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名も無きねこに

at 2004 09/12 10:40

2006-07-02 13:06:32 | わたし
脳梁祭、静けさの内にて

またまた派遣会社の事務所に行かなければいけない。
職務経歴書をもって来いと言われた。

では印刷、というところでつまずいた。
インク切れ。こんな時に。

友人から貰い受けたやや旧式のプリンターなので、消耗品がまだ手に入るか不安になった。
カートリッジが無かったらフロッピーを持っていけばいいじゃない、
と某王女めいたセリフが頭をよぎる。
だめだ。
画面の前にじっと座るより手軽でいいやってことで、読みたいWebページがあると、
年中PDF化しては印刷しているので、インク切れはやっぱり困る。

とりあえず隣町の家電量販店に電話してみた。
量販店と言うとハッピを着込んだ威勢のいい方々を思い浮かべるのだけれど、
電話口に出たのは脱力系の店員。
それでも在庫の確認をしてくれたのだから、文句などあろうはずが無い。
幸いなことに対応するインクカートリッジはまだ生産・流通している。
ありがとうお兄さん。
ロシア語講座の再放送を聞くのはやめて、とっとと隣町に足を運んだ。

カートリッジはあった。安くない。
職探しに金が掛かるとはこれ如何に、などと言い始めても何も始まらない。
黙ってレジに並んで代金を支払った。

つつがなく替えのインクを手に入れて安心して家路についたはずが、
通り端の古本屋に吸い込まれた。
読んでない本が棚で腐っているのに、また手を出すのか。ワルイコダ。
最後にこの店に立ち寄ったときに、イーグルトンの文芸批評が並んでいたのを覚えていたのだ。
その話もずいぶん前のことだったので、店内を見回してみても、目当ての本は見当たらない。
失意の内に店を立ち去ろうかと言うとき、おなじみの100円売り場で
チャールズ・ブコウスキーの短編集(『町でいちばんの美女』青野聰訳 新潮社 1994)を見つけた。
以前友人から薦められていた本だ。元はといえば、イーグルトンを教えてくれたのも彼だ。
せっかくだから、本を手に持ってレジに並ぶ。

わたしの前に並んでいる男性が、ゲーム売り場の商品について店員さんに
ボソボソと苦情気味の質問をぶつけている。
口調は静かだが、彼の中で何かが盛り上がっているのが、
後ろに並ぶわたしにも圧迫感を伴って伝わってくる。
脳梁あたりの神経線維をピシピシと信号が行き交っているのだろうか。
ひょっとするとバースト中かも。

彼の立ち去った後、店員さんのみせた一瞬の表情は、シンプルではなかった。

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