島のまにまに~インドネシアの小径~

海洋国インドネシアのあちこちでで出会う、美しい村、美しいもの。自然とつながる暮らし。

きび御飯のナシプチル

2012-07-24 | 食べもの

私はインドネシアであまり立派なレストランに行かない。
インドネシアに住んでいればそういうところに行きたくなると思うが
旅人としては、なるべく普通の人と同じものが食べてみたいと思うので
できるだけ庶民的なところに行きたいと思っている。
それはメニューのことばかりではなく、お店のお客さんが外国人観光客ばかりというのも
インドネシア体験を求めるものとして、若干興ざめしてしまうのである。

レストランを否定しているわけではなく
そういうところにも、インドネシアの自慢の素材を伝統の、あるいは伝統と今をミックスした、あるいは今のオリジナルの料理法で、
きちんと気持ちよく食べさせてくれるところがあるということはわかっているが、
外れもありそうなので、誰かの案内がなければそういうところに
あまり行く勇気がない。

いきなり脱線している。

上のような前提のもとに言わせてもらえば
インドネシアの外食は、ワンパターンである……
地域が変われば中身も多少変わるが
一つの町の中ではどこへ行っても同じ、という印象がある。

しかも、どの町でも、食堂はナシチャンプルーかパダン御飯(あえてパダン料理とは言いたくない)、それにナシゴレンとミーゴレンと、鶏のから揚げ、牛肉団子……
これは初めてタナトラジャに行ったときの感想なのだけど。
まるでどの店もどの店も
うどんと親子丼とカレーライスとお子様ランチと天ぷら定食しか置いてない、という印象。
他店との差別化を考えてみたらいかがと言いたくなる。

インドネシア人の食生活はこのように貧困なのか?との疑問に、
マカッサルに長く駐在していた松井さんが証言した。

「みんな家の中ではこんなもんじゃなくて
もっと野菜もいっぱいの、揚げ物ばっかりじゃない、
べらぼうにおいしいものを、ふんだんに食べているんだよ」……

松井さん自身、いつも料理係のお手伝いさんに
そのようなおいしいものを食べさせてもらっているというのである。

くやし~い!


前置き長い。


どの町、村にも、そこの人たちが昔から日常的に食べているようなもの、ナシゴレンやミーゴレンじゃないものがあるはずだ、という確信のもとに言うと、
外食でそういったものを食べようと思っても、極めて難しい。

なので、ジャワ島バトゥの朝の屋台で
「きびごはん」を見つけたとき、驚いたとともに、どんなにうれしかったことか。

御飯にとうもろこしを混ぜて炊いているものである。
この御飯の上にいろいろおかずを載せたのをナシ・プチルと呼んで売っていた。
売っていたのはまだ30歳にもならないような若い奥さん。
聞くと、このきび御飯はバトゥで伝統的に食べられているものだという。
それを外食メニューにしようとしたこの人、ほんとエライ!と
私は絶賛してきた。

そのアイデアだけでなく、味も最高だったのだ。

ナシプチルの続きはまたいつか。


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