるのはありがたいの
だけれど、その担当は「翻訳なんてすぐに終わる仕事だろう」という認識しか持っていないようだ。
先が思いやられる。
勤務初日ですぐに翻訳できるものも無いから、過去の翻訳物をながめて用語表を作成して
定時を一時間ぐらい過ぎたあたりで帰ろうとしたところ、さっそく引き止められた。
今の段階で出来る事もそれほどないし、いきなりの仕事始めなので疲れきっていたのに。
残業を美徳とする職場。
この分だと今週の土曜日も出勤になるかも知れない。
来月の納期まで3週間、おそらく土日も出ることが多いだろう。
一ヶ月ぐらいならなんとかなるか。甘えた泣き言なんか吐いていられない。

帰りの電車でフロイトを読んだり、帰宅してドイツ語をやる元気がある程度は残っていたけど、
「ビジネス英語」を聞きながら最後にはウトウトしてしまった。
来週からは物を読む体力もろくに残らないかもしれないと思うと少し残念だ。
読みかけの本もかなりたまっているので気になるが、それでも働くことを優先しないと。
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at 2004 09/12 10:40

2006-07-02 13:06:32 | わたし
脳梁祭、静けさの内にて

またまた派遣会社の事務所に行かなければいけない。
職務経歴書をもって来いと言われた。

では印刷、というところでつまずいた。
インク切れ。こんな時に。

友人から貰い受けたやや旧式のプリンターなので、消耗品がまだ手に入るか不安になった。
カートリッジが無かったらフロッピーを持っていけばいいじゃない、
と某王女めいたセリフが頭をよぎる。
だめだ。
画面の前にじっと座るより手軽でいいやってことで、読みたいWebページがあると、
年中PDF化しては印刷しているので、インク切れはやっぱり困る。

とりあえず隣町の家電量販店に電話してみた。
量販店と言うとハッピを着込んだ威勢のいい方々を思い浮かべるのだけれど、
電話口に出たのは脱力系の店員。
それでも在庫の確認をしてくれたのだから、文句などあろうはずが無い。
幸いなことに対応するインクカートリッジはまだ生産・流通している。
ありがとうお兄さん。
ロシア語講座の再放送を聞くのはやめて、とっとと隣町に足を運んだ。

カートリッジはあった。安くない。
職探しに金が掛かるとはこれ如何に、などと言い始めても何も始まらない。
黙ってレジに並んで代金を支払った。

つつがなく替えのインクを手に入れて安心して家路についたはずが、
通り端の古本屋に吸い込まれた。
読んでない本が棚で腐っているのに、また手を出すのか。ワルイコダ。
最後にこの店に立ち寄ったときに、イーグルトンの文芸批評が並んでいたのを覚えていたのだ。
その話もずいぶん前のことだったので、店内を見回してみても、目当ての本は見当たらない。
失意の内に店を立ち去ろうかと言うとき、おなじみの100円売り場で
チャールズ・ブコウスキーの短編集(『町でいちばんの美女』青野聰訳 新潮社 1994)を見つけた。
以前友人から薦められていた本だ。元はといえば、イーグルトンを教えてくれたのも彼だ。
せっかくだから、本を手に持ってレジに並ぶ。

わたしの前に並んでいる男性が、ゲーム売り場の商品について店員さんに
ボソボソと苦情気味の質問をぶつけている。
口調は静かだが、彼の中で何かが盛り上がっているのが、
後ろに並ぶわたしにも圧迫感を伴って伝わってくる。
脳梁あたりの神経線維をピシピシと信号が行き交っているのだろうか。
ひょっとするとバースト中かも。

彼の立ち去った後、店員さんのみせた一瞬の表情は、シンプルではなかった。
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at 2004 09/07 15:16

2006-07-02 13:05:49 | わたし
裏目に出た

不採用の通知が来た。

肝心のトライアル、意訳しすぎで裏目に出てしまったようだ。
先方のエンジニアは「もっと素直に訳してくれれば」と言っていたそうな。
余分な知識がありそうなんで、中に入ってから上手くやっていけそうに無い
という評価までもらっていたようだ。うっはー。
エンジニアにまでそんな評価をもらってしまうということは、
わたしの翻訳も相当アレだったということだ。
意訳するにしてもやりすぎたか。

トライアルで落とされるということは、
翻訳者として使い物にならないと宣告されるのと同じだ。
情けない。
勉強不足なのは確かだ。
なにより向こうのWebサイトや企業案内でどんな訳が好まれるのかを知りつつも、
自分の好きなように訳したわたしに問題があったろう。
やはり、ガチガチの直訳と自己満足の意訳のあいだで、うまいことやらなければいけない。

不採用は残念だが、いい勉強になった。
いそいで次を探さないと。

教訓:過ぎたるは及ばざるがごとし
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at 2004 09/04 04:09

2006-07-02 13:05:14 | わたし
武器・・・武器はどれなんだ?

仕事の面接、気疲れした。まだ疲労感が抜けない。

少し緊張していたせいで、おとといはあまり寝つきが良くなかった。
目覚めた直後の頭の働きが良くない。
冷蔵庫から水のボトルを取り出して、一口すすった。
頭を活性化させる目的もかねて、日課のドイツ語の本を一時間ほど勉強した。
目が覚めた。

目的地はこれまで行ったことのない所なので、少し余裕を持って家をでた。
電車の中で、読もうかと思ってカバンにいれておいたベルの短編集を取り出す。
どうも気分がのらない。
そんなときに無理して読んでも面白くないので、カバンに戻した。

電車を乗り継いで一時間半、やっと現地にたどり着く。
相手先に出向く前に、派遣事務所の人と軽く打ち合わせするために落ち合うことになっている。
けれどわたしが着くのは少し早すぎた。

10分ぐらい待っていたら、30台後半ぐらいの男性に声をかけられた。派遣会社の営業担当の人だ。
お互い自己紹介をすませて、打ち合わせのため近場のファーストフード店に赴いた。
ファーストフード店でアイスコーヒーを注文したところ、5分ほど待たされた。
アルバイトの男性店員があたふたと駆け回っていたようすからすると、何か問題でもあったんだろう。
コーヒーを乗せたトレイをわたしが受け取り、席まで運んだ。

担当営業の男性は気さくな人だった。
あまり口数の多くないわたしの様子を見て、緊張を解きほぐす意味もあるのだろう、
冗談も交えながら面接の心得のようなものを伝授してくれた。
順風満帆とはいかない経歴だけれども、武器になる部分もあるのだから、
自信を持ってその点をアピールしたらいいとか、会社に入ってどんなことをしたいのか
思っていることを伝えなければならないとか、そんなことだ。
寝不足だったわたしの脳みそは、たやすく彼の暗示にかかったようで、気分がややハイになった。
30分ぐらいそんな話をしたあと店を出て、目的の場所に向かった。

90年代に建てられたと思しきビルの一角に、先方の事務所がある。
今回は社員募集の案件なので、営業担当の人は面接に同席できない。
面接が終わったら、彼の携帯に電話してまた後で落ち合うことになった。
エレベータの前で別れを告げる。閉じかけた扉越しに、頑張ってくださいと励ましの言葉をもらった。
これから独り乗り込むのだ。

受付のインターフォンで人事総務の番号を押し、名前と面接に来た旨を告げる。
すぐに案内係の女性がでてきて、別室に案内された。
研修などに使われそうなその部屋は、80名ぐらい収容できそうな大きなところだった。
片隅に計測機器のようなものも置かれている。
席について、面接担当官を待つように言われたので、和文履歴書、職務経歴書、
英文レジュメを彼女に手渡し、あとは置いてあった企業案内に目を通しながら、おとなしく座って待つ。

ほどなく面接官があらわれた。もっと年配の人が2~3人来るのかと予想していたが、
30代ぐらいの女性が、ひとりきりだ。

お互い笑顔で挨拶する、いい感じだ。面接は開始された。

さっそく学歴と職歴を、学校と会社を選んだ理由も含めて述べるように言われた。
学校については選んだ理由は一応それぞれあったので、なんとか切り抜けた。
問題はこれまで勤めてきた会社の方だ。どうしても自分がそこに行った理由を述べるよりも、
何故自分がそれぞれの職場で拾われたのか、そちらの方しか思い浮かばない。
仕方ないので、そんな話をしてお茶を濁した。
目的意識に欠けると評価されても仕方ないだろうな。

あなた自身について質問をしたいのだけどいいですか?と求められ、もちろんそれに応じた。
断れるものでもないだろう。
学校時代の勉強については完全に放置、持っている資格についてちょっと話す。
プロジェクトマネージャーやチームリーダーのマネゴトもしていたと職歴書に書いた点を突っ込まれ、
「どんな仕方でマネージメントをしてたのですか?」と聞かれた。
「上手くいかないことが多かったんで、眉間にしわを寄せて人の分の仕事は全部自分でやってて、
マネージメントになってませんでした」とは正直に答えられない。
「プロジェクト開始時点でミーティングを開き、さらにチームメンバー個々にヒアリングをかけて
スケジュールを調整していました」ととっさに答えた。
マネージメントの一環としてはありだろうけど、それに尽きるものなどではない。
答えとして弱い。が、それ以上思いつかない。情けない。

前職では何でも屋さんだったので、職務内容として記載した項目は多かったろうと思う。
端末保守とかもやらされていたことに、「どうしてそんなことまで?」という問いかけがきた。
「どっからか仕事がよってくる体質なんです」とジャブを放つ。やった。失笑を買ったぞ。

攻守ところを代えて、こんどはわたしが質問する番になった。
二三日前から先方のWebサイトをみて仕入れていたネタを元に、話しはじめる。
技術的な戦略拠点、各国の拠点配置の理由や、日本支社の役割を聞いて、
今後どういった戦略をとろうとしているのかたずねてみる。
翻訳の内容がどういうものになるのかにも関わるので、無意味な質問ではないはずだ。
話によれば、今後シェアの伸びを期待できる中国市場に対しては、現地に拠点は置かず、
他国の拠点からがんばるらしい。けれど日本支社は代理店的な存在にとどまり、
海外拠点で開発されたものを国内のみ販売するのが役割だ。
とすれば、翻訳も英⇒日がほとんどだろう。

翻訳者にどういう仕事を求められるのか聞いてみた。
エンジニア達は皆英語が達者なので、日本と開発拠点とのやり取りを中継する役割は翻訳者には無い。
当面、製品添付マニュアルや、顧客向けブロシュアの翻訳がほとんどになる。
各製品ごとに担当エンジニアが決められていて、翻訳者はエンジニアとチームを組んで仕事をする。
翻訳者を社内に抱え、製品マニュアルもウリの一つとする手を打ちたいらしい。
そうした意向は、すべて昨年就任した社長の意向なので、実行に移されるようになってから、
まだ日が浅い。なので、翻訳者はまだそれほど数が集まってはいないようだ。
その社長と言うのも、日本支社の社長をぶっ飛ばして、米国本社と兼任でやっているらしい。
「ええい、どけ!わたしがやる!!」というところか。そんな話を聞くと恐ろしい人物を想像してしまう。

どういった形で翻訳をしたいのか、どんな文書を作りたいのかと話を振られた。
別に面接用に用意した考えではないけれど、やはり文書を利用する人のことを考える視点は、
実務翻訳にはどうしてもあるべきだと思う。だから、現場のエンジニアやエンドユーザーの声を
汲み上げて、分かりやすいものを書きたい。
前職での事例も織り交ぜながら、そんな持論を披露した。
ありがとうございます、と言われた・・・ん~・・・

そうした話題もひとしきり済んだあたりで、渋い質問が連続で来た。
「仮に当社に入社いただいたとして、当社でどういう役割を果たしたいですか?
どう役にたっていただけますか?」
来るとは思っていたけど、こういうのって答えにくい。
そもそも自分自身を役に立つ人間ではないと考えてしまう、ネガティヴ思考の持ち主なんで、
非常に困る。
やりたいことと言えば、どういう仕方でマニュアルを書きたいのか、とかそのくらいしかない。
仕方ないので、「文書を利用する人たちの声をできるだけ取り入れて、それをフィードバックさせながら
翻訳をしたい。そうすることでマニュアルをウリにする戦略に対して積極的な役割を果たしたい」的な答えになった。
気が付かないうちに、マニュアル馬鹿になっていたのだな、わたしは。

さらに、質問は続く。
「ご自分の長所と短所を、教えていただけますか?」
短所はいっぱい思いつくんだけど・・・いや、まず長所か。
「いろんなものを集めて、そっから何かを導きだしたりするのが割りと得意です」みたいに、
無理やりにでも答えた。
短所の方は、ネガティヴ思考のことは触れずに、「仕事中毒気味なので、やりすぎでいけません」と
言っておいた。前職で身にしみてたことなので、これも事実なのは相違ない。

追い討ちをかけるように、もう一発来た。
「あなたにとって、会社とはどういうものですか?」
そうきたか!
会社と言うのは、結局は利益共同体だろうとしか考えていない。
そんな詰まらない答えは期待されていないだろう。
話をはぐらかすことになるが、わたしにとって仕事が持つ意味を話して、答えに代えた。
今思えば、答えになってなかったな。

今度は給与や待遇の話になった。
希望金額を聞かれたので、派遣会社から聞いている額を答えておいた。
いっぱいもらえるに越したことは無いが、わたしに値段をつけるのは先方の役割だ。
しかし、残業手当は一切つかないのが少し気になった。
「残業しなければならないのは本人の自己管理能力の問題」という社長の方針により、
そうなっているらしい。
さらにボーナスも無い。
会社自体が業績を伸ばせばそれに応じてインセンティヴは出るようにはなっているけれど、
黒字があまり無いのに無条件にボーナスなんか出せるかという考えだそうだ。
言われてみれば、まあそうかな。スジは通っているように思える。

徹夜で仕事をするのも良くないといわれたのが気にかかったので、
どうしてもやってはいけないのか聞いてみた。
わたし:「前職では三回ほど徹夜しました。職場の名物みたいな感じだったんで。それも無しというのは、ちょっと寂しい感じもするんですけど・・・」
面接官:「そうですね・・・私が入社してからそういうことがあったと聞いたことは無いですけど。場合によっては発生するかもしれませんよね。製品リリースまで間が無いとか、そういう場合は・・・」
面接官もわたしもニヤニヤしながら話すのであった。

一時間ほどやり取りをしたあたりで、面接はもういいだろうということになった。
終わりかなと思ったのだけど、ちょっとしたテストがさらに控えていた。

一端部屋を出て行った面接官は、ノートPCを持ってやってきた。
辞書なしで、一時間で320ワードを英⇒日翻訳するトライアルだ。
辞書無しということでビビってしまったが、引くに引けない。
わたしを一人にして、面接官はまた部屋を出て行った。
幸いなことに文書そのものの内容はそれほど難しいものではなかった。これなら辞書も必要ない。
けれど、ところどころ意訳すべきか直訳で行くかでとても悩んだ。
直訳してもおかしいだろうと判断して、意訳で行っといた。
意訳しすぎで裏目に出ないことを祈るばかりだ。

15分ぐらい時間があまってしまい、席でもじもじしていたら面接官が戻ってきた。
「少し早めに来たんですけど、やっぱりもう終わってましたか。」と彼女。
やはりそんなに時間のかかる課題ではないらしい。

フロッピーに落としたわたしの翻訳を持って部屋を出て行く彼女は、作文の課題を残していった。
制限時間は30分。与えられたお題は三つ。
a) 最近のニュースで興味を持ったこととそれについての意見
b) 期限どおり仕事が運ばないとき、担当者にどう接するか
c) 嬉しくない物をもらったときどう反応するか
二番目と三番目については、あまり深く掘り下げることもできず、さらっと流してしまった。
一番目のニュースネタも話の展開が中途半端だったろう。
なにより気になるのは、わたしの悪筆を読むのは楔形文字を解読するより難しい点だ。
提出するときに謝っといた。

面接の終わりの挨拶になったところで、「なにかこう、湧き上がって来た思いとかありませんか?」と
聞かれた。
それは考えてなかった。
面接そのものはとても楽しかったので、仮に不採用になってしまったとしても
面接してもらってよかったと、素直な感想を述べておいた。
こういうところで、もっと自己アピールしないといけないんだろう。
でも、面接を楽しみながら受けられてよかったのは事実だ。

社屋から出て、派遣会社の人に電話をしてから、
すでに駅のあたりでわたしをまっている彼と合流した。
お疲れ様と労われ、面接の様子を聞かれる。
先方がどう思っているかはともかく、わたし自身は面接を楽しめたことと、
本番前に励ましてもらってよかったことを伝えた。彼もすこし安心したようだ。

派遣事務所のある駅でわたしも電車を乗り換えるので、帰り道は一緒。
電車の中で、いろいろと話を聞いた。
「待ったく見込みがないようだったら、向こうもわざわざ時間を取って面接したりなんか
最初からしないから、悲観することも無い。自分の言いたいことや伝えられたいことを言えたなら、
あとは縁があるかないかなんで、待つしかない。」
そんなものなんだろうか。

別れ際に、きっと来週ぐらいには結果が出るだろうから、分かったらすぐに連絡すると言われた。
週末は結果を楽しみにして待てとのことだ。

では楽しみに待ちます。
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at 2004 09/01 14:49

2006-07-02 13:04:29 | わたし
猫をつれて面接したい

英文レジュメ、作成するにはしたけど、ながめてみると寒い。
体感温度が下がる。

派遣会社からは、自己PRの部分が弱いと言われた。
それを踏まえて和文履歴書と職務経歴書も直さなければならない。

PRねぇ。
「貴社をバンバンもうけさせて、自分もジャンジャン稼ぎます。」とか書いてみたい・・・

むむ、こんなことを書きなぐっている段階で、既に緊張している。
面接も猫をなでまわしながら受けられればいいのになぁ。
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at 2004 09/01 13:13

2006-07-02 13:03:52 | わたし
でっちあげ開始

面接の日程が明朝ということに決まった。

しかも英文レジュメも作製しろとの事。
これから書かなきゃ。

Objectiveは何て書こうか。いちばん困るな・・・
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