南西諸島貝殻学入門

分子細胞生物学と博物学の分野に跨る「貝類学」を、初歩から学んでみましょう。美術学や数学的な見地からも興味をそそられます。

奄美ちゃんのつれづれ草 -016

2012年07月22日 | 日記

 

茜ちゃんのつれづれ                                   
                                                          
                          -016

 

 大島海峡で見かけた海上自衛隊の同型の潜水艦

 

 夏休みも始まり日本全国、全世界が太陽を求めて今日は山、あさっては海とあちらこちらへと出かける方が多いと思います。先日、筆者が奄美大島の古仁屋という街に買い物がてらフェリー乗っておりました。

フェリーが港に近づいて来ましたところ、港の少し沖合いに鉄の塊みたいな、見たこともないものが海に浮いています。だんだんフェリーが近づきますと何と海上自衛隊の潜水艦でした。大島海峡はもともと軍事基地でしたから、護衛艦や輸送艦などの結構大型な艦船が見受けられますが、潜水艦ははじめてでした。

 

海上自衛隊呉資料館・・潜水艦 あきしお 

                                 WIKIより掲載

 詳しいことは解りませんが、これと同じ型のものでした。たまたまカメラを持参していなかったので残念なことをしました。

基準排水量 2450t    速力 20ノット   乗員75名 

全長 77mx 幅 10.5m 深さ 7.7m

*1 旧日本海軍の時代には、基準排水量10,000tクラスの潜水艦を保有していた。当然のことながら世界最大級。戦闘機を搭載して潜水艦の中から離陸発進ができました。終戦当時ハワイ沖にて米軍に投降。

*2 WIKI・・・日本海軍の伊四〇〇型潜水艦(潜特型)が唯一の存在である。第三帝国海軍のUボートXI型など計画されたが、実際に完成させたのは日本海軍のみである(伊四〇〇型潜水艦 - 3機搭載、伊一三型潜水艦 - 2機搭載)。局地への奇襲用に、魚雷/800kg爆弾という通常の艦爆・艦攻と同等の攻撃能力を持たせた特殊攻撃機を運用する点でも他国とは一線を画す(フロートを投棄すれば一線級の艦上機並の性能を発揮できた点でも特異である)。

 大島海峡を出ると東シナ海に入りますが、中国大陸まで島が有りません。ある意味では大変なところなのです。密入国などの危険が何時もあります。でも、潜水艦が浮上しているところを見るなぞ、まだ平和なんですね。

 

 

海馬>のメカニズムとCREB

先回は体外から入ってきた情報を、長期記憶と短期記憶に振り分ける機能が、大脳基底核から延びる2個の<海馬>という器官に備わっているということをお話しました。CREBというたんぱく質がその作業の主人公のようです。

CREBにはいる前にもう少し海馬について書いてみたいと思います。

  <脳の持ち主より、細胞のほうが物事をよく覚えている?

神経外科医のグループ(カリフォルニア大学ロスアンゼルス校)が癲癇患者の手術準備中に、長期記憶に関連した細胞が発信する信号の記録に成功しました。その手法は神経細胞に電極を差し込んで直接記録をとる方法でした。

 

 

あらためてそこで解ったこと・・・・

A  入ってくる情報は幾つ物の要素に分解される・・・・例えば、顔、文字、色は  それぞれ、脳の皮質の違った領域に整理される。

B  顔の内でも個別性、表情、性別、などの特別な意味を持つ要素は、皮質の別々の場所に分かれて受け入れられる。

以前話しました分散処理を行っているということの再確認になりました。ただ、ここで重要なのは・・・・・・

各大脳皮質の各場所で格納された情報の要素を、どのように統合されるのか、つまり読み出してきて、一つの纏まった記憶に再生するメカニズムは未だに未解明であるということです。

 

                               

                場所細胞という細胞組織・・・・

結論に行く前にもう少し寄り道をしてみます。<場所細胞>について

・・・・鼠やラットの海馬の中には<場所細胞>という細胞があります。自分のいる位置を覚えておく、彼らにとっては非常に大事なものです。初めての環境に入れられた鼠やラットの海馬は新しい場所を記録するために、海馬の細胞の多くが動員されます。その時現れた細胞の信号を記録しておけば、その後、どの細胞が活動しているかを見ることによって、鼠がどこにいるか分かる・・・・・

面白い経験・・・場所細胞の働きかな?・・・・先日面白い経験をしました。

 筆者の家の近くの竹林の中に1軒の廃屋があります。そこに一匹の雌の親猫が住んでいます。 たまに自宅を訪れる程度でめったに顔をみせません。ある日、珍しく玄関で顔を会わせました。私の顔を見ながら物言いたげに<みゃ~ん>と泣いて去っていきました。

数時間後、同じ場所に生後2~3ヶ月の真っ白い雄の子猫が泣いておりました。何時までも居りますので、迷ってきたと思って廃屋の場所まで連れて行って置いて来ました。その間は数十mも離れております。

一時後、<みゃ~、みゃ~>と泣き声がしますので、見ますと、玄関の同じ場所で先ほどの子猫が泣いています。それで次に、自宅から百m以上も離れた猫を飼っている方の家から迷っきた子猫と考え、家の近くの原っぱに置いて来ました。恐らく人間か親猫が気が付くだろうと思いましたので・・・・でも、一時後には玄関に戻ってきておりました。

同じことを5回ほど繰り返しました。どうしても戻ってくるのです。自宅には雌の子猫が居ますのでもう飼えません。困りました。でも、どうして戻ってこれたのでしょう。直線的な歩き方では行けない地形ですし、抱いて連れて行きましたので、猫の匂いは地面には付かなかったはずです。

 

 皆さんはどのように考えますか?・・・・・この子猫は自分や私の匂いで元の位置に戻ってきたのでしょうか。親に連れられてくる途中の辺りの匂いを覚えていたのでしょうか。・・・・・結論を申しますと、「猫の海馬にある機能、海馬の主な役割は空間的な記憶を形成すること」であろうと思います。そんな能力が子猫に備わっていたのですね。

人間の海馬にはもちろんこのような機能も備わっていることでしょうが・・・個人の顔や表情に関心を払うことに大きな意味をもっている・・・ということのようです。特に注目すべきは・・・前に見せた顔を被験者の方では覚えていないのにもかかわらず、細胞の方では見たことが有るという反応がでる・・・ということです。

つまり<脳の持ち主より、細胞のほうが物事をよく覚えている?>ということになります。雲を見上げてそれが人の顔に見えたり、石の表面の模様に人間の顔形を見つけたり、何かの模様や写真の何げないものに人間の顔を見つけたり・・・よくありますね。これはひょっとしたら海馬の細胞の仕業かもしれません。

 

 

 海馬の短期記憶といっても数秒位から2年程度の時間的なスケールがありますので、人間の本能としての隠れた意識下のメカニズムが海馬で働いているのかもしれません。海馬は解剖学的にはそんなに大きな臓器ではありませんが、素晴らしい機能を持ってますね。・・・・・・でも、本当にここに一時的にも記憶が格納うされ、判断機能を持つのでしょうか?・・・不思議です。

今回はお約束の「覚えておくもの、忘れていいもの」の切り替えスイッチの働きをするたんぱく質・CREBについて書くはずでしたが、Time Overになってしまいましたので、次回にしましょう。 ごめんなさいね!

 

      Tea time  喫茶店

 物質の構成要素

 我々は義務教育の理科の時間で、物質は細分化していくと、分子になりそして原子に行き着くと教えられました。では原子以下の構成物質はないのでしょうか。

チャート式(数研)物理 B (高校物理参考書) を見てみるとビックリするくらい、数学の嫌いな人なら眩暈がしそう数式が書かれています。書かれている内容も結構レベルが高い。恐らく最難関の国立大の入試レベル以上でしょう。

筆者のお爺ちゃんが使っていた物理の教科書は当時(1960年代)、国内最高のレベルを誇っていた教科書を使っていたそうですが(当時の先生の自慢?)、残念ながら「原子」の問題には触れておりませんでした。当然のことながら履修は出来ませんでした。 最近のチャート式物理のレベルに脱帽!

* 今回からは参考書として、下記の著書も使います。九州大学のセミナーで使用していた資料をその後「わかりやすい量子力学入門」として出版されたものです。

 

 

 それでは少しづつ解き明かしていきましょう。 普通の教科書や参考書ですと、「電子と光」から入るのが一般的なのですが、<原子の構造と原子核の構造」から入ってみましょう。

何方もご存知の通り、物質を構成している最小単位は原子と呼ばれております。分子は複数の原子によって構成されております。特に生命体を構成しているアミノ酸や高分子化合物などは、非常にたくさんの原子の集合体です。

この宇宙空間において今のところ最も量が多く存在し、最も簡単な原子は水素(H)ということになっております。 

* 暗黒物質」、「暗黒エネルギー」という存在がこの宇宙空間の大部分をしめているようですが、未だ未解明の存在です。 

 

              

         原  子=   原子核電子

         原子核= 陽子 + 中性子

原子模型・・・・物理の歴史の中でこの原子の構造については

1- 無核原子模型 (J.J.トムソン) と 2- 有核原子模型 (ラザフォード)の2種類が存在しました。

 無核原子模型・・・・正電気を帯びた原子の雲のような球状のものの中に、負電気をもつ電子が散在し、原子全体としては中性の状態になっている 

 有核原子模型・・・・放射性元素から放出されるアルファー粒子を薄い金属箔に照射してその散乱状態から、中心に原子核が存在することを提唱しました。

 

 

天然に存在する放射線にはα線、βー線、γ線の3種類があります。その中のα線は陽子が2個、中性子が2個のHe(へリューム)の原子核です。電荷は+2eでこれをアルファ粒子といいます。3種類の放射線の中で物質の透過力は最も弱い。

このアルファ粒子を原子に放射すると、中心核に衝突した時は大きく反跳しますので、中心部に+の電荷を持った原子核が存在することが解りました。上の右の図は炭素の原子模型です。電子(核外原子)6個存在します。つまり、原子番号Zに等しい電子が原子核の周りを取り巻いているということです。

 

 

 中心の原子核は10-14~15マイナス14~15乗)m、核外電子が10-10 mの範囲内で原子核を中心として回転運動をしている。これをラザフォードの原子模型といっています。

* 参考書によってはm表示とcm表示の2種類がありますので気を付けて下さい・・・・・10-14~15 m=10-12~13 cm・・・・1m=100cm

原子全体の質量は原子核が殆どを占めており、原子核の大きさは原子全体の1/10、000以下であることが解りました。

次回は最も軽量の原子である原子番号1番・水素の原子構造と原子核について、書いてみたいと思います。 

 

 

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