【小松隆次郎】自転車の欠陥が原因で転倒し、重傷を負ったとして、茨城県つくば市の男性らが自転車を輸入した「サイクルヨーロッパジャパン」(東京都千代田区)に計約2億4100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(白井幸夫裁判長)は25日、計約1億8900万円の支払いを同社に命じた。
判決は、自転車の前輪と車体をつなぐ部分が走行中に分離したことについて、自転車の欠陥だと認定。サイクル社に製造物責任法(PL法)に基づく賠償責任があると結論づけた。
訴えていたのは元会社社長の中島寛さん(63)と、中島さんを介護する妻の典子さん(60)で、2人に対しては約1億5千万円の支払いを認めた。このほか、事故による保険金を中島さんに支払った保険会社には約3900万円の支払いを認めた。
判決によると、転倒事故は2008年8月、つくば市内の路上で発生。中島さんはスポーツタイプの自転車を走行中に転倒し、顔面などに重傷を負った。頸椎(けいつい)や脊髄(せきずい)を損傷したため、全身まひで首から下が動かなくなる後遺症が残った。
自転車はイタリアの「ビアンキ」ブランドで、台湾の自転車メーカーが製造し、サイクル社が輸入していた。サイクル社は訴訟で、事故は前輪に異物が挟まったために発生したものだと主張していた。